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『恐竜の卵 化石で暖め方解明 名古屋大など 環境適応力示す』 毎日新聞3月17日付朝刊はこう報じている。巣の化石から、恐竜がどのように卵を温めていたかを推定する方法を確立したと、名古屋大などのチームが英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表したという。温度などの周辺環境に応じて温め方を変えていた可能性が高いという。恐竜の卵や巣の化石は世界中で発見されているが、卵の温め方ははっきりしなかった。チームは恐竜に近いワニや鳥で、周囲の熱を利用する種を調査。巣の素材が土や植物の場合は主に植物の発酵熱で、砂は太陽光や地熱(何と世界最初の地熱利用?)で卵を温めていた。この結果を基に、恐竜の巣の化石192個を分析。頭が小さく、首が長い竜脚形類の一部の巣は主に砂岩で見つかったため、砂の中で太陽(光)熱や地熱を利用していたと推定している。草食恐竜のハドノサウルス類の巣は、主に泥岩から見つかっているため植物の発酵熱を利用していた可能性があるとしている。チームは卵を抱えた状態で化石の見つかったことのある、鳥類に近い肉食恐竜トロオドン科の巣についても分析。化石は泥岩と砂岩からほぼ同じ割合で発見されており、どんな環境でもふ化していたと考えられることから卵を抱いて温めていたことが裏付けられたという。名古屋大博物館の田中康平特別研究員は「温め方の違いを利用し、恐竜の生息域の解明につなげたい」と話しているという。新たな発見に基づいて、合理的な推論を行い、謎(真実)の解明を行うという、科学の基本的プロセスである。ここに研究者の醍醐味と喜びがある。今後の進展を期待したい。最近、深宇宙(言い換えれば宇宙の誕生期)の観測的発見が続いているが、地球上の太古の生物環境の発見も興味深い。研究者の自由な発想に基づく研究の進展を期待したい。近年、日本の若手研究者にとって、パーマネントのポストを得るのは難しく、研究をつづける上で多くのストレスがあるとの指摘がなされているが(今回の研究者も特別研究員であり、パーマネントのポストではない可能性がある)、困難な環境が切り開かれ、研究生活が保障されることを期待したい。
『地震波は水の影響を受けない』 3月15日nature ダイジェスト版はこう報じている。地球の上部マントルにおける地震波の速度と減衰の水平方向の変化を用いて、その根底にある性質を調べることができる可能性があるという。構造的に結合した水は、そうした地震波測定に大きな影響を及ぼすと考えられている。C.Clineたちは今回、これを調べるため、地球の地表下にあるありふれた鉱物であるカンラン石の地震波特性に対する水の影響を評価し、地震波の速度と減衰は、水含有量の影響をほとんど受けないことを立証しているという。地震波特性に大きな影響を及ぼしているのは、水含有量ではなく、課された酸化還元条件とそれに伴う欠陥の化学的性質のようであり、地球上部マントルに見られる低速度層や高減衰構造の原因は、水含有量の増加ではないことが示されたという。⇒もしこれが本当なら、いろいろな分野に影響を与えるだろう。これまで、地震波から捉えられた上部マントル中の水は、上昇し、地殻・上部マントルでの熱と水の流れのモデルに組み込まれている。場合によっては、従来の考え方を大きく変えるかもしれない。注目していきたい。
