地熱情報研究所

地熱情報研究所の立ち上げにあたって
地熱から少し離れて
最近の日本の地震活動 最近の日本の火山活動

地熱研News

地熱に関する最新の動き 地熱に関する最新の動き  意見 意見
<< Back 1 |  2 |  3 |  4 |  5 |  6 |  7 |  8 |  9 |  10 |   Next >> 
『新燃岳 再び噴火』 毎日新聞10月14日付夕刊はこう報じている。14日午前8時23分、宮崎と鹿児島県境の霧島連山・新燃岳(1421m)が再噴火した。噴煙は火口から約2300mまで上がり、11日から続く噴火の中で最も高くなった。噴石や負傷者は確認されていない。気象庁は宮崎県小林市、鹿児島県霧島市では視界不良となる程度の灰が降ると予想している。新燃岳は11日に約6年ぶりに噴火。気象庁が噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)からレベル3(入山規制)に引き上げている。気象庁は13日、火山性微動が小さくなったことから「噴火は停止したと思われる」と発表していた。地震活動や地殻変動が停止したから、噴火活動が停止するとは必ずしも言えない。たとえば、1986年の伊豆大島三原山噴火では、噴火活動が続き、火道が十分開いたために、マグマが上昇を続けても、地震も地殻変動も目立った変化はなかったが、その後、大噴火に至った例がある。今回の噴火もピークを越え、活動が終息することもあると思われるが、そうでないケースも十分考えられ、もう少し長期的に判断していくべきではないかと思われる。
『米、CO2規制撤廃 石炭産業保護 温暖化対策後退へ』 毎日新聞10月12付夕刊はこう報じている。 米環境保護局(EPA)のプルイット長官は10日、発電所からの温室効果ガスを削減するオバマ前大統領の環境規制「クリーンパワー計画」を撤廃すると発表したという。トランプ大統領が今年3月に、同計画の見直しをEPAに命じる大統領令に署名していた。撤廃は、トランプ大統領の票田でもある石炭産業の保護を主な目的としており、米国の温暖化対策の後退は確実という。米国の科学者や州政府などからは批判が噴出しているという。オバマ大統領が2015年に公表した同計画では、米国内の石炭火力発電所などから排出される二酸化炭素(CO2)を30年までに、05年比で32%削減するよう州政府などに求めた。気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」で米国が掲げた温室効果ガス削減目標(25年までに26~28%削減)を達成する上で核となる政策だった。一方、トランプ氏は昨年の大統領選当時から、パリ協定や同計画について「雇用を失わせる規制だ」などと批判。今年6月にはパリ協定から離脱を表明している。EPAは、同計画の撤廃で、30年までに最大で330億ドル(約3兆7000億円)のコストが浮くと説明しているという。今後の温室効果ガス規制についてプルイット長官は「関係者の話を聞いて慎重に検討する」と言及するにとどめているという。米国の科学者らでつくるNGO「憂慮する科学者同盟」のケネス・キンメル代表はブログで「ひどく無責任な決定だ。この発表に関わらず、クリーンエネルギーへの移行を加速するため、州や都市、企業などによる行動を推進しなければならない」と呼びかけているという。もうここまで来るとトランプ大統領も引き下がれないだろう。しかし、果たして、このような権限がアメリカ大統領にあるのだろうか。大統領令に署名したと言っても、それは大統領の意向で作られたものであり、ペテン師のようなものではないか。このようなことが続けば、大統領が罷免される可能性も出てくるのではないか。そうでなければ、米国の民主主義とは一体何なのか。
『噴煙一時700m 新燃岳噴火』 毎日新聞10月12日付朝刊はこう報じている。11日午前5時43分、宮崎、鹿児島県境の霧島連山/新燃岳(1412m)が2011年9月7日以来約6年ぶりに噴火し、気象庁が4年ぶりに噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げたという。噴火後も火山性微動や山体膨張が継続しているため、火山活動がさらに活発になる可能性があるという。気象庁によると、噴煙は一時、火口から高さ約700メートルまで上がった。噴石の飛散は確認されていないが、宮崎市や宮崎県都城市、小林市、高原町で降灰があった。人的被害の情報は入っていない。午後6時現在も小規模な噴火が続いている。なお、12日午後6時のNHKニュースでは12日に最高噴煙が2000mに達したと報じている。噴火規模は次第に強まっている模様である。また、山体の膨張も継続しているようであり、さらなる規模の噴火が懸念される。
『新燃岳6年ぶり噴火』 毎日新聞10月11日付夕刊はこう報じている。宮崎・鹿児島県境の霧島山・新燃岳(1421m)が11日午前5時34分、噴火した。新燃岳の噴火は2011年9月7日以来約6年ぶり。噴火は小規模で噴石の飛散は確認されていないという。噴煙は火口上300mまで上がり、北東側に流れた。気象庁は火口からおおむね1キロの範囲で、今後の大きな噴石の飛散に注意を呼び掛けている。気象庁は噴火警戒レベル2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げていた。宮崎県高原町で降灰が確認された。気象庁には人的な被害は入っていないという。鹿児島地方気象台と宮崎地方気象台は新燃岳の地表面温度の上昇や降灰状況などを確認するため、職員8人を派遣し、上空や地上などから調査を実施することを決めた。新燃岳は9月23日頃から火山性地震が増加し、気象庁は今月5日に噴火警戒レベルを1(活火山であることに注意)から2に引き上げた。9日から地下のマグマの移動を示すとされる火山性微動が続き、警戒を呼び掛けていた。新燃岳は11年1月26日に約300年ぶりに本格的なマグマ噴火をした。今年5月、火山活動が低下したとして警戒レベルを2から1に7年ぶりに引き下げている。気象庁のリアルタイム火口映像によると依然火山灰を出す噴出が続いているが、マグマの減圧が進めば大規模な噴火に移行する可能性は十分あり、今後の活動に注意すべきであろう。
