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『米、環境保護より雇用 大統領令 創出効果に疑問符』 毎日新聞3月30日付朝刊は、こう報じている。それによると、トランプ米大統領は28日、オバマ前政権が推進した地球温暖化対策の見直しを指示する大統領令に署名したという。懸念されていたことが現実になりつつある。温室効果ガスの排出が多い石炭火力発電所への規制などを大幅に緩和する見通しという。温室効果ガス排出量が世界2位の米国の政策転換は、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の骨抜きにつながる可能性が高い。「雇用を失わせる規制を撤廃する歴史的な一歩だ」と、トランプ氏は署名に先立ち、炭鉱労働者らを招いた演説会を開き、環境保護より産業振興や雇用創出を優先させる方針を強調したという。米国は、「パリ協定」からの離脱の方向に向かっているが、離脱に対しては国際社会の批判も予想され、「離脱するかは協議中」(米政府高官)ということだが、大統領令で温室効果ガス削減目標の達成は極めて困難になる見通し。温暖化対策の国連基金への資金拠出も停止する方針で、協定参加は事実上ほごにされる状況にある。なお、トランプ氏が狙う雇用創出効果は、疑問視されており、温暖化対策にも背を向け、雇用創出も達成されない、二兎ともに失う可能性がある。米国の良心が果たして機能するか。トランプ大統領の打つ手は、難民対策、反オバマケアはじめ次々と壁にぶつかっている。果たして、政権を維持できるかが問題となりそうである。トランプ大統領の政策のもとでは、米国の地熱発電にも負の影響が出てくる可能性がある。米国は世界の地熱発電の牽引者(地熱発電量は世界一、また世界各国の地熱発電所建設にも大きくかかわっている)であり、世界の地熱発電への影響がないとは言えない。このような中で、わが国の地熱発電は2030年度における目標、累積地熱発電量150万kWを実現するとともに、アジア・アフリカの地熱資源国に適切な支援を行うことが求められるだろう。
『高浜原発再稼働へ (大津地裁の)停止仮処分を覆す 大阪高裁 絶対的安全求めず』 毎日新聞3月29日付朝刊はこう一面トップで報じている。今回の大阪高裁での判断は極めて残念である。最近の上級裁判所の保守化・体制内化(行政追随)には全くあきれるばかりである。住民側は最高裁への特別抗告などを断念する方向で検討しているという。残念であるが、最高裁の保守化・体制内化(行政追随)が、高裁より強い現状では期待できないとの判断であろう。山下郁夫裁判長の名前は決して忘れてはいけないだろう。福島第一原発事故の解明も不十分な中で、国の原子力規制委員会が策定した新規制基準の合理性などを認め、「安全性が欠如しているとは言えない」と消極的な判断をしたようである。司法の独自の立場から判断したものというより、行政追随の極みと言えるだろう。福島第一原発で大災害が発生したとき、ほとんどの国民は原発をやめるべきと判断したはずである。また、現在もまだ避難中の住民も多く、今後数10年以上にわたる廃炉に至る道筋も明らかではない。最近の各種の世論調査でも、再稼働反対が圧倒的に多い。わが国が原発から決別するためには、いかなるプロセスが必要であろうか。原発問題における司法の責任は大きい。今後、福島第一原発と同様の事故が発生した場合、司法は「やむを得ない」というのだろうか。今回の判決はそう見られても仕方がない。
『列島に寒気 つぼみ固く』 毎日新聞3月27日付朝刊はこう報じている。強い寒気が列島上空に流れ込んだ26日、岩手県宮古市区界で氷点下11.5℃を観測するなど、東日本を中心に2月上旬並みに冷え込む地域が相次いだという。ソメイヨシノが咲き始めた関東各地も3月上、中旬の気温に逆戻りした。各地の最低気温は、東京都心4.8℃、横浜市4.7℃、甲府市3.3℃、水戸市1.0℃。関東信越地方では積雪もあったようだ。桜の名所、東京台東区の上野公園では大勢の花見客が傘を手に足を運んだが、雨にぬれたソメイヨシノのつぼみは固いままの模様。当研究所は2012年5月8日から、敷地内で1m深地温を毎日観測しているが、本年は、3月20日から21日にかけて、地温が急上昇(11.14℃から11.64℃)しているが、その後、足踏み状態が続いている(22日11.62℃、23日11.71℃、24日11.71℃、25日11.68℃、26日11.67℃、27日11.69℃)。本格的な春はいつになるだろうか。
『軍事研究巡る声明決議 日本学術会議 来月の総会経ず』 毎日新聞3月25日付朝刊は、こう報じている。科学者の代表機関・日本学術会議は、半世紀ぶりに今月打ち出した軍事研究を巡る声明案について、24日の幹事会でほぼ原案通りに決議したという。声明案をまとめた検討委員会は、声明の重みや歴史的経緯を踏まえ、全会員が出席する4月の総会での採決を求めてきたが、総会での議論を経ないまま決定したことになる。科学者が戦争協力した反省から、学術会議は1950年と67年に戦争と軍事目的の研究を行わないとする声明を決議している。新たな声明は、過去2回の声明を「継承する」と明記し、研究の適切さを審査する制度を各大学などに設けるよう求めたのが特徴という。拘束力はないが、大学などの指針となる。過去の声明は総会で決議されたが、現在は制度改正で会長を中心とする幹事会で採決することが通例になっているという。だが、今回は学術会議創設の原点に関わる内容のため、来月13日に開く総会で議論した上で、会員210人が挙手で採決することが提案されてきた。この日の幹事会では「早く決めるべきで、手続きを変える必然性がない」「総会が紛糾してまとまらない懸念がある」といった意見が続出したが、最終的には、総会で議論だけすることで一致したという。