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『冥王星の海、なぜ凍らない?=ハイドレート層が保温か-北大など』 5月21日のインターネット情報(時事通信社 2019/05/21 00:16)はこう報じている。極寒の冥王星の地下に「海」がなぜ存在できるのか-。北海道大などの研究チームは、地表を覆う氷と地下にある海の間にメタンハイドレートの層があれば、水が凍らず存在できることを数値シミュレーションで明らかにしたという。論文は21日英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に掲載されるという。地下海は土星や木星の衛星にもあるが、極寒の冥王星でも液体の水が維持できる仕組みが解明されると、地球外生命の可能性がより広がることになるという。2015年7月に接近した米探査機ニューホライズンによる観測から、冥王星は表面を覆う氷の地殻、その下に地下海、中心に岩石核があると考えられている。岩石核に含まれる放射性物質が熱源になるが、太陽から遠く離れた冥王星の表面温度は零下220℃と低く、地下海が凍らない理由は分かっていなかった。北海道大の鎌田俊一准教授らは、低温・高圧環境でメタンが水と結合して結晶化するメタンハイドレートが氷に比べ、熱が非常に伝わりにくいことに着目。岩石核内の有機物から供給されたメタンが氷の地殻と地下海の境界にメタンハイドレートを作ると仮定し、冥王星誕生から現在までの約46億年間、内部の温度変化を数値シミュレーション計算した。その結果、ハイドレート層がないと10億年近く前に地下海は凍結するが、存在する場合は「断熱材」として働き、ほとんど凍結しないことが判明したという。表層の氷はすぐに冷え切って固くなり、観測されたように不均一な厚さになることも分かったという。⇒壮大でかつ緻密な研究で、実に興味深いものである。
『石炭火力 新規投資せず 丸紅社長 LNG一括受注へ』 毎日新聞5月21日付朝刊はこう報じている。 丸紅の柿木真澄社長は毎日新聞のインタビューに応じ、温室効果ガスの多い石炭火力発電について「一電力ビジネスにとどまらず、会社そのもの持続性に関わる」と述べ、新規投資を進めない意向を示したという。代わりに排出量が比較的少ない液化天然ガス(LNG)を調達から発電まで一括受注していく考えだという。4月1日付で社長に就任した柿木氏は、主力の電力部門出身。世界20カ国以上で総合商社最大となる計約1200万kW(原発10基相当)の発電容量を保有する丸紅は、現地の電力会社に卸売りをしているほか、国内では電力の小売もしている。発電容量の4分の1を石炭火力が占めているという。柿木氏は、欧州の金融機関などが地球温暖化対策の観点から石炭火力への投資を取りやめる動きを念頭に「(石炭火力関連設備は)3年後には誰も欲しがらなくなる可能性がある」と指摘し、新規投資を断念する考えを示したという。石炭火力の発電容量は減るが「再生可能エネルギーやガス火力でカバーできるので問題ない」と述べたという。LNGを燃料とする火力発電では「今後は調達まで担いたい」と述べ、LNGの調達から発電まで一括して売り込む意欲を見せたという。丸紅は石炭火力の容量を2030年までに半減させるとともに、約1割にとどまる再生可能エネルギーの比率を23年までに倍増させる目標を掲げているという。全社的な取り組みとしては、急速なデジタル化といった環境変化に対応した新ビジネスの創出に今後3年間で2000億円を投じる計画を示し、「変化は商機だ」と強調したという。4月に新設した100人体制の「次世代事業開発本部」と既存の13営業部との連携を強め、30年の利益貢献を見据えて成長分野に積極投資するとしている。⇒さすがに世界を相手にしている企業のトップだ。世界の流れを見通し、石炭火力のフェーズアウト、再生可能エネルギーへのシフトと完全に前向きである。一時LNGへのシフトを考えているようだが、一気に再可能エネルギーに走るのはリスクがあるとの見方からだろう。丸紅は地熱発電にも少なくない関与をこれまでしており、筆者(江原幸雄)は長期的視野から見て、地熱発電は有望と考えているので、地熱発電への指向も期待したいところである。
『豪雨被害20分先予測 早大など システム無料公開へ』 毎日新聞5月21日付朝刊はこう報じている。早稲田大や東京大などの研究グループは20日、ゲリラ豪雨による東京23区内の道路の浸水状況を20分先まで予測できるシステムを開発したと発表したという。都市部では冠水した道路から地下通路などに水が流れ込む被害が発生しており、来月中にもウェブサイトで無料でシステムを使えるようにして、避難などに役立ててもらうという。研究グループは、河川や下水道に加え建物の密集状況などを考慮し、都市部での水の流れを予測するプログラムを作成。気象庁などの観測雨量や予測データを使い、台風を含め豪雨の浸水被害を解析できるようにしたという。ウェブサイトでは浸水の深さが1~10㌢の道路を青色、10~20㌢は緑色、20~40㌢は黄色、40~80㌢はオレンジ色、80㌢以上は赤色で地図上に表示。現状のほか20分先まで5分ごとの予測も表示するという。文部科学省関連の「データ統合・解析システム(DIAS)」のホームページに掲載するという。都市部の集中豪雨は近年増えており、地球温暖化の影響も指摘される。研究グループの関根正人・早稲田大教授(土木工学)は「将来的には自治体などの協力を得て全国で使えるシステムにできればと期待している」と話しているという。⇒豪雨災害防止に実用的な予測システムが開発されたようである。問題は、自治体などのユーザーが、限られた時間の中で、切迫する被害の前にどれだけ有効活用できるかであろう。これには多くの経験が必要であろう。