『報告書 電力会社に迫る変革の波-欧州が先行する新時代の戦略-』 が自然エネルギー財団から10月8日公表された。いまや世界規模でエネルギーのパラダイムシフトが進んでいる。欧州を皮切りに「エネルギー転換(Energy Transition)」、「電力システム改革(Elecricity System Reform)」「国際化(Internatinalization)」という3つの大きな変革の波が重なって、いよいよ日本にも迫ってきている。本報告書では、欧州の大手電力会社12社がエネルギーのパラダイムシフトの影響を大きく受けながら、生き残りをかけて新たな戦略に踏み出した状況を分析している。国際機関の報告書や各社のアニュアルレポートなどをもとに、電力会社を取り巻く現状と将来を示すデータも多く盛り込まれている。わかりやすいカラーの図も多く、読みやすい。わが国の大手電力会社は残念ながら、世界、特に欧州から大きく離されていると言わざるを得ない。しかし、今後、国際化はいっそう進むことになる。電力会社はこの新しい波を認識し、早く行動を起こさなければ、衰退をまぬかれないであろう。電力会社関係者だけでなく、電力に係る方には是非ともお勧めしたい。全文は、自然エネルギー財団のHPから見ることができます。
『重力波検出 ノーベル賞 米3氏、天文学に新たな道 物理学賞』 毎日新聞10月4日付朝刊は、こう報じている。スエーデン王立科学アカデミーは3日、2017年のノーベル物理学賞を、アインシュタインが約100年前に予言した重力波を初めて検出した米国などの国際研究チーム「LIGO(ライゴ)」を率いた3氏に贈ると発表したという。授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金900万スエーデンクローナ(約1億2400万円)が贈られる。3氏は米マサチューセッツ工科大のレイナー・ワイス名誉教授(85)と米カリフォルニア工科大のバリー・バリッシュ名誉教授(81)、キップ・ソーン名誉教授(77)。アカデミーは「全く新たな宇宙の世界を切り開いた」と評価している。LIGOは2002年からブラックホールなど質量の非常に大きい天体同士の合体や、超新星爆発などによる重力波を狙って観測を開始。15年9月、二つのブラックホールが合体した際に出た重力波の検出に成功し、初めて直接的に存在を証明したという。LIGOには日米欧など1000人以上の研究者が所属。LIGOは1辺の長さが4㌔ある巨大な検出装置で、米国に2カ所ある。重力波観測が可能になったことで、重力波天文学という新分野の道が開け、宇宙誕生の謎のほか、光や電波、エックス線など従来の手法では困難な天体現象の解明につながることが期待されている。また、これに関係した日本人(新井宏二氏)が紹介されている。『最高の部品と技術 参加の日本人研究員喜び』 アインシュタインの「最後の宿題」とも言われた重力波の観測に世界で初めて成功したLIGOには、日本人研究者も参加している。国立天文台(東京都)から8年前に米カリフォルニア工科大に移った新井宏二上席研究員(45)だ。ノーベル賞決定に「重力波の検出に直接携わり、受賞の一助になれたことを光栄に思う」と喜んでいる。観測した重力波は、地球と太陽との距離(約1億5000万㌔)をわずか水素原子1個分変化させる程度の効果しかなく、検出装置内の機器のぶれは天敵となる。新井さんは、地面の動きなどで機器がぶれてしまうのを、磁力などを使って最小限に抑える制御方式を考案したという。新井さんは「自動車レースのフォーミュラワン(F1)」のように、最高品質の各部品を、最高の技術で組み上げ、運転しなければ観測は成り立たない」と話しているという。一方、日本でも東京大などが岐阜県飛騨市に巨大な重力波検出装置「KAGURA(かぐら)」を建設し、2019年の観測を予定している。LIGOは地上だが、KAGURAは鉱山の地下に設置され、地震などによる揺れを地上の100分の1以下に減らせるという。KAGURA計画の代表を務める梶田隆章・東大宇宙線研究所長は「この非常に大切な研究をKAGURAで発展させていきたい」と話しているという。ノーベル賞では米国に先んじられたが、より高精度の日本の観測装置が稼働し、アメリカの2台、ヨーロッパ・イタリアの1台と合わせ、4地点で観測が始められれば、重力波源に関してより高精度の情報が得られることになると思われる。日本の観測装置の稼働を強く期待したい。