声明案で「政府による研究への介入」を懸念した表現の緩和を求める意見もあったが、原案通りになったという。幹事会後に取材に応じた大西隆会長は「想定と違う点もあったが、学術会議としては正当な手続きだ」、検討委の杉田敦委員長は「全く想定していなかった事態だが、検討委の結論がほぼそのまま発出できることはうれしい。総会は今後も議論を続ける第一歩となれば」と述べたという。これまでのテレビ報道等での検討会の様子などを見ると、確かに、「総会が紛糾してまとまらない懸念」が想定されるが、「総会後も議論を続ける」のであれば、当初公表したとおりに、総会での議論後、採決のプロセスをとっても良かったであろう。「軍事的安全保障研究に関する声明(全文)」を見ると、「過去の歴史をよく認識し、研究の適切性に関して、個々の科学者はもとより、各研究機関、各分野の学協会等、科学者のコミュニティでの真摯な議論すること」を求めており、妥当な見解と思われる。科学者のコミュニティ各レベルでの議論を期待したい。来月開催される総会において、手続き論が蒸し返される可能性もあるが、声明文の内容を深める議論になってほしいものである。声明文は最後に「科学者を代表する機関としての日本学術会議は、そうした議論に資する視点と知恵を提供すべく、今後も率先して検討を進めていく。」とまとめている。是非そう願いたいものである。
『日本科学停滞 論文8%減 ネイチャー指摘 「政府の支出控え」原因』 毎日新聞3月23日付夕刊はこう報じている。英科学誌ネイチャーは23日、日本の著者による論文数が過去5年間で8%減少し、日本の科学研究は失速していると発表した。日本政府が研究開発への支出を手控えた状況が反映されたという。同誌は「日本は長年にわたり世界の第一線で活躍してきた。だが、2001年以降、科学への投資が停滞し、高品質の研究を生み出す能力に悪影響がでている」と指摘している。学術誌68誌に掲載された論文の著者が、どの国出身で、どんな研究機関に所属しているかをまとめたデータベースを調べたものである。12年から16年の5年間で、中国の論文数が48%、英国が17%伸びた一方、日本は8%減少した。米国も6%減った。研究開発への支出額は、ドイツや中国、韓国などが大幅に増やす中、日本は01年以降、ほぼ横ばいだったという。同誌は、16年にノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典・東京工業大学栄誉教授の成果にも言及。若い研究者の待遇改善が重要だと指摘している。同誌の指摘は正しいと思われる。特に、若手研究者へのしわ寄せは大きいと思われる。パーマネントのポストが減る中で、短期のポストを常に探さなければならないプレッシャーが若手研究者を疲弊させることを懸念する。また、負の教育投資は10~20年後にその結果が表れる。教育政策担当者は深刻に現状を認識し、危機感を持って改善に取り組む必要があるだろう。近年、ノーベル賞受賞が続き、国民もわが国の科学・技術に誇りと期待を持っていると思われるが、今のような教育政策が続くとボディブローのように効き、日本の科学・技術力の後退、ひいては国力の衰退が気がかりである。
『海洋生物レッドリスト初公表 危惧56種 オガサワラサンゴ絶滅』 毎日新聞3月22日付朝刊は 環境省が21日、絶滅危惧種などを掲載する「海洋生物レッドリスト」を初めて公表したことを報じている。陸域の生物については1991年以降評価してきたが、海の生物については初めてという。オガサワラサンゴが絶滅と認定されたほか、56種が絶滅危惧種となったという。伊豆諸島などに生息する大型サメの「シロワニ」は環境の悪化(海水温の上昇ではなさそう)で繁殖困難になっているほか、鹿児島県・種子島と屋久島のみに分布するサンゴのハナサンゴモドキも、乱獲や地球温暖化に伴う海水温上昇で減ったと見られるという。ただ、情報不足で評価が困難だった種が全掲載種の約半数(224種)を占め、新しい調査の必要性が浮き彫りになったという。環境省は、魚類やサンゴ類、甲殻類など5分類、約1万120種について文献や専門家の意見などを基に評価したという。気温の上昇に伴う海水温の上昇が生じていることはすでによく知られた事実であり(それによる一部のサンゴの白化が発生)、今後、海洋生物の調査が進展すれば、さらに多くの絶滅種・絶滅危惧種が確認されるだろう。
『桜開花 東京一番乗り』 と毎日新聞3月21日付夕刊は報じている。気象庁は21日、東京都心の桜(ソメイヨシノ)が全国で最も早く開花したと発表したという。昨年と同日で、平年に比べ5日早い。満開になるのは7~10日後の見込み。東京の開花が全国のトップを切ったのは9年ぶりという。気象庁職員が午前10時頃、東京都千代田区の靖国神社にある標本木の花が咲いているのを確認したという。ぽかぽか陽気となった昨日20日から一転してこの日は朝からあいにくの雨で、気温も上がらず午前10時の都心の気温は9.2℃と肌寒い春となった。桜の開花が早いのは、高い気温とその時期が関係していると思われるが、東京都心が、全国一ヒートアイランド現象が強まっていることからすれば当然であろう。ちなみに、当研究所では現在、関東各地(東京都千代田区、埼玉県戸田市・狭山市、神奈川県藤沢市、千葉県松戸市、茨城県つくば市)で1m深地温の毎日観測を行っているが、千代田区の地温が一番高くなっている(3月10日現在 13.3℃、それに比べ、松戸は12.9℃、藤沢は11.9℃、つくばは10.8~11.4℃、狭山は10.8℃、戸田は9.4℃)。
