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『温暖化対策 日本49位 56カ国とEU 中国33位、サウジ最下位』 毎日新聞12月13日付夕刊(特集 COP24 '18ポーランド)はこう報じている。ドイツのシンクタンク「ジャーマンウオッチ」などは、ポーランドで開催中の国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)で、温暖化対策の国別ランキングを発表したという。日本は5段階評価で最低のグループに入る49位(昨年50位)だったという。ランキングは、世界56カ国と欧州連合(EU)を対象に、国民1人当たりの温室効果ガス排出量、エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合など14の指標を分析したという。ランキング1~3位は該当なし。温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」が掲げる産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑える目標に向けて、十分な取り組みをしている国がなかったためだという。4位は再生可能エネルギーなどの指標で高かったスエーデン(昨年4位)、5位はモロッコ(同6位)、6位はリトアニア(同5位)だったという。日本は、過去5年で再生可能エネルギーが進んだことなどは評価されたが、2030年度までに13年度比26%減という温室効果ガス削減目標などが不十分だと評価されているという(⇒大した削減案を持たずにCOP24に参加しても、国際的には全く評価されないということだ。第2次大戦敗戦後、日本は4等国とも表現されたが、こうなっては4等国どころか5等国である。環境省をはじめ、日本政府の代表団は恥ずかしい思いをしているのではないか(もしそうでなければ救われない)。世界の認識をよく理解して、もう少し前向きな見解を出せないものか。こんな状態では、COP24に参加しても、税金ドロボーにしかならない。この際、環境省は腹を決めて、環境問題のリーダーとして、内閣をリードしてもらいたい。ここで何も打ち出せないなら、極論すれば、環境省の存在価値はない。なお、パリ協定からの離脱を表明した米国は59位(同56位)。最下位はサウジアラビアという。世界最大の排出国・中国は再生可能エネルギー導入拡大などで33位(同41位)で、5段階評価で初めて真ん中のグループに入ったという。環境省には猛省をしてもらいたい。
『武甲山うっすら雪化粧』 毎日新聞12月13日付朝刊(埼玉県版)はこう報じている。埼玉県秩父地方は11日夜、初雪が舞い、秩父市と横瀬町にまたがる武甲山(標高1304㍍、当研究所のある埼玉県狭山市から遠望できる)がうっすらと雪化粧した。熊谷地方気象台によると、本州南岸を低気圧が通過し北から寒気が入り込んだためで、同市の初雪は昨年より3日遅いが積雪はゼロだったという。当研究所では2012年5月8日から、敷地内で1m深地温の観測を続けているが、今冬は12月8日(15.91℃)から連続して地温は下がっているが、12日は今冬の最低地温(14.84℃)を示した。なお13日はさらに低下し、14.46℃だった。ここ数日は確実に太陽からの日射量は低下しているようだ。
『強制停電「即応体制を」検証委、北海道電力に提言』 毎日新聞12月13日付朝刊はこう報じている。 全国の電力需給を調整する電力広域的運営推進機関(東京)は12日、北海道地震後に発生した道内全域の大規模停電(ブラックアウト)について検証する第三者委員会の会合を開き、再発防止に向けた最終報告案をまとめたという。中長期的な対策として、大規模発電所の停止などで需給バランスが乱れた際に強制停電を即時に行える体制を早期に構築するよう、北海道電力に提言したという。・・・・・・・。最終案は同社が持つ強制停電の装置の約9割までが起動に時間がかかる点を指摘。「いかに早く行うか(がポイント)」と分析し、装置の更新などを急ぐように求めたという(⇒ブラックアウト発生の原因は、需給バランスに対する事前の考え方が十分でなく、早期の対応ができなかったということか)。
『関電3原発 見直し指示 規制委 大山噴火想定拡大で』 毎日新聞12月13日付朝刊はこう報じている。 関西電力の美浜、大飯、高浜の3原発(いずれも福井県)について、原子力規制委員会は12日、約200㌔離れた大山(鳥取県)が噴火した際の原発敷地内への降灰量を再評価するよう関電に指示したという。3原発の計7基は新規制基準に基づく規制委の審査に合格しているが、大山で過去に従来の想定よりも大きな噴火があったとする新たな研究結果を踏まえ、火山灰対策が妥当かどうかを再検討するという(⇒当然である。しかし、関電の調査が不十分であったことは確かであり、第三者である研究者の自発的研究成果の意義は大きい)。一方で、大山に差し迫った噴火の兆候はないとして、再稼働済の大飯3,4号機と高浜3,4号機の運転停止は求めないという(規制委の判断に任意性があることは否めない)。・・・・。規制委は来年3月末までに関電の再評価結果の報告を受け、具体的な対応を検討するとしている。関電は火山灰対策には一定の余裕があるとした上で、「適切に対応してまいりたい」とのコメントを出したという。信頼できるデータに基づき、合理的な推論をしてほしいものである。
『閣僚級会議始まる 温室ガス削減強化議論 タラノイア対話』 毎日新聞12月12日付朝刊(特集 COP24 '18ポーランド)はこう報じている。COP24は11日朝(日本時間同日夕)、参加各国が地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出削減目標を上乗せするための閣僚級会合「タラノイア対話」(促進的対話)が始まったという。各国の排出削減強化につながるメッセージを出せるかが注目されている。⇒「適応策」も大事だが、それよりも先行して、「温暖化ガスの削減の強化」することの方がより重要と思う。日本が、各国に先駆けて、チャレンジングな提案ができるか、注目しよう。
