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『9倍くっきり 西之島 国土地理院が地形図更新』 毎日新聞6月22日付朝刊は、国土地理院が21日、噴火活動が続く小笠原諸島・西之島(東京都)の新しい地形図(2万5000分の1)を30日発行すると発表したと報じている。昨年12月撮影の航空写真に基づいており、2013年11月以降の噴火活動のため、前回発行分(1991年撮影)より面積が9.4倍に拡大している。地形図によると、西之島の面積は272ヘクタールで、東京ドームの面積の約58個分に相当。島内で最も高い地点は、噴火前の島の南東に位置する火口付近に変わり、143mになったという。なお、噴出の熱エネルギー評価のためには、溶岩の質量が必要であり、今後、海底地形の変化も合わせ、評価されることを期待したい。
『日光の男体山 活火山に追加 噴火徴候はなし』と 毎日新聞6月21日付朝刊は報じている。気象庁は20日、栃木県日光市の男体山(標高2486m)を活火山に加えると発表したという。同日開催された火山噴火予知連絡会(石原和弘・京都大名誉教授)で決まった。これにより、監視が必要な国内の活火山は111になる。地熱資源の観点からは、従来1活火山当たり、可能な地熱発電ポテンシャルは20万kW程度と見られており、地熱資源量が増えたとも言える。関東地方でも活火山がある県での地熱発電が検討されることを期待したい。
『西之島の噴火活発化 島拡大の14~15年並み』と毎日新聞6月20日付朝刊は報じている。 約1年ぶりに噴火を再開した小笠原諸島・西之島(東京都)について、気象研究所(茨城県つくば市)は19日、溶岩で島の拡大が続いた最盛期の2014年~15年と同程度に活動が活発化していると発表した。火山ガスの分析などから、地下ではマグマが次々と供給されていると見られ、活動はしばらく続きそうだという。同研究所は今年5月25~27日、海洋気象調査船「啓風丸」で海上から観測。溶岩を噴き上げる「ストロンボリ式噴火」が平均46秒に1回、爆発的な噴火で火山灰や噴石をまき散らす「ブルカノ式噴火」は同約1時間に1回起こった。火山ガスに含まれる二酸化硫黄の放出量は1日当たり約500トンで、活動が活発な時期として最後に観測した15年10月と同程度に戻っていた。同研究所の高木朗充・火山研究部第三研究室長は「噴火の再開を観測できるのは極めて珍しい」と話しているという。海底火山西之島の島の成長は単に火山の成長だけではなく、マグマ噴出活動の規模の大きさ・期間の長さから、大陸成長の例の1つとして認識されてもおり、噴火がさらに継続されることで、一火山島の成長というより、大陸形成の一例として、研究が継続されることが期待される。
『温暖化で経済損失4% 国環研試算 対策取らなければ』と毎日新聞6月13日付夕刊はこう報じている。効果的な地球温暖化対策を取られなかった場合、熱中症を避けるための経済的損失は、今世紀末に最大で世界全体の国内総生産(GDP)の4%に上がるとの試算を、国立環境研究所(茨城県つくば市)などのチームが発表した。一方、国際的な温暖化対策の枠組み「パリ協定」に掲げる目標の通り、産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えることができれば、損失は0.5%以下で済むという。以上の評価は、熱中症対策だけに関してであるが、温暖化の影響は広範であり、すべて合わせれば、さらに大きな値になる。%のオーダーでなく、数10%の影響も十分考えられるだろう。国際的な温暖化対策の進展が必要であり、このような意味からも、トランプ米大統領の「パリ協定」離脱の負の影響は大きいと考えられる。