『箱根山 火口周辺規制 15年以来 火山性地震が増加』 毎日新聞5月20日付朝刊はこう報じている。気象庁は19日未明、箱根山(神奈川県箱根町)の噴火警戒レベルをレベル1(活火山であることに留意)からレベル2(火口周辺規制)に引き上げた。箱根町は周辺の立ち入り規制も実施。レベル2は2015年以来で、同年6月は小規模な噴火もあり、一時レベル3の「入山規制」まで引き上げられた。18日は午前5時ごろから芦ノ湖西岸や駒ケ岳付近を震源とする火山性地震が増加。気象庁は想定火口域内で噴火に伴う噴石に警戒するよう呼びかけている。地元の「箱根ロープウェイ」は19日朝、当面の間、全線運休すると発表。大涌谷への県道、ハイキングコースも通行止めとなった。同県の黒岩裕治知事は、火口周辺警報は広い箱根のごく一部とし「県や箱根町が発表する情報をご覧いただき、冷静に対応を」と呼びかけたという。年間約300万が訪れる大涌谷周辺の立ち入り規制は、観光業界への影響も大きい。2015~16年に大涌谷周辺の立ち入りが規制された際は、箱根町の15年の宿泊、日帰り客の総数が前年比18%減となり、地元経済を直撃した。⇒あくまでも観測結果に基づく専門家の判断を第一とし、安全対策を十分行った後、観光問題が議論されるべきだ。ここをおろそかにすると大きな火山災害が発生しかねないことを肝に銘じておくべきだろう。もちろん、自然災害に対しての原則は「自分の命は自分で守る」だ。
『屋久島孤立 全員救出 バスで一夜 314人下山 4人搬送』 毎日新聞5月20日付朝刊はこう報じている。 鹿児島県は、同県屋久島町で豪雨に伴う土砂崩れにより孤立した登山者らが19日、全員救出されたと発表したという。孤立していたのは314人で、県警などの支援を受けて徒歩やバスで下山したという。町によると、低体温症の恐れや捻挫のため4人が病院に搬送されたが命には別条ないという。県によると、縄文杉に向かう荒川登山口や、自然休養林「ヤクスギランド」につながる県道などが18日の土砂崩れで寸断され、孤立したのは、荒川登山口195人、ヤクスギランド38人、荒川三差路付近25人、山小屋2カ所21人など。登山口や三差路ではバス内などで一夜を過ごし、19日朝から下山を開始したという。県警機動隊員が張ったロープをつたうなどして土砂崩れの現場を越え、待ち受けたバスに乗り込んだという。登山道の復旧の見通しは立っていないという。鹿児島地方気象台によると、17日午後6時からの24時間雨量を200㍉と予想していたが、実際には約400㍉の雨量があったという。17日午前の降り始めから19日午後3時までの総雨量は457.5㍉に達し、平年5月の1か月分(441㍉)を上回ったという。⇒県警機動隊員による救助状況をテレビ報道で見たが、大量の沢水が落下する中で、ずぶぬれになりながら、山腹の山道を移動する観光客が1人も流されず救出されたのは奇跡に近いと思われる。豪雨の判断を誤ったのが原因だが、気象庁の予測200㍉が実際の400㍉の半分だったこと、一時雨が止んだことなどが、登山の強行になったようだ。ガイドは当初上のようなことから、全く予想外の雨が降ったと呆然としていたが、気象現象は波動現象であること近年地球温暖化の影響で極端気象現象が多発していることなど、正しい気象の理解する必要がある。これまでの経験だけで判断したようだ。気象予測の高精度化と共に、ガイドも新たな知識を学ぶ必要があるだろう。もちろん、原則は「自分の命は自分で守る」だ。
『奪われる未来 若者、怒れ 温暖化対策訴え学校スト グレタ・トゥーンベリさん(16)』 毎日新聞5月20日付毎日新聞朝刊は一面でこう報じている。気候変動の危機を訴える若者たちの抗議活動が今、世界規模で広がっている。そのきっかけを作り、国際社会の注目を集めるスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん(16)が毎日新聞のインタビューに応じた。グレタさんは「若い人たちは、私たちの未来が奪われようとしていることに怒るべきだ」と語り、世界各国が地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」が掲げる目標に沿う対策をとるまで抗議行動を続ける意思を示したという。日本でも同様な動きが出始めているが、まだそれほどでもない。おそらく文部省や都道府県・市町村の教育委員会はネガティブな見解と禁止を通達するのであろう。これまで、いじめ問題などではほとんど適切な対策がとれていない、事なかれ主義の現状の教育委員会では対応は無理であろう。教育現場は自戒して、将来を生きる若者に適切で積極的な対応を取るべきだろう。