『熊本地震 観測データ改ざんか 文科省調査 関連論文取り下げへ』 毎日新聞10月3日付朝刊はこう報じている。 昨年4月の熊本地震について研究していた大阪大と京都大、産業技術総合研究所(産総研)のチームが、不自然な観測データに基づき論文を執筆していたことが2日、分かったという。関連の論文は順次取り下げるという。基になったデータに改ざんがあったとの指摘があり、文部科学省や大阪大が調査を始めた。チームの一人の後藤浩之・京都大准教授がホームページ(HP)で公表した文書によると、熊本県益城町の地震計で考えられないような強い揺れが生じたとし、昨年の論文で報告した。ところが先月、後藤准教授に観測データの不自然さを指摘する匿名の連絡があり、後藤准教授が精査した結果、データに重要な問題があることが分かったという。データをまとめたとされるのは大阪大の准教授だが取材に応じていないという。チームは昨年7月からデータをインターネットで公開していたが、現在は停止しているという。文科省などによると、国の報告書や政策、益城町で観測された「震度7」の記録への影響はないという。後藤准教授はHPで「問題のあるデータが流布される事態になり、その一端を担った。大変申し訳ございません」と謝罪したという。また産総研の吉見雅行主任研究員もHPで「データに関する事実関係の解明に真摯に対応している。己の未熟さを痛感している」とのコメントを発表したという。毎日新聞は、問題の論文を基に「強い揺れで地盤軟化」(2016年11月21日付東京本社版夕刊)などの記事を掲載しており、文科省や大阪大の調査結果を待って対応しますとしている。事実関係の詳細がわからないので、現段階では何とも言えないが、科学者の良心に反することがあったとすると極めて残念なことである。
『ハワイ望遠鏡 再許可 世界最大級 工事再開へ 州委員会』 毎日新聞9月30日付夕刊はこう報じている。米ハワイ島マウナケア山頂で建設が予定されている世界最大級の望遠鏡「TMT」について、土地利用の再審査手続きをしていたハワイ州土地・天然資源委員会は29日、利用を許可することを決定したという。日米中など5カ国でつくる「TMT国際天文台」は、来年4月の工事再開を目指し、地元当局と協議しながら準備を進める方針。TMTは口径30メートルの光学望遠鏡で、宇宙初期に誕生した銀河や星の解明や太陽系外の惑星の探索などで成果が期待されている。2015年3月に建設工事が本格的に始まったが、地元住民が「山頂付近は神聖な場所だ」と抗議活動をしたため中断。州最高裁が同年末、州土地・天然資源委による許可を不適切とする判決を出し、審議を差し戻していた。再審査では、関係者から意見を聞く公聴会の取りまとめをした審査官が今年7月、土地利用を認めることが望ましいとする意見を提出。20日に最終口頭弁論が開催されていた。今後、土地を管理するハワイ大とTMT国際天文台との間で土地の賃借契約が結ばれる見通し。計画に参画する国立天文台の臼田知史TMT室長は「遠回りはしたが、地元の支援者との関係も強固になった。地元の意見を聞きながら、工事再開を目指したい」と話しているという。なお、地熱発電所建設においても、外国の例であるが、文化的・宗教的理由から、地元住民の反対にあった例はあるが、日本ではそのような理由からの反対はない。ただ、一部地域では、地元温泉関係者の反対により、地熱発電所建設が進まない例が見られるが、合意形成において、今回のハワイの例は参考になるかもしれない。「遠回りはしたが、地元の支援者との関係も強固になった」ような粘り強い、真摯なプロセスが望まれる。天体観測事業は天文台の建設後長期にわたるものである。地熱発電所も同様である。ことわざの表現を借りれば、今回の件は「雨降って、地固まる」と言えるか。地熱発電所建設においても、粘り強い、真摯なプロセスによって、地元合意を得る努力が欠かすことはできない。
『バリ噴火警戒 避難者13万人』 毎日新聞9月30日付朝刊はこう報じている。 インドネシア国家災害対策庁は28日、噴火の恐れが高まっているバリ島東部のアグン火山から避難した周辺住民が計13万4289人になったと明らかにしたという(避難の人数が1位まで把握されているので、避難は整然と行われていると思われる)。噴火警戒レベルが22日に4段階の最高レベルに引き上げられて以降、避難者数は増え続けており、厳戒態勢が継続している。同庁によると、避難所数は500近くに達し、気温が30℃を超える暑さもあり、病人が出始めているという。一方、バリ島東部で観測を続けるインドネシア火山・地質災害防災センターのデフィ博士が28日、共同通信の取材に応じ、1963年~64年に1500人以上が死亡した同山の前回の噴火は「過去60年でインドネシア最大の噴火だった」と指摘。ここ数日マグニチュード(M)4以上の地震が観測されているのは危険な兆候だとして、警戒を呼び掛けたという。なお、9月29日にインターネット上で紹介されている、「てるみつ部屋BLOG Ver.6.0」によるアグン火山情報は以下のようなものである。「火山性地震の発生数は相変わらず多く、その規模も増大している。震源は山頂部から20km以内。9月26日午後に発生したM4.2の地震後に大きな白い水蒸気が山頂上空約500mほど上昇していた。傾斜計のデータは膨張の傾向を示している。現状、噴火しない確率よりも噴火する可能性の方が高い。仮に噴火すれば、小噴火で始まりそのあとに大きな噴火が伴うであろう。バリ島の観光は安全であるが、火山に近い立ち入り禁止エリア(火山から9~12kmエリア)に入ってはいけない。」 山体が膨張し、山頂周辺に地震が多数発生し、増大傾向、かつ通常の火山性地震より規模が大きく、また、新たに水蒸気が発生している。上昇中にマグマが火山体浅部に存在する地下水を加熱し、水蒸気を発生しているかあるいは上昇するマグマの減圧による脱ガスが進行しているのか。SO2放出量の変化が測定できれば一定の判断ができるだろう。いずれにしても、マグマが上昇中で、水蒸気噴火さらにマグマ噴火に向かっていることは確かで、引き続き詳細な観測継続と避難継続が必要と考えられる。
