地熱情報研究所

地熱情報研究所の立ち上げにあたって
地熱から少し離れて
最近の日本の地震活動 最近の日本の火山活動

地熱研News

地熱に関する最新の動き 地熱に関する最新の動き  意見 意見
1 |  2 |  3 |  4 |  5 |  6 |  7 |  8 |  9 |  10 |   Next >> 
『がん あふれる不正確情報』 毎日新聞 8月20日付朝刊はこう報じている。一見本欄の内容と無関係に感じるが、根底に通じるものがあり、紹介する。がんの情報がインターネットや出版物にあふれている。不正確な内容も多く、その真偽を判断する手立てがない。自分が、または家族が突然がんを宣告されたら、どのように情報を集めたらいいのかと問うている。がん治療には、標準治療(科学的根拠に基づき、現時点で奨励される最善の治療)に対して、免疫療法(自己以外を排除する「免疫」本来の力を回復させたり、強化することによる治療法で、近年、盛んに研究が進められている。しかし、現時点で有効性が証明されているものは限定されている。それ以外の、多くの免疫療法は、真に効果が証明されていないため、注意が必要。いわゆる民間療法と言われるものの中には、これに含まれるものがあるのではないか)がある。免疫療法には、医師という肩書だけで、がん治療の専門的トレーニングを受けてない人が多くかかわっているようだ。このようなことに関する一つの調査結果があるという。07年、国立がん研究センターの後藤 悌医師が実施した調査結果で、ネットの大手検索サイトで肺がんについて検索すると、米国では正しい情報が8割で、日本では3割だったという。その違いは「法的整備はもちろん、科学の扱い方に対する教育の問題では」と大場医師は話す。筆者も、まさに科学教育のありかたにあるのではないかと思う。このような状況は地熱発電に反対する温泉関係者(研究者と言われる人を含めて)の非科学的対応と通じるものがある。科学では、「エビデンスと論理的整合性」が欠かすことができないが、標準療法に背を向け、免疫療法に拘る人あるいは地熱発電に非科学的に反対する一部の(似非)研究者あるいは関係者にはこれらの必須条件を満たしてない人が少なくないようだ。前述の大場医師はさらに語る。「書店の『家庭の医学書』の棚には似非医療本が目立つ。『医学書』の棚には、より正しい情報があるが、内容が難しくて一般向けではない。より確実なのは、主治医から情報を得ることだが、コミュニケーションがうまくいかない場合も多い」。以上から、地熱発電普及に携わる者も学ぶべき点があると考える。すなわち、科学的な思考法の普及にも努める必要がある。根本的には、小中学校の科学教育の在り方にまで立ち戻る必要があるかもしれない。
『武豊火力にCO2削減勧告 経産省 石炭発電所 新設に影響』 毎日新聞 8月19日付朝刊はこう報じている。 経済産業省は18日、石炭を燃料とする中部電力の武豊火力発電所(愛知県武豊町)について、二酸化炭素(CO2)排出削減を講じるよう勧告したという。山本公一前環境相が、事業の再検討を求める意見書を世耕弘成経産相に提示したことを踏まえたものである。中部電力は予定通り建設を進める方針だが、経産省は低効率の火力発電の休廃止を求めており、今後の石炭火力建設に影響を与えそうだという。勧告は中部電力に「(発電所を)建設する場合は、CO2排出削減対策など環境保全措置を適切に講じること」を要請。具体的には、効率が低い既存の火力発電所を休廃止したり、稼働を抑制したりすることで中部電力全体としての排出量を抑制するように求めたものである。今回の経産省の勧告について、環境省幹部は、「石炭火力が地球温暖化対策に与える影響を経産省としても重く見た内容になっており、画期的だ」と評価しているという。今回の一連のやりとりは、省庁間で対立する課題について、短期的・経済的観点からではなく、長期的・正しい理念の方向へ進んだものと考えられ、望ましい対応である。今回、経産省も環境省からの意見書を軽んぜず、必要な対応をしたことは評価される。経産省の中にも新しい動きが芽生えている可能性があり、今後のエネルギー政策の見直しにも反映されることを期待したい。このような中で、再生可能エネルギーの責任は一層重くなり、その中で地熱発電も一定の貢献をしたいものである。
『しとしと長雨 まだ続く 日照不足懸念 東京は17日連続』 毎日新聞8月18日付朝刊はこう報じている。例年に比べ本州への太平洋高気圧の張り出しが弱いため、東日本や北日本の太平洋側を中心に気温が低く、ぐずついた天気が続いている。東京都心は17日、雨が17日間連続で降った。気象庁は日照不足による農作物の影響や、低温で体調を崩さないよう呼びかけている。気象庁によると、偏西風が南に蛇行し、太平洋高気圧が本州付近まで張り出していないという。7月下旬から北海道の北にオホーツク海高気圧が発生し、北東からの冷たい風「やませ」も吹いているという。今月1~16日の平均気温は平年に比べ、北海道がマイナス1.5℃、東北地方が同1.3℃、関東甲信が同0.4℃などといずれも低温化している。日照時間も平年に比べ、北海道・オホーツク海側が27%、北海道・太平洋側が50%、東北・太平洋側39%、関東甲信52%、東海64%などとなっている。また、東京都心の17日間連続の降雨は、8月としては1977年の22日間連続以来、40年ぶりという。気象庁によると、今後1週間は、東日本や北日本の太平洋側では低温も続く見込みという。日照不足は今月下旬まで続く予想になっているという。本研究所(埼玉県狭山市)では敷地内で、2012年5月8日より1m深地温の毎日観測を行っているが、上記の異常な日照不足がよく反映されている。たとえば、8月1~16日の平均地温は、昨年に比べ、0.37℃低くなっており、また、8月13日以降の地温は、2012年以降の最低地温を示している。
