地熱情報研究所

地熱情報研究所の立ち上げにあたって
地熱から少し離れて
最近の日本の地震活動 最近の日本の火山活動

地熱関係他機関の活動状況

1)「日本地熱学会誌より(日本地熱学会)

2012年4月発行 第34巻第2号
巻頭言「火山の恵みに満ち満ちた指宿から」鹿児島県 豊留悦男指宿市長
「地元の火山・地熱資源に関する深い理解に基づいて、再生可能エネルギー利用への期待を述べるとともに、地熱開発と温泉の共生における、一般市民・温泉関係者の理解の重要性を指摘」


主なニュース

  1. JICA中南米諸国向け地熱研修のため6か国から関係者来日(松田鉱二)
  2. IGA理事会及び2012地熱ワークショップ福岡開催報告(安川香澄)
  3. 日伊共同地中熱セミナー開催報告(桂木聖彦・藤井 光)
  4. 第37回スタンフォードワークショップ報告(柳沢教雄)
  5. 第1回ITB地熱ワークショップ報告(糸井龍一)

論文1 奥会津地熱地域における自然電位モニタリング(西裕司・石戸経士)
長期間にわたる観測とその解釈を試みている。また、モデリングの拘束条件への可能性を指摘している。モニタリングデータを持続可能な発電の実現に活かす、特に、持続可能な発電量の評価に使うという視点から捉えられるようになると、より有効な手法となるのではないか。

論文2 地殻応力下における単一き裂の透水性評価(松木浩二・坂口清敏・木崎彰久)

単一き裂の透水性をある条件下で数値モデル化している。その範囲では一定の議論が可能となっているが、現実の、多様な構造、多様な応力下での複数き裂問題への適用ということを考える場合、今後いっそうの研究の展開が望まれる。

2)「地熱技術」誌より(地熱技術開発株式会社)

2012年5月発行 Ser.No.80, Vol.37,Nos.1&2
巻頭言 
 地熱開発に向けて技術開発を(松永 烈)
特別寄稿
 高温岩体の思い出(国際協力を中心に)(厨川道雄) 
海外情報
 第9回アジア地熱シンポジウム開催報告(安川香澄)
国内情報
 地熱発電に関する最近の動向と環境省の取組(平塚次朗)
 JST環境共生地熱開発のための計測・探査技術に関する調査研究の成果(浅沼 宏)
トピックス
 地熱の有効利用とエクセルギー(石戸経士)
 第6回再生可能エネルギー世界展示会(RE2011)報告(柳沢教雄・矢野雄策)
技術紹介
 地熱井用低合金ケーシングについて(佐倉弘持)
 塩化水素ガス混じり蒸気の発生と対策について(花野峰行・福田大輔)
現場紹介

  霧島国際ホテルにおける小型地熱発電等温泉地熱の多目的利用について(大窪三郎)

3)「温泉科学」誌より(日本温泉科学会)

2012年6月発行 第62巻第1号
巻頭言
 温泉に関わる諸問題(坂元隼雄)
会長挨拶
 会長再任にあたり(西村 進)
原著

別府温泉明礬地区におけるカオリナイト質粘土を用いた湯の花の生産(一国雅巳・相澤省一・吉川和男・加藤暢浩・大谷大二郎)
温泉水(硫黄泉)の効能の可視化(教育的効果)(栗田繕彰・タナツクソン バリア・池田茂男・大河内正一)
熱水環境中の有機成分の環境地球化学的特徴と起源に関する研究 2.箱根火山の早雲山および大涌谷の堆積物(井上源喜・佐藤隆行・大山正雄・竹村哲雄)

特集「北海道の温泉」

「北海道の温泉」の特集に当たって(大塚吉則)
北海道の“従来温泉地”と“新規温泉地”(原著)(松波武雄)
携帯電話とQRコードを使った温泉地情報の発信(技術報告)(鈴木隆広)
水中運動と温泉入浴を組み合わせた健康増進活動の効果-北海道M市での研究-(原著)
(内野栄治・青柳直樹・市橋大山)霧島国際ホテルにおける小型地熱発電等温泉地熱の多目的利用について(大窪三郎)

4)「地熱発電の現状と動向 2010・2011年」(火力原子力発電技術協会)

