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6月18日 REN21による『自然エネルギー世界白書2015』が公開されました。詳細は、環境エネルギー政策研究所(ISEP)のHPをご覧ください(http://www.isep.or.jp/library/7759)。プレスリリースでは「記録的な自然エネルギー拡大が世界経済成長とCO2排出量増大の切り離しに貢献した-REN21-」と紹介されています。
6月18日 毎日新聞6月18日付朝刊によると、2020年4月に電力大手の送配電部門を発電部門から切り離す「発送電分離」を実施する改正電気事業法が17日、参院本会議で可決、成立したという。同時に大手ガス会社3社の導管部門も分離する改正ガス事業法なども成立し、段階的に実施されてきた「電気とガスのシステム改革」に関する一連の法改正は完了した。この一連のシステム改革の結果、再生可能エネルギー利用が促進されることを期待したい。そのためには、大手が独占してきた送配電網が2020年に分社化され、大手電力の発電部門と送配電部門が別会社化されるが、見かけだけでなく、十分意味を持つ形できちんと分社化され、電力料金の値下げ・公平な競争が実現されるかを見守りたい。たとえば、市民レベルでは、電力大手の経営内容の吟味から、望ましい、特定の電力会社(新規参入者を含め)を選択していくことが考えられる。それが、公平な競争を確保し、電力料金が値下げされることにつながることを期待したい。さらに、送配電会社の中立性を確保するための、有識者で構成する監視委員会が設置されるようであるが、これが真に国民の立場に立って機能してもらいたい。また、すでに本年4月に設立されている電力広域的運営推進機構も国民の立場に立って機能してもらいたいものである。
6月13日 毎日新聞6月13日付朝刊によると、ドイツ・ボンで開催されていた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の準備会合が11日閉幕したという。会期中に、主要7か国首脳会議(G7サミット)で、先進国側が新たな温室効果ガス削減目標に合意し、途上国からも新たな目標を表明する動きが出てきたという。ただし、今後の温暖化対策のカギを握る中国とインドは依然目標を示しておらず、国内外から早期決定の圧力が高まっているという。中国とインドには国際的な圧力だけでなく、それぞれ国内的にも対応を迫られている。中国では、石炭火力の増加に伴う大気汚染が深刻化しており、一方、インドでは、今夏、「ルー」と呼ばれる熱波が吹き荒れた。なお、京都議定書に代わる新たな国際枠組みを決めるCOP21までに残された期間は約半年とかなり限定されている。果たして、世界は合意できるのか。この機会を失うと残された時間はさらに短くなってしまうであろう。
6月9日 毎日新聞6月9日付朝刊によると、6月8日、ドイツで開催された主要7か国首脳会議(G7サミット)が首脳宣言を採択して閉幕したという。この中で、温室効果ガスに関しては「世界全体で2050年までに10年比で40~70%の幅の上方で削減する」目標が盛り込まれたという。基準年と削減目標の数値を明確に打ち出すのはG8時代を含めて初めてという。ややあいまいな表現になったが、年末にパリで開催されるCOP21に向けて、発展途上国を含めた世界全体の削減目標を、かろうじて先進国側が提案できたということか。このなかで、わが国は最後に、国としての目標を示したが、かろうじて受け入れられたというべきであろう。基準年を都合よくとったこと、また、近年排出量が削減ではなく増加していること等を考えると、世界から尊敬される数値目標を立てたとは言えないだろう。G7は切り抜けることはできたが、COP21では苦しい立場になるのではないか。
6月8日 2015年5月25日発行の地熱関連誌「地熱技術」第86号、40巻1~2号(発行元:地熱技術開発株式会社)には興味深い、ホットな記事・報告が満載です。本号には、最近の国内外の地熱開発の趨勢、技術開発の動向等が掲載されています。以下に、タイトル・著者を紹介しますが、本篇を是非ご覧ください。