『夏の長雨 青息吐息 野菜価格上昇/海やプール閑古鳥』 毎日新聞8月16日付夕刊は、一面トップ記事で、こう報じている。8月に入ってから東日本を中心に雨が続き、日照不足で気温が低い天気が続いている。東京都心は16日連続の雨。8月では1977年の22日連続に次ぐ、40年ぶりの長雨になったという。海やプールといったレジャーの客足や農作物の生育にも影響が出ているという。本研究所(埼玉県狭山市)では、2012年5月8日以降、所内で1m深地温の毎日観測を行っているがその観測結果にも如実に現れている。本年8月1~16日の平均地温は24.51℃、昨年の同期間の24.88℃と比べ0.37℃低く、さらに近年では高温であった2015年の28.27℃に比べて、3.76℃も低い。さらに温度低下・長雨が継続すると影響がより大きくなりそう。東北地方太平洋岸ではすでに冷害が危惧されている。気象庁は、関東地方は今週いっぱい雨の日が続くと予測。週明けの21日からは太平洋高気圧が強まって、晴れ間が見られ、気温も回復すると見ているという。今後の推移を見守りたい。
『地方大学 活性化に交付金 「東京集中」解消狙い 政府方針』 毎日新聞 8月16日付朝刊はこう報じている。 政府は、地方の大学の活性化を図る新たな交付金を創設する方針を固めたという。自治体が地元の大学や経済界と連携して展開する地域振興の取組みを支援する形で、2019年度から百数十億円規模の交付金の支給を目指すという。地方大学の教育・研究環境の底上げを図るとともに、東京に集中する私立大学などの地方移転も促し、大学生の「東京一極集中」を解消する狙いだという。東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3都県の大学と、地方大学の単位互換制度やサテライトキャンパスの設置を促す総額10億円規模の補助金制度も別途検討するという。交付金と補助金は、内閣官房の「まち・ひと・しごと創生本部」事務局が支給する。今年度に制度検討を始め、来年度の募集開始を目指すという。自治体の首長や地元の大学などで作る協議会で産学官が連携した事業計画策定などを促し、有識者が評価して交付金支給を決める仕組みにするという。支給対象の想定は、地域の企業による学生のインターンシップや現場実習の受け入れ、地元企業から大学への講師派遣、大学と企業の共同研究などという。なお、これらは個別的には従来から行われており、必ずしも新味はない。問題は、国が本当にやる気があるかどうかである。お題目だけであれば国費の無駄使いとなるに過ぎない。あるいは、単なる、うしろめたさ・免責のためのポーズになりかねない。この問題の本質は、「経済」に典型的に表れているが、東京の、地域からの不当な収奪である(この点に関しては、経済学者による詳細な分析に期待したい)。エネルギー・農水産物・人材等すべて同じ構造である。地方が疲弊するのは当然である。東京でオリンピックが開催できるのも、地方の疲弊の裏返しである。東京都が一部競技の地方都市開催に財源を支援するというが、地方の財源が不当に東京に移されている分の一部に過ぎないと考えるべきである。「地方の疲弊」と「東京一極集中」の理不尽さの根本的解決を試みることをせず、小手先の技術的解決を図るだけでは、何の解決にもならない。ここで、本欄で特に関係する「地熱発電」の問題に関連させて考えてみたい。地域で地熱発電がおこなわれる場合、収益の一部は地元にも還元されるが、大部分は、東京に入ってしまう構造になっている。そのような中で、正当性を持って、どれだけ地方に還元されるべきか真剣に考えていく必要があると思われる。
『50ミリ以上の大雨3割増 70~80年代比 災害リスク高まる 気象庁統計』 毎日新聞8月14日付夕刊はこう報じている。 1時間に50ミリ以上の大雨が降る頻度が、1970~80年代に比べ3割程度増加していることが、気象庁の統計で明らかになったという。地球温暖化との関連が指摘されており、短時間で一気に降る大雨は災害を引き起こす危険性がある。気象庁の統計では、降水量が1時間に50ミリ以上だった回数はアメダス1000地点当たり、76~85年の10年間は年110~230回で、平均すると173.8回だった。2007~2016年は年169~282回、平均は232.1回と33.5%増加していたという。温暖化と大雨の関係は完全には解明されていないが、平均気温が上がると、飽和水蒸気量という大気が蓄えることができる水分の量が多くなる。雨が降る回数は少なくなるが、ひとたび雨になるとその大量の水分が地表に落ちることになり、大雨になりやすいとする学説もあるという。7月5,6日の九州北部豪雨では、福岡県朝倉市のアメダスで、1時間に129.5ミリという7月としては全国で歴代4位の記録的大雨を観測(ちなみに、筆者は、2000年代に時間雨量110ミリを経験しているが、空は真っ暗で、車の窓を開けることができず、また大学構内が浸水し、30センチ程度冠水した経験があるが、時間雨量100ミリを超える大雨とは凄まじい限りである)。気象庁の橋田俊彦長官は記者会見で、「雨の降り方が局地化、集中化、激甚化している。新たなステージと捉えて対応していく必要がある」と、現在は難しい短時間で降る大雨の予測精度の改善など対応を進めていく考えを示したという。気象庁は、予報に使うコンピュータを使ったシミュレーションの精度を向上させるなど、対策を進めているという。