『大阪ガスX毎日新聞社 スポーツ事業で温暖化対策 CO2 3年間で3723トン相殺』 毎日新聞3月21日付朝刊はこう報じている。一昨年の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)後、地球温暖化対策は新たなステージに入った(政権が変わった米国の方針が懸念材料になっているが)。2020年以降の新たな国際的枠組みを定めた「パリ協定」で約束した削減目標達成に向けて、国内でも長期的な対策の検討が進む。一方、毎日新聞社が大阪ガスと連携して行ってきた主催事業での温室効果ガス排出を抑えるカーボン・オフセット・プロジェクトも3年が経過し、成果を上げているという。すべての経済活動や人類の営みは、温室効果ガスである二酸化炭素の排出は避けられない。温暖化防止のためには、さまざまな場面で可能な限りCO2排出を抑制する必要があるが、すべてを抑えることは不可能である。そこで、イベントなどで排出されるなどどうしても削減できないCO2を、他の取組みで削減した排出量で埋め合わせするのがカーボン・オフセットである。この取り組みの基となるのが2013年に始まった「J - クレジット制度」である。企業や事業所が行う設備の更新や森林経営などでによって生まれるCO2排出削減量や吸収量を国がクレジットとして認証する制度である。カーボン・オフセットは、自治体や企業がこのクレジットを購入し、その分でイベントで排出される量を賄うことにより、CO2排出量を差し引きゼロにする仕組みである(市場では、排出削減系では売りが8000円/CO2t程度、買いが4000円/CO2t程度、森林吸収系では、売りが12000円/CO2t程度、買いが5000円/CO2t程度。もちろん時間的に変動する)。大阪ガスと毎日新聞社は14年度から、社会人野球日本選手権、全国高校ラグビーフットボール大会、甲子園ボウルなどを続けており、3年間でオフセットしたCO2総量は3723トンに達し、これは一般家庭982世帯分に相当するという。
『原発事故「国・東電に責任」』。毎日新聞3月18日付朝刊は、東京電力福島第一原発事故に伴い、福島県から群馬県に避難した住民ら45世帯137人(うち3人は提訴後に死亡)が、国と東電に約15億円の損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁は17日、国と東電に対し、原告62人に総額3855万円の支払いを命じたという。判決の骨子は、1)国と東京電力は巨大津波を予見でき、原発事故を防げた。2)国と東電は原告62人に3855万円支払え。3)国は東電に対する規制権限を行使せず違法。 というものである。2)の賠償額が大幅に(2.57%に)削減されたことは議論があると思われるが、画期的な判決と思われる。地震発生当日はまだ大学に勤務していたが、奇しくも当日届いた災害関連の学術誌に、大規模津波発生を予測した論文が掲載されたことを記憶しており、大規模津波発生に関してはかなり予測されていたことを印象深く記憶している。また、東電の研究者が米国で大規模津波発生可能性に関して研究発表していることを知っていたので、事業者の中にも心ある研究者は十分想定していたと考えられる。同様の集団訴訟が全国20地裁・支部で起こされており、同様な判決を期待したい。一方、再稼働の件で、地裁は差し止め、上級裁判所が差し戻しの流れがあるが、今後、各地裁・支部、上級裁判所における妥当な判断を期待したい。
『火噴くエトナ』。火山国イタリア最大級の火山で、近年最も活動的なエトナ火山。毎日新聞3月17日付夕刊は、当地の報道によると、2月末に1年ぶりに噴火したイタリア南部シチリア島のエトナ火山で、16日、10人が噴石や溶岩により、やけどなどを負い、6人が病院に病院に搬送されたことを報じている。軽傷を負った英BBC放送のレベッカ・モレル記者はツイッターで「噴石や蒸気を避けながら山を駆け下りた。非常に恐ろしかった」と振り返ったという。NHKテレビでも、突然噴火し、噴石と水蒸気の中で逃げ惑う人たちが映し出されていた。日本で近年起こった噴火災害「御嶽山水蒸気爆発」と状況がよく似ている。火山活動は高まっていたが、登山禁止ではなかったようだ。また、テレビ局が噴火映像を捉えている。御嶽山の場合は、水蒸気爆発で噴火の前兆を捉えにくかったが、今回のエトナ火山の場合は、すでに溶岩が流出しており、NHKテレビ映像によると、溶岩流近くまで人が接近しており、極めて危険な状態が出現していたようだ。ハワイの火山は噴火は穏やかで人も溶岩流にかなり接近できるようであるが、エトナの場合、今回の人の接近はかなり異常であり、観測所等から危険情報はでていなかったのであろうか。今後の情報開示を注目したい。
『国土地理院 重力値40年ぶり改定 佐渡の60キロの人、59.999994キロに』。毎日新聞3月16日付夕刊は、国土地理院は15日、国内約260ヵ所で、どのくらいの重力が働いているかを示した重力値を40年ぶりに改定したと発表したことを報じている。東日本大震災や熊本地震などで起きた地殻変動による変化も反映したものである。計量機器(重力計)などの校正や活断層調査に使われる。最も変化の大きい新潟県佐渡市では、新データで60キロの体重が0.006グラム(6ミリグラム)軽くなり、59.999994キロになるという。おそらく、地盤が上昇したことによると思われる。重力の大きさは場所によって異なり、地球の中心から遠い標高の高い場所や、低緯度地域で小さくなる。同じものでも北海道よりも沖縄の方が軽くなり(同じ標高で測れば)、同じ重さを示すように各地の重力値で計量機器が構成されてきた。地理院は、2002年から16年までに行った観測結果を踏まえた約260カ所のデータを公表。東北地方では、東日本大震災を起こした巨大地震で地盤が沈んだ影響で、重力が大きくなった。九州では熊本地震で動いた断層を挟んで大きくなったり、小さくなったりした場所があったという。全国的には重力が小さくなる場所が多かった(地盤が上昇した)。地理院は「重力計の精度が高くなり、正確な値を測定できるようなったため」と説明している。地熱調査という観点からすると、重力による地下構造調査の場合、相対重力測定が多いが、測定値を重力値に変換する場合、基準点として地理院のデータを使うことになるが、今後は新しい基準値を採用することになる。なお、従来の地熱地域の重力値分布を変更する必要はないだろう(したがって、地下構造解析結果の見直しは特には必要ない)。
