『ナイフ持参首相襲撃狙う? 演説会会場爆発 殺人未遂容疑 視野 首相の会場入り待ち伏せか』 毎日新聞4月17日付夕刊一面トップはこう報じている。 岸田文雄首相が和歌山市の衆院補選の応援演説会場で爆発物を投げつけられた事件で、威力業務妨害の疑いで、現行犯逮捕された木村隆二容疑者(24)が果物ナイフを持参していたことが、和歌山県警への取材で判明した。ナイフは刃渡り約13㎝で、容疑者が持っていた手提げかばんに隠されていた。県警は首相を確実に襲撃する目的で周到に準備を進めていた疑いが強いと見て、殺人未遂容疑の適用も視野に捜査しているという。前回の安倍元首相襲撃テロ事件(⇒この件ではイかがわしい宗教様の「世界統一平和協会」(信者から大量のお金を寄付させ、寄付者及びその家族の人間的な生活を奪っていることが主因)の存在が特定されているが今回の場合は背景は現在不明である)と似た外形的・外観的印象を感ぜざるを得ない。ただ、いずれでも非常に深い根を持つ政治的・思想的動機を持つものでなく、自らの思い込みのみにより、自ら爆発性の武器を自宅内で隠れて作成し(⇒家族や周辺の人にもに全くもわからない状況で)、それを持って、現場まで徒歩で、演説者(いずれも自民党首相)に近づき、一人で爆発事件を起こしている。まだ、今回の容疑者の動機は全く解明されていないが、容疑者本人には、実行過程に悲惨さや重大さ感がなく、淡々と事件を発生させているようだ。2回のテロ事件の背景には共通の根源を持つ、政治家に対する深い政治的・社会的な怒りがあるというより、淡々と、仲間を集めず、一人で行動し、実行後も大して反省がないようで、また、大きな達成感もないようで、正に雲をつかむような事象と見える。恐らく共通の背景があるとみられるが、そこを明確に見極めないと、同種の事件が今後頻発するのではないかと懸念される。長く続く自民党右派の政権下の日本の社会を覆う逼塞感が感じられてくる。