『ガス採掘地 地震多発 米南部オクラホマ 増産 環境顧みず』 毎日新聞 8月14日付朝刊はこう報じている。「ウオーン」。低温を響かせ、地下の頁岩(シェール)層に含まれる天然ガスを掘削機が吸い上げる。米南部オクラホマ州スティルウオーター。同州の掘削機は4月時点で121基と、前年比207%に急増している。増産を後押しするのは、環境保護規制の緩和を推進するトランプ米大統領とプルイット米環境保護局(EPA)長官への期待だという。「石油・ガス業界は浮足立っている。『掘れ、掘れ、怖いものはないぞ』という雰囲気だ」という。採掘停止を求める元教師の地元住民、キャロリン・マイヤーさん(64)はため息をつく。シェールガス採掘の拡大は、その副産物と見られる深刻な事態をもたらしている。地震だ。オクラホマ州での発生は従来まれだったが、2008年ころから急増したという。マグニチュード(M)3以上は15年に907回。16年には623回起きた。昨年9月には観測史上最大のM5.8の地震(たとえば、2005年3月に発生した福岡県西方沖地震M7.0の1か月後に発生した最大余震と同規模)が発生。専門家らは採掘で出た排水の地下への再注入が誘発していると見ているが、石油・ガス業界は「関連はあるが、原因とまでは言えない」と主張しているという。これまでの水の地下への圧入で地震が誘発されたことは世界各地で多数の例が生じているとともに、圧入と地震誘発の関係は学問的にかなりの程度、究明されている事象である。サギをカラスと言いくるめるような議論は論外である。なお、このオクラホマ州を地盤とするのがプルイット氏であり、これまでも(前職の)州地方長官(11~17年)時代、温室効果ガスや水銀の排出規制に反対し、EPAを14回提訴するなど札付きの政治家のようだ。プルイット氏は長官就任後、EPAの予算や人員の削減、規制緩和を始めているようだ。アメリカの良心はいったいどうなっているのだろう。
『岐路の安倍政権 エネルギー政策 既定路線では解決しない』 毎日新聞8月13日付朝刊の社説はこう述べている。エネルギー改革への関心が低く、旧来通りの原発依存から脱する気がない。安倍政権のこれまでのエネルギー政策を一言で言えばそうなるだろう。それを象徴するのが2014年に閣議決定した「エネルギー基本計画」と、これを基にした将来の「電源構成」だ。基本計画は原発について「依存度を限りなく低減する」といいつつ、「重要なベースロード電源」と位置付ける矛盾に満ちた内容だった。30年度の電源構成の目標は、原発20~22%、再生可能エネルギー22~24%。エネルギー政策の大胆な転換からはほど遠く、既得権益を握る大手電力会社と経済産業省の発言力の大きさを反映する内容だった。現状はどうか。原子力規制委員会の安全審査を経て5基が再稼働したが、昨年度推計の約2%に過ぎない。そもそも原発が安い電源であるという前提にも破綻が見える。原発の廃炉費用や事故の賠償費が膨れ上がり、その一部を原発とは無関係の新電力にまで負担させる仕組みを政府が作り出したことはその表れだ。内閣改造と時を同じくして、先週、エネルギー基本計画の見直しが始まった。政策を抜本的に見直すチャンスだが、世耕弘成経産相は会議の冒頭から従来路線の踏襲に言及している。それが意味するのは、原発新増設に触れないまま、運転40年を超える老朽原発も含めた原発再稼働をめいっぱい進めることだろう。それは、依存度低下にも、安全性向上にも反する。安倍政権に求められているのは、再生エネや省エネをこれまで以上に強力に進めるための方策を打ち出すことだ。昨年度推計の再エネ比率は約15%で原発事故前の10%からは増えたが、十分とは言い難い。世界の情勢を見れば、安全対策でコストが膨らみ続けている原発とは逆に、再生エネはコストが下がり続けている。既定路線のまま原発維持に莫大な費用をつぎ込めば世界から取り残される。それより、再生エネの将来性を見越して制度や運用を改善し、投資を増やす。安倍政権を再生させるにはその方が得策のはずだと指摘している。  けだし、正論である。安倍政権の、都合の悪いことは、隠し、あるいは、触れずに通り過ぎ、地下でそれを推し進めるという隠蔽体質は、最近の一連の政治的行動で、ほとんどの国民は知ってしまった。エネルギー政策も全く同じで状況にある。すでに現政権は崩壊の道へ進んでおり、長くはないだろう。エネルギー政策においては、将来を見通したビジョンを掲げ、国際的にも遜色の無い新しい方向を国民に示してほしい。経済産業省内の心ある官僚は、泥船にしがみつかず、新たな動きを示してほしい。それが何よりも国民のためになる。このような中で、地熱発電はどのように進むべきか。新規発電所を次々と運転開始し、再生可能エネルギー発電の構成比率増加に確実に貢献することだろう。
『焼岳で噴気確認 注意を呼びかけ 北アルプス』 毎日新聞 8月10日付夕刊はこう報じている。 気象庁は10日、長野県と岐阜県にまたがる北アルプスの焼岳山頂の西側山腹で小規模な噴気が観測されたと発表し、注意を呼びかけたという。噴火警戒レベルは 1(活火山であることに留意)を継続している。長野県松本市と岐阜県高山市は、いずれも現時点で登山ルートの規制などはしていない。気象庁によると、焼岳では9日午後11時50分頃から10日午前2時ころにかけて、空振を伴う地震を6回観測。山頂の西側約400m付近の山腹で白い噴気を確認したという。このうち、10日午前0時48分には、約100mまで噴気が上がったという。気象庁は10日、観測班を派遣し、詳細に調べるという。気象庁の発表を受け、焼岳がある松本市では、特定地域の携帯電話へ一斉送信する「エリアメール」で登山者らに注意を呼びかけたほか、同市側の登山道2カ所などに注意喚起の看板を設置したという。100mの噴気が突発的に上昇したことから、地下の火山性流体の圧力変動が急激に生じたことは確かであり、水蒸気爆発に進展するのか、マグマが関与しているのか、あるいはこのまま大きな変化なく終息するか等の判断は、観測結果を待つ必要がある。いずれにしても、登山者は、御嶽山の水蒸気爆発の記憶を思い起こし、十分な注意が必要だろう。
