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『3万年前のまま オオカミ頭部 シベリア永久凍土で発見』 毎日新聞6月4日付夕刊はこう報じている。東京慈恵会医大とロシア科学アカデミーなどのチームは3日、北東シベリアの永久凍土の中から約3万年前のオオカミの頭部を発見したと発表したという。骨だけでなく、脳や筋肉、毛皮や眼球が冷凍保存され、ほぼ完全な状態で見つかったという。コンピュータ断層写真(CT)で頭部を調べた鈴木直樹・慈恵医大客員教授は(古生物学)は「まるで生きているようだ」と驚く。3歳前後の成体の頭で、体長は推定1㍍前後と現生のオオカミより小さい。今後は組織やDNAを調べ、生態や現生のオオカミとの関係を明らかにする予定だという。また、同じ地域の永久凍土からは、約1万年前に絶滅したホラアナライオンの子供の死骸も見つかったという。発見は同チームが2017年に発表した3体に続き4体目。今回は約3万年前のもので、子宮のような臓器があったという。メスとみられる。はたして、前回発見の3体の遺体からは何が明らかにされたのだろうか? 新聞記事はそこまでは迫ってほしいものである。単なる発見では、それ以上の意味が感じられないが。
『iPS細胞使い肝炎再現 非アルコール性、薬開発期待』 毎日新聞6月3日付夕刊はこう報じている。人工多能性幹細胞(iPS細胞)から「ミニ肝臓」をつくり、仕組みがよく分かっていない非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の症状を再現することに成功したと、東京医科歯科大や埼玉大などのチームが発表したという。脂肪性肝炎の仕組みや効果的な薬を探すのに役立つとしており、東京医科歯科大の武部貴則教授は「3~5年以内に薬の臨床試験に結び付けたい」と話しているという。最近、大量に飲酒しなくても肝臓に中性脂肪がたまるNASHの患者が増えているという。進行すると肝硬変や肝臓がんを引き起こすが、動物の細胞でNASHを再現することは難しく、仕組みは分かっていないという。チームはiPS細胞や胚性幹細胞(ES細胞)から、肝臓を構成する複数の種類の細胞でできた立体的なミニ細胞を作ったという。初期の段階で特殊なたんぱく質を加えることで細胞を作り分けた。このミニ肝臓に脂肪酸を加えると、中性脂肪がたまったほか、肝硬変につながる線維化や炎症が起こり、再現できたという。⇒iPS細胞の多様な活用法の一端か。患者(特にアルコールを飲まないのに発症した患者)には特に朗報であろう
『雲仙・普賢岳大火砕流28年 在りし日思い追悼』 毎日新聞6月3日付夕刊はこう報じている。死者・行方不明43人を出した長崎県雲仙・普賢岳の大火砕流から3日で28年を迎えた。被災地の同県島原市では慰霊碑などに献花所が設けられ、朝から遺族や市民らが花を手向けた。市が「いのりの日」と定めるこの日、地元は終日、慰霊の思いに包まれる。噴火災害で家を失った被災者らの移転先となった同市の仁田団地にある「災害犠牲者追悼之碑」前の献花所では、大勢の市民らが犠牲者の冥福を祈ったという。大火砕流に巻き込まれて行方不明になった森本長衛さん(当時55歳)のいとこの宮崎健さん(80)は「農業を頑張っていた姿を思い出す。遺体を見ておらず気持ちに区切りがつかない」と目を伏せたという。古川隆三郎市長は「多くの方が犠牲になり、家や田畑も失われた。令和の時代に入り、平成での災害の教訓を後世へ残していかなければならないという思いを強くしている」と語ったという。普賢岳は1990年11月17日、198年ぶりに噴火した。大火砕流は91年6月3日午後4時8分に発生。消防団員や報道関係者ら43人が犠牲になった。ふもとの地域では、その後も土石流などで大きな被害が出た。96年6月3日に噴火活動の終息宣言が出された。⇒1995年10月11日大分県の九重火山が水蒸気噴火し、噴出した火山灰の中には新しいマグマ物質が含まれていなかったが、同年12月の2度目の噴火では、新しいマグマ物質がより多く見られたことをよく記憶している。雲仙火山は、1回目の水蒸気噴火では新しいマグマ物質は見られず、2回目の水蒸気噴火で多くのマグマ物質が見られた後、噴火活動が長期間継続し、さらに大災害が発生したことを鑑み、九重火山でも2回目の噴火後、緊張感が続いたが(筆者の江原は当時、九州大学在職中で、九重火山の調査研究に長く携わっており、噴火発生後、国立大学合同観測班の一員として、研究室挙げて観測研究に携わった)、翌年2月に有感地震の頻発、山体の膨張が確認され、警戒を続けたが、幸運にも火山活動は特別な被害を起こすこともなく低下した。その後特に異常な活動は見せていないようである。