『穀物生産年5兆円被害 過去30年 トウモロコシなど顕著』 毎日新聞12月12日付朝刊はこう報じている。地球温暖化の影響で、世界の穀物生産は収量が伸び悩み、過去30年の年平均で約424億ドル(約4兆8000億円)の損失が生じているとの分析結果を、農業・食品産業技術総合研究機構などの研究チームが11日、発表したという。チームは「既に温暖化の被害が生じており、被害を軽減する『適応策』技術の開発・普及を急ぐべきだ」と指摘しているという。・・・・・。チームによると、もともと気温が高い低緯度地域では温暖化による気温上昇で被害が拡大する傾向にあるという。飯泉仁之直・同機構主任研究員は「これまでも温暖化対策は取られてきたが、十分でなかったとみられる。特に影響の大きい熱帯域などで高温耐性品種などの適応策への投資が必要だ」と話しているといいう。⇒残念ながら、二酸化炭素放出量は増え続け、平均気温は上がり続け、対策の効果はほとんど出ていない。適応策も必要だが、石炭火力発電問題に適切に対応し、まず、二酸化炭素排出量を大幅に減らすことを優先すべきと考えられる。
『事前避難1週間を想定 南海トラフ 沿岸津波対策』 昨日12月11日付夕刊に引き続き、本日12日朝刊で、南海トラフ地震についてこう報じている。政府の中央防災会議の作業部会は11日、前兆の疑いがある地震があり(⇒前兆現象は地震に拘る必要はないのではないか。地震だけでは従来の轍を踏むことにならないか)、南海トラフ地震が発生する可能性が高まったと判断された場合の避難のあり方など、防災対応に関する報告書をまとめたことは昨日の夕刊で報じている。地震の発生後では津波からの避難が間に合わない沿岸部の全住民に対し、政府が1週間程度の避難を呼びかけるなどが柱という。来年度中にも、自治体や企業が取るべき対応の目安を示したガイドラインを策定するという。⇒ガイドライン作成はできるだけ早く公表すべきであろう。それより前に、住民は自身で一定程度の対応策を普段から考えておくべきだろう。
『M8級 5分で連動地震情報 南海トラフ 政府避難方針』 毎日新聞12月11日付夕刊はこう報じている。 政府の中央防災会議の作業部会は11日、南海トラフ地震の発生可能性が平常時より高まっていると判断された場合(⇒どのような情報からか?)の避難のあり方など、防災対応に関する報告書をまとめたという。想定震源域でマグニチュード(M)8以上の地震が起きた場合、連動地震の危険性を呼び掛ける臨時情報を最短で5分後に発表し、約2時間後に避難を呼びかけるとの方針を示したという。政府は来年度中にも、自治体が避難勧告などを出す目安を示したガイドラインを策定するという。報告書では、異常現象を地下の岩盤の破壊を表す「割れ」という言葉を用いて、①南海トラフ震源域の東側、西側のいずれかでM8以上の地震が発生する「半割れ」②震源域内でM7~8の地震が発生する「一部割れ」③プレートの境界面の断層がずれ動く「ゆっくりすべり(⇒ゆっくり割れ でよいのでは)」の3ケースに分類したという(⇒いずれにしても、最初の地震、あるいは一気に大地震に至る場合は想定されていないようだ。直前予知を全く諦めているからだ。一般の市民としては、常に、夜間の大地震発生から身を守るため、寝室の家具等をしっかり固定し、家具に押しつぶされないような状況を作るとか、市街地にいる場合、ビルから離れるとか、運転中の車を道路端にすぐ止めることなど、日頃から心構えを持っておくことだろう)。半割れの場合、被災を免れた残りの地域でも、同規模の地震が連動して起きる可能性があるとされている。気象庁は最短で地震発生から5分程度で「今後の情報に注意し、できるだけ身の安全を守る行動を取ってください」と呼びかけるという。自治体、企業、住民に連動地震に備えるための情報を伝えて対応を促すという。さらに、専門家の議論を経た上で、最短で2時間後に「大地震発生の可能性が相対的に高まっている(「相対的」は緊急時に必要か?)」と発表する。地震発生から津波到達までの間に避難が難しい沿岸部の住民に1週間程度の避難や警戒を呼び掛けるという。半割れの場合、被災地域と同様に被災しなかった地域にも大津波警報などが発令されているため、住民がすでに避難を始めている中で政府の呼びかけが行われる形になるという(混乱が生じるのは目に見えるようだ)。半割に比べて大地震につながる可能性が低い一部割れでは、発生直後は半割れと同様に身の安全を守るよう呼びかけるが、その後は情報収集や家具の固定などの備えの確認にとどめるという(⇒一部割れの方が最初の地震は比較的小さいが、後に起きる地震の規模が大きい可能性があり、その注意を喚起すべきではないか)。いずれにしても、専門家は遅くない時期に南海トラフ地震が起こる可能性が高いと判断しているようで、直前予知が困難な現状では、市民は、まず、自ら(身周辺の社会的弱者を含めて)を守る手立てを普段から考えておくことだろう。