『エネルギー計画改定 「原発政策 再検討を」議論始まる 経産省は慎重 石炭火力も焦点に』 毎日新聞 8月10日付朝刊はこう報じている。経済産業省は9日、総合資源エネルギー調査会(経産省の諮問機関)の分科会を開き、国のエネルギー政策の方針を定めた「エネルギー基本計画」の改訂に向けた議論を始めたという。委員からは原発政策などの再検討を求める声が相次いだが、経産省は小幅改訂にとどめたい考えだという。分科会は年度内に結論を出すという。政府は30年度の電源構成で原発の電源比率を20~22%にすることを目指している。しかし、原発再稼働は進まず、経産省が分科会で提示した16年度推計の原発比率は2%にとどまったという。エネルギー政策を巡る論点は多いにもかかわらず、経産省の消極姿勢で議論が深まらない懸念があるという。8月8日付本欄で、英国調査機関ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)が長期予測のなかで、日本の電源構成に関して、30年時点で、石炭火力38%(目標26%)、再生可能エネルギー28%(目標22~24%)、原子力10%(目標20~22%)となっているが、より現実に近いだろう。再生可能エネルギーが多めに見積もられているが、地熱発電も30年度目標(累積で150万kW)を必ずや実現する必要があるだろう。地熱発電関係者のいっそうの尽力を期待したい。
『食料自給率38%に低下 天候不順で23年ぶり水準 16年度』 毎日新聞 8月10日付朝刊はこう報じている。農林水産省は9日、2016年度のカロリーベースの食糧自給率が15年度に比べて1ポイント低下の38%だったと発表したという。過去2番目の低さで、冷夏によるコメの不作で37%だった1993年以来の、23年ぶりの低水準。北海道の台風被害といった天候不順が響いたという。前年度を下回ったのは6年ぶり。食料自給率は、国内で消費される食料を国産でどの程度賄えるかを示す数値。政府は25年度にカロリーベースで45%にする目標を立てているが、達成は遠のいたようである。生産額ベースの自給率は68%と15年度から2ポイント上昇。2年連続で前年度を上回った。カロリーベースの食料自給率は調査を開始した60年度に過去最高の79%だったが、その後は低下傾向で、93年度には37%と過去最低を記録。94年度は46%に回復したが、06年度に再び40%を割り込んだという。農水省は「今回の下落は自然要因が大きい。ニーズに合ったコメや小麦の生産を増やし、輸出の拡大を進めることで目標達成に向かって頑張りたい」と述べたという。エネルギー・食料ともに基盤的・戦略的なものであるが、わが国は、いずれも自給率が低い。したがって、自給率を高める努力と共に、国際的な自由貿易体制確立のための努力が求められている。また、一つ注目すべき点がある。エネルギー・食料とも地球温暖化とも関係あり、地球温暖化を見据えた政策が必要だろう。
『館林市38.8度 関東今年一番』 毎日新聞 8月10日付朝刊はこう報じている。台風5号が伴った暖気の影響で、東日本から西日本の太平洋側は9日、広い範囲で気温が上昇した。群馬県館林市で最高気温38.8℃を記録するなど関東は今年一番の暑さとなったという。気象庁によると、各地の最高気温は茨城県古河市と甲府市37.5℃、栃木県佐野市37.2℃、東京都心37.1℃など。熱中症の症状を訴えて搬送された人は、共同通信の9日午後6時現在の集計で、全国で625人に上ったという。当研究所(埼玉県狭山市)の敷地内では、2012年5月8日以降、1m深地温の毎日観測を行っているが、梅雨明け後むしろ地温は低下傾向にあったが、ここ数日は気温に対応し、急上昇を続けている。
『気温ぐんぐん上昇』 毎日新聞 8月9日付夕刊はこう報じている。関東甲信と東海地方は9日、晴天になり南から暖かい空気が入った影響で、朝から気温がぐんぐん上昇した。東京都心では午前10時現在で34.3℃を記録。日中はこの夏一番の猛暑になることが予想された。気象庁によると、午前10時現在の各地の気温は、群馬県高崎市35.5℃、埼玉県熊谷市34.8℃、神奈川県海老名市34.1℃、東京・練馬34.2℃など。また、予想最高気温は甲府市で38℃、東京、さいたま、前橋、静岡市37℃となっている。この暑さは13日頃まで続くという。
『論文数 日本4位転落 自然科学系 基礎研究 立て直し 急務』 毎日新聞 8月9日付朝刊はこう報じている。2013~2015年の3年間に日本の大学などが出版した自然科学系の論文数が、世界4位に転落したことが文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査で分かったという。05年までは米国に次ぐ2位だったが、中国・ドイツに抜かれた。日本は自然科学分野でのノーベル賞受賞が相次ぐ一方で、大学での基礎研究体制の立て直しが急務となっていることを裏付けた。各国の研究機関などが出版した論文数の3年間の平均を、同研究所がまとめた(共著者が複数に及ぶ場合は分数で計算)。13~15年の日本の論文数は6万4013件で、03~05年(6万7888件)から微減した。一方、13~15年の中国の論文数は21万9608件で、03~05年(5万1930件)の約4倍に急増。