『39.5億年前生命痕跡か 最古記録 カナダで採取、岩石に 東大チーム』 毎日新聞9月29日付朝刊はこう報じている。 カナダ北東部で採取した39億5000万年前の岩石から生命の痕跡と見られる炭素結晶を発見したと、東京大学などのチームが28日付の英科学誌「ネイチャー」に発表したという。従来の最古記録は38億年前のものとされている。地球の生命誕生の過程を解き明かす手がかりになる可能性があるという。小宮剛・東大准教授(地質学)らは2011~13年、カナダ北東部のラブラドル地方を調査し、沿岸域で156個の堆積岩を採取した。これらの年代を測定した結果、39億5000万年前にできたことが分かった。さらに、岩から検出された炭素の結晶を分析したところ、自然界に存在する3種類の炭素のうち、生命活動の証拠と考えられる軽い炭素の比率が高いことが判明。結晶ができる温度と、岩が変成した温度がほぼ一致したことから、結晶は後の時代に混入したものではないと結論づけている。ただし、結晶の含有量が少なく、炭素原子の並び方が不鮮明なことから、より新しい年代に混入した可能性を疑う専門家もいるという。生命の痕跡はこれまで、グリーンランド西部イスア地方の38億年前の岩石から見つかったものが最古とされている。約40億年前の地球は大気中にも海中にも酸素が乏しかったと考えられている。小宮准教授は「有機物からメタンを合成したり、鉄分を酸化したりしてエネルギーを得る微生物が生息していた可能性がある」と話しているという。最古・最新・最小・最大等という極限に迫る発見は心をわくわくさせてくれるが、常に、最初の発見はまだ完全ではなく、他の研究者の追発見(追試)が必要だろう。「極限」からは、新しい展開が始まることもあり、研究の進展を期待したい。
『欧州の望遠鏡で初の重力波観測 米国チームと協力』 毎日新聞9月28日付夕刊はこう報じている。米国の重力波望遠鏡「LIGO(ライゴ)」と、欧州の重力波望遠鏡「VIRGO(バーゴ)」のチームは共同で、時空が揺れる重力波を検出したと27日、発表したという。欧州の望遠鏡での重力波観測は初めて。重力波の検出は通算では4度目という。米南部ルイジアナ州と西部ワシントン州にあるLIGOの2台の望遠鏡に加え、イタリア・ピサ近郊で今年稼働したVIRGOの望遠鏡が8月14日に重力波の信号を検出したという。3台で観測することで、重力波の発生場所がより正確にわかるようになり、今回はLIGOの2台だけの場合に比べ、発生領域を10分の1ほどに絞り込めたという。将来的にはさらに精度が上がると見込まれている。LIGOの広報担当者は「(3台体制が本格化する)2018年には、週に1回か、もっと頻繁に重力波を観測できるだろう」と話したという。今回は、地球から18億年離れたところで、太陽の質量の31倍と25倍の二つのブラックホールが合体し、太陽質量3個分のエネルギーが重力波となって放出されたと見られるという。重力波発生領域の決定は、地震観測と同じで、観測点が増えるほど精度が高まる。日本でも重力波を観測する準備が進められているが、位置的にも米国、欧州とも離れており、日本の重力波観測が開始されれば精度向上に重要な貢献となろう。大いに期待したい。
『阿蘇「条件付き再認定」ジオパーク 破壊の柱状節理 専門家委員会』 毎日新聞9月28日付朝刊はこう報じている。 熊本地震の復興工事で珍しい地形が破壊された国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界ジオパーク「阿蘇」(熊本県)について、地質学などの専門家らで作る日本ジオパーク委員会は27日、保全や活用を進める地元協議会の組織運営に問題があるとして、来年に予定されるユネスコの審査までに改善するよう求めることを決めたという。ジオパークは地質学的に重要な地形や地層を保全・活用する自然公園で、ユネスコが認定する世界ジオパークと同委員会が認定する日本ジオパークがある。今回、日本ジオパークとしては、2年後の再審査を条件に継続を認める「条件付き再認定」としたという。阿蘇では、噴火した溶岩による珍しい地質現象「柱状節理」が破壊されたことが今月、毎日新聞の報道で発覚した(すでに本欄でも紹介)。柱状節理の破壊について、自治体や観光関係者などで構成する「阿蘇ジオパーク推進協議会」自体も報道があるまで把握していなかったという。認定時には、地元挙げて盛り上がるが、次第に関心が薄れるなかで、このようなことが生じたものか。事業を持続可能な形で、常に見直していくことが求められるだろう。
『前震など基に防災情報 南海トラフ「警戒宣言」は凍結』 毎日新聞9月27日付朝刊はこう報じている。政府は26日、中央防災会議の会合を開き、南海トラフ巨大地震の対策強化のため、東海地震の予知を前提とした大規模地震対策特別措置法(大震法)に基づく対応を約40年ぶりに見直すことを決めたという。同会議の有識者会議が「確度の高い予測はできない」との見解を示したため。2~3日前の予知を前提に出す東海地震の「警戒宣言」を事実上凍結し、前震などの異常現象を受け、より範囲の広い南海トラフ全域を対象とした情報を発表するという。有識者会議がこの日、政府に提出した最終報告書は、南海トラフ巨大地震の震源域の東側で大規模地震が発生した場合や同震源域でマグニチュード(M)7程度の地震が発生した場合は大規模地震につながる可能性があるとし、政府に住民の事前避難などを検討することを求めたという。従来主流であった地震観測や地殻変動観測では短期予知ができないことが明確になった後も依然地震観測に重きを置いているのはやや疑問である。今回、地震の短期予知はできないとの判断にたち、防災対策が変更されたことは妥当と考えるが、地震予知への努力が薄れることを懸念する。この際、従来とは異なった戦略で地震予知研究が進められることを期待したい。