『温暖化で豪雨増 「100年に1度 最大1.4倍」 国交省 治水見直し』 毎日新聞6月1日付朝刊はこう報じている。国土交通省の有識者検討会は31日、地球温暖化によって将来の豪雨時の降水量が全国平均で1.1倍になるとの試算を示し、これを国管理の河川の治水計画に反映すべきだとする提言骨子案をまとめたという。これまで河川整備計画は、各地域で過去に起きた最大の豪雨を基に、河川の系統ごとに作られてきたが、気候変動の将来予測を取り入れる方法に転換するという。昨年の7月の西日本豪雨など、近年、大規模水害が頻発していることなどを受け、検討会は気候変動の影響があっても安全が確保できるように議論を進めてきた。今夏にもまとまる提言を基に、国交省は河川整備計画を見直していくという。政府は現在、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に基づき、産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えることを目標に温暖化効果ガス排出削減に取り組むという(⇒取り組みの方向は良いが、世界の潮流は2℃から1.5℃に入っていることを認識すべきだ)。既に世界の平均気温は約1℃上昇しており、大規模水害が頻発している(⇒したがって、2℃対策ではなく、1.5℃対策だろう。対策は1.5℃でやるべきだが、異常予測は2℃で高めにしておくのはよいだろう)。このため検討会は、2℃上昇したと想定して「100年に1度」の頻度で起きる豪雨の降水量を試算し、全国平均で現在の1.1倍になると予測。温暖化対策を全くとらない場合は4℃上昇するとの想定でも試算し、降水量は1.3倍、地域別では1.1~1.4倍になるなどとしている(⇒大事なことは予測するだけでなく、こまめに実測値と予測値を比較検討し、その結果を公表し、精度を検証しながら、広く国民に、予測が実証性の高い科学的な予測であり、温暖化ガス削減対策が必要であることを国民に絶えずインプットしていく必要があるだろ。一般に、この種の予測は、事後対応がなく、言いっぱなしが多い。公表者はそれで満足かも知れないが、真に国民のためにはなっていない)。骨子案は、2℃上昇の降水量予測に基づいて河川流量を算出し、河川整備計画を変更するよう求めたという。また、4℃上昇の試算も考慮し、堰などの施設設計をするように提言している。河川整備計画を見直すと、堤防の設計やダム計画、排水設備などの変更が必要になる。検討会委員の山田朋人北海道大准教授(河川工学・水文学)は「今後は将来予測を含めた治水計画が必要だ」と話したという。⇒近年、観測開始以来初めての高気温、高降水量などの異常気象が頻発しており、「経験値」が簡単にクリアされている、過去のデータと共に、温暖化による予測を考慮することは全く当然なことだろう。
『火山対策強化命令へ 関電3原発 想定超降灰も 規制委』 毎日新聞5月30日付朝刊はこう報じている。 原子力規制委員会は29日、鳥取県の火山、大山の噴火で関西電力の大飯、高浜、美浜の3原発(いずれも福井県)に想定を超える火山灰が降る可能性が判明したとして、原子炉等規制法に基づき、関電に3原発の対策強化を命じる方針を決めたという。最新の科学的知見を反映する同法の「バックフィット」制度で、適用するのは初めてという。この制度は、2011年の東京電力福島第1原発事故後に同法が改正されて導入されたものである。以前は安全審査の合格後は、必ずしも最新の安全対策を取り入れる義務はなかった。規制委は今後、関電の主張を聞いて命令を出すかどうか最終決定するという。大山は活火山ではなく(⇒わが国の基準では過去2000年以内の活動を基に定義されているが、国際的には過去1万年以内が想定されており、大山火山では1万年前以前の活動も指摘されている。安全側に考えていくべきである)、切迫した状況ではないため、再稼働した大飯原発3,4号機、と高浜原発3,4号機の運転停止は求めないという。原発に想定を超えた火山灰が降ると、非常時に原子炉を冷やすための発電機のフィルターの目詰まりが起こる可能性があり、フィルターの交換頻度を上げるなどの対策が必要になる。関電の3原発は安全審査に合格した際、噴火時に敷地に積もる火山灰を10㌢程度と想定していた。しかし、過去の噴火が想定より大規模だったとする新たな論文が発表され、規制委は昨年12月、関電に噴火の影響の再評価を指示した。(⇒その結果)関電は3原発の降灰予測を21.9~13.5㌢に改めていた。規制委の方針を受け、関電は「適切に(各原発の)設置変更許可の申請を行いたいと考えている。今後も規制委の審査などに真摯に対応したい」とのコメントを発表したという。⇒規制委も3.11原発事故の経験を踏まえた改正法を適切に生かしているようだ。
『熊本活断層大地震恐れ 16年震源に近接 最後から数千年』 毎日新聞5月29日付夕刊はこう報じている。2016年の熊本地震の震源地に隣接する活断層の「日奈久断層帯」中心部分では、マグニチュード(M)7級の大地震が2000~3000年置きにあったとみられるとの調査結果を、産業技術総合研究所などのチームがまとめたという。最後の地震から数千年たっており、危険が高まっている恐れがあるという。熊本地震で動いたのは断層帯北東部の「高野-白旗区間」。政府の地震調査委員会は、中心部分「日奈久区間」では大地震が3600~1万1000年置きだったとしており、予想以上に大地震が活発に起きていた可能性が示されたという。日奈久区間だけがずれ動くとM7.5程度の大地震が起きると考えられている。調査した、産総研の宮下由香里研究グループ長は「次の地震が切迫しているかもしれない」としている。調査によると、日奈久区間では「4800~1100年前」と「7300~7000年前」の地震が、大地震に伴う断層の動きでずれていたという。大地震が起きる平均間隔は日奈久区間は2000~3000年と算出。その南の「八代海区間」は2100年、高野-白旗区間は2300年としている。⇒「日奈久区間」で大地震が迫っているとすると、可能な準備をしておくべきだろう。一連の熊本地震での断層の動きが、当該断層を動きやすくしたかどうか、最近の断層近辺の地震活動が低下していないか、当該断層近辺に井戸があれば地下水位変化の観測をはじめるなどである。これらは、いずれも2005年3月20日に発生した福岡県西方沖地震(M7.0)および余震でで観測されたものである(筆者江原は九州大学在職時、それらの解析を行った)。