『NGOのデモ低調 開催国が集会規制 世界有数の石炭産出国』 毎日新聞12月11日付夕刊はこう報じている(特集 COP24 '18ポーランド)。気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)では例年、会場周辺で脱石炭などを訴えるデモが行われるが、今年はポーランド当局が「テロ対策」を理由に屋外での集会を規制しているため、鳴りを潜めているという。背景には、世界有数の石炭産出国で、国内発電量の8割以上を石炭火力発電でまかなうポーランドの国内事情があるという。「化石燃料ヘの融資を止めろ」「温暖化対策は社会正義だ」。8日午後(日本時間同日夜)、会場近くの広場に世界中のNGOメンバー数百人以上が集まり、声を張り上げたという。2日にCOPが開幕して以降、屋外でのデモ行進は初めてだったという。石炭火力発電所の海外輸出を推進する国として日本もやり玉に挙がり、安倍晋三首相の顔を模したマスク姿の参加者も現れたという。例年のCOPでは、石炭など化石燃料に依存する国への抗議行動が盛んに繰り広げられるが、しかし今年は会場周辺に多数の警察官が配置され、厳しく警戒する様子が目立つという。英シンタンクによると、ポーランド議会は今年初め、COP24期間中に会場外での集会などを「テロ対策」を理由に制限する法律を制定したという。米環境専門ニュースサイトは地元の環境運動家の話として「当局はデモに多くのポーランド人が参加することを恐れている」と報じている。⇒ポーランドは旧社会主義国で世界有数の石炭輸出国であるので、政府は過敏になっているのだろう。いかにも旧社会主義国らしい。お蔭で胸を下しているのは日本政府代表団だろう。しかし、だからと言って免責になることではない。COP会議で世界中から注目されるような提言ができるか。注目しよう。関係者によると、地元団体が主導した8日のデモは認められたが、海外NGOなどが申請してもそのまま放置されるケースが相次いだという(⇒いかにも旧社会主義国そのものだ)。8日のデモに参加したポーランド人女性は「国は「金がない」と言いながら、新しい石炭火力発電所を造ろうとしている」と新設に反対するプラカードを掲げたという(ポーランでも心ある人はいるものだ。⇒さしずめ、日本で言えば、原発建設・再稼働反対というところだろう)。国際NGOの関係者によると、NGOメンバーの一部がポーランドへの入国を拒否されたり強制送還されたりしているという。日本のNGOグループはどのように処されたのか。このような状況を知りながらポーランドは何故COP24を招致したのだろうか。なお、本ニュース記事では、抗議デモの写真が掲載されており、その中に、「COP24」会場近くで開かれたデモ行進に、「SAYONARA COAL!」と書かれた横断幕を掲げて参加する日本や東南アジアのNGO関係者があったという。少なくとも日本のNGOの一部の人たちは、入国が許可され、会場周辺で横断幕を持って抗議活動を行ったようだ。
『二酸化炭素(CO2)排出2年連続増加へ 中国は過去最高』 毎日新聞12月7日付朝刊はこう報じている。2016年まで3年間ほぼ横ばいだった世界の二酸化炭素(CO2)排出量が、17,18年と連続して増加する見通しだと国際研究チームが発表したという。排出削減の技術の導入よりも、石油や天然ガスなど化石燃料の消費拡大が上回っているためという。国連気候変動枠組み条約の前事務局長で、地球温暖化対策のパリ協定の取りまとめに尽力したフィゲレス氏ら専門家は強い懸念を表明。6日付英科学誌ネイチャーで「あらゆる分野でもっと脱炭素化を進められる」として、排出削減目標を引き上げる必要性を強調したという。発表によると、17年の世界のCO2排出量は前年比1.6%増え、18年は同2.7%増の見通しという。産業界の天然ガスの消費が伸び、運輸部門で石油の利用量が増えているからという。最大の排出国の中国は経済成長に伴い18年に最高の排出量となると分析している。パリ協定離脱を表明した米国は、減少傾向から一転して18年に2.5%増加すると予測している。猛暑や冬の厳しい寒さで冷暖房需要が高まったことが理由という。米国内では石炭から再生可能エネルギーなどへの転換が進んでおり、19年には再び減少に転じる見通しという。大気中のCO2濃度は18年に407ppm(ppmは100万分の1)、産業革命前と比べ1.5倍ほどになると予測しているという。⇒世界各地で、いろいろな努力が続けられているにも拘わらず、CO2濃度は増加し、年平均気温は上昇を続け、留まることがない。現状でも世界各地で多様な自然災害の発生、それらに関係する家屋・土地の破壊・死者の増加。人類は果たして、地球温暖化を克服できるのか。
『代替フロン回収支援 地球温暖化 環境省 来年からタイで』 毎日新聞12月7日付朝刊(特集 COP24 '18ポーランド)はこう報じている。地球温暖化を引き起こす温室効果が二酸化炭素(CO2)の1000倍以上となる種類が多い冷媒用の代替フロン類について、環境省は海外での回収や無害化の技術支援に乗り出すという。来年からタイで事業を開始予定で、低炭素技術を海外に導入し、温室効果ガスの排出削減量の一部を日本の削減分にカウントする「2国間クレジット制度」(JCM)の適用を目指すという。・・・・・・。日本は使用済み代替フロンンの回収・無害化で高い技術を持つという。環境省は日本の処理業者に委託し、まずはタイ・バンコク周辺で使われたカーエアコンなどからHFC(ハイドロフルオロカーボン)などを回収、地元の廃棄物焼却施設で燃やして無害化する準備を進めているという。年間の排出量はCO2に換算して12㌧以上を想定しているという。削減量は必ずしも大きくないが、同省は「日本の技術で積極的に海外に貢献したい」と国際協力の象徴的な事業に位置付ける方針という。ベトナムからも支援の要請があり、協議中だという。支援は、ポーランドで開催中の国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)で原田義昭環境相が表明するという。確かに必要なことだと思われるが、インパクトが小さい。環境省官僚が苦肉の策で絞り出したものか。日本は石炭火力の問題を世界から突きつけられているはずだ。これに正面から取り組む姿勢が望まれていることに、これでは答えられない。果たして世界からの反応はどうか。
