『中教審 生成AI活用議論 特別委初会合』 毎日新聞5月17日付朝刊一面横欄はこう報じている。文科省の諮問機関・中央教育審議会は16日、デジタル学習基盤の在り方を協議する特別委員会の初会合を開き、「チャットGTP」をはじめとする生成AI(人工知能)の学校現場での取り扱いについて議論を始めた。文科省は、特別委での議論などを基に生成AIの活用法や注意点を夏前(⇒夏休み前 ではないか)をめどにまとめ、学校現場に示すガイドラインを策定、公表する方針だという。⇒いろいろな論点があるが、例えば、価値ある論文と評価されるには「文献の引用先を明確にすること。あるいは、引用が不明な論文や資料は無価値であることを正しく認識させる」など個々の課題を挙げていき、個々に議論していくことだろう。さしあたって、個人的に思うことは、基本的なこととして、すべての分野で「オリジナル」に最高位の価値を与えることなどは入っていてもよいだろう。また、ガイドラインを作るにあたっては、「事例集的なものを作る必要があろう」。また、この問題は専門家だけではなく、広く社会の間口広く多くの人々の声を参考にする必要があろう。ただ、利用するのは便利だがオリジナル性がないものは、家電の利用のように、個々の注意書きで済ませることもできよう。本紙三面では、さらに議論が深められている。
例えば上智大学の「てる道佳明」学長は以下のようにコメントしている。・・・上智大は3月、課題として出されたリポートや論文などを学生が提出する際、「生成AIで作られたものをそのまま出してはいけない」という見解を示したが、「程度問題」をあり、実際には、学生・教員は双方にとって、実際の運用が難しいのではないか。学生はこれまで本やネットで情報を入手し、考えを固める材料にしてきた。ところが生成AIは情報を勝手に集めて答えを作ってくれる。ある意味で、AIが学生と同じ立場に立てる時代になった。大学が重視するのは、学生が自身の考えを整理して主張を練り上げるプロセスだ(⇒ここにはオリジナル性があると思われる)。「リポートが正しいか」だけでなく、主張に至るプロセスが適切であることが重要だ。適切なプロセスを踏むことで、人は確信を持って判断できる。環境や貧困など社会問題はAIで解決できる問題ではない。適切なプロセスで思考する力を身につけさせたい。⇒おそらく、上記上智大学長は文系出身と思われるが、一方、理系の東京大学松原 仁教授は以下のようなコメントをしている。・・・生成AIはまるで人間のように文章や画像、音声などを「生成」する。融通が利き、従来の「機械的で気が利かない」というAIのイメージを一新させた。今後間違いなく一般的な道具になる。学生はどんどん活用し、使いこなすすべを学ぶべきだ。教育現場で規制しても、就職すれば必ず使う。困るのは学生だ。ただし、原理的にAIは大量のデータから次に来るに言葉などを予測してつなげているに過ぎない。誤った情報を提供したり、ウソをついたりすることもある。情報の真偽を見抜く思考が一層求められる。パソコンやスマートフォンの普及で漢字が書けなくなるのと同様に、AIばかりに頼っていては、論理的思考が養われない。子どもたちにどんな能力を身につけさせるべきか。教育の在り方を再検討する時代が来ている。文科省の今後の議論が国民に明らかにされながら、進むことを期待したい。この段階で今後も忘れてはならないいくつかのキーワードがあるようだ。「論理的思考力の深い修得」「あらゆるものへのオリジナル案件への強い尊敬と認識」「道具として使いならせるような学び」等々ある。「生成AI」には、次世代の研究・教育・生活に必須の一手段となろう。十分な事前の検討が必要である。