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『「南極の氷で素粒子」選定 米科学誌「今年の大発見」』 毎日新聞12月22日付夕刊はこう報じている。 米科学誌サイエンスは、今年の科学ニュースから10テーマを選ぶ「2018年の大発見」を発表したという。南極の氷を利用した素粒子ニュートリノの観測実験「アイスキューブ」が選ばれたという。千葉大など日本の研究者も参加する国際チームの実験で、「銀河系の外からニュートリノが来たことを初めて特定した」と高評価だったという。国際チームは昨年9月、南極の氷に設置した約5000個の検出器をニュートリノをキャッチ。分析で約40億光年離れた天体から飛んできたことを突き止め、今年7月に発表したという。この天体の中心にはブラックホールがあって、地球に向かって高速でガスを噴出しているという。分析には東京大や京都大、広島大などのメンバーも参加したという。2位以下のベストテンの研究が何であったか知りたいものである。一方、「今年のがっかりニュース」も発表された。異常気象に伴う災害の増加を筆頭にあげ、温室効果ガス削減に消極的なトランプ大統領の姿勢などを批判。遺伝子を思い通りに改変するゲノム編集技術を使って双子を誕生させたと中国の研究者が発表したことも入っているという。前者は南極を活かした研究として興味深いが、後者は倫理的問題が取り上げられ、後味の悪い印象をぬぐえなかった。
『若手研究者に「重点枠」』 毎日新聞12月22日付朝刊はこう報じている。日本の研究力低下が指摘されていることを受け、大学などの基礎研究を支える文部科学省の科学研究費補助金(科研費)は18年度比86億円(⇒伸びは約3.9%)の2300億円を超えたという。将来の科学技術を支える若手研究者への重点配分枠を新たに設けるという。野心的な目標に挑戦する「ムーンショット」と呼ばれる大型研究開発事業も創設されるという。文科省と経産省が18年度第2次補正予算と合わせて1020億円を盛ったという。南海トラフ大地震に備え、地震や津波の新たな観測網整備に16億円を計上したという。環境政策では、「パリ協定」に基づく地球温暖化対策が20年に始まるのを踏まえ、地方自治体や企業との協力を強化する内容。地域単位での再生可能エネルギーや蓄電池、電気自動車の導入などに60億円を新規計上、「自立・分散型電源」の普及を促すという。途上国に低炭素技術を輸出する企業への補助金をも創設し、20億円を盛りこんだという。⇒いずれにしても、科研費において若手研究者分が増加することは良い傾向である。今後、毎年増加して欲しい。筆者(江原)の経験だが、将来的な火山エネルギー利用を目標において、大分県九重火山の熱構造・熱過程の研究に助教授時代から、科研費の交付を受け、研究を継続的に進展することができ(その過程で図らずも、九重火山が水蒸気噴火を起こし、噴火予測、噴火後のモニタリングという火山防災にも貢献でき)、また、将来のマグマ発電への取組みの見通しをつけることができた。若手研究者への継続的な研究費支援は、研究者を力づけ、良い成果を生む基盤となる。文部省は日替わり的な研究支援ではなく、継続的な支援を常に心がけてほしいものである。
『温暖化抑制へ軌道修正を 世界が首ひねる石炭火力の推進 来年大阪でG20信頼を得ねば [COPにみる周回遅れの日本]』 毎日新聞12月21日付朝刊(オピニオン欄 五十嵐和大 東京科学研究部記者)はこう報じている。また日本が情けなく見えてきた。16日に閉幕した地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み第24回締約国会議(COP24)。温暖化抑制に前向きな各国に対し、消極的とも言える施策を続ける日本に存在感はない。2019年のCOP25(チリ)を前に大阪で開かれる主要20各国・地域(G20)首脳会議は温暖化対策もテーマだが、今の日本に議長国としてまとめる力があるのか、はなはだ頼りない(⇒ないというべきだろう)。毎年開かれるCOPの期間中、世界のNGOが参加する「気候行動ネットワーク(CAN)インターナショナル」が、温暖化対策に消極的な国に皮肉を込めてささげる「化石賞」はたびたび”栄誉”に輝いている日本ではなく、(今回は)ブラジルに贈られたという。CANの関係者は「(大量の温室効果ガスを排出する)石炭火力発電所建設を巡る日本の態度は賞にふさわしいが、国際社会では存在感がない」と指摘したという。つまり、あきれ果てて相手にされていない状況にあるという。実は、COP24が開かれたポーランドは世界有数の石炭産出国で、電力の8割を石炭火力発電所に依存している。多くの温室効果ガスを排出しており、世界の平均気温上昇を2℃未満に抑えるパリ協定の20年実施に向け、脱石炭という課題を抱えているという。中でもカトウィツエを会場にしたのは、国内有数の産炭地から観光業への転換など、進みつつある産業構造改革を世界に見せるためだという。COP24では急激に脱石炭に備えた失業者対策などを話し合い、地元の歴史的地名にちなんだ「シレジア宣言」をまとめた姿勢が印象的だったという(⇒石炭消費国であっても、一定の見解を世界に展開したことは評価されるだろう)。振り返って日本はどうか。とっくに国内の採掘から次々と撤退し、石炭は過去のエネルギーと分かっているのに、国と電力会社は東日本大震災後のエネルギー不足を理由に、安価な燃料として輸入を増やし、石炭火力発電所の新増設を図っている。約40基が浮上しており、大気汚染などを心配する地元住民の反対で一部は撤回されたが、主要7か国(G7)で米国と共に、石炭火力を推進する奇異な国とみられているという。COP会場近くでデモ行進に参加したポーランド人男性は私(毎日記者)に「自国で石炭を採掘せず、わざわざ輸入してまで燃やすのはなぜか」と指摘したという。