『トランプ大統領の誕生で・・・・温暖化対策は死ぬのか』というやや衝撃的な表現で、毎日新聞3月14日付夕刊は「パリ協定」の実現性に懸念を表明している。トランプ大統領は、オバマ政権が推し進めた地球温暖化対策を台無しにするのか。そんな懸念が気候変動の専門家らの間に広がっている。米環境保護局の長官に温暖化対策懐疑派の人物を据え、石炭など化石燃料の復活を発信しているからだ。すなわち、地球温暖化問題は岐路に立っている。一方、中国やインドは、CO2排出量が多い、発展途上国であるが、「環境汚染がひどいので、トランプ氏をまねて石炭依存の道はもうできない。中国の共産党政権の明日を占う重要な課題の一つが、環境汚染から国民を守ること。インドも現在31%の都市化率が2050年には50%を超えることから、脱化石燃料は国を維持するためにも必要である」(国際公共政策研究センター理事長で経済評論家の田中直毅氏)との専門家の見解もある。将来に向けて、CO2多量排出国の進む道は分かれそうであるが、このような中で、わが国が地球温暖化対策方向へ意思を鮮明にし、地球規模での温暖化対策前進に貢献することができるだろうか。地球温暖化問題は日本が世界に貢献できる数少ない政策と思われるが。
『石炭火力 再検討も 環境相 千葉発電所新設に難色』という記事が、毎日新聞3月11日付朝刊に掲載されている。JFEスチールと中国電力が千葉市で進めている石炭火力発電所計画について、山本公一環境相は10日、環境評価(アセスメント)法に基づき、事業実施の再検討も選択肢とするよう求める意見書を、世耕弘成経済産業相に提出したという。石炭火力は、天然ガスなどを使う発電より二酸化炭素(CO2)の排出が多い。環境省は経産省との間で昨年2月、CO2排出規制導入の条件付きで今後の新設に合意した。山本環境相は合意を維持するとしつつ、「事業リスクが極めて高いことを自覚してほしい」と述べ、自主的な計画撤回に期待感をにじませた。意見書は、パリ協定の目標達成のため「石炭火力の稼働を是認できなくなることもある」とし、事業者に対して「(電力業界全体で)CO2排出削減の道筋が描けない場合、事業実施の再検討を含めてあらゆる選択肢を検討することが重要だ」と指摘した。同発電所は出力107万kWで2024年稼働予定。地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」で、日本は30年度までに温室効果ガス排出量を26%削減する目標(今後の国際会議の中で、さらに上積みが要請される可能性が高い)を掲げるが、石炭火力の新増設計画が今年2月現在で約1940万kW分に上がり、達成できない恐れがあるという。環境省の指摘は理解できるが、CO2排出削減のためには、同時に地熱発電を含む再生可能エネルギーによる発電を推進する必要があるが、環境省は総論では進めることになっているが、現実には消極的な姿勢が色濃い。環境省は、地熱発電を含む再生可能エネルギーによる発電を進めるために、抜本的な積極姿勢を取るべきである。そうでなければ、虻蜂取らずという結果が懸念される。それは、結局は、国民・人類にとってマイナスとなる。
『CO2が主因ではない 米環境庁長官 温暖化で持論』 3月10日付毎日新聞朝刊はこう報じている。米環境保護局(EPA)のプルイット長官は9日、米CNBテレビのインタビューで、「二酸化炭素(CO2)が地球温暖化の主因という考え方には同意しない」と訴えたという。昨年発効した温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」についても「悪しき合意だ」と批判し、排出量削減目標の順守に否定的な姿勢を示した。米国を含む190以上の国・地域はパリ協定で、温暖化を進めるCO2などの排出を削減する方針に合意した。しかし、プルイット氏は、人為的な活動が温暖化に与える影響は「測定が非常に難しい」と語り、温室効果ガスの排出規制は米国の産業振興を妨げるとして、見直しに意欲を示したという。トランプ大統領は選挙中、パリ協定を離脱すると語っていた。政権内には国際的信認の低下を懸念し、残留を探る動きもあるという。しかし、排出大国の米国が協定の目標を順守しなければ、多国間の枠組みが崩れる恐れがある。プルイット氏の温暖化に対する考えは、誤りであり、ごく一部の孤立した科学者の主張する旧態依然の考え方によっていると思われる。プルイット氏の考え方は、科学的・論理的に発想・展開しているというより、理念のない・短期的な視点からきているアメリカ経済第一主義が最初にありきで、論理が逆転している。米国政権内の良識派の動きに期待するほかはないのか?。わが国政府は、TPP問題よりも、温暖化問題を米国に主張すべきではないか。
