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『断層なくても地形変位か 熊本地震の現地調査で判明』 毎日新聞2月8日付朝刊はこう報じている。 活断層が繰り返し動くことによって生じる「断層変位地形」が、大きな地震活動がなくても形成される可能性があることが、国土地理院などの研究チームの調査で明らかになったという。一昨年4月の熊本地震後の現地調査で判明したという。政府の地震調査委員会などは、活断層の活動履歴などを基に地震の発生確率を算出している。国土地理院の宇根寛・地理地殻活動研究センター長は「活断層の評価方法を見直す必要があるかもしれない」と述べており、今後の地震予測手法に影響が出る可能性があるという(⇒原発立地の評価にも関係する可能性がある。従って、この問題は早急に明確にする必要があると思われる)。断層変位地形は、活断層の動きによって生じる河川の曲りや、地面の隆起やたわみなどで、こうした地形は過去に活断層が繰り返し動いた場所と判断されてきた。日本は雨などの浸食の影響を受けやすいため、断層の活動が少ない場合の断層変位地形は不明瞭で分かりにくい場合もある。熊本地震は布田川、日奈久断層帯が活動して発生した。人工衛星に搭載した特殊なレーダーを使って調べたところ、両断層帯から離れた阿蘇外輪山北西部で数多くの地表変動があることが判明。さらに、現地を調査した結果、長さ数㌔程度で、最大30㌢程度の縦ずれの正断層に見える変位が多数見つかったという。阿蘇外輪山北西部は、熊本地震を引き起こした断層帯から離れ、余震も発生していないことから、地震を起こした地下の断層のずれが地上に到達した「地表地震断層」ではないと断定したという。
『国立大共同拠点 予算削減見込 梶田氏「日本の研究力落ちる」』 毎日新聞2月7日付朝刊はこう報じている。各大学の枠を超えて研究するための拠点として共同利用されている「共同利用・共同研究拠点」の来年度予算案で、国立大の研究所の研究予算が今年度比約7%の削減が検討されているという。研究拠点の連携組織が6日、東京都内で会見し、ノーベル物理学賞を2015年度に受賞した東京大宇宙線研究所の梶田隆章所長は「多様な研究が立ち行かなくなり、日本の研究力を更に落としかねない」と予算確保を訴えたという。文部科学省や連携組織によると、来年度政府予算案では「共同利用・共同研究拠点」の予算が今年度の計61億円に比べ約4億円減る見込み。削減の理由については「財務省への説明が不十分だった」(文科省学術機関課)とするが、個別の研究で影響が懸念されるという(⇒上述の「・・・ 」のような理由であれば、文部省は、連携組織の研究者側とよく連絡を取り、十分対応することができたのではないか。文部科学省担当者の怠慢ではなかろうか)。連携組織は増額を求める要望書を提出しているという。梶田所長は「基礎的研究費の削減の影響は、ボディーブローのように効いてくる。基盤となる施設を安定的に支える仕組みが必要」と話している。同省は、1研究室だけでは持つことが難しい大型装置や研究施設、大規模なデータベースを共同して利用する国立大の77拠点を「共同利用・共同研究拠点」として認定。東大宇宙線研究所など理工系から医学や人文科学系まで幅広く利用され、14年度には、年間8000件の共同研究で、延べ2万7000人を超える研究者が利用したという。大型の「共同利用・共同研究拠点」の中には、国際的な活躍をし、日本の科学の顔とも言えるものが少なくなく、予算復活を期待したい。一方、個々の科学者の創意工夫による科学研究費の枠を広げることも忘れてはならないだろう。
『金印の真贋シンポジウム 議論かみ合い進展 「出土品もとに検証」で一致』 毎日新聞2月6日付夕刊はこう報じている。この内容は本欄に必ずしも適当ではないようにも考えられるが、当研究所では、地熱探査法の一種である「水銀探査法」を古墳に適用する研究も行っているので、関連事項として紹介したい。国宝「漢委奴國王」金印の真贋を問うシンポジウムが1月21日、出土地とされる福岡市で開かれた。真印説、偽造説の一方が優位に傾くことはなかったが、「論証の根拠となる印は出土品であること」との点で双方の論者が一致したという。平行線になりがちな論争が目に見える形で前進したと評価できるという。定説では、金印は江戸時代の天明4(1784)年、福岡市の志賀島で見つかったと言われている。中国の正史「後漢書」東夷伝にある「紀元57年に倭(委)の奴国が朝貢し、光武帝が印を与えた」との記述を裏付ける一級資料の一方、偽造説も根強いという。シンポでは、金印研究に使われる他の古印の資料としての信頼度が重要なポイントになった。パネリストの一人で、江戸時代の偽造の可能性を指摘する鈴木勉・工芸文化研究所所長は金工や金石学の専門家。鈴木氏によると、中国古代の品として博物館などで展示されている印の中には、古代にそぐわない技法や、現代の電動工具で削った痕跡の残る印もあるという。シンポの前日には両説の登壇者が、福岡市博物館が近年骨董商から購入した古印群を検証した。鈴木氏はこの292個の印の90%に現代の技法や工具の特徴があるとして、古印と偽って流通する「偽物」と指摘している。