『米、温暖化対策で孤立 G7環境相会合閉幕 (米)主張には配慮も』と 毎日新聞6月13日付朝刊は報じている。イタリア・ボローニャで開かれた主要7か国(G7)環境相会合は12日、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」の離脱を表明した米国が孤立したまま、閉幕したという。米国以外の6か国が「パリ協定」の下で地球温暖化対策に取り組むことを再確認する共同声明を採択したが、米国は温暖化対策に関する部分の声明には加わらなかった。G7が結束して温暖化抑制を主導姿勢をアピールできず、国際的な取り組みの停滞を招く懸念が増しているという。本欄でも繰り返し述べているが、特に、途上国への技術的・経済的支援が滞ることが心配である。なお、温暖化対策の国際的議論は、7月にドイツで開かれる主要20か国・地域(G20)首脳会議でも取り上げられる見通しという。果たして、米国に変化はあるか。
『米、温暖化対策示さず G7環境相 「離脱」表明後 初会合』 毎日新聞6月12日付夕刊は、こう報じている。パリ協定からの米国の離脱に関して、国際的な懸念が広がっているが、米国が復帰するのは難しそうだ。日米欧の主要7か国(G7)環境相会合が11日、イタリア・ボローニャで開幕した。トランプ米大統領が地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」の離脱を表明後、初めての顔合わせである。国際協調による対策に米国をどこまで巻き込めるかが注目点であるが、離脱の姿勢を崩さない米国と他国の溝は深く、会合の成果として踏み込んだ内容を示すのは困難との見通しのようだ。米国のプルイット環境保護局長官は、パリ協定の親条約である気候変動枠組条約の下で排出削減を進めるとしたが、具体的な政策や手段を示さなかったという。米国は当面を取り繕うだけで、積極的な温暖化対策は取らないだろう。特に、発展途上国への、温暖化対策経費支援を取りやめることの影響は非常に大きいと思われる。
『米 温暖化対策 「パリ協定離脱」 中国、EUが主導』 と毎日新聞6月3日付朝刊一面は報じている。6月1日米トランプ米大統領のパリ協定からの離脱表明は、依然と世界に激震を与え続けている。地球温暖化対策は、米国・中国中心から、中国・EU中心に移っていく可能性が大きいと見られる。このような中で、日本が果たして実質的な貢献が可能か。山本環境相は最近、国内的にも・国際的にも積極的な発言をしているが、まず国内的に再生可能エネルギーの大幅増実現方策を強化する基礎固め(特に地熱発電に関して)をした上で、国際的貢献を図ってもらいたいものである。
『米「パリ協定離脱」 有利な枠組み要求  トランプ氏  温暖化対策打撃』 と毎日新聞6月2日付夕刊一面は大きく報じている。トランプ米大統領は1日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱すると表明したという。「パリ協定」は温室効果ガス排出量で世界1・2位の中国・米国を含む国連気候変動枠組条約の全参加国が合意した画期的な枠組みだったが、米国の離脱で空洞化する懸念が強まった。日本や中国、欧州連合(EU)は枠組みを維持する方針だが、米国は発展途上国向けの資金支援も停止する方針で、世界の温暖化対策の後退が確実な情勢となった。トランプ氏は「米国と国民を保護する厳粛な義務を果たすため、パリ協定から離脱する」とホワイトハウスで演説し、オバマ前政権が約束した2025年までに排出量を05年比26~28%削減する目標の破棄を表明したものである。世界のほぼすべての国・地域が「パリ協定」の実施を目指している中、米国大統領の「パリ協定」離脱表明は米国に何をもたらすのだろうか。理念なき、短期的視野の経済政策は必ず破たんするであろう。やがて、トランプ大統領は政権を維持できなくなり、投げ出すのではないだろうか。