ドイツ(13~15年:6万4747件)にもわずかに抜かれた。日本の論文数は03~05年時点で、世界で出版される論文の8%以上を占めていたが、13~15年は4.7%に低下している。各国の研究予算も比較したところ、15年の日本の研究開発費の総額は18.9兆円で、米中に次ぐ3位だった。しかし、大半は企業が占めており、基礎研究を担う大学の分が少ないことが論文低迷の原因とみられる。同研究所は「予算のほか、修士や博士を目指す学生の減少など複数の要因が絡んでいる可能性がある」としている。研究の評価は論文数がすべてではないが、多くの論文が生産されるほど、優れた論文が増えることも確かである。基礎研究に支援される研究費が減る中で、大学教員は研究以外に時間がとられることも多く、また、外国に比べ、支援職員も少ない。一部の優れた研究者には特に過重な負担が集中している傾向もみられる。一方、若手研究者はパーマネントの職種につく競争が激しく、心理的圧迫も受けている。研究費が増えると、仕事はそれに比例して多忙になるが、若手研究者を含む支援スタッフも増やすことができ、研究が進展し、論文の生産性もあがることになる。このような好循環を作り出すことを文部科学省科学技術・学術政策研究所および文部科学省本体も努力してほしい。ノーベル賞受賞の多くは過去の研究に与えられるものであり、このような現在の日本の学術体制が続くと、日本の研究レベルが下がり、将来のノーベル賞受賞にも赤信号が点滅することが懸念される。
『再エネ コスト半減 英機関2040年予測 日本は異例 石炭依存続く』 毎日新聞 8月8日付朝刊は、こう報じている。再生可能エネルギーとして代表的な太陽光と風力の世界規模の発電コストは、2040年までにいずれもほぼ半減するとの予測を、英民間調査機関「ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス」(BNEF)がまとめたという。中国やインドなどでは21年までに発電コストが石炭火力に比べ、太陽光の方が安くなるという。一方、日本は石炭火力の依存が続くと分析されている。BNEFが各国の政策や計画などを分析したものである。太陽光発電については、21年までに中印のほか、英国とメキシコ、ブラジルでも石炭火力より発電コストが下がる見込みという。太陽光は導入が進み、パネルや維持管理費が安くなり、40年までに66%もコストが下がるという。風力は、安価で効率的なタービンを使うことなどで、40年までに47%下がる見込みという。日本でも、太陽光の発電コストは2025年には石炭火力発電所より安くなるという。しかし、現在、原発の再稼働の遅れを石炭火力で補っている結果、異存は高止まりとなると分析されている。日本が掲げる温室効果ガスの削減目標達成の根拠となる電源構成では、30年時点で▽石炭火力38%(目標は26%)、▽再生可能エネルギー28%(同22~22%)、▽原子力10%(同20~22%)などと予測している。BNEF の担当者は「再生可能エネルギーへの投資は世界規模で成長する。長期的に石炭への依存度が高い日本は異例だ」と指摘しているという。このような状況の中で、わが国の地熱発電の望まれる立ち位置は、2030年度の国の目標:累積150万kW(太陽光1000万kWに相当。国内電力シェア1%)を必ずや達成することであり、その発電出力を安定的に維持することである。また、既存地熱発電所は、発電所ごとに持続可能な発電規模を適正に評価し、長期的に安定した発電を行うことであろう。そのような発電を継続できれば、石炭火力発電のコスト以下とするだけでなく、再生可能エネルギーの中でも低コストの発電を実現できるであろう。地熱発電事業者の一層の奮闘を期待したい。
『石炭火力増設「認めぬ」中川環境相 前任者方針踏襲』 毎日新聞8月8日朝刊はこう報じている。中川雅治環境相は7日、毎日新聞などのインタビューに応じ、二酸化炭素(CO2)の排出量が多い石炭火力発電所の新設・増設計画が国内で相次いでいることについて「経済性の観点のみで新増設は認められない」と述べ、石炭火力に批判的だった山本前環境相の姿勢を踏襲する考えを示したという。世界の地球温暖化対策の潮流について、中川環境相は「脱炭素の流れにあり、石炭火力の新増設には抑制的だ」と指摘している。「経済性は各事業者が判断することだが、石炭火力のCO2排出は天然ガスの2倍にもなる。単純な新増設は容認しない」と明言したという。山本前環境相は今月1日、国際枠組み「パリ協定」に基づく温室効果ガス削減目標が達成できないとして、中部電力が石油火力発電所から石炭火力への置き換えを計画する武豊火力発電所(愛知県武豊町)について、再検討を促す意見書を世耕弘成経産相に提出している。歴史の歯車を反転させることは避けたいものである。
『パリ協定 米、国連に離脱通告 温暖化対策 再参加余地残す』毎日新聞8月5日付夕刊はこう報じている。米国務省は4日、地球温暖化防止の国際的枠組み「パリ協定」から離脱する意向を正式に国連に通告したと発表したという。一方で、米国にとって有利な条件が整うのであれば、再び参加する余地はあるとしている。パリ協定の規定により、正式な脱退手続きは発効3年後の2019年から始めることになるが、米国務省は「規定が許す限り、できるだけ早く抜ける」と伝えたという。11月にドイツで開かれる気候変動枠組第23回締約国会議(COP23)も含め、温暖化に関する国際交渉には参加を続けるとしている。パリ協定の内容についての再交渉はドイツ、フランス、イタリアが難色を示しているというが当然であろう。日本も積極的に発言する必要があるだろう。パリ協定を巡っては6月、トランプ大統領が「米国の労働者に不利益を強いる」と経済面の悪影響を強調し、離脱を表明したものである。中国に続く世界2位の温室効果ガス排出国が抜けることで、世界の温暖化対策への影響が懸念されている。さらに18会計年度(17年10月~18年9月)の予算教書では、途上国の温暖化対策を支援する多国間の「緑の気候基金(GCP)」への拠出金をゼロにすると表明しており、途上国の対策も滞ることが予想されており、米国の離脱の悪影響はこちらの方が大きいと考えられる。 、