検証を経て、真印説側もこの研究をを踏まえた上でのシンポとなったという(⇒古印とされるものの90%が偽物という事実は十分認識する必要はあるが、国宝「漢委奴國王」金印が直ちに偽造とは言えないだろう)。シンポで鈴木氏は、研究資料となる古印を①発掘調査による「出土品」②寺社などに伝わる「伝世品」③発掘調査によらず新たに見つかった「新発見資料」④骨董品店等での売買を経た「流通古文化財」(福岡市博の購入品もここに入る)--に分け、信頼できるのは出土品だけと指摘。その上で、真印説側が論拠に使う古印の中に史料価値の検討が不十分な流通文化財がいくつも含まれており、意味のない論証だと批判した(なお、昨年中国で、これまで一面も中国では発見されてこなかった三角縁神獣鏡が発見されたと、中国の収集家あるいは日本の古代史研究者の一人(邪馬台国近畿説論者)が大見得を切っていたが、資料はまさに④「流通古文化財」に当たるもので、全く危ない話である。史料価値を十分検討すべきである)。対する真印説の石川日出志・明冶大教授は「発掘品だけで(論証を)確認する」と応じたという。両説が同じ資料的土台に立って論争する必要を認める重要表明である(⇒「信頼できるデータに基づいて、合理的に推論する」という科学の基本的な考え方に基づく、正論と考える。なお、邪馬台国近畿説の研究者の一部には、このことを理解できない方がいるようである。古代史は思い込みではなく、科学である)。これに先立ち、石川氏は「(後漢初期の)金印を作る技術が江戸時代にあっても、金印のデザイン(文字やちゅう-つまみ-の形、素材)は知りえない」との観点から検討。古印の文字形などを細部まで調べて変遷を追跡し、「印面の5文字全てが後漢初期の特徴をもち、ちゅう形などの検討とも矛盾しない。金印は大丈夫、国宝です」と断定したという。このほか三浦佑之千葉大名誉教授は、金印発見の経緯について、「(鑑定した儒学者の亀井南冥に)都合が良すぎ不自然」と述べ、科学的な証明の必要性を強調。同市埋蔵文化財課の大塚紀宜氏は、金印の蛇をかたどった「ちゅう」は元々の駱駝「ちゅう」を改作したものとする観点から真印説を展開するなど議論が白熱したという。今回はそうした真印説が根拠とする資料に流通古文化財が含まれる点を批判されたわけだが、石川氏は現時点で流通古文化財を除外して議論を組み立てても、文字の形などは出土品の資料も多く、真印説が維持できているとの自信を見せたという。また、石川氏は偽印説側に「江戸時代に金印がデザインできる根拠を文字一つ一つについて示してほしい」と迫り、「次回(のシンポで)やります」という鈴木氏の約束を引き出したという。鈴木氏は「今回は随分議論が進んだ。私も、戦前の古印コレクションを含めて流通古文化財の特徴をさらに調査したい」と話している。考古学の論争に製作技術の視点が入ったのは画期的で、新たな展開を期待したいと記事は結んでいる。全く同感である。なお、長い論争が続いているが未だ確定できていない「邪馬台国の位置問題」も、信頼できるデータに基づいて、合理的な推論が展開することを期待したい。
『温暖化対策に新法 今国会、法案提出へ 被害軽減化』 毎日新聞2月4日付朝刊はこう報じている。 政府は今月、地球温暖化に伴う災害や産業への被害などの軽減策を強化する「気候変動適応法案」を提出するという。自治体などに対し、温暖化の被害に備える基本計画(適応計画)の策定を促すため、国立環境研究所が温暖化の影響について情報を収集し、提供するよう規定する。法案は今春に成立する見通しという。従来の地球温暖化対策は、温室効果ガスの排出削減など温暖化の予防策が中心だった。だが、すでに産業革命前から地球の平均気温は約1℃上昇しており、局所的な豪雨や熱波、干ばつなどの異常気象による被害が世界で相次いでいる。2020年以降の温暖化対策を定めた国際枠組み「パリ協定」でも予防策と共に、被害を軽減する適応策の推進が位置付けられている。日本でも、農業や産業など各分野における温暖化の影響評価に基づいて被害軽減策をまとめた適応計画を15年に決定している。今世紀末に大雨時の雨量が現在より1~3割増えたり、九州のコメの品質が大幅に落ちたりするといった被害予測を基に、大雨対策や暑さに強い作物開発など7分野76項目の対策を盛り込んでいる。被害の軽減に地方の協力が欠かせないが、いまだ計画を策定していない自治体があるほか、計画の中身が不十分との指摘もある。法案では、同研究所が中心となり、温暖化が社会にもたらすと予測されるリスク情報を広く発信する仕組みを構築する。自治体などと連携し適応計画の策定を支援する「気候変動適応センター」を設置。各地で熱中症や水害のリスク評価手法や農産物への影響を評価するなど、地域に応じた適応策作りに生かす。また、5年ごとに被害予測を更新し、国の適応計画が適切か評価して見直す。法案を巡っては、15年の国会でも環境省が提出を目指したが、経済産業省や国土交通省、農林水産省との間で調整が難航し、見送られた経緯がある。今回はインフラ整備や農林業、国内ビジネスなどに配慮し、提出にこぎつけたという。温暖化が進行する中、このような対応策を法律で明確に位置づけることは必要なことであり、成立を期待したい。ただ、温暖化効果ガスを減らすことを前提とした上での対応策である。政府が削減策にも積極的になることを改めて要望したい。