『吸収光 すぐまた光に 酸化亜鉛作用 阪大が条件特定 エネルギー消費100分の1も』 毎日新聞5月19日付朝刊はこう報じている。照明器具の大幅な省エネにつながる光学現象を酸化亜鉛の結晶を使った実験で確認したと、大阪大などの研究チームが米物理学会速報誌(電子版)で発表したという。結晶に特定の条件でレーザーを当てると、吸収した光エネルギーが熱として失われる間もなく再び光として放射されるという。発光ダイオード(LED)などに応用できれば、エネルギー消費量を10~100分の1に抑えられる可能性があるという。光を吸収し、再び放射する物質の中でも、酸化亜鉛は特に吸収・放射しやすい特徴を持つ。安価で入手でき、LEDや太陽電池パネルの材料として有力視されるという。大阪大の石原一教授(光物性学)らは、レーザー光の波長や照射間隔を様々に変える実験を約100回に繰り返し、結晶が高速で光を放射する条件を突き止めたという。この条件では、原子が再び光を出す向きやタイミングがそろい、従来の1000倍以上の速さが実現できたという。原理的に、吸収したエネルギーが熱に変わらず、その分明るく光るという。常識と考えられてきたエネルギー効率の限界を大きく超えられる可能性があるという。石原教授は「実用化する上では、レーザー光ではなく電流を使うことになるが、同じ作用が働く可能性はある。高い省エネルギー性能を持つ、次世代型の光学デバイス(装置)実現が期待できる」と話しているという。⇒まだ、完全に実用化されたものではないが、地球温暖化抑制のため、再生可能エネルギーの導入とともに、省エネルギーが重要な役割を果たすが、実用化を期待したい。
『園路に遮熱舗装や植樹 ラグビーW杯へ ヒートアイランド対策 熊谷スポーツ文化公園』 毎日新聞5月19日付朝刊はこう報じている。 (埼玉)県は、9月に始まる2019年ラグビー・ワールカップ(W杯)の試合会場となる熊谷市の熊谷スポーツ文化公園について、園路に植樹して木陰を作るなど、ヒートアイランド対策を続けているという。昨年度までに公園内にある、くまがやドームと陸上競技場間の園路390㍍を遮熱舗装して表面温度を下げた。園路両側には、高さ約10㍍のケヤキの高木84本を植樹して木陰を創出したという。県の「彩の国みどりの基金事業」の一環で、「木かげ創出整備事業」として17年度から取り組んだという。費用は約4.7億円。過去の気象データを基に県の研究機関などが工事前に行った試算では、園路表面温度は約10℃下がり、植樹した並木道の約4割に木陰ができるという。今年度はラグビー場Aグラウンドに隣接し、イベントを行うエリアを初夏までに遮熱舗装する方針だという。県公園スタジアム課担当者は「快適な環境でラグビー観戦を楽しんでほしい」と話しているという。⇒ヒートアイランドによる気温上昇率は地球温暖化による気温上昇より局地的には大きい。したがって、都市の熱環境を快適に維持するためには、このようなヒートアイランド対策が必要である。なお、散水効果も気温の低下には十分効果があるので、追加で事業を行ってほしいものである。
『箱根山に火口周辺警報 想定火口域内 噴火発生に警戒』 とインターネット情報が5月19日早朝に出された(tenki.jp 04:33)。 気象庁は、きょう19日(日)午前2時15分、箱根山火口周辺警報(噴火レベル2)を発表したという。今後、想定火口域内に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があるとして、気象庁は警戒を呼び掛けている。「箱根山の噴火警戒レベル1から2に引き上げ」。 箱根山では、昨日(18日)午前5時ごろから芦ノ湖の西岸を震源とする地震を中心に、火山性地震が増加している。大涌谷周辺の想定火口域では、活発な噴気活動が続いている(⇒19日午前中の気象庁火山カメラでも活発な状況が見られる)。GNNS連続観測では、2019年3月中旬頃から一部の基線で伸びの変化が見られているという。こうしたことから、気象庁は箱根山の火山活動が活発化しているとして、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げた。想定火口域内に影響を及ぼす噴火の可能性があるため(大きな噴石の飛散)警戒を呼び掛けている。最近、東北~関東~九州~南西諸島の火山で活動が活発化しているものが多いようだ。火山は基本的に活きていることを常に認識しておくべきだろう。
『変化する科学と社会』毎日新聞5月17日付朝刊 オピニオン欄の論点で、山極寿一日本学術会議会長(京都大学総長)へのインタビュー記事が掲載されている。近年の大学力の低下などについて興味ある見解が述べられているので一部を紹介したい。Q:日本の科学は、なぜ元気を失ってしまったと思いますか。⇒ A:日本の科学にとって、1960~70年代は非常に良い時代だったと思う。西洋発の科学を日本のものにして、日本の発想で新たな世界を切り開くことができていた。一人一人の発想が生かされ、新しい科学への熱情を誰もが持っていたと思う。ところが、80~90年代になると、日本人におごりが生じた。世界有数の経済大国になり、米国を抜いて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と評され、過去の発明を踏み台に製品を売ることしか考えなくなった。「技術過信」が起き、基礎科学が軽んじられるるようになった。さらに、バブル経済が、若い人のハングリー精神や進取の気風を失わせた。そこにバブル崩壊が追い打ちをかけた。 Q:それが科学界にどんな影響を及ぼしたのですか。⇒Q:91年の「大学設置基準の大綱化」で、カリキュラム編成の規制が緩められ、多くの大学が「技術力を伸ばせばよい」と教養課程を廃止してしまった。企業は研究開発の拠点である「中央研究所」を縮小し、研究者のポストを大幅に減らした。