巻頭言「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」(国立研究開発法人産業技術総合研究所・地熱情報研究所 野田徹郎氏)、海外情報「途上国におけるJICAの地熱開発協力」(独立行政法人国際協力機構JICA 久下 勝也氏)、国内情報「NEDOにおける地熱技術開発の取り組み」(新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO 吉田明生氏)、「JOGMECにおける地熱貯留層探査技術について」(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構JOGMEC 福田真人氏・高井克己氏)、「JOGMECにおける地熱広報と技術者教育支援映像の制作について」(石油天然ガス・鉱物資源機構JOGMEC 高橋由多加氏)、トピックス「土湯温泉バイナリー発電事業による地域づくりの挑戦」(つちゆ温泉エナジー株式会社 鈴木和広氏)、「森町における地熱水の農業活用」(北海道森町役場 宮崎 渉氏)、技術紹介「地熱発電設備における材料腐食やスケール付着問題と事例紹介」(国立研究開発法人産業技術総合研究所 柳澤教雄氏)、「エコロジカル・ランドスケープ手法で地熱発電所を計画する」(清水建設株式会社 小川総一郎氏)、現場紹介「地熱開発に係る自然環境調査について」(東北緑化環境保全株式会社 山家英視氏)。
6月5日 毎日新聞6月5日付夕刊によると、政府は5日、2015年版の「環境・循環型社会・生物多様性白書」(環境白書)を閣議決定したという。再生可能エネルギーに関しては、再生可能エネルギーの導入による地域経済の活性化などを提言しているという。具体的には、再生可能エネルギーの導入では、各地域は、平均すると地域内総生産の額の約1割を、エネルギー代金として地域外に支払っていると指摘。積極的に導入すれば、「大都市圏にエネルギーを販売し、資金を得ることが可能」としているという。
6月4日 毎日新聞6月4日付朝刊、「発言」欄に、駐日EU大使ビオレル・イスチョアイアブドアブドウラ氏(ルーマニア出身、EU欧州対外行動庁アジア・太平洋本部長などを歴任して、昨年12月より現職)が、日本の気候変動対策に対して、意見-気候変動対策「第四の矢」に-を表明している。ご存知のように世界各国は、12月パリで開催予定のCOP21に向けて、2030年における温室効果ガス削減目標を提出するよう国連から求められている。EUはすでに30年までに1990年比40%削減するという目標を提示している。一方、わが国政府は6月2日、2013年比26%削減案をまとめている。この数値に関し、同大使は、日本はもっとチャレンジングな目標を提出すべきとの考えである。氏はこう述べる。「少なくともすべての主要国や新興国は、EU同様に野心的な貢献を表明すべきだ。日本は、アジアで唯一の主要7か国(G7)メンバーとして、また世界第3位の経済を有する国として、気候変動に影響を与え、他国によい模範となるべく、相当な政治的力を持つ。かつて日本は、京都議定書という世界初の国際的気候変動協定を生み出した会議の主催国として先駆的な役割を果たした。また、知識や技術基盤の強い国として、日本は低炭素社会への移行による経済的恩恵を受ける立場にあり、この比類ない経済的機会を逃がすべきでない。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の決定的な「第四の矢」になりうる。そしてさらに、「11年の東京電力福島第一原発事故を受け、日本が自国特有で厳しいエネルギー問題を抱えていることは理解するが、日本が野心的な排出量削減目標を早急に提出することは極めて重要である。日本はEU同様、国際交渉に積極的な役割を果たさなければならない。」と提言している。G7あるいはCOP21で、消極的な評価をされる前に、積極的な削減目標を世界に提示しない限り、日本の立場は苦しくなるであろう。
6月2日 毎日新聞6月2日付夕刊によると、政府は2日、地球温暖化対策推進本部(本部長・安倍首相)を開き、二酸化炭素などの温室効果ガス排出量を「2030年までに13年比で26%削減」する新たな目標案をまとめたという。安倍首相は7,8日にドイツで開かれる主要7か国首脳会議(G7サミット)で初めて国際社会に説明する方針という。国民から意見を募った上(パブリックコメント)で、7月中に正式決定する。年末にパリで開かれる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)では、20年以降の温暖化対策の新たな合意を目指しており、各国は削減目標を国連に提出するよう求められている。安倍首相は、「国際的に遜色のない目標をまとめられた。(国際交渉で)世界をリードしていく」と推進本部で述べたと言われるが、果たして、G7やCOP21で評価されるかは極めて疑わしいと言わざるを得ない。もっとチャレンジングな数値を掲げない限り、国際的な評価は難しいであろう。