日本への痛烈な批判と受け取ったという。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が10月にまとめた特別報告書は、パリ協定で努力目標としている「1.5℃」の気温上昇に抑えても、サンゴの死滅など深刻な影響は避けられないとしている。これに対し、日本政府は、「『2℃目標』の達成に全力を挙げる」と述べるにとどまっている(⇒何という時代錯誤か。救われない)。温暖化対策を所管する環境省には、深刻な報告書の内容をてこに、国内の温室効果ガス排出削減目標(30年に13年比26%減)の強化につなげたい思惑もあるということだが、温暖化対策は余計なコストと考える財界の一部や経済産業省(⇒これも時代錯誤が甚だしい。恐らく世界の状況を知らないはずはないから、石炭火力を悪者にして、その陰で、原発再稼働・新設を狙っているのではないか。原発に回帰したい官僚の考えそうなことだ)との調整が難航すると予想され、「1.5℃」を声高に訴えることには及び腰だという。「我々は弱小省庁だから」と自虐的に霞ヶ関での発言力の無さを言う官僚も珍しくないという。初めから白旗を上げるような官僚は辞職すべきだ。自らが「弱小省庁」というようでは存在価値がない。自主的に廃省すべきだ。腰が引けているのは、今世紀半ばまでの排出削減目標を示す長期戦略でも同じらしい。近く公表される素案には、石炭火力発電所の途上国への輸出推進が盛り込まれる可能性があるという(死の商人に等しい。恥の上塗りだ。ますます、環境省の存在価値を失わせるだけだ)。経産省などはインフラ支援の観点で「温室効果ガスの排出が少ない高効率な発電技術を提供し、温暖化対策に貢献する」と主張するという。はっきり言って、バカのたわごとだ。それほど、原発がやりたいのか(石炭火力はカモフラージュ。ずる賢い考えだ)。しかし、排出の「実質ゼロ化」など野心的なビジョンを打ち出す欧州連合(EU)などに比べれば”周回遅れ”だ。官僚のレベルも下がったものだ。ガラ携などと揶揄されるが、経産省の官僚群もガラ携群だ。考え方が方向転換できなければ、辞職してほしいものである。百害あって一利なし。世界中の政府やNGO、企業がポーランドに集まったCOP24では、「パリ協定」の実施指針(ルールブック)が採択され、全世界による気温上昇抑制へのチャレンジが始まる。「会議が成功のうちに終わり、締約国の皆さんに感謝したい」。議長を務めたポーランドのクリティカ副環境相はこうにこやかに呼び掛けたという。国際社会が温暖化と闘う準備が整った記念すべき瞬間となったようだ。⇒日本政府の代表団はCOP24でいったいどのような貢献をしたのか。国内で詳細に報告してもらいたい。それができなければ、旅費を返還すべきだ。税金泥棒にならないためにも。ただ、道のりはまだ厳しいと毎日記者は続ける。世界各国の排出削減目標を足しても、気温上昇を2℃未満に抑える目標達成は不可能だとされる。それなのに、温室効果ガス排出量は途上国の経済成長などで増え続け、二酸化炭素(CO2)を吸収する森林の破壊も続いている。産油国のサウジアラビアや石炭産業の保護を強める米国は、従来通り温暖化対策に消極的な発言を繰り返したという。途上国に資金支援を行う国際機関「地球環境ファシリティ」の石井菜穂子・最高経営責任者は「人類の今後を考えると、各国とも対策の強化が必要だ」と懸念を示しているという。19年のCOP25に先立ち、6月には日本でG20が開かれる。日本は議長国となるが、温暖化対策への手本も示せない現状で、世界各国の信頼を集め、議論をリードできるとは思えないという。⇒全く同感である。おそらく議長は世界の人の前で、赤恥をかくことになろう。一度そういう状態にならないと打開できないだろう。そうなったとき、環境省は責任を取らされるのではないか。そうなる前に、環境省は存在感を示すべきだ。パリ協定が実施される20年はすぐそこだ。このままでは国際社会からいよいよ相手にされなくなる。日本は早急に軌道修正しなければならないと毎日記者は提言する。そのためには、現政権の退陣が欠かせない。次回のG20から日本は体制を一新しなければ、世界から4等国以下と見なされるだろう。時間はない。ベートーベンではないが、「人生には実になすべきことが多い。急げ!!」
『ILC誘致支持せず 学術会議「費用対効果に疑問」』 毎日新聞12月19日付夕刊はこう報じている。 研究者や地元自治体などが北上山地(岩手、宮城県)への誘致を目指している次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」について、日本学術会議は19日、「誘致を支持するには至らない」とする見解をまとめたという。同日の幹事会で正式に決定するという。誘致の最終可否は政府が決めることになっているが、見解案は政府に慎重な判断を求めており、政府も従う見通しという。推進側が目指すILCの誘致は極めて困難になったという。⇒世界最先端の研究に、日本が中心的に関われる機会が失われるのは残念だが、これが実施された場合、予算的に他の研究分野へ影響する可能性もあり、学術会議の判断は、やや残念だが致し方ないだろう。