『2007年猛暑 40.9℃ 当時の国内最高気温』 に関して、毎日新聞3月10日付朝刊が災害アーカイブ欄で振り返っている。2007年6,7月は張り出しの弱かった太平洋高気圧が、8月になると例年より北西へ移動し、日本列島付近を覆った。フィリピン付近で大気の対流活動が活発になったことなどが原因で、同月中旬ころから猛暑となった。16日に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で共に40.9℃を記録し、当時の国内最高を74年ぶりに塗り替えた。13~16日の4日間だけで全国81地点が観測史上1位の最高気温を記録するなど、8月にアメダスを含む全国821地点中、101地点で観測史上最高を更新した。9月になっても太平洋高気圧に覆われ同月の平均気温は東海を除く東北から九州まで平年より2℃以上高かった。9月の平均気温も全153の気象台と測候所のうち64地点で最高値を更新した。熱中症による死者や救急搬送者が増加。総務省消防庁はそれまで、救急搬送人数と熱中症患者数を集計していなかったが、8月に政令市など20都市で緊急調査を実施。過去の記録もさかのぼって集計したところ、同月の救急搬送人数は14万8494人と過去4年で最高となり、うち熱中症患者の割合は過去3年の平均の3倍にあたる2.7%だった。毎日新聞の集計では8月16日だけでも埼玉や愛知、京都などで12人が熱中症で亡くなった。国は12月、総務省消防庁など関係5省庁による初めての熱中症関係省庁連絡会議を開いた。気象庁は2011年から高温注意情報を出すようになった。13年には7月を熱中症予防強化月間に指定した。気温の上昇は、グローバル(地球平均気温の上昇)、リージョナル(上述したようなアジアの広い地域に関連したような気温変化)、ローカル(都市のヒートアイランド現象による気温上昇)な変化が重畳して表れている。これらをうまく識別すればいろいろな議論が可能であろう。なお、当研究所では、2012年5月8日から現在まで1m深地温(気温変化と地層の物性等の違いに依存)の毎日観測を継続(年平均地温および年最高地温はいずれも2012年~2015年にかけて上昇したが、2016年はいずれも低下している)、また、関東地方を中心に8地域11カ所で毎日観測を続けているが、長期的トレンド、地域的な差異などで興味深い結果が得られており、学術発表を行って来ている。地球温暖化による影響・ヒートアイランド現象による影響の識別、さらには微細な気候変化等に注目している。
『軍事研究 大学が判断 学術会議 審査制度要求 半世紀ぶりに声明案』 の見出しで、毎日新聞3月8日付朝刊は、一面トップで大学の軍事研究に関する学術会議による声明について、掲載している。戦後否定した軍事研究を巡る声明を半世紀ぶりに検討してきた科学者の代表機関・日本学術会議の「安全保障と学術に関する検討委員会」は7日、新たな声明案をまとめたという。政府の介入で「学問の自由」が妨げられる恐れから軍事研究に懸念を表明し、利用のされ方も含め、研究の適切さを審査する制度を各大学に設けるよう求めているという。声明に拘束力はないが、大学などの対応の指針となる。全会員が出席する4月の総会で決議される見通しという。先の大戦の反省から、軍事研究をしないことを掲げてきた学術会議であるが、世界の安全保障が流動的になっていること等に基づく政府の方針転換、現状の軍事研究の進展などから、基本的考え方だけを示し、具体的な最終判断は各大学に任せるようだ。突き詰めると、各研究者の判断にたどり着くと思われるが、研究者個人はそのようなことを従来、特には教育されていない。このような状況の中では、軍事研究を行う研究者は関連する主要な学会で研究を公表し、多くの研究者の意見を聞くことが重要であり、研究の透明性を高めることが必要と思われるし、また、大学生が研究に入る前に、一定の教育を受けさせる必要があろう。これは軍事研究だけでなく、種々の研究成果が社会に直接的に影響を与える現状を考えると、学生が研究生活に入る前に、軍事研究だけでなく、すべての研究領域において、研究上における倫理等に関しても教育をする必要があるだろう。4月に行われる学術会議総会での議論を注視したい。
「米、石油・石炭路線へ エネルギー長官 温暖化懐疑派就任」 毎日新聞3月4日付朝刊はこう報じている。トランプ米政権のエネルギー長官に元テキサス州知事のリック・ペリー氏(66)が2日、就任した。環境保護長官にはスコット・プルイット氏(48)がすでに就任しており、エネルギー・環境担当の閣僚が出そろった。いずれも地球温暖化に懐疑的で、オバマ前政権の環境保護重視から、石炭や石油などの資源産業の振興に大きく舵を切る見通しだ。両氏は石油産業と関係が深い。プルイット氏はオクラホマ州司法長官時代、オバマ前政権で環境保護局が主導した環境規制に反対する訴訟を連発。ペリー氏は、石油産業を監督するエネルギー省不要論を唱えたこともある。1月の議会公聴会でペリー氏は、「地球温暖化には人為的な要因もある」と修正したが、環境政策に理解が深いとは言い難い。トランプ大統領は選挙中、太陽光などの再生可能エネルギーを支援してきたオバマ前政権を批判し、環境規制の緩和を通じた石炭・石油産業の振興を公約した。ただ、競合関係にあるバイオ燃料についても、原料となるトウモロコシ農家の支持を得ようと使用促進を約束するなど焦点が定まっていない面もある。このような中で、日本のエネルギ-業界も米国の政策の行方を注視しているという。資源開発が進めば、日本のエネルギー産業にも調達費軽減など「追い風」になる可能性もあるからだという。一方、温暖化に逆行するとの懸念の声も根強い。アメリカの政策転換は、明らかに歴史に逆行している。歴史の歯車を逆に回している。わが国は、当面の有利不利ではなく、長期的観点に立ち、地球温暖化の懸念を払拭する方向に進むべきだろう。地熱エネルギーに関わる立場からは、2030年度の数値目標(地熱発電を現在の3倍150万kWに引き上げる)達成に邁進することであろう。