6月2日 毎日新聞6月2日付朝刊によると、気象庁は1日、今年の5月は1946年から統計に用いている全国154観測地点のうち、月平均気温は北日本(北海道、東北)や東日本(関東甲信、東海、北陸)を中心に、55地点で地点観測史上最高になったという。本州付近が高気圧に覆われ晴れた日が多く、日照時間も延び、暖かい空気も加わって気温の上昇が続いたという。月平均最高気温となった55地点のうち、東京都心は平年比で2.9℃高い21.1℃となったほか、福島市では同3.2℃高い19.8℃となったという。東日本全体は平年より2.1℃、北日本も同2.0℃高く、いずれも統計開始以来最高だったという。ただし、今年だけが特に高温というだけでなく、経年的な増加傾向も反映しているとみられる。なお、当所では庭の木陰で2012年5月8日以降、1m深地温を毎日測定しているが、たとえば、5月16日の1m深地温は、2012年が15.68℃、2013年が17.46℃、2014年が18.30℃、2015年が19.15℃と年々上がってきているのが読み取れる。これは特定の年の地温が高いというより、地温が年々上昇していることを示しているとみられるだろう。地温の上昇には気温の上昇が反映されており、地球温暖化現象およびヒートアイランド現象を反映しているものとみられる。それぞれの寄与がどの程度か興味あるところである。当所の位置・標高(おおよそ東経139度24分・北緯35度51分、標高約54m)における5月中旬の1m深地温標準温度(おおよそ日本列島に適用可能)は14.8℃である。なお、これには±2℃程度の誤差があるといわれている。この標準温度と比較すると、2012年は約0.9℃高く、2013年は約2.7℃高く、2014年は約3.5℃高く、2015年は約4.4℃高くなっている。詳細な検討が必要であるが、このような結果からでも、1m深地温の測定から、地球温暖化現象あるいはヒートアイランド現象を自宅でも量的に目安を付け、実感することが可能である。正しい気温の測定は難しいが(それに加えて、気温は気象庁から毎日発表されている)、むしろ地温の方が独自の値が得られるとともに、測定しやすい面があるので、みなさんも自宅で試みられたら興味ある結果が得られるのではないか。測定のためには、リード線が少し長い温度プローブ付デジタル温度計と深さ1m・直径2~3cmの穴があればよい。あとは根気である。ご家族の協力が得られることが継続のカギである。お試しください。
6月1日 毎日新聞6月1日付朝刊によると、安倍首相は福島県を訪問し、視察先の福島県柳津町(柳津西山地熱発電所がある)で記者団に「再生可能エネルギーの導入を進めるため、地熱発電の開発への財政支援を拡充し、関連規制の緩和を進める方針を表明した」と報道されている。首相は「地熱発電が持つ可能性を日本として生かさなければならない」と強調したという。具体的には、地熱開発の補助率引き上げや、影響を懸念する温泉業者に配慮した支援策を検討するほか、熱源が集中する国立・国定公園での開発に向け、規制緩和を進める考えを示したと言われる。地熱開発促進の障害となっている、3つの課題(発電コスト問題:これはすでに固定価格買取制度の導入で大きく改善されている、国立・国定公園問題、そして温泉問題)の解決に有効に作用すると考えられる。現在、全国60カ所以上で発電を目指した地熱調査が行われているが、これらの地域で発電所建設に向かう動きが加速することを期待したい。なお、首相の福島訪問と地熱発電への支援に関しては、他紙(読売新聞、産経新聞、日経新聞、東京新聞、福島民報、福島民友、河北新報など)でも報道されているようだ。
5月29日 読売新聞5月28日付夕刊に、国立・国定公園内での地熱調査の実施法および地熱発電所建設に関して、環境省の検討会で検討が行われており、7月をめどに指針がまとめられることが報じられている(この辺の経過に関しては、本HPの 時事情報「地熱に関する最新の動き」で何度か紹介されているので参照されたい)。記事では、自然保護や温泉との両立が課題と指摘される一方、後藤弘樹地熱協会会長のインタビュー記事が掲載されている。それによると、「地熱は純国産エネルギー。太陽光や風力と違って、天候に左右されない。二酸化炭素の排出が極めて少なく、温暖化対策としても有効だ。積極的に拡大していく必要がある。特別保護地区や第1種特別地域は地熱発電の熱源の中心部に近く、深部に有望な地熱貯留層が存在することがある。それを利用できれば、発電量を飛躍的に拡大できる。