『熱水鉱床で試掘成功 経産省など 水深1600メートル 銅・亜鉛など 沖縄近海で世界初』 毎日新聞9月27日付朝刊はこう報じている。経済産業省と石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は26日、沖縄県近海の水深1600mの海底から、銅や亜鉛などを含む鉱石をポンプで吸い上げる試験に世界で初めて成功したと発表した。経産省は国産の鉱物資源として採掘の商業化を検討するという。陸上での採掘に比べてコストが高いため、2018年度に商業化できるか判断する。試験採掘を行った場所は「海底熱水鉱床」と呼ばれる金属(鉱物)が集まった海底。マグマで熱せられた海水が海底から噴き出した際、海水に含まれる金属が冷えて固まった場所で、金や銅、亜鉛などを多く含むとされる。国内では沖縄近海など8カ所で確認されているが、これまでは海底熱水鉱床から鉱石を引き上げる手段がなく、潜水艇で試験的に採掘するしかなかった。JOGMECは今回、海底に設置した採掘機で鉱石を小さく砕き、水中ポンプで海水とともに吸い上げる手法を開発した。8月中旬から9月下旬の間に、沖縄近海の熱水鉱床で、複数回に分けて鉱石16トンを引き上げることに成功した。鉱石には約7~8%程度鉱物資源が含まれていると見られている。世耕弘成経産相は同日の記者会見で「日本近海には種類によっては国内の年間使用量を上回る鉱物の存在が見込まれている。我が国の鉱物資源の安定供給体制の強化につなげたい」と商業化に意気込みを見せたという。地下資源に恵まれないと言われるわが国であるが、この海底熱水性金属鉱物や地熱エネルギーさらにメタンハイドレートなど世界に冠たる資源もあり、資源の開発・利用の確実な進展が望まれる。
『予知前提防災見直し 最終報告書 南海トラフ地震対策』 9月26日付毎日新聞夕刊はこう報じている。中央防災会議の有識者会議は26日、東海地震の予知を前提とした大規模地震対策特別措置法(大震法)に基づく防災対応を見直し、南海トラフ巨大地震の対策強化を求める最終報告書をまとめたという。最終報告書は大震法の見直しまでは言及しなかったようであるが、現在の科学的知見では「確度の高い地震の予測はできない」とし、予知を前提とした防災対応は改めるべきだと指摘している。現時点では、残念だがやむを得ないだろう。ただ、従来予測観測の主流であった、地震観測や地殻変動観測からは高精度の予測ができないことが明らかになっただけで、より広い観点からの予測研究が否定されたわけではない。これを機に、地震予測の研究が衰退することは避けたいものである。依然として、国民が望んでいるのは確かであるし、心ある科学者の挑戦を期待したい。
『CO2「2兆トン以下に」 今後の排出総量 対策強化促す 英研究チーム』 毎日新聞9月24日付朝刊はこう報じている。地球温暖化対策で、「産業革命前からの気温上昇を1.5℃未満に抑える努力をする」と盛り込まれたパリ協定の目標を達成するため、今後の世界の二酸化炭素(CO2)排出総量を最大でも1兆9800億トン以下にすることが必要との推計を、英国の研究者らが発表したという。現状の削減対策の下では毎年約330億トンが排出されており、最少推計の9166億トンなら早ければ30年後には超える計算となる。研究チームは「各国の削減強化が欠かせない」と指摘している(⇒日本の削減対策ももっと強化するよう国際的な圧力が高まる可能性が大きいと思われる)。この論文は英科学誌ネイチャー・ジオサイエンスに掲載されたものである。世界の平均気温は、2015年時点で産業革命があった19世紀半ばより0.93℃上昇している。研究チームはさらに約0.6℃上昇するシナリオを、温暖化の原因となるCO2量との関係で検討し、今回の結論を得たという。この研究とは別に、科学者らで作る国際NGO「クライメート・アクション・トラッカー」は、1.5℃未満達成に見合う削減対策がある国は、主要排出国33か国のうちモロッコだけだとの分析を明らかにしている。パリ協定離脱を表明した米国など6カ国は4℃以上も上昇させる可能性があり、対策は「決定的に不十分」としている。また、CO2の排出量が多いとされる石炭火力発電所の新設計画が相次ぐ日本は、中国や南アフリカなど5か国とともに「非常に不十分」とされている(⇒従って、日本への削減強化の圧力は高まるであろう)。パリ協定は、CO2の排出量を、森林などの吸収量との相殺で今世紀後半に実質ゼロにすることを目標にしている。気温上昇は最高でも産業革命前から2℃未満とし、温暖化で国土消失が懸念される南太平洋の島しょ国などの強い希望で、できれば1.5℃未満に抑えるとの目標を掲げている。
『8月中熱中症搬送 前年比4000人減少 悪天候影響か』 毎日新聞9月22日付夕刊はこう報じている。総務省消防庁は21日、全国で8月に熱中症で救急搬送されたのは1万7302人だったと発表した。前年8月に比べ4081人少ない。死者は新潟、静岡など14府県の計14人で、前年より10人減少した。北日本から東日本にかけて雨や曇りの日が多く、気温が低かったと見られる。5月からの搬送者数は計5万886人、死者は計48人になったという。8月の集計によると、3週間以上の入院を必要とする重症は331人、短期の入院が必要な中等症は5471人。搬送者のうち48.2%は65歳以上の高齢者が占めたという。都道府県別では、大阪が最多の1311人、次いで東京の1045人、愛知1028人だったという。消防庁は今後も気温が高い日があるとして、こまめに水分補給したり、屋外では帽子をかぶったりして予防するよう呼びかけている。なお、当研究所(埼玉県狭山市)では2012年5月8日以降、所内で1m深地温の毎日観測を続けているが、今年の8月の平均地温は24.56℃、昨年の8月には25.34℃で、今年度は明瞭に低い。ちなみに、狭山地温観測点に最も近い気象庁所沢観測点での今年の8月の平均気温は25.2℃であり、昨年の8月の平均気温は26.1℃である。