『世界最小 質量分析計 島津製作所が販売 田中さんのノーベル賞技術活用』 毎日新聞5月29日付朝刊はこう報じている。島津製作所は、田中耕一シニアフェロウ(59)が2002年にノーベル化学賞を受賞した際に理由になった質量分析の技術「MULDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)」を使った、世界最小の質量分析計を29日販売するという。タンパク質のような高分子の分析が可能で、バイオ医薬品などの研究での活用が期待されるという。京都市中京区の同社で28日、発表記者会見に臨んだ田中さんは「『こんな装置が欲しいな』とぼそぼそ言ってたら(部下が)うまく作ってくれた」と話したという。田中さんを所長に03年に発足した同社の質量分析研究所が開発した機器では初の製品化で、名称は「MULDImini-1」。大きな高圧電源などが不要となる独自の技術で、従来は冷蔵庫のサイズだった質量分析計を設置面積がA3サイズ、重さ25㌔に小型化。分析するサンプルを挿入してから5分で測定が可能で、難易度の高い分析を何回も繰り返せるという。田中さんは「研究者が手元において確認と発見ができるのでモチベーションも上がると思う」とアピール。昨年のノーベル賞を受賞した本庶佑・京都大特別教授からも「質量分析は基礎研究になくてはならない。これからは医療現場で使えるように」と激励されたエピソードも披露したという。価格は1台3000万円(税抜)で、販売目標は国内外で年間10台という。⇒基礎的・原理的研究は応用範囲が広いということか。研究者個人がそばにおいて、マイ機器として研究の進展に大いに活躍しそうだ。期待したい。
『「基礎研究もしっかり」科技白書、初の特集』毎日新聞5月29日付朝刊はこう報じている。政府は28日、2019年版の科学技術白書を閣議決定したという。白書は論文数の減少や研究力の国際的地位低下など近年の傾向を受け、すぐに実用化に結び付かない独創的な「基礎研究」の重要性を指摘する特集を組んだという。1988年以降、テーマを設定して特集を掲載しているが、基礎研究を取り上げるのは初めてという。白書は、「応用だけをやると大きな問題が生じる」(本庶佑・京都大特別教授)、「先の分からないから面白い」(大隅良典・東京工業大学栄誉教授)などと、基礎研究の大切さを訴えるノーベル賞受賞者の言葉を紹介したという。その上で「短期的な成果の有無のみにとらわれることなく、息の長い取り組みを継続していくことが重要」と強調したという(⇒当然の指摘だが、このような状態に至ったのは、本来、学術研究政策に責任のある文科省自身にあることに気づかず、他人事の指摘である。文科省がまず反省すべきだ)。また、国全体の基礎研究費のうち政府と大学が支出する割合が、先進各国と比べ低いとするデータも示したという(⇒閣議で何か議論があったか? 記事にないので、おそらく文科相を含めて何もなかったのだろう)。政府は近年、特定分野に研究資金を重点配分する「選択と集中」を進め、産業化を見据えた応用研究を重視している(⇒それが失敗したことは明白で、政府・文科省は十分反省し、政策の転換をすべきだ)。白書も13年以降、5回にわたって「イノベーション」をテーマに特集を組んできた(⇒失敗隠しだ)。白書をまとめた文部科学省企画評価課は「応用研究も大切だが、研究力の低下を受け、『知』を創出する原点の重要性を広く知ってもらう必要があると考えた」としているが、文科省の「主体性のない学術政策」にすべての原因があることをまず認識すべきだ。文科省はほんとうに自らの責任に気付いていないのか? この方がよっぽど問題だ。
『まだ5月(⇒埼玉県)熊谷で猛暑日』毎日新聞5月27日付朝刊埼玉県版はこう報じている。熊谷地方気象台は26日、最高気温が35.0℃以上の「猛暑日」を熊谷市で今年初めて観測したと発表したという。同気象台によると、統計を始めた1897年以降(5月13日)、1993年に次いで2番目に早い猛暑日となった。26日の県内の最高気温は、8カ所の観測地点全てで今年最高を記録。熊谷市35.0℃、鳩山町35.8℃、越谷市35.1℃、寄居町34.8℃、秩父市34.8℃、久喜市34.1℃、所沢市33.0℃、さいたま市34.2℃-と3カ所で猛暑日となり、鳩山、越谷、久喜、さいたまの4地点は5月の観測史上最高を更新した。熊谷市消防本部によると同日午後3時現在、熱中症の疑いで2人が搬送された。同気象台は、水分を小まめに補給するなど暑さ対策を呼び掛けている。なお、当研究所では2012年5月8日より所内の敷地で1m深地温の観測を継続しているが、5月22日18.42℃、23日18.43℃、24日18.42℃、25日18.43℃とほぼ変化がなかったが、26日18.58℃、27日18.82℃と急激に上昇し、地表面から地中に入る熱量と地表面から流出する熱量の差が急激に増大していることを示している。
