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10月26日 毎日新聞24日付夕刊によると、地球温暖化対策の新たな国際枠組み合意(COP21)に向け、ドイツ・ボンで開催されたCOP21会議準備会合は23日閉幕したという。途上国の温暖化対策への資金支援などを巡り、各国の意見対立は解消されず、主要論点は本番に持ち越されたようである。合意は簡単ではない。COP21の特別代表(フランス・パリ政治学院教授のローランス・トウビアナ氏)は「合意に向け、選択肢を絞っていきたい」と述べているが、後世の人類に対し責任を持てる合意が果たしてできるか、現代の人類が問われているとも言えるだろう。なお、毎日新聞25日朝刊にも、同内容の記事が掲載され、各国の利害が複雑化し、論点は先送りされ、COP21において、全会一致の合意を得ることは容易なことではないようだ。
10月26日 毎日新聞24日付朝刊は、政府が23日、地球温暖化で出る被害の軽減策をまとめた初の「適応計画」をまとめたこととともに、法制化が見送られたことも報じている。温暖化の影響はすでに日本各地で顕在化しており(当所の敷地内の1m深地温の測定結果からも、最近4年間にわたり地温が確実に上昇していることが確認されている。この結果は、単に気温が上昇するだけではなく、気温変化のパターンも変化していることも示している)、被害を最小に抑える戦いは長期化が必至だが、「適応計画」の効果を上げるうえで課題が多いが、「適応計画」を絵に描いた餅に終わらせず、実効が上がるように注目していく必要があるだろう。
10月26日 毎日新聞10月23日付朝刊によると、政府は23日、地球温暖化がもたらす国内の被害軽減策をまとめた「適応計画」の案を公表したという。「適応計画」とは、地球温暖化による被害を減らすための対策をまとめた計画のことである。この計画は、農林漁業や自然災害、生態系などの分野ごとに、今後約10年間に政府が優先的に取り組む対策を盛り込んだと言われるが、対策に必要な予算額や具体的な達成目標時期は盛り込まれていない。また、法的な義務もない。まさに、絵に描いた餅に過ぎないと言っても良いだろう。一方で、政府は、石炭火力発電所の新設を目指しており、矛盾した政策となっている。COP21で国際的に理解を得ることは極めて困難ではないか。
10月26日 毎日新聞10月23日朝刊によれば、先進国が掲げる「2050年に温室効果ガス排出量を80%以上削減」との長期目標について、稼働が難しい原発に代わって、二酸化炭素を多量に排出する石炭火力発電所の新設計画が相次ぐ日本は達成が困難とする報告書を政府系シンクタンク・地球環境戦略研究機関のチームがまとめたという。年末にパリで開催されるCOP21において、わが国の姿勢が批判にさらされる可能性もあると言われているが、おそらく確実にそのような結果になるであろう。今からでも遅くない。わが国は政策を転換する必要があるだろう。
10月26日 毎日新聞10月21日付朝刊によると、経済産業省は20日、再生可能エネルギーの固定価格買取制度で、地熱、風力、水力、バイオマスを対象に、あらかじめ2~5年程度先の買取価格を決める考えを示したという。地熱や風力などは環境アセスや地元との調整に時間がかかる。これによって、発電事業者にとって買取価格の予測を立てやすくなり、参入が促進すると期待される。ただ、運開までのリードタイムが長い大規模地熱発電所の場合、同じ価格が長期間維持維持される方が望ましい面もある。
10月15日 毎日新聞10月15日付朝刊によると、11月末からパリで開かれるCOP21で合意を目指している地球温暖化対策の新枠組みで、各国が掲げる2020年以降の温室効果ガス削減目標について、達成の義務化が見送られる見通しになったという。新枠組みでは途上国を含めたすべての国の参加を目指しており、各国の利害に配慮し、厳しいルールよりも合意を優先させる狙いがあると見られている。最低限合意は必要であるが、それだけでは実効性が不十分である。さらなる、何らかの具体的進展を期待したいものである。すでに気候変動は世界各地で多様な規模で始まっており、温室効果ガス削減に待ったはない状況になっているのに残念である。対公害問題と同じで、重大な被害が顕在化しないと真の対策の実施は困難ということか。