『交付金「重点枠」1割に 国立大運営 成果に連動 拡大』 毎日新聞12月19日付朝刊はこう報じている。政府は2019年度予算案で、国立大学法人運営費交付金のうち教育や研究の評価に応じて傾斜配分する「重点支援枠」を、全体の約1割にあたる1000億円に拡大する方針を固めたという。重点支援枠の拡大は大学運営のための「基盤的経費」の縮小につながりかねず、文部科学省も急激な拡大に反対してきたが、結果的には財務省に押し切られた形になってしまったという(文科省は省の存立をかけて、主張すべきであったと思われる。近年の日本の研究力低下が国内だけでなく、国際的にも取りざたされる中で、この始末である。官僚・政治家は猛省すべきである。「基盤的経費は減らし、重点支援枠で傾斜配分する方式」は大学の教育研究にはなじまないことがどうして分からないのか。目先だけの評価で、将来を全く見据えていない。産業界や一部の政治家の短絡的な考え方が支配している。国を滅ぼすもとである。声の大きな勇ましい意見だけがまかり通る、旧陸軍の思考に似ている。注意を怠らない必要があろう)。関係者によると、19年度の重点支援枠は論文の内容などの成果を新たに導入する全大学共通の指標で評価し、決定するという。運営費交付金は近年、約1兆1000億円で維持されており、18年度の重点支援枠は100億円。その他は基本的に、教員や学生数に応じて配分されていたものである。財政制度等審議会は10月、重点支援枠を運営費交付金の10%に引き上げるべきだと指摘したという(⇒むしろ、この審議会が旧陸軍的なのかも知れない)。国立大学協会(会長・山極寿一京都大学長)は「財政基盤の弱い大学の存在自体を危うくする」と反論していたという。現政権は、教育をつぶし、やがては日本をつぶす方向に向かっている。
『太陽系最果てに天体 米チーム発見』 毎日新聞12月19日付朝刊はこう報じている。太陽から約180億㌔も離れた太陽系の端の宇宙空間で、直径500㌔ほどの大きな天体を見つけたと米カーネギー研究所などのチームが発表したという。太陽から地球の距離(約1億5000万㌔)の120倍も離れており、1000年以上かけて太陽を一周しているとみられている。チームは「詳しい軌道が分かるのには数年はかかる」としているという。これだけ離れた場所で見つかったのは初めてだという。チームは11月米ハワイ島の国立天文台すばる望遠鏡などの観測で見つけたという。スラングで「かっこいい」の意味がある「ファーアウト(はるかに遠い)」という愛称をつけたらしい。⇒天文学が進んだ現代においても、このような発見がなされることにある種の驚きを感じる。やはり、我々はいろいろなことを知っているようで、我々の知識はかなり限定的なものであることを改めて再認識する。
『日立、英原発断念も 政府の成長戦略逆風 民間、出資に及び腰』 毎日新聞12月18日付朝刊はこう報じている。日立製作所の中西宏明会長(経団連会長)が17日、英国で進める原発新設事業の継続が困難との認識を示した最大の要因は、電力会社などの国内の民間企業からの出資協力も見通しが立たないためだという。原発輸出の主要な担い手と期待された電力会社ですら、コスト増大や投資回収の不確実性を懸念して及び腰な現状を露呈した格好である。ベトナムやトルコに続き、最も有望だった英国での計画実現が難しくなったことは、原発輸出を成長戦略の柱として掲げてきた政府にとっても大きな打撃になりそうだという。日立会長(経団連会長)の決断は正しいだろう。電力を含む国内大企業が望まず、国民の大部分も望まないことを政府は何故に続けたがるのだろうか。おそらく、政策的失敗(国内原発を含めて)を隠し続けるためであろう。もはや政権交代しかない、マスコミによる世論調査では内閣支持率も下がる一方で、まともな議論もなく、強権的に政策を進めようとする、政権の末期的症状を示しているものとみられる。
『違法ではないが適当でない 新元号「分離案」 法制局が見解 保守派と事務方 解釈巡り対決』 毎日新聞12月18日付朝刊はこう報じている。来年5月1日の新天皇即位に伴う新元号の事前公表時期を巡り内閣法制局は、公表の時期と、即位後に改元手続を行い時期を引き離す「分離案」について「違法ではないが、適当でない」との見解を示したという。政府は来年4月中の公表と手続き実施を目指すが、自民党内外の保守派が反発しているという。法制局見解が双方の主張の新たな根拠となり、議論が長引いているという。法制局は何ともあいまいな見解を述べたものである。法制局の真意を忖度すれば、「分離案」は法的には問題がある(正しくない)が、政府(総理)の意向を忖度すれば、このような表現にならざるを得ないということか。「新規法案等を閣議決定に先立って現行法の見地から問題がないかを審査する」機関の役所として、問題解決にならないあいまいな見解を発表してどうしようというのか。一種の責任放棄である。最近の法制局の言動はおかしい。存在意義が問われるのではないか。
『温室ガス削減 共通ルール パリ協定 同一様式で目標 COP24閉幕』 毎日新聞17日付朝刊(一面)はこう報じている。国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)は地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」の実施指針(ルールブック)を採択し、16日閉幕したという(⇒合意できたのは良かった)。先進国と途上国がともに温暖化対策に取り組むパリ協定の理念に沿って、2020年から全ての国が本格的に実行に移す準備が整ったことになる。二酸化炭素などの温室効果ガスの排出削減義務を先進国だけが負った「京都議定書」と異なり、パリ協定はすべての国が共通のルールの下で排出削減に取り組むことが基本理念になっている。採択されたルールブックでは、全ての国が基準年や目標年をそろえ、同じ様式で削減目標を提出するという。一方で、排出量が多く、削減が進んでいない途上国については、削減量の検証作業を緩やかにするなど、一定の配慮も行われているという。また、先進国から途上国への資金支援については、先進国が隔年で向こう2年間の支援額などを自主的に提示することになったという。先進国側は当初、負担増などを理由に難色を示していたが、「確実な支援がなければ温暖化対策を進められない」という途上国側の強い要請に歩み寄った形になったという。