『ホーキング博士死去 76歳 車いすの宇宙物理学者』 毎日新聞3月15日付の朝刊はこう報じている。 難病を抱えながら、宇宙の始まりやブラックホールに関する独創的な理論を発表し、「車いすの天才物理学者」として著名な英国のスティーブン・ホーキング博士が14日死去したと、英ケンブリッジ大学が発表したという。76歳だった。ホーキング氏は、英オックスフォード生まれ。ケンブリッジ大大学院在学中に、全身の筋肉が徐々に衰えて動かなくなる筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断された。1974年、強大な重力のため光さえ出てこられないと考えられていたブラックホールが、エネルギーを放出しながら縮み、最後には消滅してしまうという常識外れな理論を提唱。宇宙の始まりなどを考える宇宙論に大きな影響を与えた。世界的ベストセラーになった88年の著書「ホーキング、宇宙を語る」などで一般の人にも宇宙の謎を解明する魅力を伝え、世界的に知られた。近年は宇宙旅行や地球外生命探査に関心を示す一方、地球温暖化や人工知能の軍事利用に警鐘をならした。まさに、「巨星落つ」という感じか。天は健康な身体は与えてくれなかったが、並外れた知性を与えてくれたというべきか。アインシュタインに続く、世界中で最も名の知られた、かつ尊敬された、そして多くの人に親しまれた物理学者と言えよう。晩年に、地球温暖化問題(特に米トランプ大統領のパリ協定離脱に関連しての発言もあった)にも発言されたことは、地球環境問題に関心を持つ者として、特に強い感銘を受けた。ご冥福を心から祈りしたい。
『火山活動 収束の方向 新燃岳 小さな噴火には警戒 予知連発表』 毎日新聞3月14日付朝刊はこう報じている。  噴火活動が続く宮崎、鹿児島県境の霧島連山・新燃岳(1421㍍)について、火山噴火予知連絡会(会長・石原和弘京都大名誉教授)は13日、「溶岩や火砕流が居住地域に達する可能性は低く、火山活動は収まりつつある」とする見解を発表したという。一方で、「数週間から数カ月は現在のような小さな噴火活動が繰り返される可能性が高い」とし、監視と警戒を呼び掛けた。予知連によると、溶岩の噴出は9日ごろにほぼ終息したと見られる。9日以降は噴出した溶岩内部で火山ガスの圧力が高まり、爆発的噴火を起こしていると考えられる。火口から約2㌔の範囲で大きな噴石が飛散し、約50㌔離れた鹿児島市中心部でも体に感じる程度の空気の振動「空振」があった。火山ガス(SO2?)の1日当たりの放出量は7日に3万4000㌧に達し、その後は約1000㌧(と急激)に減少しているという。気象庁は噴火警戒レベル3(入山規制)を継続している。石原会長は「2011年の最大の噴火を上回るような兆候はないが、監視の継続は必要だ」と話している。われわれの経験は短時間のものであり、十分な余裕を持った監視活動が必要であろう。
『揺らぐ原発再稼働 安全対策 高コスト 伸びる再生エネ 新増設可否 政府あいまい』 毎日新聞3月11日付朝刊はこう報じている。7年前の東京電力福島第一原発事故以降、原発を取り巻く環境は大きく変わった。政府は規制を強化したうえで原発を「重要なベースロード電源」と位置付け、再稼働を推進してきたが、再稼働した原発は5基にとどまる。この間、再生可能エネルギーの普及と価格低下が進み、将来は「主力電源」となる可能性が出てきた。電力会社にとって、原発の位置づけは揺らぎ始めている(⇒電力会社こそ再生可能エネルギーに全力で取り組むべきだ。そうでなければ、電力供給からやがては退陣するほかないだろう。自らの会社の将来を正しく慮るべきだ)。先週、野党4党が国会に「原発ゼロ法案」を国会に提出した。この際、政府・与党は、国民に分かりやすく説明すべきだろう。これまでの、国会等で水面上の議論を避け、すべて水面下で押し進めるというやり方は改めるべきだろう。世界の動向ともかけ離れ、将来世代へ責任を押し付けるという政策の選択はもはやないはずだ。
『「原発ゼロ法案」提出 立憲など4党 希望、民進両党は同調せず』 毎日新聞3月10日付朝刊はこう報じている。立憲民主、共産、自由、社民の4党は9日、「原発ゼロ基本法案」を共同提出した。法施行後5年以内に全原発の廃炉を決めることが柱という。