10月4日 JOGMEC(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)は10月2日、本年8月7日秋田県湯沢市で開催された「全国地熱自治体サミットin湯沢」の開催レポートを発表しています。国内で23年ぶりの大型地熱発電所となる「山葵沢地熱発電所」、その建設が始まった秋田県湯沢市で、あらためて地熱とは何か、そして町にどのようなことをもたらすのか・・・・。特に、地域の視点からみる、地熱エネルギー利用の意義が明確に示されています。地熱エネルギー・再生可能エネルギーに関心のある方は、是非とも、ご覧ください。「JOGMEC 地熱資源情報」でサイトに入れます。また、今後、実施内容を小冊子にとりまとめ、地熱開発に取り組む地方自治体など関係先に配布されるようです。
10月3日 毎日新聞10月3日付朝刊は、昨日の夕刊に続いて、温室効果ガス削減目標が主要国から国連に提出されたことを報じている。特に、各国・地域から提出された目標を合計しても、産業革命後の気温上昇を2℃未満に抑えることは難しいと、科学者らで作る国際的NGO組織(クライメート・アクション・トラッカー)が試算しているという。さらに、途上国の目標で積極的なものが相次ぐが、資金や技術から実現が難しいのではないかとの識者の指摘もある。COP21で、産業革命後の気温上昇を2℃未満に抑えるためには、排出量の大きい国での削減目標のアップと、先進国の途上国への技術援助・資金援助が必要不可欠となる。果たして、COP21は合意できるのか極めて不透明である。なお、今日朝7時のNHKニュースでは、先日石垣島を襲った最大瞬間風速が80m/秒を超えた台風のことを改めて報じていたが、名古屋大学の坪木和久教授は今世紀末には、このような強力な台風が本州に影響を与える可能性もあると指摘している。当研究所では自宅敷地で1m深地温(気温の経年的変化を反映)の毎日観測を行っているが、最近4年間、年最高地温は上昇を続け、しかも、最高地温を示す時期が年々早まっていることを観測している。これらは、ほんの一例であるが、すでにいろいろな形で各種規模の気候変動が生じていると思われる。COP21での議論に注目したい。わが国がイニシアチブを果たしてとれるか。そのためには、2つの課題(削減目標・途上国への援助)に思い切った提案が必要だろう。
10月2日 環境省は、「国立・国定公園内における地熱開発の取り扱いについて」の改正について、通知しました。これは、自然環境と調和した地熱開発の一層の促進を図るための考え方等を整理し、優良事例形成の円滑化を図ることを目的とし、平成27年3月に「国立・国定公園内の地熱開発に係る優良事例形成に関する検討会」を設置(7月30日までに計4回開催)し、検討会最終回で得られた結論を踏まえ、平成24年3月27日付の環境省自然環境局長通知を改正し、各地方環境事務所及び各都道府県知事あてに通知したものである。今回の主な改正点は、(1)第1種特別地域に関しては、既存通知では地下部への傾斜掘削も認めないこととしていたが、本改正により、地表に影響のないことを条件に、地下部への傾斜掘削を認めること及び(2)建築物の高さ規制については、風致景観への著しい支障が回避され、風致景観との調和が図られている場合に限り、13mにとらわれずに運用できる ことである。これらの改正によって、有望な地熱資源地域で調査が進展し、地熱発電所の建設が促進されることを期待したい。なお、詳細は環境省HP 報道発表一覧をご覧ください。