『温暖化対応に温度差 EU先行 米が足かせ 「火力固執」日本後手』 毎日新聞12月6日付朝刊(特集 COP24 '18ポーランド)はこう報じている。ポーランド南部のカトウィツエで2日開幕した国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)。2020年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」のルールブック(実施指針)作りが交渉の焦点だが、協定の下での温暖化対策の取り組み開始を約1年後に控え、参加国の国内対策や多国間協調への姿勢に温度差が目立ち始めているという。日本も50年までの削減戦略がまだ決まらず、他の先進国に遅れをとっているようだ。「欧州連合(EU)が気候変動に影響を与えない大規模経済圏に大きな一歩を踏み出したことを誇りに思う」。COP24開催翌日の3日、会場に居並ぶ各国首脳らを前に、EUの執行機関である欧州委員会のシェフビッチ副委員長は自信ありげに語ったという(⇒むしろ、各国の及び腰の中で、しびれを切らし、EUけん引の姿勢を示したものであろう)。国連環境計画(UNEP)が2℃未満あるいは1.5℃未満達成に大きな懸念を持つ一方、被害拡大を懸念する途上国やNGOなどからは、世界全体で削減が進まないことへの危機感が高まっているという。ところで、日本の対応はどうであろうか。一言でいえば、”「火力固執」日本後手”のようで、この欄でも以前何度も指摘したように国際的に全く恥ずかしい状態にあるようだ。日本は「50年までに温室効果ガスを80%削減する」と、基準年を定めない数値目標(?)を公表しているだけである。しかし、具体的なビジョンは示さず、主要7か国(G7)の中で長期戦略を提出していないのは、日本とイタリアだけだという。来年、大阪で開催される主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議を控え、政府関係者は「今のままでは首相が恥をかきかねない」との懸念も聞こえるという(⇒実際に恥をかかなければ、問題の本質を理解できないのではないか。このまま何もしないで、首相に演説してもらうのが一番良いのではないか。有能で、賢い、現状を憂える官僚ならばそうするだろう)。⇒当然であろう。ただ、解決策は首相の辞職しかないだろう。国内の諸課題でも、内容不十分な法案を提出し、真摯な議論をせずに「多数決」のみに基づくで強行採決しかできない(それを民主主義と思っているようだ)政権は退陣すべきだろう。また、まともな答弁のできない担当大臣、事務をささえる官僚のレベルの大幅な低下は目も当てられない。戦後70年で、これほど政治家・官僚のレベルが低下してしまったのは、ビジョンなく、当面の経済のみしか判断基準のないリーダーの体たらくであり、野党も形式的ではなく、ほんとうに辞任を迫る不信任決議案を提出すべきだろう。
『本末転倒の「大学改革」を問う』(勝木元也 総合研究大学院名誉教授の発言) 毎日新聞12月6日付朝刊(発言欄)はこう報じている。ノーベル医学・生理学賞受賞が決まった本庶佑博士は「好奇心から生まれる基礎研究がなければ、がん治療の概念を変えるオプジーボの開発はあり得なかった」という。そして、基礎研究の現場である大学が若手ポストと基盤経費不足に陥っているとも指摘している。特に若い研究者が抱いている危機感の代弁である。それでも大学に変化の兆しが見えないのはなぜか。理由は、法人化後に起きた大学の構造的な変質にあるという。⇒筆者(江原)は大学定年(2012年3月)の数年前から、いわゆる「大学改革」の問題は、大学(個々の研究者)が自らの問題意識に基づいて基礎的研究を行うという方向ではなく、基礎研究の元手となる運営費交付金は増額せず(むしろ減額)、もっぱら研究目的が限定される外部資金(民間資金や寄付金)の獲得に向けさせる方向になっていったことにあると考えてきた。このような中で、文科省は、猫の目のように手を変え、品を変えた思い付き施策を数年ごとに繰り返し、常に競争的環境を作り、大学を疲弊的方向に追いやった。特に、若手研究者にはパーマネントの職を減らし、プロジェクトごとに短期(1年~3年程度)採用の方向になり、若手研究者は自らの発想(好奇心)に基づき、じっくり研究を進めるというより、短期間の任用中に如何に良い論文を書き、次の職に備えるかということに専念せざるを得ないような状況を作り出した。それでは、画期的な研究は生まれず、若手研究者が将来に希望が持てずに、疲弊していくことなる。現実に博士課程進学者数も減るという悪循環が発生している。すなわち、近年の文科省発想の大学教育改革は若手研究者に悪しきひずみを与え続けている。文科省は、近年の大学改革政策を抜本的に改め、若手研究者により良い研究環境を与え、若手研究者がじっくりと研究に取り組めるような政策を立案すべきである。そのためには、まず近年の猫の目のように変わる学術政策を根本的に改め、若手研究者の研究環境を抜本的に改善する政策を推進してほしいものである。
『米版「はやぶさ」小惑星に 上空到着 NASA、岩石採取へ』 毎日新聞12月4日付夕刊はこう報じている。 米航空宇宙局(NASA)は3日、探査機「オシリス・レックス」が目的地の小惑星ベンヌの上空に到着したと発表したという。小惑星リュウグウを調べている日本の探査機「はやぶさ2」と同様に着陸と岩石の採取に挑み、2023年に地球に岩石を待ちかえるという。日本チームとも協力し、岩石を交換して互いに調べる予定という。小惑星には太陽系の成り立ちや生命の起源の手掛かりがあると考えられ、岩石の分析で謎の解明を目指している。NASAの担当者は「46億年前に太陽系ができたころの材料が手に入る。分析を心待ちにしている」と話しているという。⇒同じ資料が両国チームが分析し、それを突き合わせるのはいろいろな点で実に興味深い。オシリス・オリックスは16年9月の打ち上げ後、太陽の周りをまわりながら計20億㌔飛行して徐々に近づき、3日上空19㌔の場所に着いたものである。1年半かけて上空から観察した後、最大3回着陸し、計2㌔の岩石の入手を目指している。NASAでは、小惑星に挑むのには初めてという。アーム状の装置を約5秒間、表面い接触させて先端から窒素ガスを噴射し、舞い上がる粒子を吸い込む方式という。⇒探査機「オシリス・レックス」は16年9月に打ち上げ、2023年に地球に持ち帰るという。随分根気のいる研究だ。両小惑星からの試料を地球に無事持ち返ることを期待したい。