『新燃岳 爆発的噴火 噴煙4500㍍ 警戒4㌔に拡大』 毎日新聞3月10日付夕刊はこう報じている。 噴火活動が続く宮崎、鹿児島県境の霧島連山・新燃岳(1421㍍)で10日午前1時54分、爆発的噴火があった。噴煙は一連の噴火で最も高い約4500㍍に達し、大きな噴石が約1.8㌔まで飛散した。午前4時27分にも爆発的噴火があり、気象庁は火山活動がさらに活発化する恐れがあるとして、警戒範囲を火口周辺のおおむね3㌔から4㌔に拡大した。噴火警戒レベルは3(入山規制)を継続している。午前1時54分の爆発的噴火では、約50㌔離れた鹿児島市中心部でも体に感じる程度の空気の振動「空振」があった。噴煙の中での放電現象「火山雷」も観測された。新燃岳の山体が隆起する傾斜変動も見られており、火口直下のマグマの蓄積速度や量が増加している恐れがある。また、火口の北西側で9日に確認された溶岩流は非常にゆっくりとした速度で10日も続いている。鹿児島、宮崎両県によると、けが人や建物被害は確認されていない。4㌔圏に人家はなく、最も近い居住地域は鹿児島県霧島市の5㌔圏の2地域という。警戒範囲拡大を受け、鹿児島県は10日、災害警戒本部を設置したという。気象庁は大きな噴石が火口からおおむね4㌔、火砕流が2㌔まで達する可能性があるとしている。風下側での小さな噴石や火山ガス、空振によるガラスの破損などにも警戒を呼び掛けている。今月1日の噴火以降、新燃岳での爆発的噴火は9日までに計95回観測されていた。より小規模の噴火も頻発している。比較的大きな地震の頻発、山体中央部の膨張、微動の発生、多量のSO2ガス放出量等を考慮すると、地表近くに多量のマグマが蓄積されている可能性があり、連続的な噴煙が長時間停止するとさらに大きな爆発的噴火となる可能性がある。総合的な観測から判断する必要がある。また、霧島硫黄山の噴気活動も再び活発になっており、火口周辺だけでなく、火山体を広域的に、注意を払う必要があろう。
『新燃岳で溶岩流確認 火口内にも変化、噴煙3200m』 毎日新聞3月10日付朝刊はこう報じている。活発な噴火活動が続く宮崎と鹿児島県境の霧島連山・新燃岳(1421㍍)で9日、火口北西側から溶岩が流れ出た。火砕流は確認されていない。午後4時ごろには2日ぶりに爆発的噴火があり、噴煙の高さは3200㍍まで上昇。大きな噴石が火口から約800㍍先まで飛んだ。気象庁によると、9日午前10時10分ごろ、溶岩が火口北西から流れ出ているのが確認された。同庁は9日、連続噴火が同日午前1時45分に停止したと発表したが、活発な火山活動は続き、火口内にたまった溶岩があふれ出たと見られている。国土地理院は9日、衛星写真の解析の結果、火口内の地形変化が7日の直径約550㍍から約650㍍に拡大したという。専門家は、地形変化を溶岩ドームと分析している。 さらに10日今日のNHKテレビも引き続く噴火を放映しているが、10日午前2時前には、今回の一連の噴火活動の中で、最大の爆発的噴火が発生し、噴煙高さは4500㍍に達し、また大きな噴石が火口から1.8㌔まで飛散していることを報じている。10日午前9時過ぎ現在、気象庁の火山カメラは、頻繁な爆発的噴火を映し出している。噴煙高さの増加、噴石飛距離の伸び、火口内堆積のマグマ(溶岩ドーム形成)の増加、火口外へのマグマの流出、山体膨張等を考慮すると、今後さらに噴火活動が強まる可能性がある。噴火警戒レベルは依然とレベル3(入山規制)が維持されているが、一歩進んで、レベル4(避難準備)になる可能性もあり、引き続く観測の強化が必要だろう。
『環境省、炭素税報告書案を了承』 毎日新聞3月10日付朝刊はこう報じている。 地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)排出に課金し、企業の排出削減を促す「カーボンプライシング」について、環境省の有識者による検討会は9日、導入を促す報告書案を大筋で了承したという。今春以降、政府が本格的に検討する、2050年の温室効果ガス排出大幅削減に向けた「長期戦略」の策定にも影響しそうだという(⇒当然反映すべきだろう)。報告書案では、50年に80%の排出削減を目指す日本の目標達成について「現行施策の延長上では極めて難しい」と指摘。世界経済が脱炭素化に向かう中、日本が「潮流に乗り遅れるのではないか」と懸念を示している。その上で、「炭素税単独、または排出量取引との組み合わせを検討すべきだ」と提案している。国内排出の4割を占める電力部門での対策が急務だと名指ししたという(⇒当然である)。