『バイオマス発電 駆け込み 買い取り価格下落前 新設続々 ヤシ殻など輸入廃材利用』 毎日新聞9月21日付朝刊はこう報じている。電力会社や石油元売り大手などが木材を燃やして発電するバイオマス発電所の新設計画を相次いで打ち出しているという。いずれも大型の発電所で、国内の間伐材よりも海外から輸入した廃材などを利用するのが特徴である。再生可能エネルギーの電力を一定価格で買い取る固定価格買取制度(FIT)で、一般の木質バイオマス発電の買い取り価格が9月末に引き下げられるため、駆け込みがおきていると見られている。固定価格買取制度に基づくバイオマス発電の買い取り価格は、出力2万キロワット以上の大型の場合、現在の1kWh当たり24円から21円に引き下げられる。バイオマス発電は発電設備が国の認定を受けた時点で買い取り価格が決まるため、9月末までに発電計画を打ち出す動きが広がっているようである。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の荻野零児シニアアナリストは「国内で間伐材を集めるより、(パームヤシ殻などを)海外から輸入する方が木質バイオマスを調達しやすいので計画が増えている」と分析している。一方、筑波大の熊崎実名誉教授は「パームヤシ殻自体は廃棄物だが、パームヤシの農園を造るためには森林を切り開くなど環境破壊にもつながる。輸入材に頼ったバイオマス発電が増えるのはFIT制度の欠陥ではないか」と問題点を指摘している。再生エネルギーによる発電は、国内調達が可能であること、持続可能性であること、環境適合性があることが、基本的に備えるべき条件ではないか。
『石棺から全身人骨 福島・5世紀の古墳 ほぼ完全な状態』毎日新聞9月17日付朝刊はこう報じている。福島県喜多方市で古墳時代中期の前方後円墳「灰塚山古墳」の石棺から、成人男性の全身人骨が見つかったと、東北学院大学(仙台市)の発掘調査チームが16日、発表したという。同時期の古墳から保存状態の良い全身人骨が出土したのは、東日本で初めてという。埋葬者は地域を支配した豪族と見られ、チームの辻秀人教授(考古学)は「(DNA鑑定など)最新科学を使えば、当時の支配者の姿に迫れるのではないか」と指摘しているという。人骨は石棺(長さ2.2m、深さ20cm前後、最大幅85cm)から見つかった。身長150~160センチで、両肘から先と両足首以外の全身の骨が、ほぼ完全な状態で残っていた。上下の顎に残る歯数本の擦り減り具合から60台で死亡し、背骨の状態から腰痛を患っていた可能性があるという。辻教授によると、石棺を含む板石を二重にし、その隙間を埋めるように外側を20~30センチの粘土で固め、さらに土をかぶせる三重構造だったという。このため石棺内に土の流入が少なく人骨が影響を受けにくかったとみられ、辻教授は「これだけ丁寧な作りは、全国的にもあまりみたことはない」と話しているという。灰塚山古墳では2011年から調査が続いており、昨年の調査で石棺の上から鉄製の剣や矢尻など大量の副葬品が出土し、大和王権との深い関係が記されていた。なお、記事には記されていないが、石棺内のカラー写真が掲載されており、内壁は赤色を示しており、水銀朱が塗られていた可能性がある。実は、当研究所では、地熱探査の一手法である水銀探査法を古墳の調査への応用を検討しており(今月中旬福岡県朝倉市の古墳に適用を計画)、このような古墳の存在は極めて興味深く感じている。
『台風強風域 温暖化で拡大 スパコン「京」予測 海洋機構』 毎日新聞9月16日付夕刊はこう報じている。 地球温暖化によって台風の強風域が拡大し、大型化するとの研究結果を海洋研究開発機構と東京大のチームがまとめ、米気象学会の専門誌に発表したという。スーパーコンピューター「京(けい)」で、温暖化による台風の大きさの変化予測に成功したという。チームは、1979~2008年の現代の気候と、温暖化が進んだ2075~2104年の将来の気候を地球規模でシミュレーションし、比較した。同じ中心気圧の台風が発生した場合、将来の気候では平均風速15メートル以上の強風域の半径が10.9%拡大するとの結果が出たという。温暖化によって台風の雲が高く発達するようになり、雲ができる際に放出される熱が増加する。大気が暖められ、雲の下の気圧が低下し、強風域が広がるという。温暖化に伴い、いろいろな気象現象に極端な変化が現れると言われてきたが、このように定量的で詳細な研究結果は、人々に地球温暖化進行の現実感・危機感を強く感じさせるのに有効と考えられる。
『阿蘇の柱状節理 無残 国、復興工事で破壊 世界ジオパーク指定』 毎日新聞9月14日付朝刊はこう報じている。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界ジオパーク」に指定されている熊本県・南阿蘇村の見どころの一つである立野峡谷(同県南阿蘇村)で、阿蘇山の溶岩が作り出した柱状節理が、国の復興工事で破壊されていたことが分かったという。工事は昨年4月の熊本地震で崩落した阿蘇大橋を別の場所に架け替えるもので、国は県に柱状節理を壊すことを説明していなかったという。誠に残念なことと言うほかはない。復興事業は、国土交通省によるものであり、ユネスコ指定は文部科学省、また、本地域は国立公園に指定されており、環境省も関係するが、縦割り行政の弊害の典型例と言えるかもしれない。ユネスコ指定に向けては地域も盛り上がるが、指定後は関心が薄れる典型例かもしれない。工事は昨年11月に着工ということであるから、多くの関係者・住民も工事を見ている可能性がある。地震災害や大雨災害の復興に目が注がれ、世界ジオパークが忘れられていたのだろうか。いずれにしても残念なことである。世界ジオパークは4年ごとに再認定の審査があり、適切な保存などがされていない場合は「条件付き再認定」となるという。阿蘇は来年審査を控えている。