「42億年前?生命跡」 毎日新聞3月2日付朝刊によると、カナダで採掘した岩石の中から、42億~37億年前に海底の熱水噴出孔によって活動していた可能性のある生命の痕跡を発見したと、英大学などの研究チームが、1日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表したという。生命の痕跡としては、グリーンランドで見つかった37億年前のものが最古とされるが、これよりも古い可能性がある。チームは「熱水噴出孔は、地球上の生命の起源となり得る場所だ」としている。チームはカナダ・ケベック州で採掘された岩石を分析、微細な筒状や繊維状の構造を発見した。現代の熱水噴出孔付近の海底には、吹き出す硫化水素などをエネルギーとする微生物がいるが、構造がよく似ていた。生物がいない状態でできたとは考えにくいとした。チームは、早ければ42億8000万年前から、遅くとも37億7000万年前には、熱水噴出孔によって生命が存在する環境があったとしている。
「サンゴ白化 宮古島も」 毎日新聞3月1日付夕刊によると、環境省は2月28日、沖縄県の宮古島周辺でもサンゴの白化現象が起きて3割が死滅したとの現地調査結果を発表したという。大規模な白化が起きた石垣島と西表島の間にある「石西礁湖」と同様に、昨年の夏に海水温が高い状態が続いたのが原因。調査の担当者は「中には壊滅状態になった場所もある」としている。
毎日新聞2月27日付夕刊によると、アメリカの科学者らがトランプ政権に、続々と、パリ協定離脱の再考を要請しているという。地球温暖化対策の新たな国際的枠組み「パリ協定」からの離脱を検討している米トランプ政権に対し、国連や科学者、企業が離脱を思いとどまるように働きを強めている。雇用確保や経済活動を促進しようと、環境保護目的の産業界への規制を減らしているトランプ氏。ただ、大統領選中に離脱すると主張したパリ協定に関してはまだ態度を明確にしておらず、それが関係者らの相次ぐ要請につながっているようだという。トランプ政権では現在、環境規制に反対の立場で知られるプルイット環境保護局(EPA)長官らを中心に、パリ協定の離脱やクリーンエネルギー関連の国連への拠出金削減などを検討中。世界第2位の温室効果ガス排出国で、国連への拠出金額も多い米国がパリ協定から離脱すれば、温暖化対策の後退は避けられないと見られている。世論の高まりがあっても、意に介さないトランプ大統領である。大統領令が阻止された移民政策のように、裁判所からの差し止めのような法律的裏付けがないとなかなか再考は難しいと思われるが何とか流れを変えてほしいものである。
毎日新聞2月27日付朝刊は進行中の福島2号機の内部調査について、現場報告を行っている。それによると、『東京電力福島第一原発2号機の格納容器の内部調査は、溶融燃料の全体像を把握できないまま終わった。内部の放射線は人が数十秒で死亡するほど強く、人類にとっては「未知の領域」。調査の切り札となるロボットも短時間で壊れた。第一原発事故から6年。廃炉作業の最前線に迫った。昨年12月24日の早朝。暗闇の2号機原子炉建屋に、総合重機大手IHIや、関連企業などの作業員26人が集まった。タイベックスーツ(防護服)の上に、専用のカッパを着込み、手袋4枚を重ねて、手首にはビニールテープを巻いた。真冬なのに汗ばむほどだ。1~3号機では計1429体の核燃料が溶融。廃炉のためには位置や量を把握する必要がある。26人は、遠隔操作の機械を使ってロボットの入り口となる穴(直径11.5cm)を格納容器に開けるのが任務だ。北海道の関連会社社員、石田亮介さん(28)は貫通を終えた機械を現場から撤去する作業などを担当した。最大の敵は放射線だ。石田さんはさらに重さ10キロの鉛ジャケットを着込んだ。作業時間は1人5分。被ばく量を1日当たり3ミリシーベルト以下にするため、身に着けた線量計は1.5~2ミリシーベルトでアラームが鳴るように設定されており、その5分の1ごとにも音が鳴る。「ピッ」。 建屋に入ると数十秒で最初の音が鳴った。「もう鳴るの?」。思わず心の中でつぶやいた。放射線の強さは場所によって大きく変わる。事前訓練で強い地点を頭に叩き込んだが、「作業に集中して、無意識のうちに強い場所に立っていた」。焦る気持ちを抑えつつ、自然と作業の手の動きが早まる。その時、ボルトを回す機械の部品が外れ落ち、床を転がった。「やばい。時間がない」と思った瞬間、冷や汗で全面マスクのガラスが白く曇り、視界を遮った。部品を拾い作業を終えたが全身が汗でじっとり湿っていた。「現場は放射線との闘いだった」と石田さんは振り返る一方、「みんながやりたがらない仕事だからこそ、やりがいと誇りを持っている」と語る』。 作業員の心意気には敬服するが、命を確実に縮めながら行う作業とは一体なんだろうか。作業員はまだ若い。後世の人に大きな負の遺産を残さないためにも、廃炉は成し遂げられねばならないが、果たしていったい何年かかるのだろうか。やり終えることができるのだろうか。「放射性」を人間はコントロールできない。このようなものに人間が手を出してしまったことに根本的な原因があるのだが、このような事実をすべての国民が認識する必要があると思われる。そうすれば、すべての人にとって、将来の選択は自明なものとなろう。新聞記事は、「現場では一日でも早く廃炉を終えようと手探りの作業が続く」と締めくくっている。