10月2日 毎日新聞10月2日付夕刊によると、インド政府が1日、温室効果ガス排出量について、国内総生産当たり2005年比で33~35%削減する目標を国連に提出したという。インドは世界第3位の排出量(世界の6.2%)であるが、削減目標を国際的に公約するのは初めてという。これで、世界148か国・地域(世界の排出量の9割近くを占める)の目標が出そろったことになる。11月30日からパリで始まるCOP21では、途上国を含め、すべての国が参加する温暖化対策の新しい枠組みを目指すことになる。問題の1つは、先進国側が、途上国側の削減対策に対し、資金支援ができるかどうかだろう。日本の削減目標は、2030年に13年比26%というものであり、各国に比べ、野心的な数字とは言えない。COP21では、外国から、資金援助だけでなく、削減目標を上げることが要請されるのではないか。
10月1日 岩波書店発行の月刊誌「科学」10月号(Vol.85,No.10,2015)によると,「衝突山脈ヒマラヤのテクトニクス:最近の進歩と新しいシナリオ」と題した論文(酒井治孝、956-962ページ)が掲載された。それによると、ヒマラヤ形成のモデルに関し、従来のモデル(ヒマラヤ山脈は、チベットの下に100km以上深く沈み込んだインド亜大陸が、高圧・超高圧変成作用を受けて上昇したことによって形成されたとしている)に対し、新しいモデル(インド亜大陸のアンダープレーティング-底づけによる付加作用-によってヒマラヤの変成帯が形成され、その下にあったスラブが分断・落下することにより変成帯が急激に上昇し、ヒマラヤ山脈が形成されたとする-詳細は論文をご覧ください-)が提案されている。議論のポイントは、ヒマラヤの変成岩の起源が、チベットの部分融解した中部地殻に求められることである。最近の地震学的・地球電磁気学的研究から、中部地殻(深度15~60km)では、地震波のS波が約20~40%減衰し、部分融解していることが明らかにされたことが重要な観測事実となっている。チベット地域は、日本列島と違って、火山の発達は見られないが、羊八井(ヤンバージン)地域などの優勢な地熱地域が存在し、実際に地熱発電も行われているが、その熱源は必ずしも明確ではなかった。1993年および1994年、現地を訪れ、現地調査と既存データの収集から、羊八井地域周辺の地域的熱構造に関し、地殻熱流量の解釈から、地殻中部あるいは場合によっては地殻浅部(5km深程度)で、地殻岩石は十分融解することを推定したが、それを新しい観測データが確証を与えてくれたとも言える。地殻中部の広範囲に融解が生じているのにも拘わらず、活発な火山活動や地熱活動が見られないのは、熱源としてはやや深いこと(15km以深)によるのであろうか。あるいは特有のテクトニクスによるのであろうか。そしてそのような背景的温度場の中で、羊八井地域のように局部的に融解層が浅くなっているところに地熱地域が発達しているのであろうか。ヒマラヤ-チベット地域の熱的構造とテクトニクスの解明を今後に期待したい。これらの地域で地熱発電がおこなわれれば大きな貢献となろう。
9月26日 毎日新聞9月26日付朝刊によると、経済産業省は25日、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の見直し案を有識者会議に示したという。それによると、再生可能エネルギー事業者が電力会社と接続契約を結ばなければ、国から受けている認定が無効となる仕組みを導入する。これは、太陽光発電は、年々、価格が下落し、発電効率も向上することから、買取価格が高い時期に設備認定を受けた事業者が、発電を開始しない事例が相次ぎ、2012年度には認定された事業の約4割、13年度には約8割が未稼働で、多くが空押さえとみられている。こうした事案は、不当な利益を得るだけでなく、後発の事業者の参入を妨げる恐れもある。一方、経産省は、電力の買取時期の変更も検討するという。現在、買取価格は年度末に次年度1年分を決めているが、見直しでは、年度の区切りにとらわれない価格設定の仕組みの導入を目指すという。