その真上に発電所を作ることまでは求めないが、地上への影響がないような傾斜掘削まで一律に制限することは、科学的な合理性がない。現に、第2種、第3種特別地域では条件付きで認められている(これまでも傾斜掘削は行われてきているが、地表に影響が出たことはない)。温泉が大事なことは理解しており、計画段階で十分調査している。温泉枯渇と地熱発電が関連づけられることがあるが、因果関係が科学的に証明された例は国内ではない。自然環境には最大限配慮していきたい。既存の発電所の中に、予定通りの出力が得られなかった例はあるが、地下の熱水の動きを予測する技術は進歩している。今後は、予定した出力が確保できないような事態は避けられると考えている。」と述べている。なお、環境省の検討会は、すでに2回開催されているが、6月中に第3回目が、7月中に最終回第4回目の開催が予定されている。一方、これとほぼ並行的に、内閣府規制制度改革会議で、規制緩和について議論されている。環境に配慮しつつ、わが国の地熱発電が大きく展開することを期待したい。
5月28日 毎日新聞5月28日付朝刊によると、地球の磁気が、近年急速に弱まりつつあるという。また、磁北が移動し、20世紀初頭にはカナダ北端にあったのが、徐々に北極点に近づき、ロシア側に迫っているという。観測所で機器による観測が始まった19世紀半ばに比べ、地磁気は約10%弱まり、特にこの数10年間で弱まり方が加速しているという。わが国でも1世紀以上にわたって観測を続けている気象庁地磁気観測所(茨城県石岡市)の高精度のデータもこれらに大きく貢献している。実は、地磁気の現象は単なる自然現象というだけではなく、地球温暖化や電力問題とも関わってくる可能性がある。地磁気が弱まると、地球を取り囲む磁気圏が小さくなり、太陽風や宇宙線が地球に届きやすくなる。宇宙線(電子や陽子などの荷電粒子)が強いと雲ができやすいという研究もあり、地球が寒冷化する可能性があるとも言われている。人為起源の温室効果ガスによる地球温暖化説に対する反論としてもよく取り上げられる説である。一方、磁気圏が縮小し、地上付近に届く太陽風や宇宙線が増え、また、磁北の移動などから今後、オーロラを発生させたり、送電網に異常電流をもたらして停電を起こしたりする範囲が日本付近に及ぶ可能性があるという。実際、北米では激しいオーロラが現れた1989年に、大停電が起きている。日本では、経済産業省の検討委員会が昨年、国内の送電網に問題がないか調査することを決めたと言う。
5月22日 全国各地で地熱開発が進められている中、熊本県南阿蘇村では、同村地熱資源の活用に関する条例に基づく村長の同意書が交付されたことが同村HP、地元のNHKなどで紹介されています。同村では、阿蘇山西部地域の豊かな地熱資源の活用に関し、地熱資源の保全や自然環境との調和を図りながら、持続可能な活用と地域の産業振興及び雇用創出等の実現に資することを目的とし、平成26年12月12日、「南阿蘇村地熱資源の活用に関する条例」を制定しています。そして、平成27年1月、同条例に基づく事業計画書の提出が5件(事業者、グループ)あったことから、村では2月に条例第13条に基づき、阿蘇山西部地域地熱資源活用協議会に対し、村長の同意の判断の参考とする意見を求め、協議会は5事業者(グループ)の事業計画のヒアリングを実施した。そして、3月に協議会から村長に対し、各事業計画に対する意見の提出があったという。それに基づいて、南阿蘇村は、協議会の意見を参考に、2事業グループ(1.株式会社フォーカスキャピタルマネジメント、株式会社レノバ、デナジー株式会社、及び2.九州電力株式会社、三菱商事株式会社)に対して、5月21日、村長の同意書が出されたものである。なお、今回の同意は、地熱資源の資源量調査に関する同意であり、地熱発電を開始するまでに必要な各段階(調査井掘削、生産井掘削、発電所建設等)で、あらかじめ村長の同意を得る必要があるという。また、今後、同村内における他の事業者による地熱資源量調査の実施については、今回の2事業グループの調査結果を見極めた上で検討することにしているという。このような手法は、地域資源を適切に開発利用していく上で1つの新しい手法とも言え、資源量調査が進展し、地熱発電所の建設にまでつながることを心から期待したい。