『新燃岳に溶岩ドーム 専門家「火砕流の恐れも」』 毎日新聞3月8日付夕刊はこう報じている。 国土地理院は7日、爆発的噴火が続いている宮崎・鹿児島県境の霧島連山・新燃岳(1421㍍)の火口の内側に、円形に盛り上がった直径約500㍍の地形変化を確認したと発表したという。専門家は、噴火による新たな溶岩でできた「溶岩ドーム」としている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星「だいち2号」のレーダー画像を基に分析。国土地理院によると、昨年10月末にはなかった盛り上がりを確認し、3月6日には直径約450㍍、7日には同約550㍍に拡大していた。中田節也・東京大教授(火山地質学)は、火口の内側に地下から出てきたマグマが厚みを持って固まった溶岩ドームができたと指摘。既に2011年の噴火で出た溶岩で火口が浅くなっており「溶岩があふれて流れ出すと、火砕流を引き起こす可能性がある」としている。今後も、地下からマグマが供給されると(大量のSO2ガスの放出が観測されていることも、その可能性を示していると言える)、爆発的噴火だけでなく(噴石への対策が必要)、火砕流にも注意を払う必要が出てきそうだ。引き続く観測が必要である。
『活発な噴火活動続く 新燃岳 噴煙一時3000㍍』 毎日新聞3月7日付夕刊はこう報じている。 宮崎と鹿児島県境の霧島連山・新燃岳では7日も活発な噴火活動が続き、同日朝までに計29回の爆発的噴火が観測された。噴煙の高さも一時、約3000㍍まで上がった。気象庁は噴火警戒レベル3(入山規制)を維持し、火口から約3㌔の範囲で大きな噴石などへの警戒を呼び掛けている。気象庁によると、爆発的噴火は6日に18回、7日は午前9時までに11回観測された。同日午前0時ごろに、50㌢㍍以上の大きな噴石が火口から約900㍍先まで飛散したほか、午前6時過ぎには噴煙の高さが一時約3000㍍まで上がった。火口には盛り上がった溶岩が確認されている。気象庁は、火口から約3㌔の範囲に大きな噴石が、約2㌔の範囲に火砕流が達する恐れがあるとして警戒を呼び掛けている。また、風下では小さな噴石が風に乗って遠くまで飛ぶ可能性があり、降灰で車がスリップする恐れもある。同庁は「飛散する小さな噴石や車の運転に十分気を付けてほしい」と呼びか掛けている。昨日・今日の爆発的噴火を見ていると、しばらくは活動が継続するであろう。
『新燃岳で爆発的噴火 7年ぶり 気象庁 火砕流警戒呼びか掛けけ』 毎日新聞3月7日付朝刊はこう報じている。 6日午後2時半ごろ、宮崎と鹿児島県境の霧島連山・新燃岳で爆発的噴火が起き、噴煙は一時2300㍍まで上がったという(その後の噴火で3000mに達したようだ)。新燃岳の爆発的噴火は2011年3月以来7年ぶり。気象庁によると、爆発的噴火は少なくとも4回あり、宮崎、鹿児島両県の広範囲で降灰が確認されている。同庁は、噴火警戒レベル3(入山規制)を継続し、火口から約3㌔の範囲で大きな噴石が、約2㌔の範囲で火砕流が達する恐れがあるとして警戒を呼び掛けている。6日午後6時現在、火口外で大きな噴石などは確認されておらず、けが人などの被害も確認されていない。新燃岳は5日夜から火山性微動や噴煙量が増加。6日朝から空振を伴う振幅の大きい地震も観測されたという。爆発的噴火は午後2時半ごろから繰り返し起き、午後2時45分ごろに噴煙は一時高さ約2300㍍まで上がったという。上空から確認したところ、火口内に溶岩が確認された。降灰の影響で、鹿児島空港発着の78便は6日欠航したという。7日も一部で欠航するという。気象庁の火山ライブカメラを見ると明るくなっても噴煙噴出部あるいは雲が赤くなっており(火映現象か)、マグマが地表まで到達していることを示している。噴煙が連続的に噴出している限り、マグマ内の圧力が急激に上がることはなく、噴煙噴出が休止するとむしろ要警戒である。山体膨張、地震活動等と総合的に判断することで一定の判断ができるだろう。