インターネット・テレビなどの即時性メディアは米国トランプ大統領が「パリ協定から離脱すること」を表明したことを報じている(6月2日)。予測されていたとはいえ、今後グローバルな温暖化対策に大きな負の影響を与えるだろう。とくに、パリ協定では、多くの発展途上国も参加しているが、温暖化対策にかかる費用が先進国から供与されることになっているが、アメリカがパリ協定から離脱すると、経済支援が滞ることになり、広範囲の影響が懸念される点を見逃してはならないだろう。。トランプ大統領はアメリカのため、アメリカ国民のためと表現しているが、当面のごく短期間のことで、やがてはアメリカおよびアメリカ国民にも大きな負の影響を与えることになるだろう。それに大統領が気が付かないのが悲しいところである。気がついてはいるが、政権維持のためには、大統領選中の誤った公約を維持するしかないのが現状というべきか。各種の新政策は悉くうまくいかず、やがて政権を投げ出すのではないか。米国の良心を期待したい。
『米企業「パリ協定残留を」 トランプ氏 明日未明に発表』 と毎日新聞6月1日付夕刊はこう報じている。トランプ米大統領は5月31日、地球温暖化対策の新しい国際枠組み「パリ協定」を離脱するかどうかの判断について、「6月1日午後3時(日本時間2日午前4時」に私の決定を発表する」とツイッターに投稿したという。複数の米メディアが離脱表明の見通しを報じる中、残留を求める米企業が説得活動を活発化させているという。トランプ大統領が「パリ協定」維持に留まれば米国の世界への貢献が評価されるが、離脱することになれば、温暖化対策への負の影響は計り知れないだろう。
『大気中のCO2濃度最高 大船渡など国内3カ所』 毎日新聞6月1日付夕刊はこう報じている。気象庁は5月31日、地球温暖化の原因とされる大気中の二酸化炭素(CO2)濃度の2016年の年平均が、国内3カ所でいずれも観測史上最高だったと発表したという。濃度は年々増加しており、1997年に観測地点が3カ所になって以降、毎年過去最高を更新しているという。気象庁によると、濃度は岩手県大船渡市407.2ppm(前年比3.8ppm増)、小笠原諸島・南鳥島404.9ppm(同3.4%増)、沖縄県・与那国島407.1ppm(同3.2ppm増)。IPCCは、産業革命前からの気温上昇幅2℃未満を達成するためには、2100年時点でCO2を含む温室効果ガス濃度を450ppmに抑える必要があるとしている。近年の増加率をみると、対策は待ったなしであることが明瞭である。このような中、米国トランプ大統領は近くパリ協定からの離脱を表明することが報じられている。
『炭素税導入へ検討会 環境省、CO2削減に効果』 5月13日付毎日新聞朝刊はこう報じている。山本公一環境相は12日の閣議後の記者会見で、地球温暖化を引き起こす二酸化炭素(CO2)の大幅な排出削減に効果があるとされる炭素税や排出量取引の導入に向け、有識者の検討会を設置して論点整理を始めると発表したという。来年前半にも制度の骨格を示した提言をまとめる。炭素税や排出量取引は、企業によるCO2排出に費用を課すことで削減を促す仕組みで「カーボンプライシング(炭素価格付け)」と呼ばれる。環境省は、CO2など温室効果ガスの排出を2030年に13年比で26%、50年に80%削減するとの目標を達成するための主要な手段と位置付けたい考えだ。検討会では、既に導入した他国での削減効果や経済への影響を調査。その上で対象業種や税収の使い道を詰めるという。産業界には「企業の負担増になる」と根強い反対があり、導入には調整が必要となる。環境省は、果たして腹をくくっているのかが問題である。最近進行中の同種の問題がある。厚生労働省は2020年オリンピックを契機に、受動喫煙対策を強化する法案を準備しているが、自民党の族議員の反対により、骨抜きにされつつある。いずれも短期的な経済的な視点からの反対である。これを突破できない限り、いずれの改善も期待できない。環境省が断固とした態度を貫くことを期待したい。今後を見守っていきたい。