一方、先進国が途上国での排出削減を支援し、削減量の一部を先進国の削減分に付け替える「市場メカニズム」については、一部の国が過去の削減分をパリ協定後も移行できるように主張したという。会議の最終盤まで調整を進めたが折り合えず、導入は次回のCOP25以降に先送りすることになったという。ルールブック以外では、締約国が排出削減の削減を語り合う「タラノア対話」を踏まえ、20年に各国が改定する削減目標の強化を促す決議は見送られたという。その代り、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が10月に公表した温暖化の被害予測などをまとめた「1.5℃特別報告書」を活用するよう勧告し、各国に目標の上積みを促すメッセージをを残したという(⇒日本代表団はCOP24でどのような主張をしたのかわからないが、削減目標の大きな上積みを求められているのは間違いない。環境省(相)は政府内を、責任を持って上積みの説得ができるか? 例えば、地球を俯瞰する外交という視点からは、日本が率先し大幅な削減をすることが必要との論理が展開できないか)。なお、来年11月に予定されるCOP25は、チリでの開催が決まったという。
『COP24, パリ協定ルール採択 排出削減に共通の基準』 共同通信社はインターネット上で、こう報じている(2018年12月16日 08:59)。ポーランド・カトウィツェで開かれた国連気候変動枠組み第24回締約国会議(COP24)は15日(日本時間16日)、2020年に始まるパリ協定の実施ルールを採択したという。先進国と発展途上国が、共通の厳しいルールの下で温室効果ガスの排出削減を進めることになり、運用開始への準備が整ったという。国際的な温暖化対策は仕組み作りに力を注ぐ段階を終え、深刻な被害を避けるために各国が脱炭素の取組みをどう強化するのかに差をつけず、共通の厳しい基準を適用すると規定されている。⇒果たして、わが国は脱炭素の取組みを強化できるかが大きな課題として挙げられるが、環境省はそれに対応できるか。すなわち、CO2排出量削減の強化策を提示できるか、腰砕けになるのか。環境省は岐路に立たされている。明確でチャレンジングな数値目標を提示してほしいものである。
『実施指針合意案提示 「パリ協定」途上国側に配慮』毎日新聞12月16日付朝刊(COP24 '2018ポーランド)はこう報じている。 国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)は15日午後(日本時間同日夜)、地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」の実施指針(ルールブック)について、議長が合意案を提示、詰めの協議が続いたという。COP24は、パリ協定の2020年実施に向けた詳細なルールブック作りが焦点となっている。温暖化の原因になる温室効果ガス削減の取組みに関して、各国が国連に提出しなければならない情報や、5年に1度、各国の取組みを確認し合う「グローバルストックテーク」の進め方などを巡り、徹夜の交渉が続いたという。ルールブックの議長案によると、各国の温室効果ガス排出削減の目標については、基準年と目標年をそろえるなど共通の書式を決め(⇒当然である。残念ながら、日本では従来基準年を他国より後年にすることが行われてきた)、簡単に比較できるようにするという。また、最大の懸案だった途上国への資金支援については、先進国が2年ごとに向こう2年間の支援方針を自主的に示すことを盛り込み、確実に支援を得たい途上国に配慮した内容となっているという。なお、本日16日のテレビニュースでは、合意がなされたようである。最終的な合意文書を見たいものである。
『石炭融資 日本上位 NGO調査 発電所建設企業に』 毎日新聞12月15日付夕刊(特集 COP24 '18)はこう報じている。二酸化炭素(CO2)の排出量が多く、地球温暖化対策の上で問題視される石炭火力発電所を新規建設する企業に対する融資額で、日本のメガバンクが世界で上位を占めているとする調査報告書を国際環境NGOがまとめたという。株式など引き受けを通じた資金提供では、中国の銀行が群を抜いているという。開催中の国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)の会場で、ドイツの「ウルゲバルド」とオランダの「バンクトラック」の両NGOが発表したという。「石炭火力事業者への資金提供を止めない限り、気候変動の危機に真に取り組むことは不可能だ」と批判しているという(⇒当然の批判である)。報告書によると、2016年1月から今年9月までの間、石炭火力発電所の新規建設などを行う世界約120社への融資額は1010億ドル(約11兆4500億円)に上ったという。約128億ドルのみずほファイナンシャルグループ(FG)が最高額で、2位は三菱UFJFGの約99億ドル、4位に三井住友FGが約42億ドルで入ったという。日本の大手FGは陰でいったい何をしているのだろう。これでは、「死の商人」と言われてもしかたがないだろう。はっきり言えば、日本の恥である。今後石炭火力発電所建設に融資を行うべきではない。石炭火力発電所は、最新式でも天然ガスに比べて2倍のCO2を排出するとされている。