『ニュートリノ研究に進展 反物質との差の確度 95%に向上』 毎日新聞8月4日付夕刊は、こう報じている。高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)などは4日、宇宙成立の謎を解明するのに役立つデータについて、加速器施設「J-PARC」(同県東海村)から素粒子のニュートリノを発射し、東京大学の「スーパーカミオカンデ」(岐阜県飛騨市)で検出する実験の結果、95%まで確度が高まったと発表したという。今後精度が高まればノーベル賞級の発見になると期待されている。宇宙誕生時には、粒子が基になった物質と、反粒子が同数あったとされるが、物質は現在も残って星や銀河を構成しているのに対し、反物質はほとんど存在しない。こうした違いは専門的には「CP対称性の破れ」と呼ばれ、宇宙成立の謎を解く鍵とされてきた。チームは、ニュートリノが空間を飛ぶ間に別の型に変わる「ニュートリノ振動」という性質を利用。J-PARC と、スーパーカミオカンデ間(295km)の実験で粒子と反粒子との変化の違いを調べたところ、2010年から今年4月までのデータで「破れ」の確率は95%となり、昨年8月時点の90%より向上。謎の解明に一歩近づいたことになるという。「破れ」の確定に向けては統計的に99.7%まで確度を高める必要があるため、チームは26年度までに現在の9倍のデータを蓄積することを目指しているという(99.7%という数値がどのように出されたかは定かでないが、通常の確率現象では95%で、十分成立すると推論されることが多いが、さらに高い確率が求められるようである)。実験代表の中家剛京都大教授は「大幅にデータを増やすことができた。『破れ』が存在する可能性がかなり高まったことを喜んでいる」と話しているという。実験開始から7年、今後さらに9年程度がかかり、都合16年間の長期間にわたる研究。参加研究者の数も多いであろう(3ケタ程度?)。このような長期にわたる大プロジェクトを国が支えていることに感動を覚える。是非とも実現してもらいたいものである。
『NPO調査 再生エネ市民発電 1000基 福島急増 全国2位』 毎日新聞 8月2日付夕刊はこう報じている。市民の出資による再生可能エネルギーで発電し、収益の一部を地域などに還元する「市民・地域共同発電所」が今年、1000基を超えたことが分かったという。 実数は、全国で1028基、総設備容量は8万4880kWであるので、平均で1基当たり82.6kWと小型発電である。都道府県別では、福島県が過去3年半ほどで急増し、全国2位になったという。東京電力福島第一原発事故後、県民や県の再生エネ推進姿勢が影響したとみられるという。地球温暖化防止を目指すNPO「気候ネットワーク」(京都市)の豊田陽介主任研究員が全国約100関係団体にアンケートを送るなどして調査したという。なお、順調に伸びてきたこの種の共同発電所だが、15年以降伸び悩んでいるという。年間の設置数は、14年の213基がピークだったが、15年138基、16年52基と福島事故以前のレベルに戻ってしまっているという。2017年もすでに半年以上が経過したが前年を大幅に下回っているようだ。これらの発電所からは、一定の市民・地域に還元がなされ、それ自体は一定の効果があったと見られるが、最近の傾向を見ると、今後どう発展するか見通しは厳しい。上記の発電所のほとんどは太陽光発電と見られ、一定の土地を確保し、発電システムを購入すれば発電が始められるという小規模太陽光発電の容易さが大きな要因と思われる。なお、1基100kW程度の発電は、地熱発電でいえば、温泉事業者が自らの既存の温泉井を使って、小規模温泉バイナリー発電を行っているものに相当するが、広く市民・地域に還元されるものではない。地熱発電の場合、広く市民・地域に還元されるためには、中規模(千kW級)・大規模(万kW級)の方が、効果的であろう。                   』
『基本計画改定 小幅の見通し エネルギー政策』 毎日新聞 8月2日付朝刊はこう報じている。世耕弘成経産相は1日の閣議後の記者会見で、国のエネルギー政策の中期的指針となる「エネルギー基本計画」改定に向けた議論を9日から始めると発表したという。世耕氏は「(前回計画から)骨格を変えるということではない」とし、小幅な見直しにとどまる見込みという。総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の分科会が年度内に結論をまとめる予定。基本計画はエネルギー政策基本法で策定が義務付けられているものである。前回14年の計画では当時の民主党政権が掲げた「原発ゼロ」の方針を変更、原発を「重要なベースロード電源」とした。電力業界では、原発の新設や建て替えの明記を望む声があるという。世耕氏は会見で、「再稼働を行えば、新設やリプレース(建て替え)を想定しなくても20~22%の達成は可能だ」と強調したという。いずれも懲りない面々である。民主党の政治的責任(下野)が大きいことが改めて感じられる。
