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『+2℃の世界 温暖化と生きる 「G20 化石燃料に依存」 温室効果ガス削減不十分 研究機関チーム 取組み促す』 毎日新聞11月26日付夕刊はこう報じている。 主要20カ国・地域(G20)の地球温暖化対策を評価した結果、エネルギー供給全体の8割を化石燃料が占めて温室効果ガスの排出削減量が低く、取り組みが不十分だとする報告書を世界の研究機関などのチームが発表したという。日本は化石燃料への依存度が特に高く、1人当たり排出量も一部先進国より多い状況で、一層の努力が求められそうだという。⇒当然である。従来から指摘されている。このことはCOP21時点でもわが国はすでに指摘されている。2020年に始まるパリ協定は世界の気温上昇を2℃未満(1.5℃未満という数字もある)に抑えることを目指すが、チームは現状では厳しいと分析している。⇒このことも従来から指摘されている。「目標達成には、世界の排出量の8割を占めるG20の役割重要だ」と強調したという。報告書によると日本はサウジアラビアやオーストラリア、ロシアなどと並び、化石燃料への依存度が9割を超える。日本の1人当たりの排出量は二酸化炭素(CO2)換算で10.2㌧。G20平均の7.9㌧を上回り、フランスの5.7㌧、イタリアの6.5㌧、英国の7.5㌧より多い。中国は8.8㌧、米国は20.0㌧だったという。日本は50年に排出を80%減らす長期目標を掲げるが、チームはパリ協定の目標達成には足りないと分析し、気温が3~4℃上昇する可能性を指摘したという。報告書には日本の地球環境戦略研究機関(IGES)が参加しているという。⇒おそらく日本からの参加者は肩身の狭い思いをしたと思われるが、解決を後送りしてきた日本のツケである。
『進む温暖化 CO2平均濃度 最高更新』 毎日新聞11月23日付朝刊はこう報じている。世界気象機関(WMO)は22日、主要な温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の2017年の世界平均濃度が405.5PPM(PPMは100万分の1、体積比)に達し、過去最高を更新したと発表したという。WMOは「濃度の増加が止まる兆候はなく、地球温暖化や海面上昇、異常気象の増加などに拍車をかけている」としている。CO2濃度は16年から2.2PPM増加という。ペースは最近10年(年2.24PPM増)とほぼ同じだったという。産業革命前の水準(約278PPM)と比べると約1.5倍に達し、CO2より温室効果の強いメタンも2.6倍に増えたという。⇒残念ながら、世界各地における各種の削減努力も現れていないようだ。⇒石炭火力が減らない状況では無理なことかもしれない。地球温暖化問題を話し合う国連気候変動枠組条約第24回締約国会議(COP24)が12月2日からポーランドで開催され、産業革命前からの気温上昇を2℃未満にすることを目指す「パリ協定」の実施指針採択を目指しているという。しかし、現実的な効果が確実に生じる方向に進むかどうか残念ながら期待できないようだ。トランプ米大統領及びそれに追随するような輩が、一国あるいは世界の指導者顔でいる現状は極めて恥ずかしいものである。アメリカには民主主義はないのか。ただ、米国で救われることは、連邦政府の意向に拘わらず、心ある州・都市・企業・市民間ではむしろCO2削減の動きが活発であることである。
『神秘の大王墓を初公開 堺・大山古墳 5世紀の埴輪など確認』 毎日新聞11月23日付朝刊はこう報じている。 三重の濠を持つ日本最大の前方後円墳「大山(だいせん)古墳」(堺市堺区、全長約500㍍)について(⇒仁徳天皇の墓と宮内庁は想定しているが、学術的な根拠は不明である)、宮内庁は22日、堺市と共同発掘している現場を初めて報道陣と研究者に公開したという。最も内側の堤の南東部に5世紀の埴輪列があったほか、石敷きが初めて確認されたという。専門家は「知られざる大王墓の姿が見えてきた」と評価しているという。⇒ただ、これといった画期的な発見はなかったようだ。宮内庁は「天皇陵」と自ら判断している陵墓については、「静安と尊厳」を保持するためと称し外部の立ち入りを認めていないが、宮内庁の独善だろう。外部研究者も含めて調査を行い、広く公開していくことで、多くの人の理解も深まり、保存の意義も高まるのではないか。憶測による無駄な議論の拡散を防ぎ、真に科学的な成果を公表することで、国民の畏敬の念も増し、大切に保存されていくのではないか。宮内庁には科学の心をもう少し持ち合わせてほしいものである。