『世紀末の東京は 気温屋久島並み 気象庁試算』 毎日新聞5月12付夕刊はこう報じている。21世紀末には東京の気温は現在の屋久島並みに。全世界で地球温暖化対策が全く進まない場合、日本の年平均気温は20世紀末から4.5℃上がるというシュミレーション結果を気象庁が公表したという。シミュレーションの基になったのは、温室効果ガスの排出量削減と吸収量を増やす対策をしないと、世界の年平均気温が3.7℃上昇するという気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめたシナリオ。日本に当てはめて詳しい予測をしたところ、東日本の太平洋側では年平均気温が4.3℃上昇するため、東京(15.4℃)は現在の屋久島(19.4℃)と同程度に。最高気温が35℃以上の猛暑日になる日数も、沖縄・奄美で年間54日程度増え、東・西日本でも20日以上になるという結果になった。一方、最高気温が0℃未満になる真冬日は、札幌で現在の45日から7日程度まで減少する。1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降る回数も全国平均で2倍以上になると予測され、気象庁の担当者は「農林水産業への影響や水害の増加など、温暖化のリスクの大きさを知ってもらいたい」と話しているという。当研究所グループは1m深地温の経年変化観測を関東地方を中心に各所で行っているが、地球温暖化で上昇するのは大気だけでなく、地下の地球部分も温度が上昇しつつあることを明らかにしつつある。この変化は、経年的に一方的に上昇するわけではなく、短周期変動を示しながら、長期的な変動をしていると思われる。長期的な観測によって現象解明に寄与し、地球温暖化の防止に貢献する情報を発信していきたい。
『熱水噴出孔に電流 有機物に影響 生命誕生か 海洋機構』 毎日新聞5月7日付朝刊はこう報じている。地球で最初の生命が生まれた場所とも言われる深海底の「熱水噴出孔」の周囲で微弱な電流を観測したと、海洋研究開発機構と理化学研究所のチームが発表したという。この電気エネルギーが、海中の有機物から生命が生まれるための重要な役目を担った可能性があるという。10日付のドイツ化学会誌電子版に掲載されるという。チームは2015年、沖縄本島の北西約150キロで、深さ1000mの海底を無人探査機で調査。噴出孔を中心に最大約100mの範囲を調べ、下から上に向かって乾電池の数分の1程度の電流を確認したという。海底下でできる熱水には硫化水素など電子を放出しやすい物質が多く含まれる一方、海底上の海水は電子を受け取りやすい物質を多く含む。噴出孔付近の海底は、電気をよく通す硫化物が沈殿した特有の状態であることも、電流発生に働いているという。地球の生命は約40億年前、高温高圧の熱水噴出孔の周りで誕生したとの説がある。だが、生命の基になる有機物から、DNAや組織など生物に欠かせない複雑な分子がどのように作られたかは不明である。チームの山本正浩・同機構研究員は「熱水噴出孔の周辺は『天然の発電所』。この電気エネルギーが生命誕生の鍵となったかも知れない」と話しているという。陸上の噴気地域あるいは火山の火口中心部の熱水上昇地域には熱水の上昇に伴って正電位が生じていることが観測され、その発生メカニズムも理論的に明らかにされているので、全く新しい発見というわけではないが、実際に海底噴出孔周辺で電位の発生が確認されたことは重要な観測事実であり、古典的な生命発生理論であるオパーリンの説では、生命発生への電気的刺激として、雷が想定されていたようだが、海底熱水噴出孔周辺で電流が実際に観測されたとすれば、普遍的で安定な原因の存在が確認されたわけであり、海底熱水噴出孔周辺での生命の誕生説にはより有利であろう。やがて、誕生したての生命が海底熱水噴出孔周辺で観測されるかも知れず、今後そのような発見を期待したい。
『今夏の節電要請見送り』 毎日新聞4月22日付朝刊はこう報じている。経済産業省は21日、今夏の電力需給見通しを公表した。それによると、安定的な供給が可能だとして、家庭や企業への節電要請を見送る方針を示した。東日本大震災以降、節電要請を行わないのは、昨年夏・冬(2016年)に続き3回目。政府は近く閣僚会議で正式決定する。試算によると、供給余力を示す「供給予備率」は、10年に1回程度の猛暑を想定しても、8月で7.5%(沖縄を除いた全国)。電力の安定供給に最低限必要とされる3%を大幅に上回る見通しとなった。東北、東京、中部の各電力管内では3%を下回る月もあるが、電力会社のエリアを超えた電力売買や火力発電の出力増で賄えば対応可能と判断した模様。今後この状態を維持できることが望まれる。問題はCO2排出量の削減である。再生可能エネルギーに期待されるところは大きい。このような中で、地熱発電に期待されているのは、2030年度の目標、現在の3倍増(150万kW。 太陽光の発電量に換算すれば、出力1000万kWに相当)を達成することである。高い目標ではあるが、実現に向けて地熱発電関係者の一層の努力を期待したい。