文部省(当時)は、減った分のポストを補おうと、大学院機能を高めて「ポスドク(博士研究員)1万人計画」を始めたが、2004年に国立大が法人化され、国から各大学へ支給される運営費交付金が毎年1%削減されて、大学のポストも削られた。若者はポスドクになって、いい研究をしたとしても、企業でも大学でもポストを得られず、自滅するしかないという事態に直面することになった。経済指標で日本に抜かれた米国では、ベンチャー企業を積極的に支援し、大学にあるシーズ(種)を企業へつなぐ橋渡しが進み、次々と新たな産業が生まれたが、日本政府はそこまで真剣に取り組まなかった。バブル崩壊以降の日本では、大学も企業も政府も、3者がすべて失敗したと言えよう。その影響が、今に至るまで続いている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Q:これからの時代はどうすべきでしょうか。⇒A:僕は「個人を取り戻す時代」にしなければならぬと考える。現在、欧米や中国がやろうとしているのは「システム化」だ。たとえば、米巨大企業のGAFAは情報をすべて集め、大きなシステムで世界を動かそうとしている。そのとき一人一人の人は見えない。人はすべて同じモノとして扱われている。しかし、先ほど話したように、個人とは一人一人違うものであり、「行列のできるレストラン」へ行くのではなく、それぞれが自分に合った生活をデザインすべきだ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。どうやら我々は一度立ち止まってゆっくり考えるべきだ。令和への改元の意味を問うとしたら、ここにこそあるのではないか。
『熱くなるか地熱発電』 5月17日 NHK午前7時のニュースの解説で新設の地熱発電所が紹介された。秋田県湯沢市に国内久しぶり(23年ぶり)に大型地熱発電所山葵沢(わさびざわ)地熱発電所(42000kW、約80000戸に供給可能な電力)が今週から、運転開始の報道。今年に入って、岩手県八幡平市の松尾八幡平地熱発電所(7499kW、1月末から運転開始)についで、2カ所目の大型発電所運開である。多くの困難を解決しての運転開始に対して、当該事業者・関係者に祝福と感謝を送りたい。今後引き続く地熱発電所の運転開始を期待したい。
『「大学無償化」言い過ぎ 厳しい所得制限/中間層支援なし 識者「制度は不十分」』 毎日新聞5月14日付朝刊はこう報じている。低所得世帯を対象に大学や短期大学などの学費を無償化する法律が10日、成立した。通称「大学無償化法」として報道されているが、厳しい所得制限が課され、中間層への支援がない内容に「無償化に値しない」と批判の声が上がっている。 正式名称は「大学等における修学の支援に関する法律」(大学修学支援法)。しかし、文部科学省で「高等教育無償化の制度具体化」として議論されてきた流れがあり、これまでも「大学(高等教育)無償化法案」と報じられてきた(⇒おそらくマスコミはこの表現が目を引くとして、内容とはずれた表現を使った可能性がある)。内容は、国や自治体が学生の授業料や入学金を減免するほか、返済不要の「給付型奨学金」を支給。対象は住民税非課税世帯を基本とし、夫婦と子2人(1人が大学生)の家庭の場合、年収270万円未満が目安。年収380万円未満にも一部支援する-というもの。ツイッター上では「進学以前に生計が成り立たない世帯では」「これを無償化と報じるのは人々の判断を誤らせる」と批判が続出。また、一部の国公立大や私立大の減免基準より厳しい所得制限で、減免措置を受けている学生への支援打ち切りを懸念する声も上がっているという。安倍晋三首相は2017年5月、憲法改正への論点の一つとして無償化に前向きな姿勢を示した。同年9月の衆院解散を前に、安倍首相は10%への消費税増税分の使途を変更するとし、項目の一つを境域無償化に。政府は18年6月の「骨太の方針」で無償化を発表したものである(⇒教育理念とは別物の政治案件化している。首相の思考はすべてこの程度のもの)。教育ジャーナリストのおおたとしまささんは「消費増税と社会福祉、教育政策と改憲は本来、別々に議論すべきこと」と指摘。「『無償化法』はごまかしに満ちたネーミング(⇒羊頭狗肉そのものだ)で、そのまま報じるマスコミの姿勢も問題だ」と批判する(⇒最近のマスコミの体制化の一つの表れ)。奨学金問題に詳しい岩重佳冶弁護士は「低所得者層への手厚い支援自体は悪くない」としつつも、「中間層の多くが貸与型奨学金を利用し、借金に苦しみ、人生設計ができないという問題が生じている。大事なのは所得制限を設けず、支援策を講じることだ」としている。⇒その通りである。奨学金の本来の意義を見直すべきだ。意欲があり、優秀な成績だが、家庭の経済的状況が不十分な学生に給付型奨学金を支給し、大学力・研究力・国際力アップに貢献し、将来の日本のためになる人材に育つことを期待するものである。現実に行われているのは、理念がなく、お金は出したくないが、当面の選挙だけは勝ちたいとの本末転倒の政治的策略だけだ。今後の国レベルの選挙では中身のない「大学無償化」だけを叫ぶ「候補者」はしっかりと選別しよう。