『「アルゴ計画」世界の海観測 ブイ使い温暖化の影響監視』 毎日新聞11月22日付朝刊「科学の森」欄はこう報じている。 世界中の海に自動で浮き沈みするフロート(ブイ)を約4000基設置し、水温などを観測する国際プロジェクト「アルゴ計画」が構想から20年を迎えたという。地球規模で海の様子を三次元で捉えられるようになり、地球温暖化などの研究に生かされているという。アルゴ計画は、気候変動に対する海の変化の全体像把握を目指す国際プロジェクトで、約30カ国が参加しているという。1998年に開催された国際会議で専門家によるチームが発足し、2000年に海洋観測用のブイ「アルゴフロート」の投入が始まったという。日本では海洋研究開発機構や気象庁などが参加し、約150基を担当しているという。アルゴの名はギリシア神話の英雄が乗った巨大な船に由来するという。アルゴフロートの観測で、海が蓄えている熱量の変化や海面水位の上昇などが詳細に捉えられるようになったという。こういった成果は、各国の温暖化対策に影響を与える国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告書にも引用されているという。⇒なお、本研究所(埼玉県狭山市)では2012年5月8日以降、所内の敷地で、1m深地温の観測を継続しており、現在では、観測点は関東一円さらに秋田市に広がっている。地温の経年的変化に関し、興味深い結果が得られるとともに、今年の地熱学会の講演会においては、グループから、気温(地上1.5m高)、1m深地温(地下1m深)、衛星データによる地表面温度(0m)相互の長期的関係が安定的に存在していることが明らかにされ、気温・1m深地温を一種のグランドトルースとして、浅層地層内の熱収支を解明し、地表面から、固体地球表層に蓄えられる熱量とその変動などもグローバルに評価することができるようになるかもしれない。
『規制委 関電3原発再評価へ 火山灰過小評価想定の可能性』 毎日新聞11月22日付朝刊はこう報じている。原子力規制委員会は21日、大山(鳥取県)の噴火規模の評価を見直し、関西電力美浜、大飯、高浜の三つの原発(いずれも福井県)について、想定を超える火山灰が降り積もる可能性があるとして、影響を再評価する方針を決めたという(⇒福島第一原発事故を想起すれば、妥当であろう)。規制委が新規制基準に適合すると認めた原発の再評価は異例で、規制委の更田豊志委員長は、新たな知見があれば既設の原発にも安全対策の適合を求める「バックフィット制度」を適用する可能性を示したという(⇒極めて当然な判断である)。関電はシミュレーションなどに基づき、原発敷地内の降灰を10㌢程度と想定していた。規制委は審査で関電の主張と安全対策などを妥当とし、これまでに大飯3,4号機と、高浜3,4号機が再稼働している。しかし、その後、大山から原発までの距離とほぼ同じ約200㌔離れた京都市内で、約8万年前の噴火で厚さ30㌢の火山灰層ができたとする研究論文が発表されたという。規制委はこれを受けて、関電に情報収集を指示。現地調査も実施し、従来の想定より大規模な降灰の可能性があるものとしている。降灰量が想定を超えると、建屋に影響が出たり、事故時に使う非常用電源が正常に動かなくなったりする恐れがある。規制委は緊急性はないなどとして、原子炉の停止は求めない見通しで、今後、具体的な安全対策などを決めるという。⇒この例を見ても分かるように、研究者の貢献は非常に重要なものであり、また、責任も大きい。規制委は引き続き、科学的成果については特に謙虚であってほしいものである。
『札幌やっと初雪 観測史上最も遅く』 毎日新聞11月20日付夕刊はこう報じている。札幌管区気象台は20日未明、札幌市で初雪を観測したと発表したという。平年の初雪観測日(10月28日)より23日、昨年(10月23日)より28日遅く、1890(明治23)年と並んで1876年の観測開始以来最も遅かったという。同気象台によると、低気圧などの影響で11月に入っても雪になるほどの寒気が入ってこなかったことが原因という。19日夜から道内の上空に平年並みの寒気が流れ込み、雪が降りやすくなったという。道内では今後数日間、寒気の影響で冷え込みが強まり、日本海側を中心に雪が降りやすくなる見込みという。⇒温暖化に伴って、毎年桜の開花時期が早まることの裏返しと言えるだろう。桜の開花が早まり、初雪の時期が遅れるのは温暖化現象の裏表とも言えるだろう。
『温暖化 複数災害リスク増 4℃上昇 人口半数に影響』 毎日新聞11月20日付朝刊はこう報じている。 地球温暖化が進むと今世紀末には、世界の人口の半数以上が熱波や暴風雨など短期間に3種類以上の災害に襲われる可能性が高くなるとの予測を、日米欧の研究チームが20日発表したという。チームは「対策が別の災害で機能しなくなることもあり、多様な対策を検討すべきだ」としているという。英科学誌「ネイチャー・クライメート・チェンジ」に掲載されたという。チームは、温暖化に関係する災害や生活・経済活動への影響のうち、熱波、海面上昇、洪水、干ばつ、暴風雨など11種類について、将来の変化を予測した既存の研究を分析。各地域で災害や影響の発生頻度、被害の変化を20世紀半ばと今世紀末で比較している。その結果、効果的な温暖化対策を取らずに世界の平均気温が20世紀末より4℃程度上昇した場合、世界の半数以上の人が短期間に3~6種類の災害や悪影響に遭遇するリスクが増えると予測されているという。東南アジアやアフリカ東部・西部、中南米の大西洋側では、6種類の災害にさらされる危険性があるという(複合汚染という言葉があるが、これはまさに複合災害である)。温暖化対策の国際枠組み・パリ協定の「産業革命前からの気温上昇が2℃未満」の目標を達成できても、東南アジアなどでは洪水など3種類の災害などに同時に遭遇する可能性が高まるという。チームの平林由紀子・芝浦工業大学教授(水文学)は「温室効果ガスの削減目標や被害軽減の適応策を検討する場合には、複数災害の可能性も考慮する必要がある」と指摘している。⇒地殻活動が世界で最も激しいと言われる日本列島では、自然災害として、さらに地震災害、火山災害、地すべり災害が複合するので、生活環境はいっそう悪くなる可能性が高いことを認識する必要があるだろう。