『温暖化対策 日本49位 56カ国とEU 中国33位、サウジ最下位』 毎日新聞12月13日付夕刊(特集 COP24 '18ポーランド)はこう報じている。ドイツのシンクタンク「ジャーマンウオッチ」などは、ポーランドで開催中の国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)で、温暖化対策の国別ランキングを発表したという。日本は5段階評価で最低のグループに入る49位(昨年50位)だったという。ランキングは、世界56カ国と欧州連合(EU)を対象に、国民1人当たりの温室効果ガス排出量、エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合など14の指標を分析したという。ランキング1~3位は該当なし。温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」が掲げる産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑える目標に向けて、十分な取り組みをしている国がなかったためだという。4位は再生可能エネルギーなどの指標で高かったスエーデン(昨年4位)、5位はモロッコ(同6位)、6位はリトアニア(同5位)だったという。日本は、過去5年で再生可能エネルギーが進んだことなどは評価されたが、2030年度までに13年度比26%減という温室効果ガス削減目標などが不十分だと評価されているという(⇒大した削減案を持たずにCOP24に参加しても、国際的には全く評価されないということだ。第2次大戦敗戦後、日本は4等国とも表現されたが、こうなっては4等国どころか5等国である。環境省をはじめ、日本政府の代表団は恥ずかしい思いをしているのではないか(もしそうでなければ救われない)。世界の認識をよく理解して、もう少し前向きな見解を出せないものか。こんな状態では、COP24に参加しても、税金ドロボーにしかならない。この際、環境省は腹を決めて、環境問題のリーダーとして、内閣をリードしてもらいたい。ここで何も打ち出せないなら、極論すれば、環境省の存在価値はない。なお、パリ協定からの離脱を表明した米国は59位(同56位)。最下位はサウジアラビアという。世界最大の排出国・中国は再生可能エネルギー導入拡大などで33位(同41位)で、5段階評価で初めて真ん中のグループに入ったという。環境省には猛省をしてもらいたい。
『武甲山うっすら雪化粧』 毎日新聞12月13日付朝刊(埼玉県版)はこう報じている。埼玉県秩父地方は11日夜、初雪が舞い、秩父市と横瀬町にまたがる武甲山(標高1304㍍、当研究所のある埼玉県狭山市から遠望できる)がうっすらと雪化粧した。熊谷地方気象台によると、本州南岸を低気圧が通過し北から寒気が入り込んだためで、同市の初雪は昨年より3日遅いが積雪はゼロだったという。当研究所では2012年5月8日から、敷地内で1m深地温の観測を続けているが、今冬は12月8日(15.91℃)から連続して地温は下がっているが、12日は今冬の最低地温(14.84℃)を示した。なお13日はさらに低下し、14.46℃だった。ここ数日は確実に太陽からの日射量は低下しているようだ。
『強制停電「即応体制を」検証委、北海道電力に提言』 毎日新聞12月13日付朝刊はこう報じている。 全国の電力需給を調整する電力広域的運営推進機関(東京)は12日、北海道地震後に発生した道内全域の大規模停電(ブラックアウト)について検証する第三者委員会の会合を開き、再発防止に向けた最終報告案をまとめたという。中長期的な対策として、大規模発電所の停止などで需給バランスが乱れた際に強制停電を即時に行える体制を早期に構築するよう、北海道電力に提言したという。・・・・・・・。最終案は同社が持つ強制停電の装置の約9割までが起動に時間がかかる点を指摘。「いかに早く行うか(がポイント)」と分析し、装置の更新などを急ぐように求めたという(⇒ブラックアウト発生の原因は、需給バランスに対する事前の考え方が十分でなく、早期の対応ができなかったということか)。
『関電3原発 見直し指示 規制委 大山噴火想定拡大で』 毎日新聞12月13日付朝刊はこう報じている。 関西電力の美浜、大飯、高浜の3原発(いずれも福井県)について、原子力規制委員会は12日、約200㌔離れた大山(鳥取県)が噴火した際の原発敷地内への降灰量を再評価するよう関電に指示したという。3原発の計7基は新規制基準に基づく規制委の審査に合格しているが、大山で過去に従来の想定よりも大きな噴火があったとする新たな研究結果を踏まえ、火山灰対策が妥当かどうかを再検討するという(⇒当然である。しかし、関電の調査が不十分であったことは確かであり、第三者である研究者の自発的研究成果の意義は大きい)。一方で、大山に差し迫った噴火の兆候はないとして、再稼働済の大飯3,4号機と高浜3,4号機の運転停止は求めないという(規制委の判断に任意性があることは否めない)。・・・・。規制委は来年3月末までに関電の再評価結果の報告を受け、具体的な対応を検討するとしている。関電は火山灰対策には一定の余裕があるとした上で、「適切に対応してまいりたい」とのコメントを出したという。信頼できるデータに基づき、合理的な推論をしてほしいものである。
『閣僚級会議始まる 温室ガス削減強化議論 タラノイア対話』 毎日新聞12月12日付朝刊(特集 COP24 '18ポーランド)はこう報じている。COP24は11日朝(日本時間同日夕)、参加各国が地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出削減目標を上乗せするための閣僚級会合「タラノイア対話」(促進的対話)が始まったという。各国の排出削減強化につながるメッセージを出せるかが注目されている。⇒「適応策」も大事だが、それよりも先行して、「温暖化ガスの削減の強化」することの方がより重要と思う。日本が、各国に先駆けて、チャレンジングな提案ができるか、注目しよう。