『北極海 氷減少「負の連鎖」海氷の隙間に太陽光 融解が加速』 と毎日新聞9月11日付夕刊はこう報じている。地球温暖化の影響で海氷が減っている北極海で、氷と氷の間が広がって太陽光の熱が吸収されやすくなり、さらに周りを解かす「負の連鎖」が起きていることを、北海道大学と国立極地研究所のチームが英科学誌で発表したという。チームの大島慶一郎・北大教授(極域海洋学)は「北極海の夏の海氷は2000年代に入って、1980年代の半分近くに激減している。負の連鎖で融解が加速したことが大きな要因だ」と指摘したという。海氷の激減により、地球全体の大気や水の循環への影響も懸念されるという。米国の衛星観測データを使い、北極海の氷の変化を分析したものである。すると、海氷は温暖化の影響で薄くなり、00年以降、風や海流で氷と氷の間が広がり、海面がのぞくようになったことが判明。一方、80年代と00年以降を比べると、海面に吸収される熱が増えており、夏に氷が解ける量も2倍になっていたという。風などで海氷に隙間が増えたのを引き金に、白い氷に反射されていた太陽光が、濃い色の海面に届いて熱が吸収されるようになり、氷の融解が加速したとチームは見ているという。以前は厚い氷が互いに密着していたため、風や海流の影響を抑えていたという。地球温暖化が強まると、種々の気象現象の変化が指摘されているが、極域ほどいろいろな極端な現象が生じることが予測されているが、北極海の氷の減少もその1つと考えられる。
『最大規模「太陽フレア」被害情報なし』 毎日新聞9月9日付朝刊はこう報じている。太陽表面で発生した大規模な爆発現象「フレア」について、情報通信研究機構は8日、太陽から放出された電気を帯びた粒子が同日午前9時ごろに地球へ到達したと明らかにしたという。地球の磁場の乱れは同日正午ごろまでにピークは過ぎたと見られ、被害の情報は入っていないという。記者会見した石井守・同機構宇宙環境研究室長によると、日本時間6日午後8時53分に発生したフレアは、規模を表す5段階の等級で最大級の「Xクラス」に属し、1975年の観測開始以来27番目の規模だったという。この影響で、南極・昭和基地など高緯度地域で鮮やかなオーロラが観測された(緑色の数条にわたるオーロラの写真掲載あり。情報通信研究機構提供)。日本上空の磁場も乱れており、9日まで全地球測位システム(GPS)や短波通信への障害が起きる可能性がある(実際、昨日のテレビ報道で、携帯型GPSシステムによる、ある道路上での移動軌跡が、前日は問題なかったが、昨日、フレアの影響で、地上を移動したにもかかわらず、移動軌跡が地上を離れ、50m程度上空に示された例があった。また、普段短波放送が聞かれる時刻に受信できず、フレアによる電離層の位置変化が原因ではないかと紹介された)。また、フレアを発生させた黒点が隠れるまでの2~3日間は大規模な爆発に警戒が必要という。同機構は当初、8日午後3時~9日午前0ごろの地球到達を予測したが、到達は約6時間早かったという。石井室長は「粒子放出のスピードが推定より早かったと考えられる」と話したという。この点に関しては、前日の本欄でも紹介したが、爆発の圧力が推定より大きく、初速がより大きかったために、粒子(平均)速度が速かったと見られる。通常の太陽風の速度400~800km/秒に対して、今回のフレア時には、2~3倍程度の約1150km/秒程度の粒子速度であったようだ。爆発の圧力のデータが示されるとさらに興味深い。
『環境時計2分進む 人類危機示す 米新政権で懸念増』 毎日新聞9月8日付夕刊はこう報じている。地球環境の悪化に伴う人類存続の危機を時刻で示す「環境危機時計」が今年は9時33分になり、昨年より2分進んだと旭硝子財団が8日、発表したという。2008年と並び最も危機感が高まっている。世界の研究者らにアンケートしてまとめたものだという。昨年の米大統領選以降の政治状況を挙げた回答者が全体の55%、米国では80%に達し、トランプ政権による地球温暖化対策の「パリ協定」離脱問題が影響したことがうかがえるという。環境危機時計は、深刻さを0時1分から12時までの時刻で示し、9時を過ぎると「極めて不安」な状態としている。130カ国の研究者や企業、政府関係者2000人以上にアンケートしたものだという。回答に当たり重視した分野は、温暖化などの「気候変動」が29%で最多。「生物多様性」が12%、「水資源」が11%だったという。調査は1992年から毎年実施しているものである。トランプ米大統領の出現で時計が進んだのは十分納得できる。なお、このような環境指標の国際的発信がわが国の機関、それも民間機関によってなされていることに少々驚きを感じた。