『電力融通 連携線増強 有識者会議案 設備仕様共通化も』 毎日新聞11月15日付朝刊はこう報じている。 北海道地震や台風21号で停電が相次いだことを受け、経済産業省の有識者会議は14日、電力供給体制の災害対策案をまとめたという。各地域間で電力を融通し合う連携線を増強することなどが柱だという。政府が11月末に策定する防災対策に反映させるという。9月の北海道地震に伴い発生した広域停電(ブラックアウト)では、北海道と本州を結ぶ連携線の容量が60万キロワットと限られ、北海道に電気が十分送れなかった。連携線は来年3月に90万キロワットまで増強されるが、対策案は来春までに更なる増強計画を具体化させるように提言したという。また、九州などで大量導入が進む再生可能エネルギーを他の地域に送電しやすくするため、全国的な地域間連携線の強化も検討するという。増強にかかる費用負担のあり方も検討していくという。委員からは「電気料金の上昇が懸念され、連携線の増強は慎重に検討すべきだ(⇒明らかに後ろ向きの議論だ)」などの意見が出たという。このほか、気候や時間帯によって出力が変動する太陽光や風力発電の需給調整を効率的に行うため。モノのインターネット(IoT)を活用したネットワークを推進することや、大手電力の送配電線設備の部材の仕様を共通化し、災害時に融通し合うことで復旧を迅速化する案なども示されたという。⇒いわゆる3.11以降、日本の電力システム、電力構成などの抜本的な改革が求められている中で様々な問題が噴出しているが、当面の対策を講じることは必要であるが、場当たり的な対応ではなく、将来に向けたビジョンを掲げ、電力システム・体制・構成等抜本的に変革していくことが求められている。ここは改めて一度立ち止まり明確な新らしいビジョンを掲げながら、2050年~2100年を見据えた議論が必要だろう。
『九電 太陽光発電の「出力制御」 再エネ主力化への試金石』 毎日新聞11月15日付朝刊の毎日記者によるオピニオン欄はこう報じている。九州電力は10月、事業用の太陽光発電を一時的に停止する「出力制御」を全国(離島を除く)で初めて実施した。出力制御した日は晴天の休日で太陽光発電が増える一方、工場の稼働や冷房利用が少なかったため、制御しなければ電力の需給バランスが崩れ、大規模停電につながる恐れがあったという。政府や九電は「かねて想定された事態」(経済産業省幹部)とするが、政府が掲げる再生可能エネルギーの「主力電源化」に向けて大きな課題を浮き彫りにしたと指摘できる。⇒恐らく根本的問題は、個別事業者レベルではなく、国レベルの問題であろう。国は、再生可能エネルギー発電を「主力電源化」するといっているが、依然、原発の再稼働、石炭火力発電の稼働という相反する課題を維持しており、この問題の根本的解決は、国の電源構成・配送電に関する考え方(優先給電ルール、電力間連携線、蓄電池等)を抜本的に改めることであろう。根本的な問題に手を付けず、当面を繕う政策ではすでに限界が来ていることを示していると思われる。先進の欧州の経験を学ぶべきだろう。世界の後方に置かれている日本の電力政策の抜本的改革が必要と思われる。
『1キログラム定義 130年ぶり変更 分銅から物理定数に 国際機関来年5月施行』 毎日新聞11月17日付朝刊はこう報じている。 質量、時間など単位の定義を議論する国際度量衡総会が16日、フランスであり、130年ぶりに質量「キログラム」の単位を見直すことに決めたという。1キログラムは1889年以降、パリ近郊の国際度量衡局に保管されている金属製分銅「国際キログラム原器」が基準だったが、物理学で使う「プランク定数」をもとに計算する方式に変更するという。新定義は来年5月から適用されるが1キログラムの重さは変わらず、今回の変更で人々の日常生活に影響は出ない。同総会は単位を定義するメートル条約に基ずく決定機関。ナノテクノロジーなど先端技術ではごくわずかな誤差が影響するため、単位の定義には普遍性のあるプランク定数など物理定数に基づく方式の導入が求められており、この日はキログラムだけでなく物質量のモル、電流のアンペア、温度のケルビンの見直しも決まったという。2004年から進められてきたキログラムの定義改定では、(日本の)産業技術総合研究所のチームも参加。定義となる物理定数を小数点以下43位まで求めることに成功したという。地道な分野での国際貢献であるが、大いに敬意を表したい。