本日3月6日霧島連山新燃岳火口から大きな爆発的噴火があったようだ。噴煙高さは最大3000m程度、火口内の複数の箇所から爆発が発生している模様である。また、溶岩も流出しているようである。気象庁のライブカメラでも現在噴火が続いているのが観察できる。霧島連山では、最近、新燃岳だけでなく硫黄山でも噴煙活動が活発化していた。今後の活動予測は難しいがさらに大きな噴火の可能性も否定できず、注意深い観測が求められるだろう。
『回転するドーナツ 4700万光年先 超巨大ブラックホール周辺』 毎日新聞3月6日付夕刊はこう報じている。 地球から4700万光年離れた渦巻き銀河の中心で、超巨大ブラックホールの周囲をガスがドーナツ状に取り巻いて回転している様子を観測したと、国立天文台などのチームが米天文学誌アストロフィジカル・ジャーナル・レターズに発表したという(記事には2枚のカラー写真が添えられている。鮮明な回転するドーナツが示されている)。超巨大ブラックホールが銀河に与える影響の解明が期待されるという。超巨大ブラックホールは、質量が太陽の数10万~数億倍のブラックホールで、ほぼすべての銀河の中心にあると考えられている。超巨大ブラックホールに向かって落ち込んでくる物質の影響でブラックホールの周囲からは高速ガスなどが噴出されて銀河の進化に影響を与えるとされるが、実態は分かっていないという。チームは、南米にあるアルマ電波望遠鏡を使い、くじら座の方向にあるM77銀河中心のブラックホール(太陽の約1000万倍の質量)の周辺を観測し、物質を飲み込んで成長しているブラックホールを取り巻くドーナツ状のガス雲を確認したものである。半径は約20光年で、回転していたという。2月下旬以来、本欄でも紹介してきたが、たて続けに、天文学で大きな発見が続いている。これは偶然であるのか、あるいは天文学が飛躍的に成長を続けていることの一断面なのか。
『日本の海 CO2削減に貢献 干潟・藻場など 年間173万㌧吸収』 毎日新聞3月6日付朝刊はこう報じている。 沿岸の藻場やマングローブ林など日本の海の生態系が、年間173万㌧もの二酸化炭素(CO2)を吸収しているとの初の試算を、大学や国の研究機関で作る研究会がまとめたという。海の生き物を育む「ゆりかご」として知られる藻場などが、温室効果ガスであるCO2を大量に取り込んでいることから、研究会は「地球温暖化対策の上でも重要」と指摘している。研究会は国内外の既存の研究論文を元に、国内の藻場やマングローブ林、干潟の面積とそれぞれのCO2吸収量を計算した。その結果、2013年時点で総面積は29万㌶あり、年間173万㌧を吸収していると試算した。一方で、国内の藻場は水質悪化や埋め立てなどで急速に減っている。研究会座長の佐々木淳・東京大教授は「試算をきっかけに藻場の保全・再生を進めてほしい」と話しているという。日本の年間CO2排出量10億トンに比べれば小さいが、このような小さなものでも積み上げていく必要があろう。また、生物多様性の観点から、藻場あるいは干潟の維持は特に必要なことだろう。