『環境相 石炭火力再検討を要請 中部電・武豊 経産相に意見書』 毎日新聞8月1日付夕刊はこう報じている。石炭を燃料とする中部電力武豊火力発電所(愛知県武豊町)の建設問題で、山本公一環境相は1日、「事業の再検討を求める」とする意見書を世耕弘成経産相に提出したという。地球温暖化につながる二酸化炭素(CO2)排出量の増加を懸念し、以前から現状では建設を認められないとの考えを示していた。環境影響評価(アセスメント)の手続きの一環で、中部電と経産省の対応が注目されるという。石炭火力のCO2排出量は他の燃料を使うより多く、特に天然ガスと比べると2倍とも言われる(ちなみに、単位発電量(gCO2/kWh)当たりのCO2排出量は、石炭火力1000程度、石油火力750程度、LNG汽力600程度、LNG複合500程度。化石燃料は500~1000である。一方、再生可能エネルギーは10~50程度。なお、地熱は水力に次ぎ、15程度)。これらの数値を見れば、地球温暖化対策として、再生可能エネルギーを導入すべきという考えは極めて自然で、合理的である。また、化石燃料のうち、石炭火力が際立って大きいことがよくわかる。石炭火力は、燃料の調達コストが安いため、国内の建設計画は40基以上あるという。山本環境相は、それらが実行されれば温暖化対策の枠組み「パリ協定」でのCO2削減目標達成が困難になると指摘していた.中部電の計画では、石油を使う武豊火力2~4号機(出力計112.5万kW、1号機は廃止)が老朽化したため廃止し、新たに石炭を使う5号機(107万kW)を建てる。2018年5月に着工、22年3月の営業運転開始を目指しているという。世耕経産相は中部電力から出された環境アセスに対して山本環境相に意見を求めていた。計画を巡っては、15年8月に当時の望月環境相が「是認できない」との意見書を提出していた。石炭火力の環境アセス手続きで、環境相が計画を認めない意見書を2回出すのは異例という。地球環境対策という長期的な観点から判断するのと、当面の経済的理由という短期的観点から判断するかの問題であるが、将来、取り返しがつかないようなことにならないような選択が必要だろう。将来的に、産業革命以後の気温上昇を4℃以内に抑えるためには、「パリ協定」での目標は不十分であることが認識されており、また、米国の「パリ協定」離脱の影響もあり、目標達成においては、一段とCO2削減が求められる中、選択肢は限られている。わが国は削減目標の上乗せを、国際的に要請される可能性が強い。わが国は、果たして、歴史の歯車を前に進める立場を取れるか。世界から、その判断が注目されることになろう。
『EV 開発 協業加速へ 欧州・アジア 排ガス規制強化に対応』 と毎日新聞7月28日付朝刊はこう報じている。英政府が2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止すると決定した。同様の排ガス規制の動きは欧州やアジアにも広がっている。メーカーにとって電気自動車(EV)の開発が急務で、合従連衡や異業種を交えた協業が進みそうだとしている。EV開発で先行する日産自動車の幹部は27日、取材に対し「欧州での電動化の流れはわれわれにプラスになる」と述べ、9月に発表する新型EV「リーフ」で流れを加速したいと強調したという。傘下に収めた三菱自動車との技術協力も強化するという。ガソリン車とディーゼル車に関しては、フランスも40年までの販売終了を目指すという。インドはさらに踏み込み、30年までに国内販売車をEVに限定する方向だという。大気汚染が深刻な中国では、政府が自動車メーカーにEVなど「新エネルギー車」の生産を義務付け、一定のノルマを達成できなければ罰金を科す新法を18年にも施行する見通しという。こうした動きをにらみ、ホンダは18年に中国で新型EVを投入し、蓄積した技術を他市場にも生かす考えだという。日立オートモティブシステムズとEV用モーターを生産する新会社も設立したという。トヨタ自動車は、19年にも中国でEVを量産する計画を進めているという。インド市場に強いスズキはEV対応を迫られているため、トヨタと環境技術ての提携関係を強化すると見られている。マツダは独自の低燃費技術「スカイアクティブ」によるガソリン車とディーゼル車が好調だが、トヨタと共同のEV開発も検討している。EVを自動運転で制御する次世代車開発を目指し、米IT大手グループなど異業種の参入や協業も加速しそうだという。すなわち、世界の自動車は2040年に向け、非化石燃料の方向(特にEV しかも自動運転化)に向かっている。日本の自動車メーカーも十分対応しているようである。日本は政府の動きが鈍い。日本の世界への寄与は「環境」が重要な視点である。日本政府も明確なメッセージを世界に発信してもらいたいものである。
すでに本欄でも紹介したが、南極のラーセン棚氷の分離が改めて毎日新聞に写真付きで掲載されている。『南極の巨大氷山 分離の様子鮮明 JAXA衛星撮影』 毎日新聞7月27日付夕刊はこう報じている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日までに、南極半島東側のラーセン棚氷から分離した巨大氷山の全体像を、陸域観測技術衛星「だいち2号」で撮影したという。棚氷の南側から入り始めた亀裂が北へ広がり、完全に分離した様子を鮮明にとらえている。氷山の面積は、三重県とほぼ同じ5800平方キロ。重さは1兆トンで観測史上最大級とされる。12日に棚氷からの分離が確認されたという。地球温暖化が原因かどうかはわかっていない。分離する前から海の中にあったため、氷山が漂流を始めたことですぐに海面が上がるとは考えにくいという。ただ、内陸にまだ残っている棚氷が不安定になり、さらに別の氷山が分離する恐れもあり、JAXA は今後も観測を続けるとしている。