『ちきゅう プレート境界断層へ 大地震懸念の南海トラフ 海底下5200㍍掘削計画』 毎日新聞11月15日付朝刊はこう報じている。近い将来、大地震を起こすと懸念されている南海トラフで、海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」が海底で掘削を続けている。目指すのは海底下約5200㍍。過去に何度も地震を引き起こしたプレート境界断層の岩石を採取する世界初の試み。掘削により、地震発生個所の固着域を直接観測し、岩石を採取し、ひずみの蓄積具合や断層のずれ方などの特徴に迫ろうとしている。共同首席研究者の木村学・東京海洋大特任教授は「巨大地震の切迫度を評価できるようにしたい」と意気込んでいるという。・・・・海洋機構は掘削完了後、孔内に圧力計などの観測機器を設置し、リアルタイムで固着域を観測したい考えだという。首席研究者の一人、東京大地震研究所の木下正高教授は「巨大地震までの準備の過程を、発生の前に捉えたい」と話しているという。⇒このプロジェクトが順調に進めば、地震発生メカニズムなどの科学的成果が得られるとともに、地震防災に大きな貢献をする可能性がある。南海トラフ地震は数10年のスケールで迫りつつある。掘削孔を使った圧力など諸量のモニタリングができるだけ早く開始されることを期待したい。やはり、その場(in situ)観測の威力は大きいだろう。新しい現象の発見に期待したい。
『M8級「半割れ」なら住民避難 M7級「一部割れ」避難先確保 南海トラフ 政府が対応骨子』 毎日新聞11月14日付朝刊はこう報じている。 政府の中央防災会議の作業部会は13日、南海トラフ地震の発生可能性が平常時より高まっていると判断された場合の避難のあり方など、防災対応に関する骨子をまとめたという。大地震の前兆と疑われる三つの異常現象に応じた警戒レベルを示し、住民らが取るべき対応を盛り込んでいる。発生可能性が高い場合は政府が情報発信し、津波到達が早い地域に避難を呼びかけるほか、震度6弱以上が予測される自治体などに防災計画を策定するよう求めるという。・・・いずれのケースでも、異常現象を受けて気象庁が「南海トラフ地震に関する情報」の臨時情報を発表し、地震の発生の可能性が高まっていることを周知するという。ただ、臨時情報が発表されても長期間にわたって大地震が起きない可能性もあり、「半割れ」「一部割れ」のケースでは、警戒期間は1週間程度を基本にすることにしているという。作業部会は年内に報告書をまとめるという。これを受け、政府は来年度中にも住民や自治体、企業など各分野の対応を例示したガイドラインを策定する方針という。⇒なお、「半割れ」の場合の対応は一番確実ではないか。しかし、「半割れ」でもM8級地震は大きな被害をもたらすだろう。直前予知が困難な状況では、仮に大地震が発生したとしても被害が最小限になるよう各人が努力することが大事だろう。夜間、寝ているとき、地震動による家具などの倒壊による被害を受けないような寝室内の家具整理、昼間、ビルからのガラス破片・看板・壁の落下等を避けるため、ビルから離れる、運転中の車の路肩への停車等個人レベルでもできることは多い。直前予知ができない現状では、自分の命は自分で守ることを肝に銘じるしかない(もちろん社会的弱者に対しては関係者の特別の努力が必要であることは言うまでもない)。それができずに命を落とす場合、天災というより、自らが招いた人災とも言えるだろう。南海トラフ地震の直前予知が困難な中、今後数十年以内に発生が迫っていることはこれまでの研究から十分推定できる。気象庁による「臨時情報」が出る前から(今から)事前にできることをやっておくことが必要だろう。過去の発生状況を見れば、南海トラフ地震は必ずやってくる。発生予測の現状を考えれば、自分の命は自分で守らざるを得ないだろう。
『福島沖にマンガン層 EEZ内 他の希少金属含有か』  毎日新聞11月16日付朝刊はこう報じている。 海洋研究開発機構は、電池などに使われるレアメタル(希少金属)のマンガンを多く含んだ岩石層が、福島県沖に広がっているのを見つけたと発表したという。岩石層に海水中のコバルトやニッケルも付着している可能性が高く、「採取した岩石を分析し、資源が豊富な海域を絞り込みたい」としている。場所は福島県沖約350㌔にある日本の排他的経済水域(EEZ)内の海底火山「磐城海山」。10月に潜水調査船「しんかい6500」で水深1700~5400㍍の5カ所を調べ、全てでマンガンを含む厚さ数㌢の岩石層が確認できたという。マンガンは輸入に頼っているが、EEZ内で見つかったことで国産の資源として使える可能性があるという。マンガンを含んだ岩石層には、他のレアメタルも付着しやすいことが知られているという。機構はこうした岩石層が日本近海に広く存在すると推測。今後、水深や地形を手がかりに、資源が豊富な海域を効率よく見つける方法を開発したいとしているという。⇒資源小国と言われるわが国であるが、近海のEEZ内に多量のレアメタル資源があるとすれば、その元素に関しては資源大国となることができ、希少資源が一部の国々の思惑に左右されずに利用でき、日本の先端産業への寄与は大きいと考えられる。今後は、さらなる資源量評価、取り出す技術採鉱法の研究開発も必要となってくる。