『大規模な太陽表面爆発 地球に大量粒子 GPSに影響も』 毎日新聞9月8日付朝刊はこう報じている。 本欄の内容とは少し離れているが、大規模な宇宙空間現象であり、地球への影響も考えられることから、紹介したい。(わが国の)情報通信機構は7日、太陽表面の爆発現象「フレア」が、6日午後9時頃発生したと発表したという。2006年12月以来の大きさで、米気象衛星は、フレアに伴い通常より1000倍以上強いエックス線を観測したという。人体には影響はないと言われるが、電気を帯びた大量の粒子が8日午後にも地球に到達し、通信機器や全地球測位システム(GPS)に影響を及ぼす恐れがあるという。最悪の場合は、停電や人工衛星の故障につながることもある現象という。機構は、普段通りの生活はできるものの、GPSの誤差が数十メートル程度に大きくなる可能性があるとして注意を呼び掛けている。ただ、スマートフォンやカーナビには補正機能があり、大きな影響はないとみられるという。米航空宇宙局(NASA)の観測衛星が太陽フレアを捉えた。機構によると、太陽フレアによって放出された粒子(プラズマ)は8日午後3時から9日午前0時にかけて地球に届く見込みという(6日午後9時頃太陽で発生、8日午後3時頃地球に到達するというので、到達に要する時間は42時間。概算すると、粒子速度は約1000km/秒となる。通常の太陽風の速度は400~800km/秒と言われているので、今回の大規模フレアはやや速いとも言えるか)。人工衛星の誤作動や、磁場や上空の電離層の乱れにより、短波放送や衛星放送のほか、航空無線の障害も懸念されるという。1989年にはフレアによって大気中に異常な電流が流れた影響で、カナダで大規模停電が生じたという。機構は、今回日本で停電が起こる恐れは低いとしている。北海道北部などで赤く光るオーロラが見える可能性があるという。太陽の活動は、ほぼ11年周期(太陽の自転による)で変動。今回のフレアは08年から始まった今の周期で最も大きい規模という。大規模フレアに伴って、大気中に異常な電流が流れると、地熱地域で行われる地下構造調査法の1つMT(地磁気地電流)法は、多くの信号が得られ、地下構造解析にはプラスとなる可能性も考えられる。ただ、電磁現象に関係して、最近北朝鮮関連で報道されているEM(電磁)パルスの影響被害が思い出されるが、それとは別に、近年、将来予想される富士山噴火に伴い、火山灰の影響で、通信機器が大被害を受けることが予測されており、このような機会に、国民が通信機器の大規模被害問題を改めて考え直しておくことは意味あることではないか。なお、同様な太陽フレアに関する記事が同じ毎日新聞9月8日付夕刊にも掲載されている。それによると、今回は爆発規模が大きく、地球への到達時間が初めの予測より、約6時間早まったという。この場合は粒子速度は1150km/秒程度となり、通常の太陽風よりもさらに速かったことになる。
『エネルギーの未来を皆で考えよう~「エネルギー情勢懇談会」』スタート と 経済産業省資源エネルギー庁のメールマガジン(号外)9月5日発行分に、「エネルギー懇談会」が開始されたことが報じられています。まず大きく変わるエネルギー情勢について以下のように総括されています。 「日本は、時代の大きな流れの中で、エネルギーについても重要な選択を積み重ねてきました。第1の選択:国内石炭から石油へ(60年代)⇒自給率の劇的低下。第2の選択:2回の石油危機(70年代)⇒価格の高騰。第3の選択:自由化と温暖化(90年~)⇒京都議定書。CO2削減という課題。第4の選択:東日本大震災と福島F1事故(2011年~)⇒最大の供給危機。安全という価値。再エネという選択肢の登場。第5の選択:パリ協定50年目標(2030年~)⇒多くの国が参加し野心的な目標を共有。技術・産業・制度の構造改革。 そして、以下のように述べられています。 ①そして今日、エネルギーを巡る情勢は、目まぐるしく変化しています。たとえば、主要な資源である石油の価格は、100ドルから50ドルに大きく下落しました。今後、再び上昇するかもしれませんが、EV化の程度なども大きく影響するでしょう。 ②他方、これまで発電コストが高いとされてきた再生可能エネルギーは、日本の外で40円/kWhから10円/kWhに下がった国もあります。蓄電池の革新などが進めば、更なる活用が進む可能性もあるでしょう。 ③脱原発を宣言した国がある一方、多くの国が原子力を活用しているなど、各国の対応もさまざまです。また、世界全域における地政学上の緊張関係が高まる中、リスクの動向を注視していく必要もあります。 こうした情勢変化を捉え、今後それらを見極めていくことが重要になります、と まとめています。 ④また、2016年11月にはパリ協定が発効しました。2050年の温室効果ガス削減について、日本を含む先進国はきわめて野心的な高い目標を共有しています。こうした目標は、従来の取り組みやその延長線上にある取り組みを実施するだけでは、実現が難しいものです、と総括しています。 さらに、⑤エネルギーが変わると会社も暮らしも変わる、⑥エネルギー問題をみんなで考える機会に と項目は続きます。 以上の経済産業省の見解は、内外の情勢変化を捉え、過去よりも前進したと見られます。ただ、原発の方向性については、主体性が見られません。アジアの韓国・台湾、ヨーロッパのドイツ・スイス・ベルギーなどは、自国が大きな事故を起こしたのではないにも関わらず、日本に先駆けて、明確な姿勢を見せています。日本も、福島F1事故およびその現在の状況を直視し、世界に明確なメッセージを発信することを期待したい。 詳細は、資源エネルギー庁のメールマガジンをお読みください。
地熱に関する最新の動き 地熱に関する最新の動き  意見 意見
<< Back 1 |  2 |  3 |  4 |  5 |  6 |  7 |  8 |  9 |  10 |   Next >> 
Institute for Geothermal Information. All Rights Reserved.