これらは、多様な再生可能エネルギーが健全に導入されるためには必要な改訂であると思われる。太陽光発電の導入は、これらの制度改定および買取価格の年々の低下などから、その有利性が減り、事業者のなかには太陽光事業展開に先が見えにくくなっていることから、太陽光から他分野、たとえば地熱へ転換を試みる事業者も見られるようである。しかし、地熱発電は、太陽光発電と異なり、場所が入手できればよいというものではない。地熱発電は、地下構造とその中における熱と流体流動をよく理解し、そして、長期間安定した持続可能な発電を目指す必要がある。地熱発電に新規に参入を検討している事業者には、そのことをよく理解し、健全な地熱発電を目指してもらいたいものである。
9月25日 自然エネルギー財団により、小冊子「やっぱり自然エネルギー!」(全14ページ)が発表されました。この小冊子は、自然エネルギーを増やすことがなぜ大切か、その理由を、世界の動きや将来への展望も含めて、できるだけわかりやすく解説することを目指したものと言われています。実際、目を通してみると、わかりやすい図表も多く、また、文章も平易でわかりやすく、出版の目的によくかなっていると思われます。自然エネルギー利用を促進したいと思っている人にとっても、もちろん有用ですが、むしろ、自然エネルギー導入に消極的あるいは反対の意向を持つ人に読んでもらうのに格好の内容および分量と思われます。詳細は自然エネルギー財団の HP に入ればすぐ見つけられます。ダウンロードできます。
9月18日 毎日新聞16日付夕刊によると、日米両国が石炭火力規制において対立しているという。それは、石炭火力発電所の輸出を推進したい日本と、温暖化防止を目的に規制強化を主導したい米国が国際会議の場(17日に開催されるOECD作業部会)で対立する構図が強まっているという。世界銀行や北欧諸国などが米国に同調する動きを見せており、輸出を成長戦略の一つと位置づける日本の政府関係者や関連企業が危機感を強めているという。日本の石炭火力の発電効率は世界トップクラスであるが、導入費用がかさむため、多くの輸出案件で、国際協力銀行などが低利融資などを行う経済的な支援が前提となっているが、米国案では、公的融資を禁止する方向となっている。短期的に見れは、経済性から石炭火力は望まれるが、長期的には温暖化効果ガスの増大につながるため石炭火力の増加は望ましくない。国内でも最近、石炭火力の新設は環境省から同意が得られないケースが相次いでいる。ここは長期的視野に基づいて、気候変動への影響を十分考慮する必要があるだろう。
9月18日 毎日新聞9月16日付朝刊によると、全国の電力融通を調整する「電力広域的運営推進機関」(広域機関)は15日、電気の周波数が異なる東日本と西日本を結ぶ送電網の増強計画を公表したという。また、今年4月に発足した広域機関が、計画を発表するのは初めてという。経済産業省は、今年4月に、東西間の送電能力を現在の120万kWから300万kWと約2.5倍に増強する方針を示していたが、これが具体化されたものである。災害時に広域停電に陥るリスクを軽減できるほか、電力会社間の競争の活発化につながる効果が期待されるという。3カ所ある周波数変換所のうち、静岡市を30万kWから90万kWへ、浜松市を30万kWから60万kWに増強するという。工期は約10年間で、総工費は約1754億円。もう1カ所は、長野県朝日村で、東京電力と中部電力が現在の60万kWを150万kWに増強する工事にすでに着手している。また、東北地方から首都圏への送電能力を東北電力と東京電力の「連携線」を増強し、現在の500万kWから1120万kW以上に増やすという。工期は7~11年程度で、総工費は約1590億円という。これらの建設コストは、最終的には電気料金に上乗せされることになるが、経産省は、電力の安定供給態勢を確保するため必要な工事としている。完成するのは、いずれも約10年後であるが、その時期には太陽光以外の、リードタイムの長い再生可能エネルギーによる発電も恩恵を受けることになるだろう。