『穀物生産年5兆円被害 過去30年 トウモロコシなど顕著』 毎日新聞12月12日付朝刊はこう報じている。地球温暖化の影響で、世界の穀物生産は収量が伸び悩み、過去30年の年平均で約424億ドル(約4兆8000億円)の損失が生じているとの分析結果を、農業・食品産業技術総合研究機構などの研究チームが11日、発表したという。チームは「既に温暖化の被害が生じており、被害を軽減する『適応策』技術の開発・普及を急ぐべきだ」と指摘しているという。・・・・・。チームによると、もともと気温が高い低緯度地域では温暖化による気温上昇で被害が拡大する傾向にあるという。飯泉仁之直・同機構主任研究員は「これまでも温暖化対策は取られてきたが、十分でなかったとみられる。特に影響の大きい熱帯域などで高温耐性品種などの適応策への投資が必要だ」と話しているといいう。⇒残念ながら、二酸化炭素放出量は増え続け、平均気温は上がり続け、対策の効果はほとんど出ていない。適応策も必要だが、石炭火力発電問題に適切に対応し、まず、二酸化炭素排出量を大幅に減らすことを優先すべきと考えられる。
『事前避難1週間を想定 南海トラフ 沿岸津波対策』 昨日12月11日付夕刊に引き続き、本日12日朝刊で、南海トラフ地震についてこう報じている。政府の中央防災会議の作業部会は11日、前兆の疑いがある地震があり(⇒前兆現象は地震に拘る必要はないのではないか。地震だけでは従来の轍を踏むことにならないか)、南海トラフ地震が発生する可能性が高まったと判断された場合の避難のあり方など、防災対応に関する報告書をまとめたことは昨日の夕刊で報じている。地震の発生後では津波からの避難が間に合わない沿岸部の全住民に対し、政府が1週間程度の避難を呼びかけるなどが柱という。来年度中にも、自治体や企業が取るべき対応の目安を示したガイドラインを策定するという。⇒ガイドライン作成はできるだけ早く公表すべきであろう。それより前に、住民は自身で一定程度の対応策を普段から考えておくべきだろう。
『M8級 5分で連動地震情報 南海トラフ 政府避難方針』 毎日新聞12月11日付夕刊はこう報じている。 政府の中央防災会議の作業部会は11日、南海トラフ地震の発生可能性が平常時より高まっていると判断された場合(⇒どのような情報からか?)の避難のあり方など、防災対応に関する報告書をまとめたという。想定震源域でマグニチュード(M)8以上の地震が起きた場合、連動地震の危険性を呼び掛ける臨時情報を最短で5分後に発表し、約2時間後に避難を呼びかけるとの方針を示したという。政府は来年度中にも、自治体が避難勧告などを出す目安を示したガイドラインを策定するという。報告書では、異常現象を地下の岩盤の破壊を表す「割れ」という言葉を用いて、①南海トラフ震源域の東側、西側のいずれかでM8以上の地震が発生する「半割れ」②震源域内でM7~8の地震が発生する「一部割れ」③プレートの境界面の断層がずれ動く「ゆっくりすべり(⇒ゆっくり割れ でよいのでは)」の3ケースに分類したという(⇒いずれにしても、最初の地震、あるいは一気に大地震に至る場合は想定されていないようだ。直前予知を全く諦めているからだ。一般の市民としては、常に、夜間の大地震発生から身を守るため、寝室の家具等をしっかり固定し、家具に押しつぶされないような状況を作るとか、市街地にいる場合、ビルから離れるとか、運転中の車を道路端にすぐ止めることなど、日頃から心構えを持っておくことだろう)。半割れの場合、被災を免れた残りの地域でも、同規模の地震が連動して起きる可能性があるとされている。気象庁は最短で地震発生から5分程度で「今後の情報に注意し、できるだけ身の安全を守る行動を取ってください」と呼びかけるという。自治体、企業、住民に連動地震に備えるための情報を伝えて対応を促すという。さらに、専門家の議論を経た上で、最短で2時間後に「大地震発生の可能性が相対的に高まっている(「相対的」は緊急時に必要か?)」と発表する。地震発生から津波到達までの間に避難が難しい沿岸部の住民に1週間程度の避難や警戒を呼び掛けるという。半割れの場合、被災地域と同様に被災しなかった地域にも大津波警報などが発令されているため、住民がすでに避難を始めている中で政府の呼びかけが行われる形になるという(混乱が生じるのは目に見えるようだ)。半割に比べて大地震につながる可能性が低い一部割れでは、発生直後は半割れと同様に身の安全を守るよう呼びかけるが、その後は情報収集や家具の固定などの備えの確認にとどめるという(⇒一部割れの方が最初の地震は比較的小さいが、後に起きる地震の規模が大きい可能性があり、その注意を喚起すべきではないか)。いずれにしても、専門家は遅くない時期に南海トラフ地震が起こる可能性が高いと判断しているようで、直前予知が困難な現状では、市民は、まず、自ら(身周辺の社会的弱者を含めて)を守る手立てを普段から考えておくことだろう。
『NGOのデモ低調 開催国が集会規制 世界有数の石炭産出国』 毎日新聞12月11日付夕刊はこう報じている(特集 COP24 '18ポーランド)。気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)では例年、会場周辺で脱石炭などを訴えるデモが行われるが、今年はポーランド当局が「テロ対策」を理由に屋外での集会を規制しているため、鳴りを潜めているという。背景には、世界有数の石炭産出国で、国内発電量の8割以上を石炭火力発電でまかなうポーランドの国内事情があるという。「化石燃料ヘの融資を止めろ」「温暖化対策は社会正義だ」。8日午後(日本時間同日夜)、会場近くの広場に世界中のNGOメンバー数百人以上が集まり、声を張り上げたという。2日にCOPが開幕して以降、屋外でのデモ行進は初めてだったという。石炭火力発電所の海外輸出を推進する国として日本もやり玉に挙がり、安倍晋三首相の顔を模したマスク姿の参加者も現れたという。例年のCOPでは、石炭など化石燃料に依存する国への抗議行動が盛んに繰り広げられるが、しかし今年は会場周辺に多数の警察官が配置され、厳しく警戒する様子が目立つという。英シンタンクによると、ポーランド議会は今年初め、COP24期間中に会場外での集会などを「テロ対策」を理由に制限する法律を制定したという。