『53地点(⇒全926地点中の約5.7%)で猛暑日 北海道39.5℃ 過去最高 全国で575人救急搬送』毎日新聞5月27日付朝刊はこう報じている。全国的な猛暑となった26日、北海道(⇒東部のオホーツク海に面した)佐呂間町午後2時過ぎ、39.5℃を記録したという。道内の年間を通じての最高気温と、5月の最高気温の全国記録をともに更新したという。道や東北、関東甲信を中心に53地点で最高気温が35℃以上の猛暑日となった。気象庁によると、全国的に高気圧に覆われて晴れたほか、北日本では上空約1500㍍付近に平年より15℃以上高い真夏を超える暖気が流れ込んだことが影響したという(それにフェーン現象も発生したか)。北海道帯広市でも午後1時過ぎに38.8℃と、観測開始の1892年以来最も高い温度となったという。⇒100年に1度の異常高温である。背景には、地球温暖化があるか? 27日も各地で厳しい暑さが続く予想。なお、共同通信の取材の結果、熱中症による死者は北海道と宮城県で計2人、救急搬送されたのは全国で575人になったという。
『北海道で全国の5月史上最高気温39.5℃ なぜ北で?』 5月26日インターネット情報(産経デジタル 2019/05/26 15:40)はこう報じている。この数日間、全国的に気温が上昇したのは、西から進んできた移動性高気圧の速度が遅く、晴れの日が継続したことが影響したという。気象庁によると、26日午後2時過ぎ、北海道佐呂間町(⇒北海道東部のオホーツク海沿岸)で5月としての全国の観測史上最高気温となる39.5℃を観測。北日本では上空に暖気が入り、季節はずれの高温となったとみられるという。気象庁によると、移動性高気圧は23日から26日にかけて、本州の南を時速20~30㌔の遅い速度で進んだ。26日正午現在も関東地方の南沖にとどまっている。高気圧によって全国的に晴れの日が多く、日中は気温が上昇。東京都心で3日連続で最高気温30℃以上の真夏日を観測するなどした。さらに、東北・北海道には大陸から暖気が入り込んだ。札幌市の上空1500㍍では26日午前9時、平年より15℃高い21.4℃を観測。高気圧で晴れたことに加えて気温を押し上げる要因となったという。北海道東部で5月としての全国の史上最高気温を記録したのは「フェーン現象」による影響も考えられるという。これはは山の斜面に気流が当たって上昇し、山頂を越えて反対側斜面を加工すると暖かく乾いた空気になる現象。西風が北海道中央部の山岳地を越え、東側で気温を上昇させた。気象庁天気相談所は「フェーン現象はどこでも起こりうるが、北海道東部でこれまで気温が上がるのは珍しい」としている。⇒これも地球温暖化に伴う極端気象現象か。
『大分で猛暑日 今年、全国初』 毎日新聞5月26日付朝刊はこう報じている。日本列島は25日、各地で今年一番の暑さとなり、気象庁によると、大分県竹田市で最高気温が35℃を記録し、今年初めての猛暑日になった。列島は広い範囲で高気圧に覆われ、京都府舞鶴市で34.6℃、愛媛県大洲市で34.5℃、岐阜県多治見市で34.5℃など、約140地点で5月の観測史上最高を記録したという。また、札幌市では31.5℃を記録。東京都心や大阪市など全国420地点(⇒全国926地点の約45%)で30℃以上の真夏日となった。26日も全国で気温が上がり各地で真夏日となると見込まれることから、気象庁は北海道、東北、関東甲信、東海、近畿の各地方に高温注意情報を出し、熱中症への警戒を呼び掛けている。一方、熱中症とみられる症状で25日に緊急搬送された人は、共同通信の全国集計で計460人に上ったという。搬送者の内訳は埼玉県37人、愛知県36人、東京都33人、大阪府30人、京都府26人、神奈川県24人、千葉県23人、福岡県と大分県がそれぞれ19人など。⇒関東南部、東海、近畿、九州北部で特に多いようだ。
『学校行ってる場合じゃない 地球守れ 世界180万』 毎日新聞5月26日付朝刊はこう報じている。若者が学校を休んで気候変動の危機を訴えるデモが世界各地で行われたという。主催者団体によると、日本を含む世界125カ国2350都市で学生以外も含めて約180万人が参加したという。「学校ストライキ」はスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさん(16)が昨年夏に一人で座り込みを続けたことがきっかけ。各地でデモが連動したのは3月15日に次いで2度目。ブリュッセルのデモに参加したケイトリンさん(17)は「世界を変えられないと考えるのは間違いだ」と話したという。⇒今後も増加していくだろう。街頭デモのアピール力は強いが、より多くの若者が気候変動問題を学び、考えるようにしていく方向に進むことを期待したい。
『冥王星の「海」 凍らぬ謎解明 メタンハイドレート 断熱材の役割 北大チーム』 毎日新聞5月26日付朝刊はこう報じている。なお、本件は本欄5月21日に、インターネット情報に基づいて、詳細に紹介したので、そちらをご覧いただきたい。
『行き場のない「核のゴミ」 国内最終処分 議論も始まらず』 毎日新聞5月25日付朝刊はこう報じている。原発保有国の課題である高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分について、政府は各国の知見を共有する会議の設置方針を明らかにしたという。日本では1万6000㌧以上の最終処分が必要となると想定されているが、処分の議論も始まっていないのが現状で、政府は各国との研究協力を進めたい考えだという。⇒いよいよ時間切れになりそうだが、自国だけではどうすることもできないということか。切羽詰った判断のようだ。期限内に、適切な解決策が見出されるかどうか?