『渦巻く真冬の使者 オホーツクに流氷』 毎日新聞2月3日付朝刊はこう報じている。北海道の網走地方気象台は2日、網走市で流氷が接岸する「流氷接岸初日」を観測したと発表したという。オホーツク海沖では、海流と風の影響で流氷が巨大な渦を巻く「流氷大回転」と呼ばれる現象が起きたという。直径50㌔以上にも及び、幻想的な風景が広がっているという(新聞にはカラー写真添付。台風の雲の流れによく似ている)。流氷接岸初日は、流氷で船舶が航行できなくなった最初の日。網走での観測は平年並みで、昨年と同日だったという。流氷の接岸は3月まで続く見通しという。なお、当地埼玉県狭山市では昨日今季2度目の降雪(積雪3~5㌢程度か)があった。1週間前の1回目の方が多く(積雪20㌢程度)、まだ、日当たりの悪い場所では、1回目の時の雪が残っている。気温は10℃以下の低温が続いている。しかし、冬来たりなば、春遠からじか。
『海鳥の揺りかご 西之島』 毎日新聞2月2日付夕刊はこう報じている。2013年11月以降の噴火活動に伴い面積が大きく拡大した小笠原諸島・西之島(東京都)を1月末、毎日新聞社機から撮影したという。昨年4月に噴火の再開が確認されたが、現在は噴煙などは見られず、島では多くの海鳥が羽を休めていたという。小笠原の鳥類に詳しい川上和人・森林総合研究所主任研究員によると、白い鳥の多くは今が繁殖期や子育ての時期に当たるアオツラカツオドリで、ヒナの姿もうかがえたという。これから繁殖期を迎えるカツオドリの姿もあったという。国土地理院によると、西之島の現在の面積は2.72平方㌔で、噴火前の9.4倍になったという。気象庁によると、今後も噴火が再開する可能性が考えられるとして、火口周辺警報(入山危険)を継続している。なお、1973年4月から始まった同海域での海底噴火活動、1973年9月の海面上への新島の出現、その後噴火継続、翌年1974年3月噴石活動の休止、その後、同年6月半ば頃まで、溶岩流出が続いた。当所の江原は1976年8月に上陸調査を行ったが、冷却したとはいえ、噴気の出ている岩石の温度はまだ178℃あった。ただ、その頃は一面噴石が広がっており、植生は小さな草がまばらに生えている程度で、鳥はまだいないようであったと思う。なお、海岸部の浅い海水中に小さな(子供の?)サメのような魚が泳いでいたのを記憶している。西之島の海底噴火が最初に確認されたのが1973年、近年の活動再開が2013年で、その間隔は約40年であり、今後の活動再開も十分考えられるだろう。
『赤銅に染まる 皆既月食』 毎日新聞2月1日付朝刊はこう報じている。全国で31日夜、満月が地球の影にすっぽり隠れる皆既月食となった(当地埼玉県狭山市でも赤みがかった月が観察された)。天気が悪く観測できない地域もあったようだが、東京都内では午後9時前に左下が欠け始め、同9時51分に皆既月食になると特有の赤銅色に染まった。日本では約3年ぶりという。国立天文台によると、皆既月食は同11時8分まで1時間17分続いたという。太陽と地球、満月が一直線に並ぶ時に起きる現象。月が赤く見えるのは、地球の縁をかすめて屈折した太陽光のうち、赤い光だけが届くためだという。次は東北地方以西で7月28日未明にみられるという。皆既日食は、たとえば、邪馬台国の女王卑弥呼の死に関連して議論されることがあるが、皆既月食が歴史的事象と関連されて議論されることはあったのだろうか。
『火山性微動を蔵王山で観測』 毎日新聞1月31日付夕刊はこう報じている。気象庁は30日、宮城、山形両県にまたがる蔵王山で火山性微動を観測したと発表した。山頂の南方向が隆起し、火山活動の高まりがみられるという。噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)を維持するという。気象庁によると、地下の熱水やガスの動きで生じると考えられている火山性微動は28日午後7時28分と30日午前0時44分にそれぞれ1回観測されたという。火山性微動の観測は2017年4月3日以来。火山性地震は30日午前0~10時の間に4回観測されていた。28日以降、坊平観測点に設置している傾斜計で山頂の南方向が隆起する変化も継続しており、地下で熱水やガスの動きがあると見られる。馬の背カルデラ内の丸山沢や振り子沢では噴気や火山ガスの噴出がみられ、気象庁は異変を感じた際には速やかにカルデラから離れるよう呼びかけている。山体の膨張が継続し、火山性微動・火山性地震が発生しているということは、火山性の流体が地下浅部に移動・供給されている可能性がある。今後の動向に注意すべきであろう。