近年の日本では、人口減少、高齢化、産業の低成長率化等の中で、各産業とも、技術伝承・若手技術者の教育等に苦慮している現状がある。地熱産業でも同様な問題に直面している。技術専門誌「火力原子力発電」2017年2月15日発行の第68巻2号に2つの注目すべき記事が掲載されているので紹介したい。1つは巻頭言「技術伝承への思い」で、もう1つは解説記事で「原動機(蒸気タービン・ガスタービン)国産化の軌跡」である。前者については、やや長いが、主要部分を抜粋させていただく。・・・・近年ではプラントの建設が滞り、実務経験の場が減少しているため、若手が技術をどのように習得していくか、言い換えるならば、先人が蓄積してきた技術を知恵と工夫でどのように伝承していくかが大きな課題であると感じている。また、この問題は原子力固有のものではなく、国内の他産業においてもあてはまるものではないかと考えている(同感である)。日本の高度経済成長時代には、ベテランも若手も目の前の大量の仕事に死にもの狂いで立ち向かい、確たる技術伝承の仕組みがなくとも、その中で技術が習得/伝承されていた。バブル崩壊以降、長期にわたる低成長時代を経て経済活動が鈍化し、実務経験の場が減少してきたことに加え、バブル期以前の高度経済成長を支えたいわゆる団塊の世代がリタイア期を迎えており、実務経験の乏しい若手へ技術を如何に伝承していくか、またその仕組みやシステムの構築が、国内産業共通の課題となっているように思える(同感である)。技術伝承の手段としては、暗黙知の可視化、マニュアル化、熟練者のノウハウを取り入れた作業の標準化など、文書化による方法が一般的である。一方、洗練された活きた技術は、実際の業務経験の中で人を介して伝承されるということも確かであり、このような伝承を後押しするような取り組みも必要であると考えている(同感である)。技術伝承を要する対象は幅広く、設計等のエンジニアリング、プロジェクト管理等のマネージメント、製作技能など、あらゆる分野に亘るであろう。・・・・・・「熟練者によるノウハウの明確化」「職場一体のバックアップのよるモチベーションの維持/向上」「指導員と後継者の双方向での切磋琢磨」に重きを置いて取り組んできた。・・・・確かな技術伝承が行えるか否かは、熟練者の洗練された技術を如何に的確に伝えるか、また、後継者にその技術を自分のものにする熱意を如何に強く持たせるかに係っている。経験を積む機会が減っている現在、これらの点を踏まえた確実な技術伝承プロセスと風土を如何に構築できるかが鍵となるであろう。技術は一旦途切れると元に戻すことは容易でない。先人がこれまでに蓄積してきた財産を無にすることなく伝承していくことは、我々に課された責務である。・・・・・・・・・・・・ 地熱産業においても同じ状況があり、最近、技術伝承、人材教育に関して論じられている。当面2030年度までに発電量を現在の3倍に増加するという国家的目標がある。これを超えて、さらに発展することが期待されている。時間は限られている。早急に確実に進めていく必要があると考えられる。 詳細は原文を参照されたい。前述した、後者の解説「原動機国産化の軌跡」については別立で紹介したい。
(前項のつづき)引き続き、「原動機(蒸気タービン・ガスタービン)」について紹介する。この解説記事では、広く原動機一般の国産化の軌跡が紹介されているが、1.はじめに、2.事業用タービンの開発 に続いて、3.地熱発電用蒸気タービンの開発 があり、わが国最初の地熱発電所「松川地熱発電所」における地下調査・発電設備の設置等の開発初期の状況が簡潔に紹介されている。種々の困難を解決し、わが国最初の地熱発電所の運転開始に至った、先人の苦労・努力が紹介されている。この短い紹介記事の中からも、多くのことを学べる(詳細は原著をお読みください)。さらに、日本最初の地熱発電所運開の経緯は、より詳細に伝承されるべきであろう。それも、関与した地熱技術者の手によって。一部については、関係する技術者によって、最近講演会等で発表されたり、小冊子が作られているが、松川地熱発電所あるいは大岳地熱発電所の建設経緯は、技術伝承の好例となろう。関係者の貢献を期待したい。
毎日新聞2月23日付夕刊によると、地球から39光年離れた恒星の周りに、地球に似た惑星が7個あるのを発見したと、ベルギーのリエージュ大学や米航空宇宙局(NASA)の国際チームが22日付の英科学誌ネイチャーに発表したという。大きさや重さ、温度が地球に近く、水や大気が存在して生命を育むことができる地球型惑星の可能性がある。同様な惑星は太陽系外に多く見つかっているが、一つの恒星系で7個も見つかるのは珍しいとのことである。専門家は「銀河系は予想以上に地球に似た惑星であふれているのかも知れない」と指摘している。チームは南米チリにある欧州南天文台の望遠鏡などを使い、みずがめ座の方角にあって直径が太陽の10分の1ほどの赤色矮星「TRAPPIST1」を観測。手前を天体が通り過ぎる際に起きるわずかな明るさの変化から、少なくとも7個の惑星が回っていると結論付けたという。赤色矮星は恒星の中でも特に小さく温度が低い。見つかった惑星との距離は、太陽と地球の距離の100分の1~16分の1とかなり短いが、表面温度が太陽の半分以下のため、どの惑星も水が液体で存在できる程度に温暖と見られる。特に内側から4~6番目の惑星には海や大気圏が存在する可能性がある。最も外側のものを除いた惑星6個は詳しい公転周期が判明。1日半~12日余りで構成を一周していたという。惑星上に人類に近いかそれ以上の進化を遂げた生物がいれば、交信することも可能となる日がいつか来るかもしれない。また、これまでに、地球から、地球の情報を載せたロケットが打ち上げられているが、これがとらえられ、地球への交信が届くかもしれない。地球上にもまだ多くの未知の現象が多く興味が尽きないが、宇宙の謎も果てしない。詳細をお知りになりたい方は以下の原論文まで。Gillon et al.,(2017) Seven temperature terrestrial planets around the nearby ultracool dwarf starTRAPPIST-1, Nature 542,456-460(23 February 2017).