『東京初の真夏日 週末も高温注意』 毎日新聞5月25日付朝刊はこう報じている。24日の日本列島は広く高気圧に覆われ、各地で気温が上がった。高知県四万十市では34.0℃を記録し、観測史上5月の最高値を更新。東京都心部でも31.0℃を観測し、今年初めて30℃以上になった。全国926観測点のうち174地点が真夏日となった。また、気象庁は24日、今週末から月曜日の27日の間、西日本から北日本にかけて35℃以上の猛暑日になる地点も出てくる恐れもあるとして注意を呼び掛けている。5月としては記録的な真夏並みの高温が見込まれるという。まだ暑さに体が順応していない時期のため、水分・塩分の補強が必要だという。いよいよ早目の夏がやってきたようだ。地球温暖化に伴って、高温指標は早目にやってくるということか。
『6~8月気温 ほぼ平年並み 関東甲信』 毎日新聞5月25日付朝刊はこう報じている。気象庁は24日、関東甲信の6~8月の3か月予報を発表した。7,8月は太平洋高気圧の本州付近への張り出しが弱く、前線や湿った空気の影響を受けやすい。6月は前線や湿った空気の影響を受けにくい。向こう3か月の気温はほぼ平年並みの見込みという。各月の予報は次の通り。▽6月 前線の影響を受けにくく、平年に比べ曇りや雨の日が少ない。▽7月 前線の影響を受けやすく、平年に比べ曇りや雨の日が多い。▽8月 前線の影響を受けやすく、平年に比べ晴れの日が少ない。⇒温暖化が進行する中で、はたして予報が当たるか。
『(埼玉)県内 全地点で真夏日 今年初 熊谷は31.8℃』毎日新聞5月25日付朝刊(埼玉県版)はこう報じている。日本列島が広範囲にわたり高気圧に覆われ、気温が上昇した24日、県内の(気象庁)観測地点8カ所すべてで最高気温が30℃を超える真夏日となり、今年最高を記録した。熊谷地方気象台によると、同日の熊谷市の最高気温は31.8℃、鳩山町31.6℃、越谷市31.5℃、寄居町31.3℃、秩父市30.8℃、久喜市30.7℃、所沢市30.4℃(当地狭山市最寄りの気象庁観測点)、さいたま市30.2℃-と、いずれも平年より6~7℃高く、7月下旬並みの暑さとなったという。熊谷市が初めて真夏日となった時期を比較すると、7月に国内観測史上最高の41.1℃を観測した昨年の初観測日(観測史上最速タイの4月22日)より1カ月遅い。しかし、同気象台は、今後数日間、県内の広い範囲で真夏日となり、5月としては記録的な高温となるところもあるとする「高温に関する県気象情報」も発表したという。情報は、26,27両日は35℃以上の猛暑日となる可能性があるとして、水分補給などの暑さ対策や熱中症予防などの健康対策を呼び掛けている。3か月予測では今夏の異常高温は出されていないが、それなりに暑くなるようだ。当研究所で2012年5月18日以来つづけている1m深地温の動向も興味ある。
『過度の「選択と集中」転換を 大学の研究現場 ないない尽くし 目先の成果求め 基礎軽視の政策』 毎日新聞5月24日付朝刊のオピニオン欄の記者(東京科学環境部 須田桃子)の目「「幻の科学技術立国」連載を終えて」はこう報じている。やや長いが、わが国の科学研究力の低下を考える上で重要な内容と考えられるので紹介したい。  【かねて指摘される「日本の科学技術の研究力低下」の実態と背景に迫ろうと、この1年余り、同僚とともに科学面に企画「幻の科学技術立国」を連載した。大学や企業の研究者を訪ね、政策の歴史をたどり、躍進する中国など海外の状況も取り上げた。計30回の連載を終えた今、知の源泉である大学の疲弊を顧みず、効果の見えない「選択と集中」路線をさらに強めようとする政府と産業界の姿勢に強い危惧を抱いている(⇒正しい認識と思われる)。資金が足りず自腹で出張し、実験装置の修理もできない。教員は外部資金獲得の事務作業などに追われ、研究時間を十分に取れない。施設は老朽化し、排水管も取り替えられない。退職した教員の補充は先送り。「ないない尽くし」で、研究どころか教育の質さえ危ぶまれる。これが、日本の多くの大学の現状だ。「スペースチャージ」と呼ばれる資金捻出法を知った時は驚いた。施設の修繕・維持のため研究室や実験室、講義室などの共用スペースの学内利用者に課金する制度で、9割の国立大学が導入している。スマートな名称だが、企業に置き換えれば社員に「会社の設備を使うなら場所代を払え」と命じるようなものだ。ここまで困窮した最大の原因は、国立大学法人の運営費交付金が国から減らされたことだ。2004年度は1兆2415億円あったが、年1%ずつ、15年度までに約1470億円減額された。この交付金などをもとに教員に配分される研究費が激減し、研究の裾野が脅かされている。他方、政府が決めたのは、特定分野に研究資金を重点的に配分する「選択と集中」だ。公募で選考される競争的資金は拡充されたが、研究者の好奇心に基づくボトムアップ型の研究を支援する、文部科学省の科学研究費補助金の採択率は約25%にとどまる。その中で、実用化を重視し、内閣府が主導するトップダウン型の大型研究開発プロジェクトは膨張を続けた。例えば、14年度から5年間の第1期「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」には、運営費交付金の削減総額を上回る1580億円が11課題に投じられた(⇒平均143.6億円。研究分担者が10人とすれば1人10億円を超えることになる)。しかし、投資に見合う結果が出ているとは言い難く、運営のずさんさも目立つ。