『大きな亀裂 火口に積雪 草津・本白根山』 毎日新聞1月29日付朝刊はこう報じている。23日に噴火した草津白根山(群馬県草津町、2171㍍)の火口の底に積雪が見つかったという。山頂上空から毎日新聞社ヘリで28日、確認したという。専門家は「火砕流の痕跡が見えず小規模な噴火」と指摘している。取材ヘリからは直線状に並んだ三つの火口が確認でき、うち一つでは大きな亀裂が入るように山肌がえぐれていた。火口周辺の木々は倒れ、火口の底には積雪が確認できた。噴煙などは上がっていなかった。専門家らで作る火山噴火予知連絡会によると、火口は東西約500㍍の範囲に広がり、複数に連なる火口は火口列で水蒸気噴火ではよく見られる。予知連の石原和弘会長(京都大名誉教授)は「火口周辺の地表温度も高くなく小康状態のように見えるが、今後も火山ガスや地表温度の変化を監視する必要がある」と話しているという。今後の動向予測は困難だが、モニタリングを丹念に続けることが肝要だろう。今後もし2度目の水蒸気噴火があった場合、火山灰の中に新鮮なガラスが見られるか、あるいは、深部で地震が発生するかどうかなどがポイントだろう。
『微動から3分で噴火 火山予知連「当面、同程度は警戒」』 毎日新聞1月27日付朝刊はこう報じている。23日に噴火し、12人の死傷者を出した草津白根山の本白根山(2171㍍、群馬県)について、専門家らでつくる火山噴火予知連絡会(会長・石原和弘京都大名誉教授)は26日、気象庁で拡大幹事会を開き、「当面、23日と同程度の噴火が発生する可能性がある」との見解をまとめたという。今後、より大きなマグマ噴火などに移行する兆候を監視するため、観測を強化する必要があると指摘した。予知連によると、鏡池の北側で、東西500㍍の範囲に分布する複数の火口が確認された。そのうち、東側約300mは、複数の火口が連なって火口列を造っている。また、西側の火口は、草津国際スキー場のリフトから100mしか離れていない。今後、再噴火するとしたら、これらの火口からの可能性が高いという。噴火は23日午前10時2分に発生し、地下のガスなどの動きによって起こる火山性微動の開始からわずか3分で噴火したと明らかにした。石原会長は「それ以前に地震などがまったくないことは驚き」と述べた。高温の火山ガスが関わっていたと見られ、何らかの原因で急激に地下で圧力が高まり噴火に至ったと考えられるという。今後の火山活動に対する警戒について、石原会長は「怖いのは噴石だが、警戒範囲内に立ち入らなければ危険性はない」と話しているという。このような『無警戒火山にどう対処』するかが大きな課題だが、予算が限られ(人員・観測経費)、対象の見直しが必要である。今回の噴火を教訓とするため、名古屋大の山岡耕春教授は「火山の活動度に縛られず、まず観光客が行くような被害が大きくなる活火山を改めて選び出すことが必要。そして優先順位を付け、今回のような前触れが少ない水蒸気噴火を起こす可能性を調べるべきだ。地熱開発技術など、従来重要視しなかった手法を活用することも大切だ」と提案している。地熱開発に係る立場から言えば、上記提案は全く妥当と考えられる。地熱開発においては、対象地域は温泉地域も近く、早い段階からの温泉モニタリングを行っており、それ以外にも、地熱発電所運転開始後、地震活動などの種々なモニタリンが行われることが多く、地熱開発技術者が貢献できる余地は大きい。地熱開発技術者はこのような貢献ができることを積極的に地域に説明していくことが重要だろう。地域において地熱開発の受容性が高まることは間違いないだろう。1995年10月大分県九重火山で水蒸気爆発が発生したが、火山周辺に複数の地熱発電所があり、噴火前から取得されていた地震モニタリングデータは重要な情報を与えた。また、地熱開発の背景を理解するため九重火山の基礎的調査が行われていたが、噴火活動の推移予測にも重要な貢献をしている。地熱開発事業者には、地下調査・発電・各種モニタリングを通じて、発電だけでなく、火山活動モニタリング、さらには地滑り対策にも貢献できることを認識し、積極的に地域貢献を果たすことが重要だろう。電気を起こすことだけではなく、地域貢献という、より広い観点から、地熱発電事業を捉えることは、自らの発電事業の進展にも跳ね返ってくるだろう。
『九大研究者 復興へ住民支援』 毎日新聞1月26日付朝刊の くらしナビ 気象・防災欄はこう報じている。死者・行方不明者41名を出した昨年7月の九州北部豪雨は、発生から半年が経過した。被災した福岡県朝倉市などが復興計画の策定を進めている中、九州大の研究者らが復旧を話し合う集落単位の住民集会に精力的に参加し、助言を続けているという(九州大の三谷泰浩教授(地盤工学)を中心とする「九州北部豪雨災害調査・復旧・復興支援団」・・・工学や農学・医学などの専門家約50人態勢で被災地支援にあたってきた。原因究明などの学術的支援や、復旧復興計画へアドバイスする行政支援とともに、住民支援を3本柱の一つに位置付けている。研究者らが専門分野を生かして横断的に結集した珍しい取り組みと言われている)。計画に住民の要望を反映させるのが狙いという。研究者が災害復興で集落レベルから支援するのは全国的にも珍しく、被災者と地元研究者らがタッグを組んだ取り組みという。災害復興は一般に行政ベースで行われることが多く、必ずしも住民の要望に沿わないケースがみられる。今次の九大研究者の地道な取り組みは、従来のような災害復旧のあり方へのアンチテーゼとも受け取れるだろう。研究・教育以外にも多忙な大学教員が、地元に足しげく通い、復興に向けての種々の助言・取りまとめを行うことは、地元にとって、復興への大きな力となろう。大学教員の第一義的役割は、教育・研究であるが、このような社会的取り組みを十分評価していく必要があるだろう。なお、この種の経験を早期にとりまとめ、防災復興における指針として広く日本全国で活用することも重要であり、大学研究者に期待したい。