5月17日 毎日新聞5月17日付朝刊によると、日本の気象研究所と国立環境研究所などのチームが、高度約10kmの上空で、二酸化炭素の濃度が上昇し続けていることを発見したと、米地球物理学会誌に論文発表したという。1993年~2013年のデータを解析したものである。産業活動が活発な北半球で増加が目立っており、人間活動の影響が高層まで及んでいることを示した。地球温暖化対策を検討する際、地表付近の二酸化炭素の濃度の分析は進んでいるが、上空は観測が難しいため実態がこれまでわからなかった。チームは大型旅客機に搭載できる二酸化炭素濃度の測定装置を開発し、日本航空の国際便に乗せ、20年かけてデータを集めたものである。その結果、高度10km付近の濃度は、北半球・南半球ともに増加傾向が続き、特に2001年以降の伸び率がそれまでの10年間に比較して約10%高くなっているという。増加率は、化石燃料を使うことによる排出量の変化とも一致しているという。これは中国やインドなどの成長が背景にあると言われる。産業革命前の高度10kmの濃度を推計すると、南半球の濃度上昇幅が北半球より高かったこともわかり、その後の北半球を中心とする産業活動の活発化によって逆転したとみられる。気象研究所の松枝秀和室長によると「上空の二酸化炭素の濃度や変化を把握できれば、温暖化予測の精度向上や対策に役立つだろう」とコメントしている。
5月16日 JOGMEC(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)は地熱資源情報として、技術者用映像「地熱資源開発とその技術」(最新版)を公開しました。本映像は、地熱開発地域において、地域での技術説明を効果的に行うため、また若手技術者の不足が顕著な地熱業界の技術教育を支援するため、地熱資源開発の実際を動画で撮影して解説したものです。地熱に関心を有する一般の方々や地熱技術を学ぶ初学者が技術上のポイントの概略をつかめるようなレベルで編集しており、各編10~15分程度の映像(DVD)およびその内容を紹介するテキスト全14編で構成されています。提供依頼書を受領した上で無償提供されます。提供対象者は、本邦法人等(個人は除く)で、使用にあたっての禁止事項もあります。詳細はJOGMEC HP まで。
4月28日 毎日新聞4月28日付夕刊によると、太陽光がほとんど届かない深さ1000メートル以深の海底で、熱水が噴き出す場所にヤドカリの仲間の「ゴエモンコシオリエビ」などが集まり、新たな生態系を作る過程の観察に初めて成功したと、海洋研究開発機構などのチームが米科学誌プロスワンに発表したと報道されている。チームは2010年、那覇市から北北西約190キロの海域「伊平屋北海丘」で、地球深部探査船「ちきゅう」を使って水深1060メートルの海底を掘削し、海底部分から熱水を人工的に噴出させて海底の変化を3年以上観察したという。周囲で掘削前に確認されたのは、二枚貝のシマイシシロウリガイの死骸がほとんどであったが、しかし、熱水が新たに噴出して水温が50℃以上になると、熱水中の硫化水素やメタンなどから有機物を合成するバクテリアがマット状に密集するようになったという。また、バクテリアを餌にする生物も増加。このうち、ゴエモンコシオリエビは、約5か月後は1平方メートル当たり最大43匹、29か月後には最大110匹まで増えたという。初期の方が甲羅が大きい個体が多く,近くの熱水噴出域から成長した個体が歩いてきて繁殖したと考えられるという。地球上の始原生物が海底熱水に関係して発生したという考えにも好都合な観察結果ともいえる。
4月26日 公園・温泉・制度フォロー検討会(以下、フォロー検討会)が解散し、新たに三者協議会(仮称)が発足することになりました。フォロー検討会とは、資源エネルギー庁に設けられた地熱発電に関する研究会が平成21年6月に節目となる中間報告を出した際に、抽出された10個の課題のうち、自然公園、温泉法、規制・制度の三つの課題について、引き続き検討を行い、特にこれらの規制改革に向けての活動を行ってきました。フォロー検討会発足当時は地熱冬の時代の真っただ中にあったため、陽の当たりだした現在の状況は隔世の感が感じられます。その結果、自然公園については、優良事例との条件つきながらも国立・国定公園内の開発が認められ、温泉法については、掘削を目的としない構造試錐井、観測井、還元井の掘削については許可を不要とし、小型発電機におけるボイラー・タービン主任技術者の配置についての不要化ないしは資格取得要件の軽減、環境アセスメントの短縮化などの成果を得ています。平成24年9月にはJOGMEC地熱部が発足し、同年12月には日本地熱協会が設立され、地熱開発が復興路線を歩み始めています。規制改革の面では、日本地熱協会が次第にフォロー検討会に代わって活動の中心となるようになってきました。このような動きと、JOGMECにおいては部長が、日本地熱協会においては会長が交代されたのを受けて、資源エネルギー庁資源・燃料部政策課、JOGMEC、日本地熱協会に、三つの組織をコアとして、地熱開発のいっそうの発展のために、規制改革はもちろん、もっと広い分野で一致協力して活動する三者協議会が間もなく発足する運びになりました。そこで、フォロー検討会の役目は終わったと考えられ、これを機に解散することになったものです。三者協議会(仮称)が正式に発足し、地熱エネルギーが本当に我が国のエネルギーの頼れる存在になることを期待したいと思います。