9月14日 毎日新聞9月10日付朝刊によると、再生可能エネルギーによる発電の導入が促進される中、その原動力になっている、固定価格買取制度(FIT)が変更されることが報じられている。これは、再生可能エネルギーによる発電の9割以上を太陽光が占めるという偏重が発生するとともに、それに伴って電力買取コストが電力料金に跳ね返ることなどの批判に対応したものである。そこで、太陽光・風力については、送電電力量が電力会社が設定した「接続可能量」を超えた場合、電力会社が「無補償」で抑制できるようになった。また、発電能力が10kW以上の事業用太陽光発電は買取価格が、14年度の1kWhあたり32円から、15年4~6月は29円に、7月からは27円に引き下げられる。このような状況から、事業者は太陽光発電にリスクを感じているようである。一方、地熱発電の導入は、FIT施行後限定的であるが、資源量も多く、買取価格も据え置かれるため、事業者も太陽光発電から地熱発電へのシフトを模索する動きが出てきたという。確かにそのような動きが感じられる。地熱発電が促進されること自体は望ましいことであるが、そこには大きな問題がある。事業者の中には、太陽光発電と同じように地熱発電でも、まず土地を買うことから入るものがあるが、地下熱情報を十分理解していない場合には、極めてリスクが大きいし、安定した発電を望めない。結局は早晩事業から撤退することになるだろう。地熱発電を志向するならば「持続可能な発電技術」を十分理解してから参入すべきと考えられる。同時に、「自然環境」あるいは、「地元との合意」に関し、十分配慮を図るべきである。
9月8日 毎日新聞9月8日付夕刊によると、11月~12月にパリで開かれるCOP21を前に、パリで非公式閣僚会議を主宰したフランスのファビウス外相は7日、記者会見し、先進国が途上国に約束した「2020年までに年1000億ドル(12兆円)規模の支援」を実現することが重要との点で一致したと述べたという。また、11月前半にパリで閣僚級のプレ会合を開催することや、COP21開幕時に合わせて全締約国首脳の出席を促したことを明らかにしたという。1000億ドル規模の支援では、経済協力開発機構(OECD)に詳細な報告書の提出を要請したという。わが国の首脳が出席するのであれば、現在想定されているよりもいっそう野心的数値を掲げる必要があるだろう。
9月6日 毎日新聞9月6日付朝刊によると、温室効果ガス排出量が急増し、世界第3位の排出国になっているインドが、今月中にも削減目標を国連に提出する見通しになったという。また、ブラジルも今月15日に開催する国連総会で発表する可能性が高いという。途上国からの目標提出は、年末にパリで開かれる国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)での地球温暖化対策の新枠組合意に近づくと期待される。インドでは22年度までの太陽光発電の導入目標を従来の5倍に引き上げており、再生可能エネルギーの導入促進で二酸化炭素削減を試みるようである。その背景には、同国内で発生する熱波、洪水などの災害が深刻化し、温暖化に対する国民の考えが少しずつ高まっていることがあるという。いずれにしても、二酸化炭素削減に対しては、先進国の責任にこだわってきたインドが目標を提出すれば、未提出の途上国への圧力となり、新枠組み合意に向けて弾みになると見られている。なお、これまでに目標を提出したのは、2大排出国の中国と米国に加え、日本や欧州連合など30カ国・地域で、世界の排出量の約7割に当たるという。そして、インドとブラジルが加われば8割近くなるという。温暖化防止に向けて、世界の方向は決まりつつあるが、決定される目標が産業革命以前からの気温上昇を2℃以内に抑えられるかどうか危ぶまれており、日本を含め各国は、COP21において、追加措置を求められることになるのではないか。