『宇宙カプセル 状態良好 帰還 太平洋で回収』 毎日新聞11月13日付朝刊はこう報じている。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日午前7時ごろ、国際宇宙ステーション(ISS)での実験試料を入れた小型回収カプセルを太平洋の南鳥島近海に着氷させた。カプセルは船で回収した。ISSで作製した試料を、日本が初めて自力で持ち帰った(ここまで、前日の本欄で紹介)。JAXAの植松洋彦HTV技術センター長は記者会見を開き「(カプセルの)状態は非常に良い。これがないと先に進めないという技術を日本が獲得した」と喜んでいるという。今回はカプセルを途中まで無人補給機「こうのとり」とともに地球へ運んだが、カプセルのみでも帰還できるような技術開発を進めるという。カプセルは大気圏再突入の際の高温に耐える設計で、直径約84㌢、高さ約66㌢の末広がりをした円筒形(⇒むしろ円錐台形)。13日ごろに南鳥島で中の試料を航空機に移してJAXAのつくば宇宙センター(茨城県つくば市)に運ぶという。中身は宇宙の無重力環境で結晶化させたタンパク質。保冷剤と断熱容器を使い、4℃を一週間保てるようにしてある。無事だったかどうか今後確認するという。今後のタンパク質結晶の分析結果に期待したい。なお、試料回収技術改良にはさらに次が想定されているようで、あくなき技術的追求に敬意を表したい。
『カプセル回収に成功 JAXA、ISSから試料』 毎日新聞11月12日付夕刊はこう報じている。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日午前6時24分、国際宇宙ステーション(ISS)の実験試料を持ち帰る小型カプセルを、無人補給機「こうのとり」7号機から放出した。カプセルは大気圏に再突入し、約40分後に南鳥島沖の太平洋に着水。JAXAが同10時25分、船で回収に成功したという(写真掲載)。これまでISSからの物資回収は米国やロシアに限られており、日本が回収するのは初めてという。こうのとりは大気圏内再突入で燃え尽きる一方、カプセルはパラシュートを開いて南鳥島の南南東約660㌔に着水したという。カプセルは直径約84㌢、高さ66㌢の円錐に似た形状。内部にタイガー魔法瓶が開発した真空二重容器(容積30㍑)が入っているという。カプセル表面は大気圏突入時に約2000℃に達するが、容器が内部の試料を高温や衝撃から守っている。今回は日本実験棟「きぼう」で実験を行ったタンパク質試料などを、保冷剤とともに容器内に回収したという。こうのとりは9月23日、鹿児島県・種子島宇宙センターで打ち上げられ、同28日にISSにドッキング。生鮮食料品や実験試料、ISSで使う日本製の大型リチウムイオン電池などを届けた。ISS内の不用品などを積み込み、今月8日にISSから分離。大気圏再突入に向け、徐々に高度を下げていたという。今回のミッションの技術的側面は完璧に行われ、今度は実験試料の解析という科学的側面に期待が寄せられる。
『東海第2原発延長認可 「再稼働反対」命のため 地元福祉施設「避難耐えられぬ」』 毎日新聞11月8日付夕刊はこう報じている。日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)は、原子力規制委員会が7日、最長20年の運転延長を認可し、再稼働に必要な国の審査が終わったが、過酷事故に備えた課題が山積したままである。自力避難が難しい高齢者を多く抱える医療機関や福祉施設は避難手段の確保さえままならないという。同村で福祉施設を経営する伏屋淑子さん(82)は「命を守るには再稼働反対しかない」と訴えているという。実際、再稼働の必要性は全くない。百害あって一利なしである。原子力規制委員会の責任は極めて大きい。原子力規制委員会は一体何を考えているのか。これは、第2次大戦終戦時の旧満州および沖縄での棄民政策と同じである。先の大戦処理からも、福島第一原発事故からも何も学んでいない。原子力規制委員会の責任を改めて問いたい。歴史を学ばないものにあるのは滅びだけである。
『地下高水圧で泥流 インドネシア地震 東大准教授調査』 毎日新聞11月7日付朝刊はこう報じている。インドネシア・スラウェシ島の地震で、多数の犠牲者が出た液状化現象による大規模な泥流は、地下水の水圧が高いために起こったとみられることが、東京大の清田隆准教授(地盤工学)らによる調査で分かったという。被害地域は計5平方㌔以上に及び、場所によっては1㌔以上も地面が水平に移動した異例の災害だったようだ。地震は9月28日に発生し、判明しているだけで2000人以上が死亡。泥流は液状化による地盤流動で、津波よりも多くの犠牲者が出る原因になったようだ。少なくとも1300人以上が行方不明で、多くは埋まったままとみられている。清田准教授らは10月中旬と今月の2回、現地調査した。泥流はパル市など主に3地域で発生。いずれも傾きが1度程度のなだらかな斜面だったという。地面を掘ると水が噴き出し、地元住民も「地震前から棒を刺すと水が出た」と証言。地下水圧が高い地層「被圧帯水層」がある場所とみられたという。液状化は地震の揺れで地盤に含まれる水の水圧が高まり、砂の粒子のかみ合わせが外れて地盤が液体状になる現象。