『温暖化抑えると50年1.6億人 飢餓リスク バイオ燃料に転作⇒食料価格上昇 気温上昇なら上回る影響』 毎日新聞5月14日付朝刊はこう報じている。地球温暖化対策で、18世紀の産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑える目標を達成しようとすると、2050年に1億6000万人が飢餓に陥る恐れがあるとのシミュレーション結果を、京都大などの研究チームがまとめたという。バイオエネルギー用作物への農地の転換などで食料価格が最大4割上昇すると言い、チームは途上国支援の重要性を訴えているという。論文が14日、英電子版科学誌「ネイチャー・サステナビリティ」に掲載されるという。ある事象において、特定のパラメーターを大きく変えれば、それに応じて結果は大きく変わる。したがって、論文のような事情が発生する可能性はある。しかし、プラスマイナス双方への影響がある場合は、定量的に厳密に評価すべきということだろう。京都大の藤森真一郎准教授(環境システム工学)は「マイナス面に気を配りつつ、地球温暖化対策を進めなければならない。2℃未満の目標が達成できなければ、飢餓リスク以上の悪影響が全世界に及ぶ可能性がある」と指摘しているという。
『黒部峡谷 電力開発と妥協 それは戦時下だった』毎日新聞5月15日付朝刊 くらしナビ・環境 欄はこう報じている。戦争派が続き、軍需産業が盛んになると、電力需要が増大した。秘境と言われた富山県の黒部峡谷にも水力発電所の建設計画が相次いだ。反対運動が起こったが、造らせないのではなく、探ったのは自然保護と利用の妥協点。「国立公園法」(現自然公園法)の趣旨の両輪が、当時、未制定であったうちから考え方の大きな流れになっていた。旧日本電力(日電)は太平洋戦争終戦までに、建設位置などで譲歩しつつ、大きなダムを下流から上流へと順次3基完成させた(後に関西電力が運営)。景色は変貌した。鷲羽岳(2924㍍)に源を持つ黒部川(長さ約85㌔)は北アルプスに深い峡谷を刻む。豊富な水量と急流は水力発電の適地で、20世紀初めから企業などが水利権を競った。日電は1924年、第1号の柳河原発電所(猫又ダム)を着工した。早くも問題が起きた。富山県議は「山肌が削られ、峡谷が明るくなってきた。ハッパが響き、土砂を本流に捨てていた。威力にものいわせた勝手な行動」と指摘。県は工事の中止を厳命した。慌てた副社長が陳謝して回り、発電所は28年位完成した。並行して黒部川第2発電所(小屋平ダム)の計画も進み、景勝地「猿飛」の水没が問題となった。後に「国立公園の父」と呼ばれた田村剛氏(1890~1979)が関わる日本庭園協会は26年、「本邦第一の美観壮観にして、人跡未踏の領域を秘蔵」と建設反対を表明した。ただ「勿論絶対反対に非ず。風致の悪結果を最小限度に立案を」と求め、田村氏も「国立公園」29年9月号で「支流、黒部川下流を会社に代償として譲渡するのも一案」と提案した。一方、下流の26町村長らは当初は峡谷の保全を訴えたが、昭和恐慌が始まった29年に一転して工事推進を要望した。それまでの運動は「自然美と調和のため監督ありたしとの陳情」だったと主張。工事が中止されれば作業員の生活が成り立たなくなると訴えた。結局、猿飛が水没しないよう、ダムを計画より下流に移し、高さも下げて37年に完成した。黒部川第3発電所(仙人谷ダム)でも「十字峡」の水没が問題になったが、同様に変更して40年に完成した。黒部では温泉開発も進んでいたうえ、発電所新設に伴って上流へ延びてゆく建設用鉄道(現・黒部峡谷鉄道)は、発電所や景色の見物など観光に利用できると地元で期待された。31年に国立公園法が制定され、黒部周辺は34年に中部山岳国立公園に指定。観光開発の機運が一層盛り上がった。国立公園成立史に詳しい法政大学名誉教授の村串仁三郎さん(83)は「田村氏の考え方には、自然を利用する林学や造園学が専門だったことが影響している。尾瀬と上高地にもあった発電所建設計画は断念させたが、その代わり、黒部を犠牲にしたのではないか」と話す。田村氏は第2発電所が問題になっていた28年、下関港で右足を船と船の間に挟んで切断した。随筆「義足の生活」で「職業であり趣味であった登山はできなくなった」と嘆いた。ただ、かごやみこしに乗って、その後も精力的に全国の山を視察。「どこの大名か」と驚かれたという。⇒筆者(江原幸雄)は地熱発電推進側の委員として、自然公園問題、温泉問題に関し、意見を述べてきた。そのなかで、環境省の方は、歴代受け継がれたことに、「成功例として尾瀬」、「失敗例として黒部」があるようなことをしばしば気が付いた。この記事を読み、自然公園の「保護」と「利用」という考え方が古くからあることを改めて認識した。現在、黒部ダムには年間多数(1000万超?)の環境客が自然を楽しんでいることを考えると、「利用」の視点も大事ということだろう。環境省本省の方は「保護」と「利用」を同時に述べられるが、地方事務所の方は、依然として、「保護」に偏りが感じられる。もともと環境省は規制官庁なのでやむを得ない面もあるが、「保護」と「利用」のバランスよく、環境行政を進めてもらいたいものである。