4月25日 毎日新聞4月25日付朝刊によると、政府は、24日、2030年の温室効果ガス排出量を今より約25%減らす目標案と、総発電量に占める原発の割合を20~22%(再生可能エネルギーは22~24%)とする案を了承したという。この数値は欧州連合(EU)など主要先進国・地域の水準および期待を大きく下回っており、国際社会から高い評価を受けられそうにないと言われる。また、原発依存度をもっと下げるべきだとの国内の声も根強く、最終決定までには曲折がありそうだとの見方である。政府内では「国民や与党内の反発が強まれば、原発依存度が20%未満に修正される可能性もある」との見方も出ているとされる。削減目標の数値が低いことも大きな問題だが、ビジョンなく、何かの数値と合わせるという数字合わせに終始していることの方がより大きな問題と思われる。また、基準年を変えて(温暖化問題が国際的に議論され、取り組みが始まった京都会議が開催された1990年を基準年とするのではなく、「今より」として、より排出量が多くなっている年を基準年とする)、削減目標を大きく見せる手法も姑息だろう(「今」を基準年とすると、削減目標は約25%であるが、1990年を基準年とすると約17%となってしまう)。
4月24日 毎日新聞4月24日付朝刊によると、政府は23日、2030年の温室効果ガスの排出量について、現状と比べ24~26%削減する新たな目標の原案をまとめたという。安倍首相が24日、上積みの余地も含めて関係閣僚と協議した上で政府案として決定し、28日の日米首脳会談でもオバマ大統領に説明する見通しで、6月にドイツで開かれるG7サミットで正式表明するという。なお、削減目標の前提となる2030年の電源構成についても、経済産業省は23日に首相官邸で開かれた関係閣僚会議に原案を報告したといわれる。原案では、発電電力量に占める原発の比率を20~22%、再生可能エネルギー22~24%、火力発電のうち、天然ガスを27%、石炭を26%、石油を3%とされているという。本年3月12日の本欄に、検討委員会の委員構成から、残念ながら20%を大きく超える数値を出すことは難しいかも知れないと書いたが、図らずも的中してしまった。
4月22日 5年に一度開催される世界地熱会議(World Geothermal Congress 2015)がオーストラリア・メルボルンで開催中(4月19日~24日)であるが、大会参加者から、世界の地熱開発の最新状況について、報告があった。それによると、①世界の地熱発電は2010年10,897MWから、2015年12,635MWに伸びた。②今後の予想は、過去の直線的延長(1990年-2010年)だと、2020年には13GWから15GW程度だが、2000年から2010年の伸びを指数関数的(exponential)に延長すると22GWになる可能性がある。③合言葉は「Be exponential!!」で行こう、であったという。なお、日本の地熱発電は2005年には世界第6位だったが、次第に順位を落とし、2010年には第8位(ニュージーランド、アイスランドに抜かれた)、2015年が第9位(ケニアに抜かれた)になってしまった。国内の地熱発電が伸びない限り、世界の地熱界の中で、日本のプレゼンスは残念ながら下がらざるを得ない状況になりつつある。世界第三位の地熱資源ポテンシャルに恵まれ、世界の地熱タービンの70%を供給する技術力があるわが国である。国立公園・国定公園問題、温泉問題という国内的課題を解決し、世界の地熱開発の進展の仲間入りをしたいものである。これらの課題解決に向けた国レベルの会合も近々開催される予定であり、一層の努力をしたい。