9月4日 毎日新聞9月3日付夕刊によると、2020年以降の温暖化抑制国際目標(産業革命後の気温上昇を2℃未満に抑える)が達成困難ではないかと、科学者らで作る国際NGO「クライメート・アクション・トラッカー」が発表したという。これは世界各国が国連に提出した削減目標を足し合わせても、目標達成に必要な二酸化炭素削減量が足りないことが明らかになったことによる(25年時点で120億~150億トン、30年時点で、170億~210億トン)足りないという)。わが国を含め世界各国が削減目標を見直す必要のあることを示している。今年12月パリで開催されるCOP21でどのような議論が行われるか注目したい。
9月4日 毎日新聞9月2日付朝刊によると、日本に冷夏をもたらすという「エルニーニョ現象」が昨夏からずっと発生しており、今年は涼しい夏になるかと予測されていたが、実際には、今夏、東京都心で猛暑日の連続日数の記録が更新されるなど、高温が続いた。その原因はインド洋にあったとの見方が研究者の間で出ているという。これまで、「エルニーニョ現象」が発達すると、インドネシアからフィリッピン周辺にかけての海水温が低くなり、太平洋高気圧を強める働きが弱くなるため、涼しい夏になりやすいと説明されていたが、今年はむしろ逆になっているのである。その説明として、インド洋の海水温の影響が議論されているという。インド洋の熱帯域では、今年7月頃から東側の海面水温が平年より低く、西側が高くなった。この結果、東側海域で冷やされた大気はヒマラヤ山脈やインドシナ半島の山岳地帯にぶつかって上昇気流になり、ミャンマーやベトナムで深刻な洪水被害をもたらす大雨の原因になったという。この大気の流れは、地中海経由とインドシナ半島経由の2つがある。地中海経由の気流は、ヒマラヤ手前で雨を降らせ、乾燥した大気は、地中海付近で下降して猛暑をもたらした(日本でもフェーン現象で、下降気流側で高温化することがしばしば起こるが、これの大規模版であろうか)。この暖められた空気の塊が、ジェット気流に乗って東に移り、太平洋高気圧の一部である小笠原高気圧の西側(日本列島側)に高気圧を生んだと説明されるという。もう1つは、インドシナ半島経由の気流の流れで、大雨を降らせた大気の塊がさらに北上して、日本付近で下降気流になり、小笠原高気圧の勢力を強めたのではないかという。熱容量の大きい海水温度の変化が気候変動を引き起こしていると言えるのではないか。海水温度の変動のメカニズムの研究が必要であろう。なお、ちなみに、気象庁が行う3か月予報の当たりはずれを点数化したところ、最近5年間では100点満点中45点だったという。人類の気象現象理解はまだ道半ばということであろう。将来の地球温暖化を正確に予測する上でもこの分野の研究の進展に期待したい。
9月4日 毎日新聞9月2日付朝刊によると、来年4月に電力販売の全面的自由化を控え、電力取引が適切に行われているかを監視する経済産業省の「電力取引監視等委員会」が1日発足したという。「同委員会」の役割は、新規参入事業者が不利益を受けていないかや、消費者が契約時に適切な説明を受けているかなどを監視することである。委員長は政策研究大学院大学前学長の八田達夫氏。弁護士や公認会計士などの委員5人と事務局約70人の体制。記者会見した八田委員長は「独占的な地位を占める電力事業者が、新規参入者を抑圧するということを防止するために、委員会が大きな力を発揮することになる」と強調したという。
8月29日 毎日新聞8月28日付夕刊および8月29日付朝刊によると、望月環境大臣が、電力会社等が計画する大型石炭火力発電所(千葉県袖ケ浦市、出力200万kW)について、環境影響評価(アセスメント)法に基づき「現段階では是認できない」とする意見書を宮沢経済産業相に提出したという。電力業界が7月に公表した二酸化炭素削減目標の実効性が不十分なことが理由という。このような意見書が出るのは今年3回目である。業界がコスト安を優先する中で、温暖化対策に逆行することから、環境省が意見書を出したものとみられる。3つの意見書が出たことで、環境省の方針は明確になったと思われる。それを代替するため、環境省がいっそう再生可能エネルギー導入の方針を明確にすることを期待したい。