毎日新聞2月23日付朝刊によると、地球は現在、六つの大陸があるが、かつてはもう一つの「ジーランディア」大陸が存在し、現在は、大半が豪州の東の海域に沈んでおり、この地層を掘削し、誕生や水没の謎を解き明かそうとする国際プロジェクトが本格的に動き出したという。「ジーランディア」の面積は約500万平方キロで、豪州大陸の6割程度ある。元は豪州と南極、インドと同じ東ゴンドワナ大陸の一部だったが、8000年万年前ごろに豪州から分裂し、2500万~2000万年前にほぼ全域が水没したと考えられている。現在は隆起しており、約6%が海面上にある。標高3724mの最高峰マウントクックがそびえるニュージーランドやニューカレドニアはその一部。海洋開発研究機構(JAMSTEC)掘削情報科学研究開発グループの斎藤実篤グループリーダーによると、ジーランディアが大陸だったと言えるのは、ニュージーランド近海で掘削すると、大陸の特徴と見られる花崗岩など軽い岩石が確認されるため。最初から海底なら、玄武岩などの重い岩石が主体となるはず。ジーランディアが形成された原因は二つの仮説が提唱されているという。一つは、大陸性地殻の下にあるマントルが上昇し、大陸が突き上げられて分断されたと考える。もう一つは、東側から深く沈み込む海洋プレートの動きで大陸プレートの端が東側に引っ張られ、陸地が裂けたとする「ローリングバック説」だと言われる。二つの仮説のうち、どちらの仕組みで分裂したか、なぜ水没したかなどを明らかにする取り組みが、日豪などを中心に進む国際計画「ロードハウライズプロジェクト」である。世界最高の能力を持つ、JAMSTECの海洋深部探査船「ちきゅう」を使い、大陸の一部であるロードハウライズ(豪州ブリスベン沖約600キロ)と呼ばれる海域(水深約1600メートル)で約3500m掘るという。採取した岩石に含まれる元素の同位体の分析などで、解明が図れるという。JAMSTECは今年末に深海調査研究船「かいれい」を2度目の事前調査として出発させ、2019年の前半の「ちきゅう」による本格掘削を目指しているという。前述の斎藤氏は「日本ではジーランディアの存在があまり知られていない。だが、このプロジェクトが成功すれば、日本がどのように大陸から分裂し、日本海が形成されたかについて、理解を深める成果が得られる可能性もある」と話しているという。ところで、日本東方の太平洋で海底火山西ノ島が巨大な火山噴火を長期間続け、大陸形成に関して重要な情報がもたらされたことなどもあり、地球科学においては、大陸や海洋底の形成に関する基本的課題の追求が続く。これらはいずれも地球深部のマグマ活動あるいは熱いマントルの上昇等、広く地球の熱的現象に関係しており、浅部の地熱発電と直接結びつくものではないが、地球内部の熱構造に関する基礎情報を与えてくれるものと考えられ、注目していきたい。
毎日新聞2月22日付朝刊によると、国際環境NGO「世界自然保護基金(WWF)ジャパン」は、国内の原発廃止や化石燃料の使用中止を段階的に進め、2050年には再生可能エネルギーで全電力を賄う場合、10年から40年間の設備投資が365兆円に達する一方、燃料費の減少などで84兆円の黒字になるとの試算をまとめたという。試算では、人口減少や省エネ技術の普及で50年時点のエネルギー消費量は10年比47%減できると想定。全電力を太陽光や風力などの再生可能エネルギーで賄うことが可能だとしている。省エネで設備の運転費281兆円の節約が可能なうえ、火力発電などの削減により40年間で化石燃料の費用が168兆円抑えられ、再エネへの設備転換費用を投じても84兆円が浮くという。50年時点で再エネ100%を達成するには、30年時点で37%にしておく必要があり、政府目標(30年時点で22~24%)の引き上げが必要という。地熱発電に関連して言えば、2030年度の目標を実現し(発電量を現在の3倍)、2050年までにさらに上積みを図り、2100年には100%再生可能エネルギーの実現にできるだけ多くの寄与(10%程度のシェア)を目指したいものである。
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