『英も脱燃料車 仏に続き 40年までに販売禁止』 毎日新聞7月27日付朝刊はこう報じている。英政府は26日、ガソリン車やディーゼル車など化石燃料をエネルギー源とした自動車の国内販売を2040年までに禁止すると発表したという。深刻化している大気汚染対策の一環という。地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」を主導したフランスも同様の計画を打ち出したばかりで、電気自動車(EV)などへのシフトが進むことが予想される。英国では、都市部を中心に排ガスによる大気汚染が深刻化。欧州連合(EU)の定めた規制に違反しているとして、英国の高等法院が政府に対し、今月内に対策を講じるよう命じていたという。政府の発表によると、40年までにディーゼル車などの国内販売を規制するほか、2億5500万ポンド(約370億円)の基金を創設し、ロンドンなど汚染の深刻な都市を中心に大気汚染対策を進めていくという。クリス・グレイリング運輸相は「交通の『緑の革命』によって都市の汚染を減らしていく」と表明したという。自動車メーカーもすでに電気化を急いでおり、独BGM は25日EVの「ミニ」を英国の工場で製造すると発表しているという。スウェーデンのボルボも19年から新型車種のすべてに電気モーターを搭載すると表明しているという。先に40年自動車規制を発表したフランスに比べ、イギリスは特有の国内問題(大気汚染)があるようであるが、同時に国際的な地球温暖化対策にも貢献する。フランス、イギリスに続いて、ドイツも表明すれば、国際的な流れになるだろう。日本の自動車メーカーも国際的な動きを掴んでいると思われるが、非化石燃料自動車への転換は避けられないだろう。日本の自動車メーカーの先進的な取り組みを期待したい。また、日本政府の明確なメッセージも必要だろう。また、日本の最高裁は何かと保守的であるが、英国の高等法院のような進歩的な判事が出ないものだろうか。期待したい。
『石炭火力見直し要求へ 中部電・武豊 環境相、アセス結果に意見書』 毎日新聞7月26日付朝刊はこう報じている。中部電力(名古屋市)が老朽化した石油火力発電所を石炭火力へと置き換える計画を進めている武豊火力発電所(愛知県武豊町、107万kW)の認可を求める環境影響評価(アセスメント)結果について、山本公一環境相が地球温暖化対策の観点から計画の見直しを求める意見書を近く世耕弘成経済産業相へ提出する方向で調整に入ったという。環境アセス後に環境相が建設計画の再考を促すのは異例という。環境アセスメント法では経産相が環境相の意見書を踏まえ、事業者へ意見を述べると規定されており、経産省や事業者の対応が注目されると言われる。石炭火力は石油や天然ガスなど他の化石燃料に比べ二酸化炭素(CO2)の排出量が多いとされ、環境省は以前から懸念を示してきた。武豊火力を巡っては環境アセス前の2015年8月にも、当時の望月義夫環境相が「現段階で是認できない」と表明している。武豊火力、丸紅や関西電力などが出資する秋田港発電所(秋田市)など、計画されている5件について「是認できない」との意見を表明し、市原火力発電所(千葉県市原市)はその後、計画中止になっている。こうした環境省の姿勢は、電力の安定供給の観点から石炭火力を容認する経産省との隔たりが大きく、両省は昨年2月、電力業界の自主的取り組みを促すことで合意している。以後、環境省は「是認できない」との意見表明を見合わせていた。しかし、昨年11月にパリ協定が発効し、欧州などで脱石炭の動きが加速する中、山本環境相は今年3月、JFEスチールと中国電力が建設を表明した蘇我火力発電所(千葉市中央区)計画に対し、事業実施の「再検討」を促す意見書を経産相へ提出。今月の毎日新聞のインタビューでも、国内の石炭火力計画に対し「見識を疑う」と事業者の姿勢を強く批判していたところである。長期的な観点から地球温暖化の進行を止めると考えるか、短期的な観点から当面の経済性を考えるか、人類の将来を考える上で、方向は明確と思えるが。
『9月以降も 残暑厳しく 3か月予報』 毎日新聞7月26日付朝刊はこう報じている。気象庁は25日、8~10月の各月の平均気温について、全国的に平年並みか平年より高くなるとする3か月予報を発表したという。9月以降の残暑も厳しくなりそうで、熱中症に注意が必要としている。気象庁によると、9月は偏西風の蛇行による影響で南からの湿った風が入りにくく、日本列島は高気圧に覆われて晴れる日が多くなる。このため、北日本(北海道、東北)から沖縄・奄美まですべての地域で気温が高くなると見込まれている。雨量は、東日本(関東甲信、東海、北陸)と西日本(近畿、中四国、九州)で9月、10月に平年並みか平年より少ないと予想している。東日本の太平洋側や西日本では梅雨の雨量が平年より少なかった地域も多く、4月下旬からの少雨傾向が秋まで続く可能性があるという。当研究所では2012年5月8日から1m深地温の毎日観測を続けているが、気温変化とどのような対応があるかないか注目していきたい。なお、年間における、気温(地温)上昇期と気温(地温)下降期とでは地温と気温の関係が系統的に異なっており、これは土壌中の水分含有率とも関わっていそうであり、降雨の変化にも注目したい。
地熱に関する最新の動き 地熱に関する最新の動き  意見 意見
1 |  2 |  3 |  4 |  5 |  6 |  7 |  8 |  9 |  10 |   Next >> 
Institute for Geothermal Information. All Rights Reserved.