通常は砂と水が地表に吹き出すなどして水圧が下がり、止まる。今回は、水圧が地表付近に伝わり続け、液状化が長く続いたために、泥流が大規模化したとみられるという。現場周辺は粘性の高い土に覆われており、標高の高い方から流れ込む地下水がもともと出にくいため、地下水圧が高まっていたと考えられるという。粘性の高い(⇒難透水性の粘土質土壌?)土が”ふた”のような役割を果たした可能性もあるという。被圧帯水層は日本でも至る所にあるが、陸地でも同様の大規模な地盤流動が発生した記録はない。清田准教授は「条件がそろえば、日本でも起こるかもしれない。被害防止に向け、事前の地盤調査の重要性がより増すのではないか」と話しているという。⇒ごく表層の地層の物理的性質如何によって、地震災害が増幅される一例とみられるが、この状況は本年9月6日に発生した北海道胆振東部地震(M6.7)に伴って、急な山体に堆積していた、粒状の火山性堆積物が大規模な土石流となって流下して大きな災害を発生させたこととよく似ている。地震動による直接的被害だけでなく、地震動と表層地質の関係は、減災の観点から今後とも追求されるべき課題だろう。
『舞い戻った守り神 厚真』 毎日新聞11月5日朝刊はこう報じている。 9月の北海道胆振東部地震で、最大震度7を観測した厚真町の厚真神社では、エゾフクロウのつがいが例年より約1カ月早く境内に姿を見せたという。宮司の黒沢寿紀さん(75)によると、夏場は別の場所で過ごし、通常は9月末~10月に戻るが、今年は地震直後に帰還したという。6日で地震発生から2か月。エゾフクロウはアイヌ語で「クンネレッカムイ」(夜鳴く神)と呼ばれ、かつて守り神としてあがめられてきたという。黒沢さんによると、9年前から境内にすみつき、今は3代目。今年6月にヒナ3羽を育てて離れ、地震直後に戻ったという。黒沢さんは「こんなに早く戻るのは初めて。心配してくれているのだろうか」と話しているという。⇒地震との関係は何とも言えないが、温暖化に伴う気候変化の早まりに関係しているかもしれない。身近でも、1m深地温の年最高値が年々高まったり、年最高値のピークを示す時期が早まったり(当研究所(埼玉県狭山市)で2012年5月8日以降地温の連続観測を継続している)、桜の開花日が早まっていることが認められる。
『師も驚く美しい回答-早世の数学者、長尾健太郎さん-』 毎日新聞11月4日朝刊はこう紹介している。気鋭の数学者がいた。その名を長尾健太郎という。高校時には、世界の若手が挑戦する国際数学オリンピックで、日本人初の3大会連続金メダルという快挙を成し遂げたという。研究者となってからは、理論物理学の分野からも注目される論文を書き、若手数学者の登竜門とされる「日本数学会賞建部賢弘賞」を受賞しているという。15歳の夏に太ももに腫瘍が見つかり、再発と手術を繰り返したという(⇒著者江原も同様に6か月の入院を経験し、退院後約4年経つので、その状況はよく理解できる。著者の場合、若年ではなかったが)。名古屋大助教だった2013年10月に亡くなったという(⇒残念ながら、当時、著者は存じ上げていない)。31歳だったという(⇒まことに残念であるが、まさに「天才の夭折」ということばそのものである)。国内外の数学者が早すぎる死を悼み、論文に<長尾健太郎にささげる>と記したという。ハンガリー出身の数学者で大道芸人のピーター・フランクルさん(65)も、その才能に驚いた一人だという。ピーターさんは小中学生が対象の国内大会、算数オリンピックの共同創設者。大会で優秀な成績を収めた子供たちに算数の問題を与え、答えを添削していた。小学6年生だった長尾さんから返ってきたのは、ピーターさんの想像もしないような「美しい」回答だったという。「例えば、あなたは今、ボールペンを使ってノートに文字を書いていますね。でも彼は違う。あそこにある椅子を使って書こうとします」。足し算の答えを引き算で求めるかのような独創性が、異彩を放っていたという。その後も2人の師弟関係は変わらず、長尾さんの闘病中も、ピーターさんは数学の問題を出すことで励まし続けたという。今年8月19日。東京・渋谷であった算数オリンピックの表彰式で、小学3年以下の最優秀者に「長尾賞」が贈られたという。惜しまれながら早世した数学者の名を残そうと、14年に設けられた賞だという。長尾さんは趣味の囲碁でもアマチュアトップレベルの実力者だったという。8歳の長男は今夏、囲碁の大会で全国大会に出場したという。数学と囲碁と家族。短い生涯で、その人はいつも笑っていたという。⇒若き天才の夭折を悼むとともに、もし生きていればどんなに画期的な研究成果を生み出したか計り知れないことが思われ残念である。
