地熱情報研究所

地熱情報研究所の立ち上げにあたって
地熱から少し離れて
最近の日本の地震活動 最近の日本の火山活動

最近の日本の火山活動

2011年3月11日に発生した東北日本太平洋沖地震発生(M9.0)によって、日本列島の多くの火山の活動が活発化したことが知られています。一方、近年、日本列島の火山は、有珠火山、三宅島火山、雲仙火山などで比較的規模の大きい噴火活動が生じ、多くの人命の損失、住民の長期間にわたる避難、建物・田畑等の損害等多くの火山災害を受けてきました。しかしながら、1783年の浅間山の大噴火、1914年の桜島火山の大噴火などのような大規模な噴火は、幸運にも、近年発生していません。また、富士火山も1707年の宝永の噴火以降、噴火活動が休止しています。数年前に、富士火山直下の低周波地震活動が活発化し、噴火の心配がなされましたが、その後何事もなく経過しています。また、東北日本太平洋沖地震直後、富士火山の直下20km程度の深さでM6を超える地震が発生し、富士火山直下のマグマに影響を与えることが心配されましたが、その後特別なことが生じることなく現在に至っています。

過去の噴火史を見る限り、わが国は繰り返し大きな噴火を経験してきました。現在のわが国の噴火予知のレベルは、大きな噴火活動を見逃すことはないと見られていますが、噴火の形態・規模の予測、あるいは噴火発生後、どのような経過をたどるかについての予測等は極めて困難と言わざるを得ないと思われます。しかし、近い将来、過去に起こったような噴火が繰り返すことは十分予測されます。

このようなことから、今後も規模の大きな噴火を含めて、火山噴火が繰り返すことを十分認識し、大きな噴火が発生した場合、どのように対応するかを日常的によく考えておくことが重要です。火山の近くに住んでいる方々には特に重要と考えられます。噴火の発生そのものは人間の力でどうすることはできませんが、被害をより少なくすることは私たちの対応により十分可能です。普段の火山活動に注意を払う習慣をつけることにより、噴火が発生したときの対応を事前に考えておく一助になると考えています。

そのような観点から、日本列島の火山活動をWeb上で確認することができるサイトを以下に紹介します。普段から、時間のあるときに、これらのWebを訪問することにより、噴火に関する感度を上げることができれば、火山災害をより少なくすることができると思われます。

http://vivaweb2.bosai.go.jp/

このWeb siteによれば、日本列島の多くの火山活動をよく理解できるとともに、火山に関する多くの基礎知識を得ることもできます。是非とも覗いてみてください。

また、日本各地の火山の映像を、リアルタイムで、以下の気象庁のサイトで見ることができます。

http://www.seisvol.kishou.go.j p/vo/32.php

(2012年8月15日)

Institute for Geothermal Information. All Rights Reserved.