4月16日 毎日新聞4月16日付夕刊によると、経済産業省は16日午前、夏の節電対策を議論する電力需給検証小委員会を開催し、沖縄電力を除く電力大手9社の今夏の電力需給見通しを公表したと報道されている。それによると、ピーク時の電力需要に対する供給余力を示す「供給予備率」は全国平均で7.0%で、昨夏の見通しに比べ2.4%改善したという。その結果、全国の原発がすべて停止した前提でも、安定供給に最低限必要とされる供給予備率3%以上を全社が確保する見通しとなったという。需給見通しは、猛暑だった2010年か13年のいずれかの夏並みの気温を前提に、8月の最大電力需要を想定したものである。原発事故前に原発比率が高かった関西電力と九州電力は、他社からの電力融通がない場合の供給予備率が関西電力管内で0.8%、九州電力管内がマイナス2.3%となったが、他社からの電力融通を受けて、3.0%ぎりぎりに確保できるという。供給予備率が昨夏より改善するのは、電力各社が火力発電所の設備更新などを進めたためだと言われる。原発ゼロの夏を2年連続で乗り切ることができることで、原発の再稼働に対して厳しい意見が出る可能性があるという。ただ、火力発電所の定期検査を先送りして、需要ピーク時に対応している状況は変わらず、安定供給へのリスクは残るという。また、九電は、再稼働の手続きが進む川内原発1,2号機が今夏に稼働した場合、電力融通を受けずに4~11%の供給予備率を確保できるとの見通しも示したと言われる。
4月14日 毎日新聞4月14日付夕刊によると、環境省が昨年度の国内の温室効果ガスの排出量を公表したという。それによると、前年度比1.2%増(14億800万トン)であったという。1990年度以降で最多だった2007年度(14億1200万トン)に次ぐ多さだった。近年は、原発停止に伴う石炭火力などの火力発電の増加により、排出量は増加傾向にある。このような中で、政府は「20年度までに原発ゼロでも05年度比3.8%減(13億4400万トン)」の目標を掲げている。このような統計数値が発表されるたびに、基準年度が変わっているが、京都議定書の基準年1990年度を使うべきであろう。そうしないと恣意的な数値の取り上げにならないとも限らない。
4月4日 毎日新聞4月4日付朝刊によると、環境省は3日、2030年の再生可能エネルギーによる発電割合は24~35%まで拡大可能だとする試算を公表したと報道されている。原発や火力を含む将来の電源構成を検討している経産省の有識者委員会は、エネルギー基本計画が目標に掲げる「2割を上回る水準」からどこまで上積みできるかを模索しており、影響を与えそうだという。いずれにしても、将来の電源構成を前向きにとらえ、世界も納得する、再生可能エネルギーの構成割合を、国として決定してほしいものである。
4月4日 毎日新聞4月4日付朝刊によると、経済産業省は、周波数が異なる東日本と西日本との間で送電できる能力を、現在の120万kWから、約2.5倍の300万kWに増強する方針を決め、電力需給を検証する同省有識者委員会に示したことが報道されている。有識者委員会は、今後、送電能力を増強するための費用や効果を検証するという。ただし、東西間の送電能力を90万kW増強するには、10年間の工期と1500億円規模の経費が必要とされるという。東西送電能力が増せば、いわゆる3.11のような緊急時に大きく寄与するだけでなく、再生可能エネルギー導入促進にも寄与すると見られる。
4月1日 毎日新聞4月1日付朝刊によると、望月環境相は3月31日の閣議後記者会見で、2020年以降の温室効果ガスの削減目標について、年度内に国連に提出することを断念する方針を表明したと報じられている。各国は。年末にパリで開かれるCOP21で、京都議定書に代わる20年以降の地球温暖化対策の新たな国際枠組みの合意を目指している。準備できる国は、3月末までに提出することを合意している。EUはすでに提出していると言う。一方、エネルギーミックスの比率が決まっていないわが国では、目標の策定ができない状況にある。望月環境相は「具体的な提出時期は明言できない」と述べたと伝えられている。
3月31日 朝日新聞3月31日付朝刊によると、英国の気候変動相より、日本の関係閣僚(環境相、外相、経産相)に、6月のG7までに日本の温室効果ガス削減の目標案を提出することを促す書簡が届いていることが報道されている。国連の地球温暖化対策をめぐる交渉で、各国は20年以降の温室効果ガス削減目標案を3月末までに国連に提出することが求められていた。本日環境相は3月末までにまとめられなかったことを記者会見(テレビ)で発言せざるを得なかった。わが国ではエネルギーミックスの議論が現在進行中であり、それに基づいて、どのようなチャレンジングな数値が掲げられるか世界から注目されることになる。
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