『「温暖化対策の加速化を」海面上昇直面 島しょ国が呼び掛け』 毎日新聞12月4日付朝刊(COP24 '18 ポーランド特集)はこう報じている。国連気候変動枠み組条約第24回締約国会議(COP24)は3日午前(日本時間同日夜)から各国首脳らの演説が始まったという。地球温暖化の被害に悩まされる島しょ国の首脳らが、温暖化対策の加速を呼び掛けたという。COPでは毎回、各国の首脳や温暖化問題の担当大臣らが演説するのが通例。今年はこの日のほか、会期後半の12日以降にも演説が予定され、日本の原田義昭環境相も登壇する方向で調整しているという(⇒何と消極的な対応なのか)。この日は昨年開催されたCOP23の議長を務めたフィジーのバイニバラマ首相や島しょ国ナウルのワガ大統領が登壇。温暖化の現状やその対策などについて話したという。ナウルは太平洋の赤道近くにあり、フィジーやツバルなどと同様、海面上昇にさらされている。ワガ大統領は「温室効果ガス濃度が上昇する中で、全ての人が排出削減に取り組み続けなければならない。気温を1.5℃上昇に抑えるよう、社会のシステムを転換する必要がある」などと厳しい表情で訴えたという。4日以降は、2020年以降、パリ協定に基づき各国が温室効果ガス排出削減を進める上での実施指針(ルールブック)採択に向けた事務レベルの交渉が進められるという。はたして、日本はチャレンジングな数値目標を掲げ、会議をリードできるか。もしくは、特段の提案もなく、見守るだけか。原田義昭環境相は果たして存在感を示せるか。地球環境問題は日本が国際的に貢献できる数少ない分野である。積極的な貢献をしてほしいものである。
『パリ協定 指針作り本格化 きょう開幕 先進・途上国対立』 毎日新聞12月2日付朝刊はこう報じている(特集 COP24 '18 ポーランド)。 国連の気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)が2日、ポーランド南部カトウィツェで開幕する。2020年以降の地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」も実施指針(ルールブック)の策定が主な議題だが、先進国と途上国の意見の隔たりは大きく、交渉は難航が予想されるという。世界の平均気温の上昇を2℃未満にに抑えるため、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出削減目標を各国が引き上げることで国際社会が協調できるか注目される状況にある。温暖化を巡る国際交渉では、早くから温室効果ガスを排出してきた先進国と、近年になって工業化した中国やインドなど途上国との間で排出削減目標や対策に格差を設けるかどうかが最大の焦点という。15年に採択されたパリ協定では、海面上昇など温暖化の影響が生じている太平洋の島しょ国などが強く働きかけ、先進国と途上国が譲歩を重ねた経緯がある。パリ協定では、先進国が温室効果ガスの排出削減義務を負った京都議定書と異なり、各国には排出量削減義務がない。策定期限の今年中にルールブックを採択し、同協定の実効性を高められるかが課題となっている。ただ先進国から途上国への年間1000億ドル規模の排出削減対策の資金援助のあり方などで対立が再燃しており(⇒この問題においてもトランプ米大統領が米国は資金を出さない(分担しない)としており、パリ協定実施に負の影響を与えている)、どれだけルールブックを具体化できるかは不透明な状況にあるという。COP24のもう一つのテーマが「タラノワ対話」(促進的対話)と呼ばれる政府間対話だという。科学的な最新データのほか各国政府をはじめ地方自治体や企業など非国家組織を含む温暖化対策を評価。議長国のポーランドが主導して、全ての国に排出量削減目標を引き上げるよう「圧力」をかけられるかがカギとなるという。会議は14日まで。⇒地球温暖化対策後進国とみられているわが国は、世界から期待されていないが、ここで日本がリードしていくためには、従来の消極的な目標ではなく、画期的な目標を発表し、世界の耳目を集めることしかないであろう。はたして、日本の環境相・環境省にそれができるか。注目したい。
『木枯らし1号吹かず 東京 39年ぶり』 毎日新聞12月1日付夕刊はこう報じている。 気象庁は1日、冬の訪れを告げる「木枯らし1号」が、1979年以来39年ぶりに東京で観測されなかったと明らかにしたという。木枯らし1号は、10月半ば~11月末に初めて吹いた風速8㍍以上の北よりの風のことで、統計を取り始めた51年以降で5回目という。気象庁によると「西高東低」の冬型の気圧配置になった時期はあるものの、上空の偏西風が平年より北で吹いていることなどが影響し、寒気が関東地方まで南下しなかったことが原因という。木枯らし1号は東京都と近畿で観測しており、近畿は昨年より23日遅い11月22日に吹いたという。気象庁は「木枯らし1号が吹かなかったことと暖冬を結びつけるデータはない」としたうえで、12月~来年2月の東日本の気温について「平年並みにか高い」と予報しているという。今日は夕方風がやや強く、木枯らし1号の定義(~11月末)からはずれるが、今夜風速が8mを超えるかもしれない。⇒なお、当研究所(埼玉県狭山市)では2012年5月8日から敷地内で1m深地温の観測を続けているが、今年は異常な変化を示した。初夏当初は例年になく低い地温だったが、6月下旬から急激に上昇し、過去を上回った時期もあった(過去最高地温ではなかった)。その後また例年になく地温が低下したが、11月になってまた上昇し、さらに下旬になっても地温は上昇気味で、明日は、ここ数年の同時期の最高地温を記録するかもしれない。なお、1m深地温の変化は、地中に入る熱量と地中から出ていく熱量のバランスから決まるが、今年は例年より地中から逃げる熱量が少なくなっているようだ。これは、日射が例年より大きいことを示しているのかもしれない。温暖化は、桜の開花時期などを早め、初雪などが遅くなるような働きをするようだ。そうだとすれば、木枯らし1号が遅くなったり、なくなったりすることもありそうだ。