2012年3月発行
  1. 地熱発電及び地熱開発の動向
    地熱発電の動向:2010年度、暦日利用率56.1%に低下
    地熱関係各社・団体のトピックス
    (1)霧島国際ホテル(株)、(2)東北電力(株)、(3)東北水力地熱(株)、(4)奥会津地熱(株)、(5)富士電機(株)、(6)電源開発(株)鬼首地熱発電所、(7)地熱学会、(8)新エネルギー・産業技術総合開発機構、(9)湯沢地熱(株)、(10)(株)東芝における、平成21・22年度の活動概要紹介
  2. 地熱発電所の現状
    発電所別、年度別運転状況(認可出力、最大電力、発電時間、発電電力量、稼働率、利用率、負荷率、所内率、坑井使用状況、年度別坑井使用本数)
  3. 国の地熱開発関連予算の推移と平成22・23年度実施概要
  4. 国による地熱エネルギーの開発調査
  5. 国による地熱技術の研究開発
  6. 企業の地熱開発地点及び地熱調査地点
  7. 日本のメーカーによる地熱タービン・発電機製造
  8. 近年の海外新規地熱発電所建設概況
付録
世界各国の地熱発電設備容量(2010)、世界各国の発電設備に対する地熱発電設備の割合、わが国及び世界の地熱開発年表など

5)「自然エネルギー白書2012年」より(環境エネルギー政策研究所編、発行:七つ森書館)

2012年3月発行
わが国の自然エネルギー政策の具体的課題、地域別ポテンシャル、中長期シナリオなど、わが国の自然エネルギーについて幅広く扱っている。

はじめに 3.11後の自然エネルギー革命へ

  1. 第1章 国内外の自然エネルギーの概況
  2. 第2章 国内の自然エネルギー政策
  3. 第3章 これまでのトレンドと現況
  4. 第4章 長期シナリオ
  5. 第5章 地域別導入状況とポテンシャル
  6. 第6章 提言とまとめ
なお、地熱に関する執筆では以下の方が参画している。安達正畝(日本地熱開発企業協議会)、江原幸雄(九州大学・日本地熱学会)、野田徹郎(日本地熱学会)、笹田政克(地中熱利用促進協会)、松永 烈(日本地熱学会)。

6)九大地熱・火山研究報告(九州大学九重地熱・火山研究観測ステーション)

2012年3月発行(江原幸雄教授 退職記念号)
九大地熱・火山研究報告第20号 江原幸雄教授記念号の発刊に当たって(糸井龍一)
江原幸雄教授の略歴
江原幸雄教授の業績
論文

地熱貯留層の開発・評価の実際と今後の課題について(田篭功一・斉藤博樹・鴇田洋行・松田鉱二)
岩手県八幡平市松尾八幡平地域の地熱資源ポテンシャル(梶原竜哉・柳谷茂夫・荒井文明・吉田昌幸・花野峰行)
山葵沢・秋の宮地域の地熱開発調査(赤坂千寿・中西繁隆)
マルチ送信高比抵抗探査装置を用いた鬼首間欠泉の比抵抗モニタリング(神宮司元治・高倉伸一・小川康雄)
火山地域での空中電磁探査―火山災害防止への適用―(茂木 透)
阿蘇カルデラ地域の地震活動・地殻変動と地熱活動(須藤靖明)
Preliminary Result of Gravity Monitoring on Aso Volcano Field, Central Kyushu (Yayan SOFYAN, Shin YOSHIKAWA, Jun NISHIJIMA, Yasuhiro FUJIMITSU, Yoichi FUKUDA, Tsuneomi KAGIYAMA, Takahito KAZAMA and Daisuke OKA)
熱収支法による放熱量測定の精度評価―人工発熱体を用いた実測値との比較―(押方彰平・藤光康宏)
雲仙火山地域における熱水系の数値シミュレーションと資源量評価(古賀大晃・分山達也・江原幸雄)
流体流動を考慮した九重火山地域の広域的熱構造モデリング(古城昌英・江原幸雄)
Magmatic Hydrothermal System beneath Kuju Volcano, Japan and Its Change after the 1995 Phreatic Eruption (Sachio EHARA, Yasuhiro FUJIMITSU, Jun NISHIJIMA, Koichiro FUKUOKA and Masayuki OZAWA)
噴気放熱量および噴気温度変化データに基づく九重火山水蒸気爆発過程の熱的モデリング(古賀勝利・江原幸雄)
九重火山地域から放出されるCO2量の評価(前田典秀・江原幸雄・野田徹郎)
GISを用いた日本の再生可能エネルギーの評価(分山達也・江原幸雄)

研究成果 論文および講演(2010年)

7)IGA NEWS(国際地熱協会)