自然エネルギー財団からは、適時、再生可能(自然)エネルギーに関するアップデイトな情報が配信されています。最新のものは、4月21日発信のもので、興味深い連載コラム3件が紹介されています。1.連載コラム 米アップル社:100%自然エネルギーを実現する「REvision2017」より(大林ミカ)、2.連載コラム 自然エネルギーを促進する「非化石価値取引市場」(石田雅也)、3.連載コラム 2030年に自然エネルギーの電力30%超へ(石田雅也)。特に、3.では地熱エネルギーへの期待に関する情報も含まれています。配信を希望する方は、同財団のHPから、情報配信サービスを希望・登録すれば、適時配信されます。
『地熱発電の推進に関する研究会「平成28年度報告書」が、経済産業省資源エネルギー庁HP』から、4月12日に公開されました。「地熱発電の推進に関する研究会」では、地熱資源の適切な管理と最大限の活用を図るため、地熱資源開発に係る諸問題を整理し今後の諸制度のあり方について検討しています。資源エネルギー庁のHPからお入りください。
『サンゴ礁白化現象 温暖化で回復困難 グレートバリアーリーフ』、 と毎日新聞12日付朝刊が報じている。オーストラリアにある世界最大のサンゴ礁「グレ-トバリアーリーフ」で起きた大規模な白化現象は、進行する地球温暖化の影響もあって被害が元通りに回復するのは難しそうだとする分析結果を、国際チームが英科学誌ネイチャーに発表したという。チームは「サンゴを守るには、世界規模で温暖化を食い止める必要がある」と強調。すでに本欄でもたびたび指摘しているが、同様に深刻な白化が起きた日本の沖縄のサンゴへの影響も懸念されるという。チームは1998年以降にグレートバリアーリーフで起きた3回の大きな白化を調査。98年と2002年には全体の55~58%が白化したが、エルニーニョ現象による海水温の異常上昇が起きた16年には91%に達し、多くのサンゴが死滅したという。過去に被害を受けたサンゴが再び白化したケースもあり、高水温に適応できていないことも分かったという。被害はグレートバリアリーフの北部で特に深刻だったようだ。サンゴが完全に回復するのに10年から数10年もかかるが、温暖化によって異常な高温水温がまた起きる可能性がある。チームは「今回の被害の大きさを考え合わせると、白化前の状態に戻る望みは薄い」と結論付けている。国立環境研究所生物・生態系環境センターの山野博哉センター長は「今後も水温上昇が続くと、沖縄やグレートバリアリーフだけでなく世界的に白化が頻発する恐れがある。今回の研究では、水質悪化や漁業活動による白化への影響は高水温に比べて小さいとの分析が示された。サンゴを保全するには地球温暖化を抑制するのが第一という厳しい現実を突きつける結果だ」と指摘している。地球温暖化によって、すでに、一部のサンゴ礁は不可逆的な影響を被っているようだ。
『G7エネ相、声明見送り 温暖化対策 米規制見直し要因か』  毎日新聞4月11日付朝刊は 温暖化対策に関し、こう報じている。日米欧の主要7か国(G7)は10日、ローマでエネルギー相会議を開いたが、地球温暖化対策を巡って米国と日欧、カナダとの間で意見がまとまらず、共同声明の採択を見送ったという。トランプ米政権が対策に関する規制見直しを進めていることが要因と見られるという。先進国が温暖化対策という国際的な課題で協調できないという異例の事態となっている。高木陽介副経済産業相は共同通信に対し、「米国は政権交代したばかりで(政策の)方向性が定まっていない。