『「日本は未来だった、しかし今では過去にとらわれている」BBC特派員による「卒論」大反響 2日で閲覧数300万 賛否両論 問われる変化』 執筆の特派員(現在は上海を拠点とするアジア特派員)は、ルーパー・ウィングフィールド・ヘイズさん(55)。毎日新聞2月4日付朝刊はこう報じている。怒涛の反響だったという。約10年の任期を終えた英公共放送BBCの東京特派員が書いた「卒業論文」に賛否両論が相次いだ。「日本は未来だった、しかし今では過去にとらわれている」(Japan was the future but it’s stuck in the past.) 。そんな見出しの記事に、SNSでは意見が飛び交い、数千、数万単位で拡散して、多くの関連発信が生まれたという。記事に込めた思いと反応の受け止めを本人に聞いたという。本文は長いので、大事なポイントを挙げよう。『日本経済は強力で、欧米に恐れられていたものの、80年代以降は低迷している。』と指摘。「(⇒世界最高の裕福国になった途端に目標がなくなり)変化に対する根強い抵抗と、過去への頑なな執着が,経済の前進を阻んできた。そして今や、人口の少子高齢化が進んでいる」と書いた。その上で、日本の官僚主義、社会の高齢男性中心主義と彼らの変化を嫌う傾向、自民党による長期支配と硬直化した政治、移民を排斥し家父長制をを支持する保守派の動きにも言及。取材などを通じて目に映った、「外の世界に疑心暗鬼で変化を恐れる日本」を描写している。おおよそはその指摘どうりだろう。端的に見て、企業(特に大企業)は大きく利益をため込んだが、その恩恵を社員に還元せず、ほとんどを社内留保して、それを将来への投資にしてこなかった。社員は働けど暮らしは上がらなかった。これを支えたのが、安倍・麻生・菅・岸田と連綿と続いた自民党右派のアホバカ政権である。社員は働いた。しかしそれは社員に還元されず、内蔵され「死に金」となった。さらに、日本の学術政策の貧困さが、大学・研究者の活性を奪い、結果として、学術の国際的研究レベルが下がった(文科省は自らの政策の貧困さに全く気が付かず、現在もその拡大再生産を行っている)。安倍・麻生・菅・岸田と続いたトップはビジョンのかけらもない政策で満足している。時々発生するのはコップの中の嵐である。トップが外交と称して世界に出てゆくが、世界のポチ化しただけで、日本独自の提案もできずに、世界からは全く評価されなかったこの10年である。すべてがスタックしている日本では、少子高齢化と1200兆円を超える借金まみれが底流にあり、必要な大転換の前に大きな足かせとなっている。地道に借金を返し、緩慢な人口増に向かうしかないか。このままでは世界から取り残されるのは間違いない。救世主の出現と国民の意識改革が必要だが、当面、政権選挙で自民党右派を大量落選させることしかないか。しかし、そこから始めるしかない。