『最初の恒星 136億年前に誕生』 毎日新聞3月5日付夕刊はこう報じている。 宇宙誕生から約2億年の136億年前までに最初の恒星が生まれた証拠を捉えたと、米国などの国際チームが英科学誌ネイチャー誌に発表したという。宇宙から届くかすかな電波を観測、分析した結果。宇宙の初期段階の解明に一歩前進する成果としているという。太陽のように自ら光り輝く恒星が、初めて生まれたのがいつかは謎だった。チームは最初の恒星が放った非常に弱い光を直接捉えるのではなく、宇宙に広く放射されている電波から間接的に探る方法を採用。オーストラリアの電波天文台に設置した特殊な装置で観測したという。捉えた電波を詳細に分析したところ、宇宙誕生から1億8000万年たった時期に、宇宙空間を漂っていた水素ガスの性質に変化があったことを示す痕跡を見つけたという。水素原子が紫外線を浴びると起こる変化と見られ、チームは紫外線を放出するような最初の恒星がこの時期までに生まれたと結論付けたという。宇宙生成から2億年という”短い”時間で最初の恒星が生まれたということか。
『各地でぽかぽか 今年最高 都心で21.2℃』 毎日新聞3月5日付朝刊はこう報じている。 日本列島は4日、高気圧で覆われ、全国的に日中の気温が今年最高となった。東日本は3月下旬から6月中旬並みの陽気になった。気象庁によると、宮城県名取市で3月の観測史上最高となる21.3℃を記録。福島県浪江町は6月中旬並みの22.3℃だった。また、東京都心は21.2℃。静岡市22.0℃、前橋市20.5℃、長野市20.2℃など、各地で今年最高となった。東京・銀座では暖かい日差しの下、家族連れが春らしいコートを羽織ったり、半袖のTシャツになったりして散策を楽しんでいたという。なお、当研究所(埼玉県狭山市)は2012年5月8日から所内で1m深地温の連続観測を行っているが、今日3月5日、10.00℃の今季最高地温を記録した(なお、今季最低は1月31日の7.64℃)。ちなみに最寄りの気象庁観測点(所沢)での最高気温は20.0℃であった。季節は確実に変わりつつある。
『地熱発電 粘りの14年』 毎日新聞3月3日付朝刊は、「変革」欄(伊藤忠商事 3)でこう紹介している。やや長いが興味深い内容なので以下に紹介したい。 『インドネシア・スマトラ島北部のサルーラ地区に位置する世界最大級の地熱発電所。5月に3号機が稼働し、当初の建設計画(⇒110MWx3)を完了する。総事業費は約1700億円。伊藤忠商事が入札に参加してから14年の歳月を費やした。「本当にここに巨大な発電施設が建つのだろうか」。2006年に初めて建設予定地に足を踏み入れた電力事業プロジェクトアジアチーム長の中野久雄(50)は、現実感がわかずに戸惑った。首都ジャカルタから飛行機と車を乗り継いで約10時間。密林に囲まれた平地に田んぼが広がっている。「搬入道路の建設から始めなければ」。あぜ道を歩きながら、漠然とした思いを巡らせた。高い高度成長が続くインドネシアにとって、電源の確保は国家的な課題だ。伊藤忠は九州電力などとともに事業に参画。発電事業に本格的に乗り出す試金石となる案件だった。07年に契約し、当初は12年の完成を目指したが、壁が立ちはだかった。最大の誤算は資材価格の高騰などで当初の計画では資金が足りなくなり、電気を30年間買い取ってもらう国営の電力会社や、地熱の権益を持つ国営石油会社、インドネシア政府との間で契約見直し交渉を迫られたことだ。電力会社への売電価格の引き上げについては10年に合意したが、金融機関から融資を引き出すために、非常事態が生じた際などのリスクをどのように分け合うのかを明確にする交渉は困難を極めた。中野が金融危機など想定されるリスクを挙げると「そんなこと起きるわけがない」「我々を信用していないのか」と激しい反発を受けた。11年からはジャカルタに駐在し、交渉を積み重ねたが進展はみられず、「いつ打ち切られてもおかしくない」という綱渡りの状況が続いた。しかし、粘り強く交渉を続けるうちに、担当者同士で「前線を挟んだ戦友のような意識」(中野)が芽生え始めた。互いの上層部を説得できるよう知恵を絞り合い、交渉終盤では観光地のホテルに丸一日缶詰になって政府幹部らと話し合うなどして、13年に契約をまとめ上げた。すでに見切り発車で土地の買収や道路の建設に着手しており、急ピッチで発電所の建設工事を進め、16年11月に1号機の稼働にこぎつけた。中央制御室で発電に成功したことを示すメーターの動きを見て、中野は仲間たちと「ウオー」と声を上げて、喜びを分かち合った。