SIPと同時期の「革新的研究開発推進プログラム(インパクト)」では、「世界最大規模の国産量子コンピューター」と発表された計算装置が「量子コンピューターとは言えない」と関係者から指摘されるなど「誇大広告」が相次いだ。SIPの第2期では、公募のはずの研究責任者を内閣府が事前に決めていたことが、毎日新聞の取材で判明した。一つのプロジェクトや実験室への研究助成が一定規模を上回ると、論文の数や質が逆に低くなる傾向があること(⇒同じ研究でやや名前を変えた研究費を取れば、一種の使い回しが発生し、新規の論文数は減るし、創造力も発揮されにくいことになるだろう)や、過去の実績に基づく研究費の配分はうまくいかないことを示唆する複数の報告がある。卓越した研究者を選び多額の資金を与えればよい成果が出るという仮説は正しそうだが、実は説得力のある根拠はない。論文数の国別順位や世界シェアなど様々な指標が、日本の研究力の衰退を示している。政府は要因に大学の「改革の遅れ」を挙げ、産業界からも改革を求める声が強いが、行き過ぎた「選択と集中」こそ元凶ではないか(⇒その通りである)。連載では、科学技術の司令塔である政府の総合科学技術イノベーション会議の変質も指摘した。第2次安倍政権の発足後、常勤の有識者議員の顔ぶれから、前身の総合科学技術会議にはいた学術界出身の自然科学者が消え、現在唯一となった常勤議員は経済学者だ。「科学のあり方を政治家に伝える」という当初の理念は形骸化して久しい。その影響だろうか、現在の政策の背景には、科学の営みや基礎研究の重要性への無理解があると思う。安倍晋三首相が14年の経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会で「学術研究を深めるのではなく、もっと社会のニーズを見据えた実践的な職業教育を行う。そうした新たな枠組みを高等教育に取り込みたい」と述べたのは象徴的だった(⇒大学でしっかり自分の頭で考えたことのない、単なる耳学問の安倍首相ではこの程度の認識を出ることはないだろう。このように、ものごとの本質的理解が全く不十分のトップが長期にわたって居座ったことが問題の本質である。科学技術分野だけでなく、全ての分野で目先のことだけで深慮がない失敗続きの安倍首相の責任は大きい。政治家にはこれに変わる人がいないのか。全くあきれ果てる)。政府は科学研究に経済成長につながる成果を求めるが、イノベーションが「出口」重視の研究から生まれるとは限らない。実例を挙げたい。生命の設計図のゲノムを精度よく書き換えることができ、医療や農畜産業など広い幅広い分野で応用研究が進むゲノム編集技術「クリスパー・キャス9」は、微生物の免疫システムから生まれた。10年以上に及ぶ地道な研究で先駆的な役割を果たしたスペインのフランシス・モヒカ博士は来日した際、「純粋な好奇心に基づく基礎研究こそが、革新的な技術の源泉となる」と語ったという。今の日本で、モヒカ博士のように「出口」の見えない基礎研究にじっくり取り組める研究者がどれだけいるだろう。もし再び科学技術立国を目指すなら、「選択と集中」路線を改め、若手研究者の安定雇用や、ボトムアップ型の多様な研究ができる環境の実現を急ぐべきだ。研究現場の傷みは深刻だ。残された時間はもう長くはない】。⇒全くその通りである(ここでは特には筆者(江原幸雄)の見解は述べない。実は新聞に掲載された時点でその都度見解を述べてきている)。多方面の取材に基づいた記者の見解は説得力がある。ただ「意見を表明した」というより「信頼できるデータに基づき、論理的に推論する」という科学の本質にも沿った論述であり、説得力がある。科学者・技術者を含め、多くの方々に読んでもらいたい内容だ。是非とも一冊の書籍として出版してほしいものである。
『暑さ もう本格化』 毎日新聞5月24日付朝刊はこう報じている。日本列島が高気圧に覆われた23日、東日本は各地で気温が上昇したという。気象庁によると、最高気温は前橋市と群馬県伊勢崎市で29℃、埼玉県熊谷市で28.5℃(ちなみに当研究所(埼玉県狭山市)に最寄りの気象庁所沢観測点では27.1℃とやや低い)、東京都練馬区で28.3℃-などを観測。広い地域で6月下旬から7月中旬並みの暑さとなった。24日も引き続き気温が上昇。最高気温は熊谷市で32℃、東京で31℃が予想されるなど、各地で最高気温が30℃以上の真夏日になる見込みという。気象庁は週明けまで暑さが続くとし、熱中症への注意を呼び掛けている。なお当研究所(埼玉県狭山市)では2012年5月8日以来、所内の敷地で1m深地温の観測を継続しているが、ここ3日間は、5月22日18.42℃、23日18.43℃、24日18.42℃とほぼ停滞。これは昨日の平均気温は20.1℃とやや高かったが、5月20日18.6℃、5月21日18.4℃、5月22日18.3℃とやや低かったことに対応していると思われる。