『排出ガス算定 衛星活用 IPCC 温暖化対策指針改定』 毎日新聞5月13日付夕刊はこう報じている。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は13日、地球温暖化を招く温室効果ガスの排出量の算定方法を示した改定指針の概要を公表したという。12日まで京都市で開かれていた第49回総会で採択された。算定の精度を高めるため、日本の温室効果ガス観測技術衛星の活用などが新たに盛り込まれたという。IPCCは温暖化対策を進めるため、世界中の科学者が参加して温暖化の将来予測などの知見をまとめる政府間組織。8日に開幕した今回の総会は、各国の政府代表ら約360人が参加したという。現行の温室効果ガス排出量算定方法の指針(2006年策定)を最新の科学的知見に基づいて見直すのが主な議題だった。47か国計280人以上の専門家らが準備に携わった改訂版の指針の概要を採択し、12日深夜に閉幕したという。国ごとの排出量は、燃料消費量といった国単位の統計などに基づいて推計する。指針の改定版には、統計を基にした推計値を、日本の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」など衛星による観測データで検証することが新たに盛り込まれたという。また、水素製造過程の排出量や新たに開発された代替フロンの算定方法などが追加されたという。来年始まる温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」は、締約国に温室効果ガス排出量の提出を義務づけている。今後の協定締約国会議で合意が得られれば、各国は今回の改定指針に基づいて排出量を算定するという。IPCCの李会ソン議長は13日の記者会見で、改訂版の目的は、国ごとの排出量報告の透明性を高めることだ。透明性は途上国、先進国問わず重要で、こういったことを通じてパリ協定を成功に導くことができる」と述べたという。⇒日本の技術成果が取り入れられたことは喜ばしいが、同時に、国内石炭火力発電所の削減や石炭火力発電所の海外輸出を停止する宣言を行う必要があるだろう。
『「連載」失われゆく原子力発電の正当性と将来性 NO.16 「連載を総括して」 佐藤 暁(さとう さとし)氏 原子力情報コンサルタント』 岩波書店月刊誌「科学」2019年5月号 422-430.は 「連載」を終了するにあたって、これまで佐藤氏が論述してきた原子力発電に係る諸事を総括している。原発を支持するにしても否定するにしても、この程度の事実認識を持っておく必要はあるだろう。筆者は「必要悪であった原発の歴史的役割はすでに終了した」と考えている。
『処理水迫る限界 タンク容量あと5年 議論長期化は必至』 毎日新聞5月13日付朝刊はこう報じている。事故を起こした東京電力福島第1原発で課題となっている汚染海水浄化後の処理水の処分方法について、国の有識者小委員会が長期保管を新たに検討することになったという(⇒海洋投棄を考えているのだろう。おそらく関係する当事者は、4,5年以内にどういう社会環境を醸成すれば、海洋投棄で押し切ることができるかを考えているのだろう)。敷地内のタンク処理水は100万㌧を超えたが、溶け落ちた燃料(燃料デブリ)が取り出されない限り、年間約5万~8万㌧の汚染水発生が続く。タンクの容量が限界に近づく中、処理水処分を巡る議論の行方は見通せないままだという。「(処分方法の)判断をしなければ時期は、非常に近くまで来ているように思う」。東電の廃炉計画を監視する原子力規制員会の更田豊志委員長は3月下旬の記者会見で、タンク内の処理水が約100万㌧に達したことを問われて答えたという。福島第1原発の処理水をためるタンクは、2020年までに作る137万㌧分までしか確保の計画がない(⇒敷地がない)。敷地内には高さ10㍍を超えるタンクが林立し、現状では4,5年程度でタンク容量が限界に達する。更田委員長は燃料デブリ取り出しのための作業場所がなくなり、廃炉工程に支障が出ることを懸念し、一貫して「科学的、技術的には海洋放出するしかない」と主張(⇒規制委はすでに結論を出している。社会環境的観点はないようだ)。だが、関係者からは「結論ありきで進められるほど簡単な問題ではない。誰も答えなんて見えていない」(経済産業省幹部。⇒当事者のはずなのに無責任極まりない)との声も漏れてくるという。処理水が厄介なのは東日本大震災の影響で福島第1原発の原子炉建屋に無数の亀裂が入っており、そこから流入する地下水が燃料デブリに触れて絶えず汚染水が発生するからだ。このような現状を認識しているはずなのに、いまだに原発の再稼働・新設さらに挙句の果てには海外輸出(⇒失敗続きですべて頓挫している)を考えるような輩が国内にはいるようだ。少なくとも福島第1原発を元に戻してから言うべきだろう。同時に、「必要悪であった原発の歴史的役割は終わった」ことを認識すべきだろう。
『プラごみ輸出規制採択』 毎日新聞5月11日付夕刊はこう報じている。 有害廃棄物の輸出入を制限する「バーゼル条約」の締約国会議は10日、汚れた廃プラスチックを規制対象に加える改正条約を採択したという。プラスチックごみによる海洋汚染が国際問題となる中、日本がノルウェーと共同提案し、スイス・ジュネーブで開かれていた同会議で協議していたという。規制は約1年後に発効する見通しという(⇒日本が世界をリードしたとすれば喜ばしいが、日本はこれまで中国へ大量のプラスチックごみを輸出してきたが、中国が輸入禁止としたため、やむを得ず国内で処理することになったいきさつがあるが、この経験に基づいたか?)。採択を受け、日本政府は関連省令の改正や運用指針策定を進めるという。来月に大阪で開かれる主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議に向け、環境対策で存在感を示したい考えだという(⇒やはり官僚の考えそうな、泥縄のようだ)。バーゼル条約は締約国に対し、有害廃棄物を原則国内で処理し、輸出する際は相手国の同意をえることなどを義務付けているという。