各国もその点は理解を示した」と語ったという。米国から、温暖化に懐疑的なペリー・エネルギー長官が出席。関係者によると、議長国のイタリア政府を中心に声明をまとめようとしたが、米国側が温暖化対策に関する部分の受け入れを拒否したという。トランプ大統領は3月28日、エネルギー産業の雇用拡大を狙って、オバマ前政権時代に導入された温暖化対策に向けた規制を見直す大統領令に署名している。米国の方針転換により、昨年発効した温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の実効性に懸念が出ている。トランプ米新政権は、新たな政策がことごとくうまくいかない現状からすると、「パリ協定」の方向へ翻意することは極めて難しいと考えられる。これを覆すには、温暖化による地球環境への影響が強まるという事実しかないのか。一方、G7だけでなく、米国内世論そして国際世論が温暖化対策推進に声を上げる必要がある。当所も、引き続きこの問題を注視したい。
『宇宙誕生の謎に迫る 高エネ研 新型加速器で』 毎日新聞8日付夕刊によると、こう報じている。高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)は、新型加速器「スーパーKEKB」で生み出す粒子を観測し、宇宙創世期の物質誕生の謎に迫る実験を来年初めにも開始するという。この実験に使う新しい測定器「ベルII」を11日に加速器に結合させ、実験準備を本格化させるという。宇宙誕生直後は、物質を作る粒子と、電気的な性質が逆の反粒子が同じ数だけ存在したと考えられているが、今の宇宙には反粒子がほとんどない。スーパーKEKBの実験は粒子と反粒子のバランスが崩れたメカニズム解明を目指し、世界から700人以上の研究者が参加している。スーパーKEKBで素粒子の電子と陽電子を光の速さまで加速して衝突させ、発生した粒子や反粒子の崩壊の様子をベルIIで調べる計画という。電子と陽電子の衝突頻度を、従来の加速器「KEKB」の約40倍に高め、より多くのデータを取得できる。ベルII測定器は総重量1400トンで、7種類の検出器で構成。11日は、組み立て地点から加速器の素粒子衝突地点までの約13mを数時間かけて移動させる。高エネ研は測定器移動の様子を、11日午前9時からウェブサイト(http://www2.kek.jp/ipns/ja/special/belle2-nicolive/)で中継予定という。わが国の加速器グループが世界を先導して、宇宙誕生の謎に迫るという画期的な研究となる。成果を期待したい。上記のウェブサイトを訪ねると、予習ができます。カラフルで分かりやすいCGを使って説明されています。どうぞ、事前の訪問を!
『太陽系外惑星に大気 欧州チーム発見 地球そっくりの 岩石の星で初』 と毎日新聞7日付夕刊は報じている。 地球から39光年離れた太陽系外の惑星に大気の層を発見したと、英キール大学などの欧州チームが天文学の専門誌に発表したという。大気は水蒸気かメタンと見られる。地球に近い大きさと重さの岩石でできた惑星と考えられており、チームは「同様の惑星で大気を確認したのは初めてだ」 と成果を強調している。気温が100~300℃と高いため、生命がいる可能性は低い(地球の海底熱水系では十分このような温度は存在しており、地球生命もそのような環境で発生しうるとも考えられている)が、「太陽系外での生命探査の第一歩になる」としている。チームは南米チリにある欧州南天文台の望遠鏡を使い、直径が太陽の4分の1ほどの赤色矮星の周りを回る惑星「GJ1132b」を観測したという。矮星の光を遮ってできる影の観察から、これまで惑星の直径は地球の1.2倍程度と考えられてきた。しかしチームが影の端から漏れてくる光を様々な波長に分けて観察すると、一部の光による観察では、惑星が最大で地球の1.4倍ほどに見えることが分かったという。このことを、惑星に特定の波長だけを遮る大気の層があるためだと結論づけたようである。地球から意外と近いところに、われわれの地球と似た環境の惑星が存在するとすれば、地球外の生命の存在に強い期待が持てることになる。