『各地で厳寒続く』 毎日新聞1月25日付朝刊はこう報じている。強い寒気が流れ込んだ影響で、日本列島は25日、各地で厳しい寒さとなった。強い冬型の気圧配置は27日まで続き、その後の1週間も全国的に平年並みか平年より寒い日が続く見込みという。気象庁によると、本州付近の偏西風が大きく南に蛇行している影響で上空の気圧の谷が深まり、日本列島に強い寒気が流れやすい状態が続いているという。25日朝は、東京都心の最低気温が48年ぶりに氷点下4℃を記録するなど、全国各地で今季一番の寒さになったという。日中も気温は上がらず、関東地方の最高気温は前橋市で1.7℃、さいたま市で2.5℃、東京都心は4℃だったという。日本海側を中心に大雪も続いており、25日午後5時までの積雪は、青森市3.8㍍、山形県大蔵村2.86㍍、北海道幌加内町2.27㍍を記録したという。大雪は北日本や西日本の日本海側を中心に、27日まで続く見通しという。26日午後6時までの24時間予想降雪量は、関東甲信、東海、中国30㌢という。寒波・降雪はまだまだ続くようだ。なお、毎日新聞朝刊の「余禄」欄に次のような俳句が紹介されている。『この強烈な寒気がまだまだ日本列島をうかがう「雪 イトド 深シ 花 イヨイヨ近シ」。深くなる雪、厳しくなる寒さに近づいてくる花の季節を見たのは思想家の柳宗悦(やなぎむねよし)だった』という。深まる冬の厳しさの中に明るい春の花へ期待する、日本的風流か。心を和ませてくれる名句と言えよう。
『火口に向け カメラ設置 24時間映像配信』 毎日新聞1月26日付朝刊はこう報じている。 国土交通省利根川水系砂防事務所(群馬県渋川市)は25日、本白根山の鏡池付近の噴火口に向けてビデオカメラを設置し、24時間ライブの映像の配信を始めたという。事務所のウェブサイト(http://www.ktr.mlit.go.jp/tonesui/)で公開している。今後も予想される火山活動、特に水蒸気爆発の前兆を捉えるためにも、火口のライブ映像が見られるというのは特に有効だろう。なお、引き続き、草津白根山湯釜周辺のカメラ観測も注目していく必要があろう。
『火山性微動 25日も確認 気象庁』 毎日新聞1月26日付朝刊はこう報じている。気象庁は25日午後3時55分頃、本白根山で火山性微動を確認したと発表した。噴煙などは確認されていないという。火山性微動の継続時間は約3分間。23日の噴火時に発生した火山性微動と比べると、振幅の大きさは6分の1程度だったが、24日に4度観測された火山性微動よりは大きかったという。25日観測された微動は噴火微動(噴火に伴って生じる微動)ではなく、明らかに地下内部に発生原因があり、今後も微動の消長を注意深く観測する必要があるだろう。
『複数火口で噴火か 草津白根山 噴出物 マグマ含まず』 毎日新聞1月25日付朝刊はこう報じている。 草津白根山の本白根山(群馬県・標高 2171㍍)で発生した噴火について、気象庁は24日、噴出物に地下のマグマ成分が含まれないことから、水蒸気噴火の可能性が高いと発表したという。一方、現地で観測を続ける東京工業大チームは、噴火は複数の場所で起こり、最大で1㍍程度の噴石があったことを明らかにした。火山活動は活発な状態が続いており、気象庁は引き続き鏡池から2㌔の範囲では大きな噴石などへの警戒が必要だとしている。産業技術総合研究所と防災科学技術研究所が火山灰を分析した結果、約8割が山を構成する(新鮮でない)粒子で占められていた。24日、群馬県草津町で記者会見した野上健冶・東京工業大教授は、マグマが上がってきたわけではなく、マグマから分離した高温のガスによって地下水が熱せられて起きた水蒸気噴火との見方を示した。今後、マグマ噴火など、より大規模な噴火につながる可能性について、気象庁の小久保一哉・火山活動評価解析官は「現時点でその兆候はないが、変わっていく可能性はある」と述べたという(⇒近年の噴火でも、最初の水蒸気噴火では新たなマグマ物質が含まれていなかったが、その後、マグマ噴火に転じ大きな被害を出したもの(長崎県雲仙火山)もあるが、水蒸気噴火で活動が終了した例(大分県九重火山)もある)。また、同庁は24日午前10時台と午後2時台にそれぞれ2回ずつ、火山性微動を観測したという。微動の発生に伴って、地殻変動を示す傾斜計にも変化があったという。火山性微動は、23日の噴火時に発生した火山性微動と比べると、振幅は10分の1以下と小さかったという。今回の噴火を受け、同庁は26日午前火山研究者で構成する火山噴火予知連拡大会議を臨時で開くことを決めたという。草津白根山の噴火で、訓練中に死亡した陸上自衛隊員の男性は、第12旅団第12ヘリコプター隊所属の陸曹長、伊沢孝之さん(49)であることが24日、関係者への取材で判明したという。改めて、哀悼の意を表したい。