『規制フロン 中国大量放出 山東・河北省 新規製造か 国立環境研など解析』 毎日新聞5月24日付朝刊はこう報じている。オゾン層保護のための「モントリオール議定書」の下で全廃したはずのフロン類が中国東部で大量放出されているとの研究結果を、国立環境研究所(茨城県つくば市)などの国際研究チームが、23日付の英科学誌ネイチャーに発表したという。大気中の濃度観測に基づく解析で判明したもので、同議定書で認めていない新規製造の可能性が高いという。フロン類は空調の冷媒や断熱材などに使われていたが、1989年発効の議定書で生産・消費を規制。フロン類の一種「クロロフルオロカーボン(CFC)」は、途上国を含めて2010年に全廃することを決めた。だが、このうち「CFC-11」が東アジアで新たに製造されている可能性が最近の研究で指摘されていたという。研究チームは、沖縄波照間島と韓国・済州島の大気観測施設で測ったCFC-11濃度を基に、大気の動きを再現するコンピュータシミュレーションで放出量や地域を推定したという。その結果、中国東部で13年ごろから放出量が増え、14~17年の年間平均放出量は08~12年の平均(⇒どの程度?)よりも7000トン増加していたという。中国東部の中でも山東省と河北省からの放出増加が目立つという。CFC-11は主に断熱用の発泡剤として使われることが多かったが、現在も製造し続けている理由や用途は不明だという。10年の全廃以前に製造された断熱材などから漏れ出ることもあるが、放出量は使用中の製品からすべて漏れたと想定した量よりも多かったという。チームの斎藤卓也・国立環境研究所主任研究員は「漏出率が急増したとは考えにくく、新規製造の可能性が高いという。今回の結果を同議定書に基づく調査に役立ててほしい」と話しているという。⇒果たしてどのような対応が取られるか? おそらく中国東部の工場が背に腹を変えられず、議定書違反を承知で作製したものが大量に漏れたのではないか。越境汚染ということもあるが、オゾンホールの拡大につながるレベルなのだろうか。今回の越境汚染が原発汚染でなくてよかったと言える。大量の原発を抱える中国が大事故を発生させれば、被害を受けるのは韓国や日本である。大気の観測は欠かすことができないということだろう。
『温暖化目標達成でも猛暑増 気象研チーム発表』 毎日新聞5月23日付朝刊はこう報じている。来年始まる地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の下、世界の平均気温を産業革命前から2℃上昇に抑えたとしても、日本では最高気温35℃以上の猛暑日の延べ観測地点数が現在の1.8倍になる-。そんなシッミュレーション結果を気象庁気象研究所などのチームが発表したという。パリ協定は産業革命前からの気温上昇を2℃未満にすることを目指し、1 .5℃に抑える努力目標も掲げる。⇒今では、1.5℃が重要視され、2℃というのは死語になりつつあるのではないか。チームは現状のまま温暖化が進んだ場合などについて、シミュレーションを行った。その結果、産業革命前からの2℃上昇(現在から約1℃上昇)すると、日本の猛暑日の年間延べ観測地点数は現在の1.8倍に増えると推定したという。現在の気候では年間延べ約2500地点と計算されるが、約4400点に増加するという。⇒この種の予測は注意を喚起する意味で価値があるが、言いっぱなしでは価値が減ずる。そのためには、実測値で常に検証し、将来予測の信頼性が高いことを確認していく必要があるだろう。数十年後の値だけではなく、1年後、2年後、3年後など人間の記憶に留まる範囲で、予測が正確であり、したがって、温暖化対策が必要であることを確実に人々に示していくことが必須と思われる。この種の予測は実に言っぱなしが多いのが残念だ。そのような実証的な報道に接することがほとんどない。
『はやぶさ2に秘めた使命』 毎日新聞5月23日付朝刊 科学欄の「今どきサイエンス(鴨志田公男)」はこう報じている。英ロックバンド、クイーンの軌跡を描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」を見ていて思わずにやりとした。主人公のボーカリスト、フレディ・マーキュリーが「俺と出会ってなかったら・・・」と、メンバーに次々と暴言を吐く。ギタリストのブライアン・メイさんには「宇宙についての誰も読まない論文を書いていた」という場面だ。メイさんは本当に、天文学を研究する大学院生だった。60歳になった2007年に博士論文を完成させ、母校から博士号を授与されている。論文のタイトルは「黄道塵における視線速度の調査」。白状すると、私は読んでいない。ごめんなさい。多彩なメイさんが取り組んでいるのが、小惑星が地球に衝突することへの備えを訴える活動だ。メイさんらの呼びかけで、6月30日が国連の小惑星の日になったことは、本欄でも紹介したことがある。約6550万年前の恐竜絶滅は直径約10㌔の小惑星の衝突が引き金だ。1908年にシベリアで起きたツングースカ大爆発では、直径約60㍍の天体衝突で、約2000平方㌔が焼け野原になったという。米航空宇宙局(NASA)によれば、地球に近づく小惑星(NEO)は約2万個見つかっているという。当面、地球に衝突する恐れはないが、「ツングースカ」級の小惑星は未発見のものが多いとされているようだ。先月、日本の探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウ(直径約900㍍)に金属弾をぶつけ、人工クレータを作った。実は、リュウグウもNEOで、これは小惑星の地球衝突回避に直結する成果でもあるのだ。次のようなシナリオを考えればよく分かる。①衝突の恐れがある天体を発見し、探査機を飛ばして性質を調べる②適切な地点を選び、爆発を起こしたり重い人工物をぶつけたりする③その反動で天体の軌道をずらし、衝突を回避する-。はやぶさ2の活動にそっくりだ。米連邦緊急事態管理局(FEMA)の関係者も参加し、その後米国で開かれた天体衝突に関する国際会議でも、はやぶさ2は注目の的だったという。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の吉川真・はやぶさ2ミッションマネージャーは「ぶつけた金属弾は2㌔と軽く、リュウグウの軌道は変わらないが、手法は衝突回避にそのまま使える」と語っている。