『地磁気発生の謎に迫る 地球内部の環境 再現実験』 毎日新聞6日付朝刊はこう報じている。方位磁石(コンパス)で東西南北を確認できるのは、地球が磁場(地磁気)を出しているためである。その磁場がいつから、どのように発生しているかは謎だったが、地球内部の状況を実験で再現することで解明が進みつつあるという。地球の「磁石」を巡る最新の研究が紹介されている。なぜ磁場は発生しているのか。地球(直径約1万3000km)の構造は、中心に固体の鉄でできた固体コア(内核)があり、その周りを、液体の鉄を主成分とした液体コア(外核)や、岩石などで構成され、下部マントル、上部マントルが順番に取り巻いている。磁場が生まれるポイントになるのは、固体コアと液体コアの境界と言われる。ここでは、高い圧力がかかるため、液体コアに含まれる液体鉄の一部が「固体鉄」となって固体コア周辺に集まっているとみられている。液体コアでは成分の濃度差が生じ、密度が軽い金属が浮き上がり、対流が発生する。磁場発生は、「電磁誘導」による。電磁誘導は、渦巻き状のコイルに電流が流れると磁場が発生する仕組みである。液体コアで発生している液体金属の対流は電子をもつためコイルの役割を果たし、電流が流れた結果磁場が生まれる。つまり、地球全体が巨大な「磁石」になっている。地上で見つかった35億年前の岩石には、地場の存在が確認され、約46億年に及ぶ地球の歴史のかなり早い時期から磁場があったとみられている。一方、固体コアができたのは約7億~13億年前であると推定されているが、それ以前に磁場がどうやって発生したかは解明されていなかった。その理由として、長年考えられてきたのが「熱対流説」。しかし、7億年前まで熱対流が続いていたとすると、地球内部は現在も極めて高温になっているはずと言われる。しかし、実際には地球内部の温度ははるかに低く、矛盾があった。謎の解明に一役買ったのが東京工業大学の広瀬敬教授らの超高圧実験グループ。地球内部の高温(3726℃)、高圧(140万気圧)の環境を再現する装置を開発した。液体コアは、主成分の鉄に加え、ケイ素や酸素などの軽元素がわずかに含まれる。実験では、液体コアと下部マントルの境目で起きている化学変化を作り出し、初めて二酸化ケイ素(地上では石英)の結晶化を観察したという。これによって、固体コアができるまでの7億年前以前では、液体コアと下部マントルとの間で、二酸化ケイ素の結晶が発生し、液体コアに濃度差が生まれることで対流が発生し、電磁誘導の仕組みで磁場が発生していたのではないかと推測している。地球磁場は生物にとって、「地球の盾」としての効果があり、今後、生物の進化の過程にも生かされるのではないかと指摘されている。日本の地球科学者がこのような基礎的研究に貢献し続けているのは実に喜ばしいことである。なお、地球内部での対流現象の有無は、地球内部の温度と密接に関係している。地球の熱史には影響を与えると思われるが、現在推定されている地球内部の温度分布(おおよそ、深さ100kmで1000℃、500kmで1500℃、3000kmで4500℃、地球の中心6370kmで6000℃)については、おおよそこの理解で良いだろう。
『トランプ政権CO2制限撤廃 温室ガス 25年わずか6%減 26%減目標困難』と毎日新聞4月4日付夕刊は、こう報じている。懸念していたことが現実化しつつある。トランプ米大統領が出した大統領令によってオバマ前政権の地球温暖化対策がまったく実行されない場合、米国が掲げる温室効果ガスの削減目標を「達成できないことはほぼ確実」とする分析結果を、科学者らで作る国際NGO「クライメート・アクション・トラッカー(CAT)」が発表したという。米国は温室効果ガスを2025年までに05年比26~28%削減する目標を掲げているが、「6%の削減にとどまる」と指摘している。オバマ前政権は、火力発電所からの二酸化炭素(CO2)排出量を制限するよう義務づけ、CO2排出量の多い石炭火力の新設を事実上不可能にした「クリーンパワー計画」を掲げた。