『温室効果ガス1%減 国内17年度 目標には遠く』 毎日新聞12月1日付朝刊(特集 COP24 '18ポーランド)はこう報じている。 環境省は30日、2017年度の国内の温室効果ガス排出量(速報値)は二酸化炭素(CO2)換算で12億9400万㌧となり、前年度比1.0%(1200万㌧)減だったと発表したという。再生可能エネルギー導入や原子力発電所の再稼働などで化石燃料由来の排出量が減ったことなどから、4年連続の減少となったという。ただ、30年度に13年比26%(3億6700万㌧)の減としている目標と比べると、17年度は13年度比8.2%(1億1500万㌧)減にとどまり、さらに2億5200万㌧削減する必要があることになる。17年度は、発電などに伴う化石燃料由来の排出量が前年度比1.4%減11億1200万㌧で、全体の85.9%を占めている(⇒CO2排出量を減らすには、化石燃料発電特に石炭火力を減らさなければならない)。うち家庭の排出は1億8800万㌧で、前年度比1.8%増であったという。12月2日にポーランドで開幕する国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)では、排出削減に向けた取り組みが焦点になるという。原田義昭環境相は30日の記者会見で「産業活動の活発化などで減少幅が小さくなってきている。一層対策を進めなければならない」と述べたというが、具体的に何をするのかが明確でなく、説得力がない。上述したように世界に宣言している削減目標値からも到達度が低く、今後、各国が従来の削減設定値よりも、さらなる削減が求められる中、原田環境相はCOP24でいったい何を述べるのだろうか。現状のままでは、会議場の片隅で縮こまっているしかなかろう。それとも的外れなことをいうのではないか。この際、世界の趨勢をはっきり認識する必要があるだろう。そして、帰国後国内でどのような削減策を訴えるかである。環境相に期待したいが、現状では難しそうだ。従来、環境相は実力者が就任したことが無いようだ。環境行政に明るく、しかも発言力・実行力が強い人(環境問題に対して、学問的認識が深く、かつ政治能力も高い人)が環境相に就任し、国際的にも温暖化対策に積極的な発信をしてほしいものである。日本が国際的に活躍ができる数少ない分野である地球環境問題で、世界をリードする役割を果たしてほしい。
『EU 温室効果ガス「ゼロ」 2050年目標 パリ協定順守 先導』 毎日新聞11月30日付朝刊はこう報じている(COP24 '18ポーランド特集)。 欧州連合(EU)の欧州委員会は28日、2050年までに域内の温室効果ガス排出量を、森林や新技術などによる吸収量で相殺して実質的にゼロに抑えるとの長期目標を発表したという。他の国や地域に先行した意欲的な目標を掲げることで、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の順守に向けて国際社会を先導する狙いがあるという(⇒日本をはじめ、世界の多くの国が抜本的な温暖化効果ガス提案に消極的な中、しびれを切らしたものだろう。まだ遅くないので、日本はチャレンジングな政策・数値を国際的に公表すべきだろう)。16年に発効したパリ協定は、温暖化の影響を小さくするため、世界の平均気温の上昇幅を産業革命前から2℃未満に抑える目標を掲げ、実現に向けて全ての締約国が長期戦略を作成することが求められている。EUはこれまで温室効果ガス排出量を30年までに1990年比で40%削減する目標を設定。今回の提案に拘束力はないが、従来の目標を飛躍的に加速させるもので、今後加盟国と本格的に協議するという(⇒ここで、日本はEUも納得する目標を提案することができるか)。アリアスカニュテ欧州委員(気候変動・エネルギー担当)は記者会見で「欧州は排出量実質ゼロとなる初めての大きな経済地域となる」と強調したという。⇒他の世界の大きな経済地域である、特に日本・アメリカ・中国・インド等へ向けたメッセージであろう。まず戦略に盛り込まれた二酸化炭素を地中に埋める「CCS」と呼ばれる技術がまだ実用化されていない。また、温暖化対策における域内格差も大きく、ポーランドなど温室効果ガスを多く排出する石炭火力に大きく依存する国が残る。再生可能エネルギー導入のけん引役であるドイツでも、脱原発を選択した影響などで短期的に石炭火力に頼る状況が続き、自国で設定した20年までの温室効果ガス削減目標を実現できない公算が大きいという。⇒すでに本欄でも繰り返し報告しているように、温暖化の悪影響が世界中でじわじわと進行中である。このような中で、政治家の役割は大きい。特にトランプ大統領の役割は大きい(現在までは負の影響のみである。米国では、大統領・連邦政府の寄与はないが、先進的な州あるいは首長、企業、市民が削減問題に取り組んでいるのが唯一の救いである)。いったいトランプ大統領は退任後、どのような回顧録を書くのだろうか。相変わらず独りよがりか。⇒日本の首相も問題だ。世界中を飛び回り、世界を俯瞰する外交とか言っているが、特別の成果はなく(ロシアや韓国・北朝鮮との関係を見ればわかる)、少なくとも、温暖化対策では世界を俯瞰して、先導的な役割を果たしてもらいたいものである。