ただ、現状で対応できるのは小惑星の直径が200~300㍍まで。核爆弾の使用は国際合意がなく、衝突10年前には発見し、探査機などを何度でもぶつけることが前提だ(⇒このような映画を見たことがある)。欧州宇宙機関(ESA)とNASAには天体衝突対策の部署があるという。一方、JAXAにはそのような部署はない。日本は小惑星探査で世界をリードするようになった。天体衝突をSFだと片付けず、国としてもっと真剣に向き合うべきだとする。⇒実に興味深く、恐ろしい内容でもある。科学者の真摯な研究は決して無視すべきではなく(一見価値がないように見えても、同時代には理解者がいなくとも、将来的に価値が出てくるものも少なくない。絵画でも同様なことは少なくない)、将来的にどんなにか化ける可能性を持たせる必要がある。また、研究というものは、思いがけない分野に展開することがある。興味深いが恐ろしいこともあるということだ。
『はやぶさ2作業中止、原因は高度計』毎日新聞5月23日付朝刊に、小さく、見落としかねないような記事が掲載されている。前の記事ではやぶさ関連の紹介をしたので付記したい。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウへ向けて降下中の16日に異常を検知して作業を中止したのは、リュウグウまでの距離を測る高度計が現実と異なる値をはじき出し、探査機本体の安全システムが作動したのが原因だったと明らかにしたという。JAXAは高度計の設定を変えて対処するという。16日に実施する予定だった、着陸の目印となるターゲットマーカーの投下を、30日に改めて実施するという。
『再エネなど新事業強化 大和証券 中田社長が方針』 毎日新聞5月22日付朝刊はこう報じている。大和証券グループ本社の中田誠司社長は毎日新聞の取材に応じ、本業の証券ビジネス以外に太陽光発電など再生可能エネルギーや農業など、新分野への事業進出を強化する考えを示したという。同社は昨年、相次いで各分野の新会社を設立。投資や共同事業を進めており、将来的には収益の柱の一つに育てる方針だという。中田社長は「伝統的な証券ビジネスは市場環境によって(業績が)振れる。リスクの度合いが違うビジネスをやることで全体の収益は安定する」と狙いを強調したという。同社は昨年7月、これまでの子会社の一部門で担ってきた再生可能エネルギー分野への投資を拡大するため、新会社を設立。中田社長は「(数百億円だった投資規模を)5000億円、1兆円と積み上げて大きなビジネスの幹にしたい」と述べたという。一方、農業分野に力を入れる方針も示したという。昨年11月には農業・食料分野で共同事業や資金提供を担う新会社を設立。熊本県で農業ベンチャー企業と連携し、野菜のハウス栽培を始めたという。また、愛媛銀行や愛媛大学と共同で農業ビジネスに投資するファンドの設立も検討しているという。本業の証券ビジネスではインターネット対応を強化する。初心者や若年層などを取り込むため、2020年春にスマートフォンを使った取引サービスを開始する予定という。ネット取引は後発組となるが、中田社長は「商品のライアップで言えばどこよりももっている」と自信を見せているという。⇒証券業界のトップが、再生可能エネルギー・農業問題に投資意欲を強く持っていることは大変喜ばしい。ただ、再生可能エネルギーに関して、今後は太陽光よりも地熱に焦点を当ててほしいものである。わが国のエネルギー供給のリスク分散という観点から重要と考える。さらに、長期的に安定した収益が期待されるだろう。
『冥王星の海、なぜ凍らない?=ハイドレート層が保温か-北大など』 5月21日のインターネット情報(時事通信社 2019/05/21 00:16)はこう報じている。極寒の冥王星の地下に「海」がなぜ存在できるのか-。北海道大などの研究チームは、地表を覆う氷と地下にある海の間にメタンハイドレートの層があれば、水が凍らず存在できることを数値シミュレーションで明らかにしたという。論文は21日英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に掲載されるという。地下海は土星や木星の衛星にもあるが、極寒の冥王星でも液体の水が維持できる仕組みが解明されると、地球外生命の可能性がより広がることになるという。2015年7月に接近した米探査機ニューホライズンによる観測から、冥王星は表面を覆う氷の地殻、その下に地下海、中心に岩石核があると考えられている。岩石核に含まれる放射性物質が熱源になるが、太陽から遠く離れた冥王星の表面温度は零下220℃と低く、地下海が凍らない理由は分かっていなかった。北海道大の鎌田俊一准教授らは、低温・高圧環境でメタンが水と結合して結晶化するメタンハイドレートが氷に比べ、熱が非常に伝わりにくいことに着目。岩石核内の有機物から供給されたメタンが氷の地殻と地下海の境界にメタンハイドレートを作ると仮定し、冥王星誕生から現在までの約46億年間、内部の温度変化を数値シミュレーション計算した。その結果、ハイドレート層がないと10億年近く前に地下海は凍結するが、存在する場合は「断熱材」として働き、ほとんど凍結しないことが判明したという。表層の氷はすぐに冷え切って固くなり、観測されたように不均一な厚さになることも分かったという。⇒壮大でかつ緻密な研究で、実に興味深いものである。
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