『宮崎で震度4』 毎日新聞5月11日付夕刊はこう報じている。11日午前8時59分ごろ、宮崎、愛媛、高知の3県で震度4を観測する地震があった。気象庁によると、震源地は日向灘で震源の深さは約40㌔、地震の規模を示すマグニチュード(M)は4.9と推定されるという。震度4は宮崎県延岡市、愛媛県愛南町、高知県宿毛市。10日午前にも日向灘を震源とするM6.3の地震があり、宮崎県では震度5弱を観測。福岡管区気象台によると、10日と11日の震源は約100㌔離れており、11日の余震ではなく、別の地震とみられるという。⇒そのような解釈もありうるが、むしろ広域に応力(あるいはひずみ)が蓄積している可能性も考えられ、要注意だろう。
『気温上昇1.5℃に抑制目標』 毎日新聞5月12日付朝刊は、「世界の見方」欄で、ジム・スキーIPCC第3部会長共同議長インペリアル・カレッジ・ロンドン教授(英国)の見解を紹介している。『地球温暖化対策を訴えるデモが各地で激しくなっている。若者が気候変動に関心を持つことは喜ばしいことだ。ただ、温室効果ガスを2025年までにゼロにするという彼らの要求は実現不可能であり、科学的に見ると現実的ではない。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は昨年10月、「1.5℃の地球温暖化」と題した特別報告書を公表した。我々が強いメッセージとして伝えたかったのは、気温上昇が2℃か1.5℃かで影響が大きく異なるということ。2℃になるとさらに深刻な状況となるため、まずは1.5℃に抑えることを目指すべきだ。そのためには、土地利用やエネルギーシステム、都市の発展方法など、社会の全ての分野でこれまでにない変革が必要になる。気候変動の議論は「挑戦」という言葉を多用してきたが、我々はいま、本当に挑戦的な試みを始めなければならない。世界的な再生可能エネルギーのコストは劇的に低下し、太陽エネルギーは年間50%、風力エネルギーは年間20%のペースでそれぞれ成長している。これは固定価格買取制度のような政策の結果だ。企業活動は政府が作るルールに影響される。温暖化防止に向け、政府と企業が協力する必要がある。いま、関心が集まっている分野は金融のあり方だ。二酸化炭素(CO2)を多く排出し、気候変動に影響する事業への過剰投資が懸念されているためだ。イングランド銀行は、気候変動リスクが財務面にもたらす影響の開示を企業に促すルールの検討を進めているが、こうした試みは石油、ガス企業の行動に変化をもたらすだろう。パリ協定が目指すものはとても大きい。我々はできることの「どれか」を実施するのではなく、できることの「全て」を実施しなければならない。』⇒かなりせっぱつまった提言・意見である。日本国家としては、石炭火力発電所を縮小し(新規・増設はもってのほか)、海外輸出は止める、企業は内外の石炭火力発電所建設への融資を止める。我々地熱関係者はそれぞれの持ち場で、新規発電所の建設に邁進することが期待されるだろう。地熱事業者にはいっそうの尽力を期待したい。当面2030年度の国の目標をできるだけ達成し(累積150万kW、わが国電力のシェア1%)、さらに2100年を目指すべきだろう。地熱発電は現在、太陽光・風力の後塵を拝しているが、やがてはシェア10%程度を目指したい。筆者(江原)の考えは、2100年を目指す将来には、電力は再生可能エネルギーによるほかはないだろう。その際、各再生エネルギー(太陽光・風力・水力・バイオマス・地熱)は10~20%程度をシェアし、供給リスクを減らすことに留意する必要があるだろう。その中で、地熱発電も応分の役割を果たしたいものである。
『宮崎で震度5弱』毎日新聞5月11日付朝刊はこう報じている。 10日午前8時48分ごろ、宮崎県日向灘を震源とする地震があった。宮崎市と宮崎県都城市で震度5弱を観測したほか、九州の広い範囲で震度4の揺れがあったという。気象庁によると、震源の深さは約25㌔、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.3と推定している。規模は大きくないが、想定南海トラフ地震領域の西端域に位置していることは留意しておく必要があろう。
『諸説あり! 邪馬台国SP 九州説VS畿内説 中国取材で衝撃発見!! 幻の国はここにあった』(2019年5月10日21:00~23:00 BS-TBSテレビ)は極めて興味ある展開であったので紹介したい(なお、筆者江原幸雄は、日本古代史の専門家ではないが、邪馬台国問題に長らく関心持っており、邪馬台国北九州説で、邪馬台国が東遷して畿内に入ったと考えている)。 テレビ放映開始早々、進行役のほかに、九州説の高島氏と畿内説の石野氏が登場、進め方は、やや畿内説に肩入れした状態であった。しかし、番組としては特に結論を出したわけではなかった。しかし後半に入って状況は一変した。番組スタッフは、中国・台湾に出かけて、古代史学者あるいは中国漢字学者に魏志倭人伝の解釈を尋ねた。その結果、中国人研究者・台湾人研究者ともいずれも迷うことなく、邪馬台国は九州以外には考えられないと明言した。これには少し驚いた。理由は、いくつかあり、まず以下に記す。1)魏志倭人伝を見れば、中国からの使者は、朝鮮半島から水行で対馬・壱岐を経由して、末蘆国(現在の唐津市近辺)に上陸。その後、伊都国(現在の糸島市)、奴国(現在の福岡市)と陸行しており、ここまでは位置標定に異論がない。そして、次に邪馬台国が出てくるのであり、魏志倭人伝記述からは伊都国とそれ程離れておらず、とても遠方の畿内までには達しない。伊都国の近くで探すべきである。