米環境専門ニュースサイトは地元の環境運動家の話として「当局はデモに多くのポーランド人が参加することを恐れている」と報じている。⇒ポーランドは旧社会主義国で世界有数の石炭輸出国であるので、政府は過敏になっているのだろう。いかにも旧社会主義国らしい。お蔭で胸を下しているのは日本政府代表団だろう。しかし、だからと言って免責になることではない。COP会議で世界中から注目されるような提言ができるか。注目しよう。関係者によると、地元団体が主導した8日のデモは認められたが、海外NGOなどが申請してもそのまま放置されるケースが相次いだという(⇒いかにも旧社会主義国そのものだ)。8日のデモに参加したポーランド人女性は「国は「金がない」と言いながら、新しい石炭火力発電所を造ろうとしている」と新設に反対するプラカードを掲げたという(ポーランでも心ある人はいるものだ。⇒さしずめ、日本で言えば、原発建設・再稼働反対というところだろう)。国際NGOの関係者によると、NGOメンバーの一部がポーランドへの入国を拒否されたり強制送還されたりしているという。日本のNGOグループはどのように処されたのか。このような状況を知りながらポーランドは何故COP24を招致したのだろうか。なお、本ニュース記事では、抗議デモの写真が掲載されており、その中に、「COP24」会場近くで開かれたデモ行進に、「SAYONARA COAL!」と書かれた横断幕を掲げて参加する日本や東南アジアのNGO関係者があったという。少なくとも日本のNGOの一部の人たちは、入国が許可され、会場周辺で横断幕を持って抗議活動を行ったようだ。
『二酸化炭素(CO2)排出2年連続増加へ 中国は過去最高』 毎日新聞12月7日付朝刊はこう報じている。2016年まで3年間ほぼ横ばいだった世界の二酸化炭素(CO2)排出量が、17,18年と連続して増加する見通しだと国際研究チームが発表したという。排出削減の技術の導入よりも、石油や天然ガスなど化石燃料の消費拡大が上回っているためという。国連気候変動枠組み条約の前事務局長で、地球温暖化対策のパリ協定の取りまとめに尽力したフィゲレス氏ら専門家は強い懸念を表明。6日付英科学誌ネイチャーで「あらゆる分野でもっと脱炭素化を進められる」として、排出削減目標を引き上げる必要性を強調したという。発表によると、17年の世界のCO2排出量は前年比1.6%増え、18年は同2.7%増の見通しという。産業界の天然ガスの消費が伸び、運輸部門で石油の利用量が増えているからという。最大の排出国の中国は経済成長に伴い18年に最高の排出量となると分析している。パリ協定離脱を表明した米国は、減少傾向から一転して18年に2.5%増加すると予測している。猛暑や冬の厳しい寒さで冷暖房需要が高まったことが理由という。米国内では石炭から再生可能エネルギーなどへの転換が進んでおり、19年には再び減少に転じる見通しという。大気中のCO2濃度は18年に407ppm(ppmは100万分の1)、産業革命前と比べ1.5倍ほどになると予測しているという。⇒世界各地で、いろいろな努力が続けられているにも拘わらず、CO2濃度は増加し、年平均気温は上昇を続け、留まることがない。現状でも世界各地で多様な自然災害の発生、それらに関係する家屋・土地の破壊・死者の増加。人類は果たして、地球温暖化を克服できるのか。
『代替フロン回収支援 地球温暖化 環境省 来年からタイで』 毎日新聞12月7日付朝刊(特集 COP24 '18ポーランド)はこう報じている。地球温暖化を引き起こす温室効果が二酸化炭素(CO2)の1000倍以上となる種類が多い冷媒用の代替フロン類について、環境省は海外での回収や無害化の技術支援に乗り出すという。来年からタイで事業を開始予定で、低炭素技術を海外に導入し、温室効果ガスの排出削減量の一部を日本の削減分にカウントする「2国間クレジット制度」(JCM)の適用を目指すという。・・・・・・。日本は使用済み代替フロンンの回収・無害化で高い技術を持つという。環境省は日本の処理業者に委託し、まずはタイ・バンコク周辺で使われたカーエアコンなどからHFC(ハイドロフルオロカーボン)などを回収、地元の廃棄物焼却施設で燃やして無害化する準備を進めているという。年間の排出量はCO2に換算して12㌧以上を想定しているという。削減量は必ずしも大きくないが、同省は「日本の技術で積極的に海外に貢献したい」と国際協力の象徴的な事業に位置付ける方針という。ベトナムからも支援の要請があり、協議中だという。支援は、ポーランドで開催中の国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)で原田義昭環境相が表明するという。確かに必要なことだと思われるが、インパクトが小さい。環境省官僚が苦肉の策で絞り出したものか。日本は石炭火力の問題を世界から突きつけられているはずだ。これに正面から取り組む姿勢が望まれていることに、これでは答えられない。果たして世界からの反応はどうか。