『草津白根火山噴火 雪山 泥流に警戒 地震活動は低下』 毎日新聞1月24日付夕刊はこう報じている。草津白根山(群馬・長野県境)の本白根山で発生した噴火について、気象庁は24日、現地の地震活動は低下傾向を示しているとする一方、「噴火が1回で終わるとは考えにくい」と指摘し、今後も噴火活動が続く恐れがあるとの見通しを示したという。より大規模の噴火が発生した場合、高温の噴出物が積雪を溶かして起こる「融雪型火山泥流」が発生する可能性もあるとして、警戒を呼び掛けている。一方、群馬県警と消防は同日午前、山頂付近の捜索を開始したが、火山性微動が観測されたため、その後中止したという。東京工業大火山流体研究センター・草津白根火山観測所長の小川康雄教授は「噴火の詳細は分かっていないが、泥流については引き続き警戒する必要がある」と指摘しているという。
『翼も凍る最強寒波 都心48年ぶり氷点下4℃』 毎日新聞1月25日付夕刊はこう報じている。25日朝、日本列島上空に強い寒気が流れ込み、東北・北陸地方を中心に各地で大雪や猛吹雪になったという。東京都心では氷点下4℃を観測した。気象庁によると、東京都心で氷点下4℃まで下がったのは1970年以来、48年ぶりという。東京都府中市では76年からの観測史上最低となる氷点下8.4℃を記録したという。気象庁によると、25日午前8時の積雪の深さは青森市で2㍍98㌢、山形県大蔵村で2㍍85㌢、新潟県魚沼市で2㍍11㌢。同日午前6時からの24時間(予想)降雪量は北陸地方で80㌢、東北、関東甲信地方で50㌢となる見込みという。寒気は27日まで残り、厳しい寒さが続くという。なお、当研究所(埼玉県狭山市)では敷地内で1m深地温の観測を継続しているが、本日1月25日の1m深地温は最近の6年間で最低であった(2013年:8.89℃、2014年:9.40℃、2015年:9.17℃、2016年:9.61℃、2017年:9.05℃、2018年:8.83℃)。
『草津白根山が噴火 噴石で1人死亡 スキー客ら80人救助 11人重軽傷』 毎日新聞1月24日付朝刊はこう報じている。気象庁は23日、草津白根山(群馬、長野県境)の本白根山(もとしらねさん)が噴火したと発表した。同庁によると、同日午前10時頃に鏡池(火口跡)付近で発生した。本白根山での噴火は約3000年ぶり。群馬県などによると、鏡池から数百㍍の草津国際スキー場(同県草津町)に噴石が落下し、スキー場で訓練中だった陸上自衛隊の男性陸曹(49)が死亡、隊員7人とスキー客4人の計11人が重軽傷を負ったという。スキー場の山頂付近に外国人客19人を含む80人が取り残されたが、全員が自衛隊などによって救助された。防衛省によると、訓練していたのは陸上自衛隊12旅団第12ヘリコプター隊(同県榛東村)の隊員30人で、8人が飛んできた噴石に当たるなどしたという。このうち胸を強打した男性隊員1人が死亡。2人が重体、3人が骨折などの重傷を負った。2人は軽傷。スキー場では、山頂とふもとを結ぶロープウェイを運行。噴石は山頂駅近くでゴンドラを直撃して窓ガラスを割り、男女の乗客2人が軽傷を負った。噴石はレストハウスの屋根を突き破ったという。噴石による送電線の切断で停電が発生し、ロープウェイが停止したため、自衛隊がヘリコプターでスキー客を救助したという。気象庁は23日、噴火後に噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)⇒2(火口周辺規制)⇒3(火山規制)と段階的に引き上げた。振幅の大きな火山性微動が観測されていたといい、鏡池付近から2㌔の範囲では大きな噴石に警戒が必要とした。草津白根山は1983年に水蒸気噴火をしている。2014年以降、火山ガス由来の成分の濃度上昇が続いていたため、火山活動が活発化しているとして、噴火警戒レベルを2に引き上げていたが、昨年6月にレベルを引き下げていたという。今回の噴火前に、事前のレベル引き上げは困難だったという。今後の火山活動の見通しについて、同庁の斎藤誠火山課長は「噴火規模は大きくなく、継続的に活動している感じではないため、現時点で融雪型の火山泥流などの恐れはないと見ているが、引き続き観測し、十分な警戒に当たりたい」としているという。草津白根山は常時観測施設のある活火山であるが、警戒の主対象を、約2㌔離れた、近年活動が活発化している白根山の湯釜(火口湖)周辺に集中したため、本白根山の方は観測が手薄であり、注意も向けられていなかったようである。観測人員も減少する中で、湯釜方面への観測集中は止むを得ないが、本白根山も過去3000年あるいは1500年程度に噴火したことが知られており(火山活動から見ると、十分最近の現象である)、近傍に地震計を置いたり、火口観測カメラを設置していれば、事前予測はともかく、噴火後の経過把握が的確に行えたのではないか。また、近年の草津白根山の活動は、水蒸気爆発が多く、火山の熱水系の研究も必要であろう(湯釜系と鏡池系の関連を含めて)。テレビ映像を見ていると多くの噴石が飛び交っており、近辺にいた人も多く、このような中で死者1名(勤務中の不意の噴火事故で、心からお悔やみ申し上げたい)というのは不幸中の幸いとも言えるかもしれないが、改めて御嶽山での噴火災害を思い起こした。噴火活動の予測は困難な仕事であるが、火山研究者にはいっそうの尽力を期待したい。