『日本版GPS運用開始 「みちびき」誤差従来の100分の1』 毎日新聞11月2日付朝刊はこう報じている。 世界最高レベルの精度を誇る日本の衛星測位システム「みちびき」の運用が1日、始まったという。政府は今後の宇宙の商業利用の柱と位置付けており、民間利用が如何に進むかがカギになるという。みちびきは、日本の上空に長時間とどまる特殊な軌道(準天頂衛星システム)を回り、「準天頂衛星システム」とも呼ばれる。政府は1号機を2010年に、2~4号機を17年に打ち上げ、運用に必要な4基態勢を確立した。現在は米国の全地球測位システム(GPS)と併用して使うが、23年には、GPSに依存せず運用できる7基態勢にする計画だという。測位誤差は最小6㌢と、GPSの100分の1以下にまで小さくできるという。常に日本上空をカバーするため、ビルや山に信号が遮られることがほぼなくなるという。みちびきに対応したカーナビなどでは信号が安定して高い精度の位置情報が利用でき、バスの自動運転や農機の無人化、小型無人機ドローンを使った物資輸送など、さまざまな場面での利用が期待されるという。誤差6㌢の最高精度の信号を受けられる専用受信機はまだサイズが大きく、スマートホンなどの小型機器には搭載できない。普及には受信機の小型化が課題という。平井卓也・宇宙政策担当相は「みちびきの世界最高レベルの測位技術は世の中を変える可能性がある。さまざまな使い方を提案し、宇宙と実社会をつなぐ仕組みとして前に進めたい」と話しているという。⇒高精度の小型受信機を一般の人が入手可能となれば、地域の地盤変動を地域で監視することができ、火山防災・地震防災などにも地元住民がデータ取得から関与でき、地域の防災に大いに寄与できる可能性もある。市民が科学に興味を持ち、各種の貢献をするためには、自らデータを取得することは非常に重要なことであろう。小型で高性能な受信機(精度が6㌢から、半分の2~3㌢程度になれば、さらに有効となろう)を市民が安価に購入できる時代の早期到来に大いに期待したい。
『リュウグウ うり二つ 米探査機目指す「ベンヌ」』 毎日新聞11月1日付夕刊はこう報じている。 米航空宇宙局(NASA)は31日、小惑星からの試料回収を目指す無人探査機「オシリス・レックス」が目的の小惑星「ベンヌ」を捉えた画像を公開したという。(わが国の)はやぶさ2が来年1月にも着陸する小惑星「リュウグウ」とそっくりなそろばん玉のような形をしている(2つの小惑星のカラー画像が記事には掲載されているが、確かに非常に似ているようだ。⇒直径数100㍍規模の小惑星はそろばん状になりやすい理由があるのか?)。(新聞に掲載された写真は)ベンヌから330㌔離れた場所から撮影されている。1分間に1.2度ほどの速さで自転していることが確認されたという。ベンヌはリュウグウと同じく地球と火星の間の軌道を回っているという。一部は色も似ており、起源が共通する可能性も指摘されているという(⇒その可能性は十分高いであろう)。大きさは直径約500㍍で、リュウグウの半分ほど。オシリス・レックスは12月にもベンヌに到着するという。探査の上、着陸し、2013年に地球に帰還する計画だという。したがって、リュウグウの方が先行していることになる。両小惑星から得られた試料が同一の分析結果を示すならば、結果の信頼性・一般性はより高いだろう。
『富士山、未知の噴火2回 2500年前 本栖湖地層から火山灰』 毎日新聞11月1日付朝刊「科学の森」欄はこう報じている。富士山で約2500年前、これまで知られていなかった噴火が相次いで起きた可能性が高いとの研究結果を、秋田大や東京大のチームが発表したという。富士山北西にある本栖湖(山梨県)で採取した地層から、未知の2回の噴火で積もった火山灰を確認したという。秋田大のスティーブン・オブラクタ准教授(古環境復元学)は「富士山の噴火は考えていたよりも多く、影響が及んだ範囲はもっと広かった」かもしれないと話している。最大水深約120mと、富士山北側の「富士五湖」のうちでは最も深い本栖湖で、湖底から過去約8000年分に相当する厚さ4mの地層を採取。地層のどの部分がいつ積もったかを分析したという。その結果、約2500年前に約20年間隔で積もったとみられる火山灰の地層が2層確認されたという。特徴から見て富士山のものと考えられ、この時期に2回の噴火があったのではないかとしている。気象庁によると、3500年~2300年前ごろの富士山の山頂で爆発的な噴火が起きていたという。オブラクタ准教授によると、富士山ではこの時期に少なくとも14回の噴火が知られているという。⇒火山に多数存在する深い湖では、火山噴出物が失われることがなく、安定的に存在し、長期間のより細かい噴火活動史が編年できるだろう。火山地域の湖の湖底堆積物に目を付けるのは良いアイデアである。今後、他の火山でも広く実施されるだろう。各火山で、従来の噴火活動履歴よりも、頻繁で活発な噴火史が明らかになるだろう。それに応じて、防災対策もよりきめ細やかになるだろう。
『「いぶき2号」打ち上げ』 毎日新聞10月30日付朝刊はこう報じている。三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は29日午後1時8分、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき2号」とアラブ首長国連邦の観測衛星などを載せたH2Aロケット40号機を、種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げた。両衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功したという。H2AとH2Bを合わせた日本の主力ロケットの成功率は97.9%(47機中46機成功)となったという。いぶき2号は、高度613㌔から地球全域の二酸化炭素(CO2)やメタンの濃度を観測する。2009年打ち上げの初号機から観測精度を大幅に向上させ、CO2の場合、500㌔四方で0.5ppm(ppmは100万分の1)の精度で測定できるという。温室効果ガスの濃度は地上や航空機でも測定されているが、人工衛星は、世界全体くまなく、同一のものさしで継続して測定できる(⇒すぐれもの)。地球温暖化問題ではなかなか国際的・政策的にリードできないわが国であるが、このような技術的な貢献を期待したいものである。