April-June 2012, Quaternary No.88

ホーン会長からのメッセージ

2012年3月以降のドイツ、中国、日本で開催された3つの地熱に関する会議の紹介
1)ドイツで開催されたGeoTHERM Congressには32か国3477人参加。WGC2010を超える参加者。ヨーロッパでの地熱の商業ベースでの活発化を反映。
2)中国では深層熱水開発に関する国内第1回会議参加者120人。北京南部で3300~3600mの3本の井戸掘削。坑口圧力0.52~0.8MPa、坑口温度103~118.5℃。熱水および蒸気の生産。今後、冷暖房、バイナリー発電、蒸気供給等のプロジェクトの計画。
3)日本(福岡)では、IGA理事会開催に合わせて、国際地熱シンポ開催。3.11後、日本の地熱開発が劇的に変わりつつあることおよび多数の地熱への新規参入者の存在の指摘。

中国及び日本の地熱開発がルネッサンスを迎えつつあることおよびヨーロッパでは全速力で走っているとの印象。


IGA Geothermal Conference Databaseに新たな追加

これまで4832論文が収録。2012年3月に福岡で開催された国際地熱シンポジウムで発表された14論文が追加された。

イタリアで新しい「地熱マニフェスト」作成

2006年に、2020年までの地熱マニフェストが作られたが、ヨーロッパの経済危機を迎え、将来のオイル価格等想定環境が大きく変わったため、新たに2030年までの地熱マニフェスト作成。より積極的なシナリオIIでは、地熱発電設備量は882.5MWe(2010)、1150MWe(2020)、2000MWe(2030)となっている。一方、直接利用は地中熱利用を含め、設備容量が1000MWth(2010)、1920MWth(2020)、5620MWth(2030)と、発電に比べ熱利用の大幅な進展か期待されている。

ドイツの企業が東アフリカ諸国の資源量評価の支援

エチオピア、ケニヤ、ルワンダ、タンザニア、ウガンダにおいて地表調査及び掘削に基づいて発電用資源量評価。48か月で350万ユーロ。

8)GRC Bulletinによる世界の動向(Geothermal Resources Council)

Vol.41, No.3, May/ June 2012
Communication from the GRC
Inside Geothermal: United States, International, Education, Science, Technology
United States の項目の中で、「3月22日ニューメキシコでのエネルギー戦略の発言の中で、オバマ大統領は石油・ガスの増産、バイオ燃料、風力、太陽光発電の増産についても触れたが、地熱には触れなかった。また、4月11日のニューヨークタイムズでも10ページにわたるエネルギー特集記事の中で、地熱には触れられていないという。アメリカにおける地熱の状況は、多くの地熱開発地点でプロジェクトが進行しつつある反面、ヨーロッパあるいはわが国と、取り巻く事情が多少異なっているようでもある。なお、Internationalの項目では、カナダ、スイス、カナリー諸島、スペイン、トルコ、ホンジュラス、コスタリカ、チリ、ボリビア、ニュージーランド、フィリピン、インドネシア、日本、中国、アイスランド、ケニヤ、オーストラリアに関する記事が掲載されている。また、Technologyの項目の中で、レーザーを使った掘削の研究開発に触れられている。
Transitions
Recent Exploration Activity in Nevada-Spring 2012

ネバダ州において、現在推定されている資源量(発電量換算)とともに、2011年に行われている70地点の地熱開発地域の概要が紹介されている。

Publications, Videos, Maps
 新たに改良されたGRC Online Libraryの紹介等。

Calendar of Events

9)その他

日本エネルギー学会誌(Journal of the Japan Institute of Energy) 5月号
2012年5月発行 91巻、391-404
GISを用いた再生可能エネルギーのポテンシャル評価とその九州地域への適用(分山達也・江原幸雄)


月刊誌 産業と環境 6月号 特集2 拡大が進む再生可能エネルギービジネス
2012年6月発行 第41巻5号
わが国の地熱発電の新しい展開(江原幸雄)


月刊誌 環境管理 7月号特集1地球熱利用の展望と課題
2012年7月発行。第48巻7号
地熱エネルギー開発利用の現状と将来展開(江原幸雄)
地熱発電開発と規制の見直しについて(環境省国立公園課)
地中熱利用の現状とこれから(笹田政克)
地熱資源開発における地下水への影響(平山利晶)
東京スカイツリー地区熱供給施設の地中熱利用(今野真一郎・吉田直裕・岡垣 晃)


季刊誌Ohm Bulletin
2012年7月発行 VOL.48夏号 通巻194号

地熱エネルギー開発が日本にもたらすもの(江原幸雄)

(2012年8月15日現在)

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