2)魏志倭人伝には、邪馬台国の東方に海があり、さらに倭人の国があると言っているが、九州であれば東に周防灘があり、中国地方・近畿地方に続くが、畿内説では全く想定が困難である。3)当時の中国の記述では、他の地方誌でも、距離記述にはあいまいさがあるが、それに比して、方位記述には大きな間違いはない。4)魏志倭人伝には倭国は会稽(現在の福建省)の東方にあるとしているが、九州を指していると思われる。5)福岡県朝倉市の地名(10を超える地域や山の名)の配置と畿内の配置に類似性があり、古代中国でもこのような例は多い。6)魏志倭人伝は異なる時代(後漢・魏・晋)ごとに異なる著者(3人)によって書かれており、誤りもあるので注意すべきである。7)弥生時代に栄えた鉄器は九州地方から多く出ているが、畿内地方からほとんど出ない(テレビで紹介)・・・・・等(なお、テレビを見た後、この文章を書き起こしたので、抜けているものがあるかも知れない)。上記の解釈はいずれも九州説に有利に働き(筆者も同意)、3人の研究者は、躊躇なく、邪馬台国は九州(北九州)と明確に述べている。さらに、中国人古代史研究者は、日本の古事記にも通じており、邪馬台国が東遷して、畿内に入ったと明確に話した。上記中国人・台湾人研究者はいずれも九州説を取り、畿内説を問題としていない。また、これまで中国人古代史研究者が邪馬台国九州説を唱えている例もある。  ここに奇妙な現実がある。日本考古学協会に属する古代史学者の多く(畿内説者)は邪馬台国問題で中国の研究者と十分な意見交換をしていないようである。一方国内では、独善的に畿内説を展開している。一種のガラパゴス化に見える。過去の旧石器時代の誤りにおいても何ら学問的な反省をせず、責任は当事者一人の異常行動に押し付けて幕引きとなっている。邪馬台国問題も、純粋に学問的に追求すべきだ。
『愛媛、高知、宮崎で震度4 津波の心配なし』 インターネット情報5月11日09:27(共同通信社)はこう報じている。11日午前8時59分ごろ、愛媛、高知、宮崎の各県で震度4の地震があったという。気象庁によると、震源地は日向灘で、震源の深さは約40㌔。地震の規模はマグニチュード(M)4.9と推定されるという。また津波の心配はないという。昨日の地震より規模は大分小さいが(M6.3⇒M4.9)、震源の深さは深くなっている(約25㌔⇒約40㌔)。震源(断層)の深部への移行は何を物語るか。単なる応力調整か。気象庁は観測データを注意深く見守っているだろう。
『クレーター 着陸準備へ はやぶさ2』 毎日新聞5月10日付朝刊はこう報じている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウに金属を衝突させて作った人工クレーター付近に着陸するための準備作業を始めたと発表したという。安全に着陸できる候補場所として大きな岩がないクレーター周辺の11地点を選び、詳細な地形を観測するなどして6月上旬までに着陸可能か判断。可能な場合は6月下旬から7月上旬に実行するという。クレーター周辺には衝突によってリュウグウの地下から噴出した岩石のかけらが積もっており、JAXAはそこへはやぶさ2を着陸させ岩石を採取したい考えという。そのため、16日にボール状の目印を投下し、上空約10㍍まで降下させ地形を詳しく観測するという。また、衝突で作られたクレーターは円形で直径10㍍以上、深さ2~3㍍と判明している。⇒これまで数々の困難なミッションをやり遂げたJAXAチームである。慎重にも慎重を重ねて、リュウグウの新鮮な岩石を持って地球まで帰還してほしい。そして太陽系の起源の研究や生命の発生の起源に貢献してほしい。
『米スリーマイル島原発を閉鎖へ』 毎日新聞5月10日付朝刊はこう報じている。 米電力大手エクセロンは8日、1979年にメルトダウン(炉心溶融)事故を起こしたスリーマイル島原発2号機の隣で運営していた1号機を、予定通り9月末までに閉鎖すると発表したという。採算の悪化から2年前に閉鎖方針を発表。その後、地元の東部ペンシルベニア州議会が支援策を検討したがまとまる見通しが立たなかったという。発表によると、10月以降も運転を続けるには6月1日までに新たに核燃料を購入する必要がある。州議会には、原発に補助金を出す法案が提出されているが、同社は6月1日までに成立する見込みがないと判断したようである。⇒原発は過酷事故を避けることができず、経済性もない。原発は過渡期としての役割を終え、退場するのみである。これに引き替え、わが国の経団連、電事連、電力会社、経産省の原発に対する考えは、再稼働、新設で一致しており、世界の動きから完全に遅れている。
『吾妻山警戒レベル 2に引き上げ』 毎日新聞5月10日付朝刊はこう報じている。気象庁は9日、吾妻山(福島、山形県)の噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げたという。小規模な噴火の可能性があるとして、大穴火口から約1.5㌔の範囲で噴石に警戒するよう呼びかけているという。同庁によると、吾妻山は5日ごろから火山性地震を多発し、9日に火口から1㌔にある傾斜計でも変動が観測されたという。⇒今後このまま静穏化することもありうるが、地震活動の活発化とともに、やや広域の傾斜変動が観測されていることから、水蒸気噴火やマグマ噴火も注意すべきだろう。今後の観測を注目したい。
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