『水道事業民営化』に関して、毎日新聞11月30日付朝刊(1面の 「余禄」欄)は以下のように論じている(なお、詳細な紹介が30日朝刊の3面で、「民間力導入 水道分岐点」にあり、参考にされたい)。18年前にボリビアの街ゴチャバンバで起きた紛争は、市場原理万能のグローバリズムへの途上国住民の抵抗として語り継がれたという。怒りの的になったは市の水道事業の米国企業による民営化と料金値上げだったという。民営化は世界銀行の融資条件だったが、多数の死傷者を出す騒乱の末に米企業は撤退したという。この「ボリビア水戦争」が反グローバリズム運動のシンボルとされたのは、命の源である「水」の支配への反発が共感を呼んだからであろうとしている。最近、このボリビアの出来事をよく耳にするのは、わが国の水道事業の”民営化”を可能にする水道法改正案のせいであるとしている。水道施設の所有権を自治体に残し、運営権のみを業者に売却するこの方式、厚生労働省は「官民連携」の推進と呼んでいるらしい。施設老朽化、水需要の減少でピンチの各地の水道事業で発生しているようだ。改正案はより広域の自治体が連携できる仕組みを作る一方で、民間活力の導入もできるようにするものだという。しかし、競争原理の働かない水道事業で民間活力は機能するかとの問題もあるという。実は今、世界の水道事業は一度踏み切った民営化から公営へと戻る流れの中にあるという。民営化による高料金や水質悪化、漏水などは途上国ばかりか先進国でも不満を呼び起こし、15年間で37カ国235都市が再公営化しているらしい。人が下りてゆく船への乗り込みを後押しする水道法改正案は国会で審議中。安価で安全な水の安定した供給なしに地域と住民の暮らしは存続できない。三つの「安」のために今なすべき議論を尽くしたいとまとめている。もっともな提言である。しかし、最近の国会は十分な論議をせず、多数決で押し切るのが恒例らしいが、全く困った現象である。他の件でも、現内閣は一貫して、この方針である。民主主義の破壊である。⇒さて、各種事業の再公営化については、エネルギー事業でもあり、ドイツでは、シュッタットベルケ(Stadtwerke)と表現される再公営化が進んでいるようだ。日本も水道法改正において、外国の事業をよく調べるべきだ。また、一方、大規模な地熱発電の進捗がはかばかしくないわが国において、自治体の一定の投資を受け入れながら、共同事業とすることはどうであろうか。発電事業者は発電事業に専念し、(多少収入は減るが)出資に応じた利益を受け、一方、自治体は投資に応じた収入を事業が続く限り、安定して受けとることが可能となる。自治体の役割としては地元における社会的諸課題解決(温泉問題等)に当たる。こうすれば、発電事業者と自治体はWin-winの関係を築くことができ、発電事業者と自治体にとっても(したがって、住民にとっても)良いことになるのではないか。一考に値すると考えている。
『温暖化 健康リスク深刻 WHOなど 熱波被害者、感染症増も』 毎日新聞11月29日付夕刊(特集 +2℃の世界)はこう報じている。世界で熱波にさらされる人が2017年までの7年間で延べ1億5700万人増えるなど、地球温暖化が人の健康に深刻なリスクとなっているとの分析を、欧米の研究機関や世界保健機構(WHO)などの国際研究チームがまとめたという。28日付の英医学誌ランセット電子版に発表したという。高齢者や持病がある人、屋外で働く人への影響が特に懸念され、「温暖化の原因となる温室効果ガスの大幅削減が必要だ」と訴えている。チームは、温暖化で増える熱波や干ばつ、感染症などによる健康影響を分析。熱波にさらされる人は増加傾向で、17年は16年より1800万人増えたことが分かったという。気温が上がると熱中症や脳卒中、心臓まひ、肺疾患などの健康リスクが高まる。特にヒートアイランド現象で暑くなる都会の高齢者が影響を受けやすいと指摘している(⇒関東地方では、地球温暖化による温度上昇よりも、ヒートアイランドによる温度上昇の方が大きい)。デング熱やコレラを媒介する蚊の生息に適した範囲が広がるなど、感染リスクが拡大。干ばつの増加で穀物の収量が低下し、栄養不良に関連する死者の増加を引き起こしていると強調している。収量が減少傾向にあるのは世界30カ国に上るという。温暖化は経済的損失も招いている。暑さで屋外の仕事ができなくなるなどして、17年は世界で1530億時間分の労働が失われたと算出している。うち8割は農業分野だったという。温室効果ガスの削減のためには、石炭火力発電所の廃止(⇒国際的には、わが国は強く要請されている)といった化石燃料への依存低減や再生可能エネルギーの拡大(⇒地熱発電も大いに貢献が期待される。わが国の地熱発電事業者の一層の尽力を期待したい)が必要だと指摘している。特に化石燃料の使用を減らせば、毎年推定700万人の死者をもたらしている大気汚染の改善も見込めるという。
『温室効果ガス削減 3倍必要 国連報告書 パリ協定目標達成に』 毎日新聞11月28日付朝刊(COP24 '18 ポーランド 特集)はこう報じている。 地球温暖化対策の国際枠組み・パリ協定の目標「産業革命前からの気温上昇2℃未満」の達成には、各国が掲げる温室効果ガス削減量を約3倍にする必要があるとの報告書を、国連環境計画(UNEP)が27日公表したという。12月2日から国連気候変動枠組締約国会議(COP24)がポーランドで開かれ、パリ協定の実行ルールや各国の取組みを議論することになっている。COPを前にUNEPは「すべての国が前例のない、緊急の対策を取ることが必要だ」と指摘する。報告書によると、2017年の世界の温室効果ガス排出量は、二酸化炭素(CO2)換算で535億㌧。経済成長などで前年より7億㌧(⇒1.3%)増加したという。「2℃未満」実現には、30年の排出量400億㌧にする必要があると分析。協定の努力目標「1.5℃」上昇に抑えるなら、240億㌧まで減らさないといけないとしている。しかし、このままでは30年の世界の排出量は590億㌧まで増加する。各国の目標削減量を達成しても、現状ペースより60億㌧少ない530億㌧にとどまり、今世紀末の気温上昇は約3℃に達するという。このため「2℃」達成には、日本の年間排出量の10倍程度、130億㌧を世界全体で追加削減する必要があると指摘している。UNEPは「目標達成に必要な削減量と現実の格差が埋まらなければ、目標実現は困難になる」と警告。「化石燃料への課税などをすることで、大幅削減へ投資を促すことができる」と訴えている。⇒果たして我が国は適切な対応ができるのか。世界の理解が得られるような改善された数値目標を発表できるか。注目したい。