『温暖化対応に温度差 EU先行 米が足かせ 「火力固執」日本後手』 毎日新聞12月6日付朝刊(特集 COP24 '18ポーランド)はこう報じている。ポーランド南部のカトウィツエで2日開幕した国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)。2020年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」のルールブック(実施指針)作りが交渉の焦点だが、協定の下での温暖化対策の取り組み開始を約1年後に控え、参加国の国内対策や多国間協調への姿勢に温度差が目立ち始めているという。日本も50年までの削減戦略がまだ決まらず、他の先進国に遅れをとっているようだ。「欧州連合(EU)が気候変動に影響を与えない大規模経済圏に大きな一歩を踏み出したことを誇りに思う」。COP24開催翌日の3日、会場に居並ぶ各国首脳らを前に、EUの執行機関である欧州委員会のシェフビッチ副委員長は自信ありげに語ったという(⇒むしろ、各国の及び腰の中で、しびれを切らし、EUけん引の姿勢を示したものであろう)。国連環境計画(UNEP)が2℃未満あるいは1.5℃未満達成に大きな懸念を持つ一方、被害拡大を懸念する途上国やNGOなどからは、世界全体で削減が進まないことへの危機感が高まっているという。ところで、日本の対応はどうであろうか。一言でいえば、”「火力固執」日本後手”のようで、この欄でも以前何度も指摘したように国際的に全く恥ずかしい状態にあるようだ。日本は「50年までに温室効果ガスを80%削減する」と、基準年を定めない数値目標(?)を公表しているだけである。しかし、具体的なビジョンは示さず、主要7か国(G7)の中で長期戦略を提出していないのは、日本とイタリアだけだという。来年、大阪で開催される主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議を控え、政府関係者は「今のままでは首相が恥をかきかねない」との懸念も聞こえるという(⇒実際に恥をかかなければ、問題の本質を理解できないのではないか。このまま何もしないで、首相に演説してもらうのが一番良いのではないか。有能で、賢い、現状を憂える官僚ならばそうするだろう)。⇒当然であろう。ただ、解決策は首相の辞職しかないだろう。国内の諸課題でも、内容不十分な法案を提出し、真摯な議論をせずに「多数決」のみに基づくで強行採決しかできない(それを民主主義と思っているようだ)政権は退陣すべきだろう。また、まともな答弁のできない担当大臣、事務をささえる官僚のレベルの大幅な低下は目も当てられない。戦後70年で、これほど政治家・官僚のレベルが低下してしまったのは、ビジョンなく、当面の経済のみしか判断基準のないリーダーの体たらくであり、野党も形式的ではなく、ほんとうに辞任を迫る不信任決議案を提出すべきだろう。
『本末転倒の「大学改革」を問う』(勝木元也 総合研究大学院名誉教授の発言) 毎日新聞12月6日付朝刊(発言欄)はこう報じている。ノーベル医学・生理学賞受賞が決まった本庶佑博士は「好奇心から生まれる基礎研究がなければ、がん治療の概念を変えるオプジーボの開発はあり得なかった」という。そして、基礎研究の現場である大学が若手ポストと基盤経費不足に陥っているとも指摘している。特に若い研究者が抱いている危機感の代弁である。それでも大学に変化の兆しが見えないのはなぜか。理由は、法人化後に起きた大学の構造的な変質にあるという。⇒筆者(江原)は大学定年(2012年3月)の数年前から、いわゆる「大学改革」の問題は、大学(個々の研究者)が自らの問題意識に基づいて基礎的研究を行うという方向ではなく、基礎研究の元手となる運営費交付金は増額せず(むしろ減額)、もっぱら研究目的が限定される外部資金(民間資金や寄付金)の獲得に向けさせる方向になっていったことにあると考えてきた。このような中で、文科省は、猫の目のように手を変え、品を変えた思い付き施策を数年ごとに繰り返し、常に競争的環境を作り、大学を疲弊的方向に追いやった。特に、若手研究者にはパーマネントの職を減らし、プロジェクトごとに短期(1年~3年程度)採用の方向になり、若手研究者は自らの発想(好奇心)に基づき、じっくり研究を進めるというより、短期間の任用中に如何に良い論文を書き、次の職に備えるかということに専念せざるを得ないような状況を作り出した。それでは、画期的な研究は生まれず、若手研究者が将来に希望が持てずに、疲弊していくことなる。現実に博士課程進学者数も減るという悪循環が発生している。すなわち、近年の文科省発想の大学教育改革は若手研究者に悪しきひずみを与え続けている。文科省は、近年の大学改革政策を抜本的に改め、若手研究者により良い研究環境を与え、若手研究者がじっくりと研究に取り組めるような政策を立案すべきである。そのためには、まず近年の猫の目のように変わる学術政策を根本的に改め、若手研究者の研究環境を抜本的に改善する政策を推進してほしいものである。
『米版「はやぶさ」小惑星に 上空到着 NASA、岩石採取へ』 毎日新聞12月4日付夕刊はこう報じている。 米航空宇宙局(NASA)は3日、探査機「オシリス・レックス」が目的地の小惑星ベンヌの上空に到着したと発表したという。小惑星リュウグウを調べている日本の探査機「はやぶさ2」と同様に着陸と岩石の採取に挑み、2023年に地球に岩石を待ちかえるという。日本チームとも協力し、岩石を交換して互いに調べる予定という。小惑星には太陽系の成り立ちや生命の起源の手掛かりがあると考えられ、岩石の分析で謎の解明を目指している。NASAの担当者は「46億年前に太陽系ができたころの材料が手に入る。分析を心待ちにしている」と話しているという。⇒同じ資料が両国チームが分析し、それを突き合わせるのはいろいろな点で実に興味深い。オシリス・オリックスは16年9月の打ち上げ後、太陽の周りをまわりながら計20億㌔飛行して徐々に近づき、3日上空19㌔の場所に着いたものである。1年半かけて上空から観察した後、最大3回着陸し、計2㌔の岩石の入手を目指している。NASAでは、小惑星に挑むのには初めてという。アーム状の装置を約5秒間、表面い接触させて先端から窒素ガスを噴射し、舞い上がる粒子を吸い込む方式という。⇒探査機「オシリス・レックス」は16年9月に打ち上げ、2023年に地球に持ち帰るという。随分根気のいる研究だ。両小惑星からの試料を地球に無事持ち返ることを期待したい。
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