『関東大雪 混乱の朝 転倒続々670人けが 首都高、通行止め』 毎日新聞1月23日付夕刊はこう報じている。 日本列島の南側を通過した「南岸低気圧」の影響による大雪から一夜明けた23日、関東地方は好天になったが、朝は各地で厳しい冷え込みになった。路面の凍結による転倒などが相次ぎ、関東でけが人は約670人に上がったという。気象庁によると、今回の大雪で記録した各地の積雪は、前橋市29㌢、宇都宮市27㌢、東京都心23㌢、水戸市・埼玉県熊谷市19㌢、横浜市18㌢、千葉市10㌢など。なお、当地埼玉県狭山市では約20㌢であった。23日午前9時までの最低気温は、さいたま市で氷点下5.9℃(なお、1月24日の最低気温は氷点下8.6℃とさらに下がっている)、前橋市で同3.8℃と今季最低を記録。東京都心は同0.7℃だった。南岸低気圧は過去にも大雪をもたらしており、今回は当初の予想より南側を通過し、北からの冷たい空気が関東南部まで流れ込んだ。そのため22日夕方から夜にかけて各地で気温が下がり、より多くの積雪につながったと見られるという。
『京大助教 iPS論文データ捏造 撤回申請 動機「見栄えのため」』 毎日新聞1月23日付朝刊はこう報じている。 京都大(京都市)は22日、京大iPS研究所の山水康平・特定拠点助教(36)が昨年2月に発表したヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)に関する論文で、データの捏造・改ざんがあったと発表したという。論文を構成する図や補足図に計17カ所で捏造と改ざんがあり、論文の主張に沿うよう有利にデータが操作されていたという。京大は論文の撤回を申請しており、今後、関係者の処分を行う予定という。同研究所を含め、京大で論文の捏造が認定されたのは初めてという。記者会見した山中伸弥研究所所長は「論文不正が起こってしまったことに対して強い後悔、反省をしている。応援頂いている国民、患者の皆様に心よりお詫び申し上げる」と陳謝したという。山中所長は、所長を辞任するかどうかの質問に「その可能性も含め、しっかり検討したい」と述べたという。不正が認定されたのは、ヒトのiPS細胞から、脳血管細胞を作製し、血中の薬物や有害物質が脳に入るのを防ぐ「血液脳関門」の機能を持つ構造体を作ることに成功したとする論文という。山水助教は筆頭・責任著者だった。昨年2月に米科学誌「ステム・セル・リポーツ」の電子版に発表され、3月に同じ科学誌に掲載されたという。iPS細胞から作った脳血管内皮細胞で、細胞に特有の遺伝子が働いているかどうかを解析し、論文では優位に高いことが示されたが、研究室に残されたデータではその結果は出なかったという。脳血管細胞の作製には成功していなかったと見られるが、京大の聞き取りに対し、山水助教は「論文の見栄えを良くしたかった」と話しているという。この論文に疑義があるとの情報が内部から同研究所に寄せられ、研究所が昨年7月に大学に通報。京大は、9月から調査を始めていたという。問題の論文について、毎日新聞は、米科学誌が出版される前の昨年2月、同じ科学誌の電子版に発表された際に一部地域の紙面で報じていたという。データの捏造・改ざんは科学者として、命取りにもなるような極めて残念なことであるが、その背景の詳細が分からない段階で論じるのは早いが、すでに本欄でも指摘したが、「パーマネントの職を得ていない若手研究者が置かれている、ストレスの高い環境」がそのような行為を取らせたとすれば、個人の問題ではあるが若手の研究環境の改善を図る必要もあろう。
『関東大雪 平野部で積雪 23区にも大雪警報』 日本列島は22日、本州の南側を通過する「南岸低気圧」の影響で、関東地方を中心に大雪になった。東京都心の午後9時現在の積雪は21㌢で、27㌢の積雪があった2014年2月以来、4年ぶりに20㌢を超えた。気象庁は関東甲信などに大雪警報を発表。23日朝も厳しい冷え込みとなる見通しで、路面凍結や交通の乱れに注意を呼び掛けている。気象庁によると、関東甲信では22日昼頃から雪が激しくなった。同日午後9時現在の各地の積雪は、前橋市29㌢、宇都宮市22㌢、水戸市、横浜市18㌢、埼玉県熊谷市16㌢など。同庁は島しょ部を除く東京都のほか、神奈川県、埼玉県、千葉県の一部など関東地方を中心に大雪警報を出した。東京23区に大雪警報が出たのも4年ぶりで、さらに積雪が増える恐れがあるという。関東平野部の降雪は23日未明まで続き、その後、天気は回復する見通し。南岸低気圧の通過後は冬型の気圧配置が強まって寒気が流れ込むため、関東北部や東海の山沿いでは雪が続くという。23日午後6時までの24時間降雪量は、多いところで、北陸50㌢、北海道、東北、関東甲信、東海40㌢、近畿20㌢、東京23区10㌢ と予想されている。大雪の影響で東京を中心に鉄道ダイヤが乱れ、帰宅ラッシュに影響が出たという。