『冬の備えは大丈夫』 毎日新聞10月28日付朝刊はこう報じている。 「氷河期の生き残り」と言われ、国内では北海道のごく限られた高山地帯だけに生息するエゾナキウサギが冬支度を始めているという(記事にはカラー写真掲載)。鹿追町の然別湖近くの岩場に「ピイッ」という甲高い鳴き声が響く。体調15㌢ほどである。素早く動き回ったと思えば、岩の上でじっと空を見つめたりと愛らしい表情を見せているという。食料となる植物の葉などを集め、冬場は岩の下でじっと春を待つという。埼玉県狭山市の当研究所周辺の森の木の葉の色、野草の花の色、鳥のさえずり、虫の鳴き声等も秋から冬に向かいつつあるのに気づかされるが、当研究所の敷地内で2012年5月8日以来行っている1m深地温の観測結果も数値的に裏付けている。8月7日に地温のピーク(26.87℃)を迎えた後、大局的には低下を続け、本日10月28日には19.55℃となっている。1日当たり0.14℃低下している。5日当たりでは0.69℃の低下である。地温変化は七二候(1年365日とすれば、一候は5日程度)によく対応しており、確実に冬に向かっている。地中から大気中に流出する熱量が増加を続けている(したがって、地温は低下する)。なお、地温は低下の長期的トレンドの中、一時的に上昇し、時折極大を見せるが(8月7日以降本日のピークが12回目)地温は着実に低下している。
『浜岡原発 文書開示せず 御前崎市「公開条例の施行前」』 毎日新聞10月24日付朝刊はこう報じている。中部電力浜岡原発が立地する静岡県御前崎市で、情報公開条例の施行前に作成された浜岡原発に関する公文書について、施行前を理由(全く理由にならない。よほど困る内容が書いてあるのだろう)に非開示となる例があった(⇒のでその例に従う?⇒御前崎市は、結果として、自分の首を絞めることになるだろう)。市などへの取材で判明したという。国の情報公開制度では、さかのぼって情報公開すると規定されている。諮問機関の市情報公開審査会も昨年、施行前の文書開示に応じるための制度創設を求めているが、改善されていないという。このように、無意味の「形式で却下する」ことは公文書の内容に自信がないからだろう。国の意見を当然聞いていると思われるが、さかのぼって情報公開すべきとの国の情報公開制度で期待されているが、おそらく、国は、妙な理屈をつけて、それに反した回答をしたことだろう。このようなことを繰り返せば国民の反原発意識を強めることになるのは確実だ。御前崎原発も住民の反対によって再稼働は不可能となるだろう。その前に、巨大な南海地震よる震動と津波で壊滅する可能性もある。その対策の方が重要だろう。
『大山古墳 発掘開始 陵墓公開への先べんとなるか』 毎日新聞10月23日付夕刊はこう報じている。宮内庁と堺市は23日、日本最大の前方後円墳「大山(だいせん)古墳」(同市堺区、全長約500㍍)の発掘調査を始めたという。歴代天皇や皇族の陵墓で、宮内庁が外部機関と共同で発掘するのは初めてという。大山古墳は宮内庁が仁徳天皇の墓として管理するが、学術的には確定していない。調査には、堺市の学芸員1人が発掘や報告書作成に参加するという(⇒複数参加が望ましいのではないか)。墳丘周囲の三重の濠で、最も内側の堤(幅約30㍍)の南東部に計3か所、調査区を設定し、幅2㍍の溝(トレンチ)を掘るという。遺構や堤の状態などを把握し、将来の護岸工事に活用するという(⇒宮内庁の目的はあくまでも陵墓の維持管理であるようだ。その前に、確かな事実の確認が必要だろう。しかし発掘によって、予想外のものが出てくる期待もある)。この日は午前8時半ごろ、宮内庁と堺市の職員ら約10人が古墳北側から入り、調査を初めたようだ。台風で倒れた木などを除去し、溝を掘る位置の設定などを行う予定という。調査は12月上旬まで行われる。一般公開はしないが研究者や報道陣に現場を公開する予定という。なお、陵墓は貴重な文化財でもあることから、考古学者らは公開や外部知見の導入を提言してきたという。陵墓問題に詳しい今尾文昭・関西大非常勤講師は「貴重な機会であり、本来は現地説明会をやるべきだ。また、全体的な発掘・保全計画を示さないまま、調査結果を見せるだけにすることは避けてほしい」としている。多くの人が、陵墓の価値を認識し、保存計画に関心を持つためにも、現地説明会は必要であろう。宮内庁は一体何を懸念しているのだろうか。
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