8月28日 毎日新聞8月28日付朝刊に、8月7日秋田県湯沢市で開催された「全国地熱自治体サミット in 湯沢」(主催:独立行政法人石油天然ガス・鉱物資源機構(JOGMEC)と湯沢市)が紹介されている。サミットでは、地熱発電所が立地する全国の地方自治体の首長らが地熱資源開発を通じ、地域活性化に取り組む事例や課題について議論されたという。発電以外にも、農産物の生産や食品の加工などへの活用事例が発表され、地熱資源の多様な可能性が紹介されたという。JOGMEC黒木啓介副理事長は「再生可能エネルギーの中でも利用促進が期待され、国も固定価格買取制度などで環境整備している。今後はより立地地域との共生を意識して進められれば」とあいさつ。湯沢市の斎藤光喜市長は「地熱には大きな可能性がある。ジオパークとしての観光活用や地下資源、農業など全部関連させて地方創生に結び付けていきたい」と述べた。このほか、湯沢市の高校生、地元事業者などによる討論や事例発表が行われ、市民と行政の意見が交換される場になったという。
8月21日 毎日新聞8月21日付夕刊によると、米海洋大気局(NOAA)は、20日、7月の世界の平均気温が、記録のある1880年以降で最も高かったと発表したと言う。同局によると、7月の平均気温は16.31℃で、これまで最高だった1998年より0.08℃高く、20世紀中の7月の平均を0.81℃上回ったと言う。1~7月の気温も、これまで最も高かった2010年を0.09℃、20世紀の同期間の平均を0.85℃上回り、過去最高を記録したという。同局は、気温上昇の原因と考えられている太平洋赤道域東部の海面水温が平年を上回るエルニーニョ現象について、来年春先まで続く可能性があるとしている。なお、当所では、敷地内で、2012年5月8日より1m深地温の測定を続けているが、各年の最高気温が、2012年、28.30℃(9月2日)、2013年、28.59℃(8月22日)、2014年、28.64℃(8月8日)そして、2015年28.72℃(8月12日)と経年的に上昇を続け、また、最高地温に達する日が年々早まっている傾向もみられる。
8月21日 毎日新聞8月19日付朝刊によると、経済産業省が、東北から首都圏への送電能力を倍増させる検討を始めることが18日にわかったと言う。東北電力と東京電力の送電網をつなぐ「連携線」を増強し、現在は500万kWの送電能力を1120万kW程度に増やすと言う。来春の電力小売り自由化をにらみ、既存の電力会社の営業エリアをまたいで電力事業者が競争しあう環境を整備し、将来の電気料金値下げにもつなげる考えだと言う。このように送電能力が強化されれば、再生可能エネルギーによる電力増加にも好影響を与えるだろう。将来的には、東日本と西日本の「周波数を切り替える設備」の増強や北海道と本州を結ぶ「連携線」を増強することも検討されるという。できるだけ早期に実施されることを期待したい。
8月19日 毎日新聞8月18日付朝刊によると、望月環境相は環境影響評価法に基づき、中部電力が愛知県で予定する石油から石炭火力発電所への建て替え計画を「是認できない」とした意見書を経済産業省に提出したという。今年6月、大阪ガスなどが山口県で計画中の石炭火力に異議を唱えたのに続く、厳しい意見となったと 言われる。石炭火力は石油や天然ガスに比べ燃料費が安いが、火力発電の中でも二酸化炭素排出量が多く、導入拡大は地球温暖化対策に逆行する。社説は、政府が、火力発電所から出る二酸化炭素の総量規制や排出量に応じて賦課金を科すことなどにより、石炭火力の抑制を図るべきではないか、そして、賦課金を、再生可能エネルギーの拡大に振り向けることも考えられるとしている。
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