トランプ氏の大統領令は、同計画に基づく一連の政策を「停止か、修正か、取り消す」よう環境保護局に命じ、石炭などの採掘規制も緩和する。CATの分析では、同計画を完全に実施すれば25年に05年比で9%削減できるとした。オバマ前政権が決めた「気候行動計画」で車両の燃費改善などが進めばさらに約17%を削減でき、目標の達成が可能とした。しかし、トランプ大統領はどちらの計画も実行しない方針で「今後の排出削減は見込めない」としている。米国は世界第2位の排出国で、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が骨抜きになることが懸念される。ただし、CATは「クリーンパワー計画の廃止には多大な手続きと時間がかかる上、太陽光や風力などの低コスト化で、市場は再生可能エネルギーにシフトし始めている。大統領令で大幅に化石燃料の使用が増えるかは不透明だ」とも指摘している。このようなCO2制限撤廃だけでなく、「パリ協定」で明示されている、発展途上国の温暖化対策技術への費用拠出も削減されると思われ、米国の政策転換は、温暖化問題に悪影響を及ぼすことが避けられない状況になりつつある。わが国は、米国の政策転換に注意喚起を与えることができるだろうか。少なくともわが国はパリ協定におけるわが国のCO2削減目標(今後、さらに削減目標を高めることが国際的に要請されることもあり得る)を達成する必要がある。このような中で、地熱開発に関わるわが国の関係者は2030年度の目標(発電量を現在の3倍にする)を達成する努力が求められるだろう。
『東京で桜満開 全国で最も早く。 今週末にかけて、広範囲で見ごろ』 毎日新聞4月3日付朝刊はこう報じている。気象庁は2日、都心で桜(ソメイヨシノ)が全国で最も早く満開を迎えたと発表した。都心の桜の満開は、平年に比べ1日早く昨年より2日遅いという。2日午前、靖国神社(千代田区)の標本木で、8割以上のつぼみが開いているのを確認したという。2日は好天に恵まれ、上野公園(台東区)内の桜並木の遊歩道は花見客でにぎわい、咲き誇る花の写真を撮る人々の姿も見られたという。民間気象会社の予想では、3月中旬以降の寒の戻りで九州や四国を中心に開花が遅れていたが、今週末にかけて西日本や東日本で広く満開になり、見ごろを迎えそうだという。当研究所では1m深地温の毎日観測を2012年5月8日以降、所内の敷地で続けているが、気温の変化を反映した1m深地温は、今年は、地温の戻りがあっただけではなく、ここ数年と異なり地温上昇率も小さいようだ。これらにも開花から満開までの期間が延びたことが反映されているのではないか。
環境エネルギー政策研究所(ISEP)より、「自然エネルギー白書2016」全体版が公開されました。http://www.isep.or.jp/jsr2016 をご覧ください。
『米の温暖化対策 中国が継続要望 トランプ氏けん制』 毎日新聞3月30日付夕刊は、小さい記事であるが、米国を超える温室効果ガス排出で世界一の排出国中国の論評を紹介している。中国外務省の陸報道局長は29日の定例記者会見で、トランプ米大統領が地球温暖化対策に向けた規制の見直しを指示したことについて「気候変動問題は、全人類が直面している共通の挑戦だ」と述べ、温暖化対策の継続を求めてトランプ政権をけん制したと報じている。陸氏は、温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」について、「他国の政策に変化があっても、中国は責任ある発展途上国として目標や政策、行動を変えない」と述べ、努力を続ける考えを示したと報道されている。米国内の良識あるいは国際的な良識が米国の温暖化対策を果たして元に戻せるか。日本は米国に向けて、メッセージを送ることができるか。地球温暖化問題は、当面、米国の政策変更が軸になるに違いない。
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