『温暖化適応計画 政府が閣議決定』 毎日新聞11月28日付朝刊はこう報じている。農業や気象災害など地球温暖化による被害を軽減するため、政府は27日、気候変動適応法に基づく「適応計画」を閣議決定したという。同法は12月1日に施行されるという。計画では今世紀末までの被害を想定しながら農林水産業、自然災害、健康など7分野で今世紀末までに予測される影響や対策を列記。農業では、高温耐性品種の開発・普及などを挙げているという。実施主体としては国に加え、自治体が自ら地域の状況に応じて適応策を推進することを明記した。⇒適応策を検討するのはよいが、UNEPからの緊急の要請に答えるためには、温室効果ガス削減の改善された目標を示すのが先だろう。削減ができないので、適応策でCOP24を乗り切るつもりなのだろうか。本末転倒である。新たな削減目標が出せない限り、世界から日本への圧力は高まるだろう。またしても環境後進国を世界にさらけ出すことになるのではないか。わが国の首相は盛んに地球を俯瞰した取り組みを述べているが、矛盾の最たるものである。
『おかえり!! 君は100点以上 JAXA 帰還カプセルを公開』 毎日新聞11月28日付朝刊はこう報じている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、国際宇宙ステーションの実験試料を載せて地球に帰還することに日本で初めて成功した小型回収カプセル(記事では写真掲載)を茨城県つくば市の筑波宇宙センターで報道陣に公開したという。カプセルは宇宙ステーションで作製したタンパク質の結晶を格納し、大気圏再突入時の高温や衝撃に耐え、11日に太平洋の南鳥島近海に着水した。中身のタンパク質も無事だったという。公開されたカプセルは、大気圏再突入の際の高温で焦げた跡と臭いが残っていたという。表面温度は最高2000℃ほどになったとみられるが、大きな破損や亀裂はなく、状態はよいという。JAXA技術領域主幹の田辺宏太さんは「非常にうまくいった。100点以上をあげたい」と笑顔を見せたという。大気圏の突入時にかかる衝撃も想定を下回ったといい、「有人宇宙船並みの減速は実現できた」と述べたという。カプセルは直径約84㌢、高さ約66㌢で、末広がりをした円筒形(⇒円錐台形)。窒素の噴射装置を使い姿勢を傾けることで、帰還の際に受ける力を軽減。新たに開発した熱防護材で、大気圏突入時の高温から内部を守ったことになる。⇒技術的なチャレンジを克服し、無事、実験試料を地上に持ち帰ったことで、技術的には大成功であったが、今後、タンパク質結晶構造の解析など科学的な面でも画期的な成果が得られることを期待したい。
『温室効果ガス1.6%減 16年度埼玉県内 HFCは増 県、対策強化へ』 毎日新聞11月27日付朝刊はこう報じている。 埼玉県はこのほど、2016年度に県内の家庭や事業所、自動車などから排出された温室効果ガスの総排出量が4016万㌧(前年度比1.6%減)だったと発表したという。4年連続で減少という。一方で、二酸化炭素に比べ温室効果が極めて高いハイドロフルオルカーボン(HFC)の排出量は増加する一方で、埼玉県は対策が課題としているという。排出量の内訳は需要側が3663万㌧(同0.5%減)、電力供給側が354万㌧(同12.4%減)。需要側の部門別では産業部門1006万㌧(0.4%減)、業務部門408万㌧(同0.9%減)、家庭部門724万トン(3.2%減)、運輸部門936万㌧(同0.1%減)。運輸部門は、車の燃費が改善される一方で、インターネット通販の普及などで物流が活性化している影響で微減にとどまっているという。⇒そのなかで、家庭部門の削減が3.2%減と健闘していると言えよう。要因分析ができているのだろうか。その辺の検討結果を知りたいものである。県は需要側の排出量を20年度までに05年度比で21%削減することを目標としているという。需要側は05年度比で14.7%減と目標達成のための理想値に0.7%及ばないが、埼玉県県温暖化対策課は「順調に推移すれば目標の達成は可能」としているという。一方、冷蔵庫などに使われるHFCの排出量は基準年度(05年度)に比べ約5.5倍に増えているという。埼玉県は国の規制強化に合わせ、業者への立ち入り検査の強化などに取り組む方針という。⇒国レベルとは独立に県レベルでも温室効果ガス削減を試みることは有効であるが、埼玉県は家庭部門の削減効果の実態を県民に広く周知し、温室効果ガス削減の先進県を目指すのも良いのではないか。
『火星の内部構造に迫る NASA無人探査機着陸』 毎日新聞11月27日付夕刊はこう報じている。米航空宇宙局(NASA)は26日、火星の内部構造に迫る無人探査機「インサイト」が火星の着陸に成功したと発表したという。約2年間、地震計を設置して振動を分析するなどして地下の構造を探る。火星の本格的な内部構造の探査は初めてという。⇒どのような層構造をしているのかしていないのか、地震発生の深さは、分布は、プレート状構造の有無は、溶融核の有無はなど興味は尽きない。インサイトは、5月、米西部カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地から打ち上げられたものである。約5億㌔の道のりに半年かけて火星に到達。パラシュートやエンジンの逆噴射を利用して減速し、着陸したという。火星の表面については、これまで打ち上げられた探査機によって地形などが明らかになっている。太陽系の惑星の中で最も高いとされるオリンポス山(高さ約2万5000㍍。なお、海がない火星では高さをどこから測るのだろう?)など、特徴的な地形の形成過程の解明には内部構造の探査が必要とされていた。地球などの惑星の成り立ちに迫ることも期待されている。多数の地震(火星震)が観測され、詳細な地下構造が解明されることを期待したい。
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