『スパコン解析で台風予測正確に』 毎日新聞1月20日付夕刊はこう報じている。 スーパーコンピューター「京」を使って気象衛星「ひまわり8号」の観測データを解析し、天気予報に用いるのが難しかった雲の高さや厚みを捉え、台風や集中豪雨をより正確に予測する手法を開発したと、理化学研究所と気象庁のチームが米科学誌に発表したという。2015年に運用が始まったひまわり8号では、これまで30分間隔だった観測が10分間隔となり、理研の三好建正さん(気象学)は「危険をより速く捉え、避難につなげることが可能になる」と期待している。ひまわり8号のデータを利用した2015年の台風13号の予測結果と実際の観測結果は非常によく似ており、予測精度が極めて高いことがわかる。予測時間間隔が3分の1(10分)となり、正確な直前予測が可能になっていることがわかる。
『サンゴ白化49% 沖縄「依然厳しく」』 毎日新聞1月20日付朝刊はこう報じている。沖縄県の石垣島と西表島の間にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」で大規模なサンゴの白化現象が起きた問題で、環境省は19日、昨年末時点で白化したサンゴの割合(白化率)が49.9%に上がったと発表したという。2016年末調査の91.4%から改善したものの、同省は「高い水温、高い白化率が続いており、楽観できない」としているという。白化は、高い水温の影響でサンゴの体内に住む植物プランクトンの褐虫藻が失われ、サンゴの白い骨格が透けて見える現象。石西礁湖では16年夏に大規模な白化が見つかったため、同省は年数回の調査を続けている。昨夏は、白化の目安とされる海水温が30℃を下回った時期もあり、今回の調査では、白化が続いてサンゴが死滅した割合は0.1%で、前年同期の70.1%から大幅に減少した。サンゴが生息できる岩礁面積のうち、健全なサンゴが生息している割合は16年の11.6%から微増し14.7%となったが、同省は「回復基調にはなく、依然として危機的な状況に変わりがない」としているという。同省が昨年実施した全国調査結果によると、沖縄本島や鹿児島県の奄美群島でも海水温が上昇し、サンゴ白化率は16年に比べ10ポイント以上高い、30%前後となったという。サンゴは海水温の微妙な変化に翻弄されているようだ。すなわち、海洋環境の変動観測には格好な対象になっているとも言える。また、海水温自体よりも、白化率の変化の方が多くの人にとって理解しやすく、今後も調査が続けられ、広く注意を喚起していくことが重要だろう。
『新規火力発電所 低炭素化を検討 中部電』 毎日新聞1月20日付朝刊はこう報じている。中国電力の清水希茂社長は19日、新設を目指す石炭火力の三隅発電所2号機(島根県)を巡り、環境相が求めている低効率の火力の休廃止に関し「さまざまな手段で低炭素化に努める」と述べ、対応を検討する考えを示したという。東京都内で開いた記者会見で語ったという。清水氏は今後、事業運営に制約がかかってくる可能性を指摘。乗り越えるには二酸化炭素(CO2)を低減することが重要で「対策を取っていきたい」と強調したという。電力会社も少しずつであるが、目先のことだけでなく、国内外の状況を理解しつつあるようだ。また、計画中の上関原発(山口県)については、見直しが進む政府のエネルギー基本計画で「原発の新増設の位置づけが明確にならないと、動かすのは難しい。新増設の議論を深めてほしい」と語ったという。国内の原発を巡る状況、世界の趨勢をみれば、将来のエネルギー政策の方向は自明と思われるが、経産省の若手官僚の思い切った提案を期待したい。
1月19日 自然エネルギー財団 から以下の2つのお知らせがありました。①電力調達ガイドブック 自然エネルギーの電力を増やす企業・自治体向け、②国際シンポジウム「REvision2018」オンライン受付開始のご案内。詳細は同財団のウェブサイトまで。
『打ち上げ影響の「夜行雲」観測か』 毎日新聞1月19日付朝刊はこう報じている。18日早朝に九州や四国など西日本の広い範囲で、白や赤に光り輝く羽衣のような雲が観測された。通常は雲が観測されない高層で発生する特殊な「夜光雲」と見られ、鹿児島県内から打ち上げられた、イプシロンロケットのガスやちりなどで発生したと見られるという。夜光雲は、高度85㌔付近の地球と宇宙の境界近くで起きる現象。高層の気象に詳しい情報通信研究機構(東京都)の村山泰啓研究統括は「ロケットの排煙に含まれる水蒸気が高層で凝縮したのではないか」としている。日の出前や日没後でも、雲が地平線の下にある太陽の光を受けるために観測されるという。実は、当研究所(埼玉県狭山市)では、毎早朝、大分県の九重火山から放出される火山噴煙(噴気)を気象庁の火山カメラから確認しているが、18日早朝(午前7時前後)、噴煙はほとんど見られなかったが、九重火山上空に、曲線状の細い入り組んだ異様な雲を確認し、「観測ノートには、(九重火山)背後に龍の絡まったような雲」と記したもので、貴重な体験をした(残念ながら、新聞記事にある「羽衣」のような優雅な表現はできなかったが。
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