「皆がハッピーになれる案件という確信があったから頑張ることができた」。停電が頻発していた地元には一般家庭200万世帯分の電気が供給され、伊藤忠はこの事業を皮切りに発電事業を拡大していった。』 地熱発電を進める上で、技術的な資源量評価とは異なる課題が大きく存在すること、特に外国での事業は想像を超える苦労があることがわかる。投げ出すのは簡単だが、長期間にわたり、粘り強く進めることができたのは中野氏の指導力と共に、心通う仲間(交渉相手を含めて)の存在だろう。国内の地熱開発においても参考にできるのではないか。
『北極「一番暑い冬」 米大まとめ「地球温暖化影響」』 毎日新聞3月2日付夕刊はこう報じている。太陽がまったく昇らない冬の北極で、異常気象により平均気温が例年より20℃以上高くなり、2月としては観測史上最も「暑く」なったとの分析を米カリフォルニア大の研究者がまとめた。地球温暖化で海氷が十分に大きくならず、海面から熱が放出されたことが影響したと見ている。米紙ワシントンポストが2日までに報じたという。米メーン大の分析では、25日には0℃を超えて2℃近くまで上昇し、例年と比べ30℃以上高くなったと見られる。これまでの記録では、北極の冬の12~3月で最も高かったのは2015年12月の2.2℃だという。同紙によると、グリーンランドを経由して北極に強く暖かい風が流れ込んでいるほか、風で海氷が押し流され、海が蓄えていた熱が氷の間から放出されて高温につながっている。米国立雪氷データセンターは、今年1月の北極海の海氷面積は、この時期としては過去最小を更新したと公表しているという。極域は、地球温暖化の影響が出やすいと言われるが、これも一例だろう。
『「春一番」は1日でした』 毎日新聞3月2日付夕刊はこう報じている。気象庁は2日、関東地方で1日に「春一番」が吹いたと発表した。昨年より12日遅い。日本海の低気圧が発達しながら北東へ進むなどした影響で、南から暖かい風が吹き込み、気温が上昇した。気象庁によると、1日の各地の最大瞬間風速は、東京都心15.7㍍、千葉市21.5㍍、横浜市20.6㍍で、関東南部を中心に強い風が吹いた。東京都心の最高気温は20.3℃だった。いろいろな気象現象が地球温暖化に伴い、早めに現れることがあるが、「春一番」は例年より遅かったようだ。当研究所で2012年5月8日以来観測を続けている1m深地温も今年は例年になく、低温傾向を示しているが、関係があるのだろうか。
『新燃岳で小規模噴火 噴石など警戒呼びかけ』 気象庁は1日、宮崎と鹿児島県境の霧島連山・新燃岳(1421m)でごく小規模な噴火が起きたと発表した。新燃岳の噴火は2017年10月17日以来。噴火警戒レベルは3(入山規制)を継続するという。気象庁は警戒範囲を火口周辺2㌔から3㌔に拡大し、大きな噴石などへの警戒を呼び掛けている。気象庁によると、午後5時過ぎ、火口から上がる噴煙を確認したという。なお、気象庁の火山カメラ(ライブ)は3月2日午前9時現在、新燃岳からの噴煙を捉えている。また霧島硫黄山からの噴煙も一時より減少しているが継続している。
『関東各地で20度超える 4月並み暖かさ』 毎日新聞3月2日付朝刊はこう報じている。日本海を通過した低気圧に南から暖かい空気が流れ込んだ影響で、関東地方は1日、各地で最高気温が20度を超えるなど4月上旬から下旬並みの暖かさとなった。気象庁によると、関東地方は1日朝まで雨が降ったが、低気圧の通過後は晴れ、日中は気温が上がった。各地の最高気温は、羽田空港22.2℃、茨城県つくば市20.9℃、横浜市20,8℃、東京都心20.3℃などである。当研究所(埼玉県狭山市)は所内で1m深地温の連続観測を2012年5月8日以降継続しているが、1m深地温も2月28日から3月2日までに0.45℃の急激な上昇を示している(9.03℃~9.48℃)。なお、最寄の気象観測点(埼玉県所沢市)での1日の最高気温は19.7℃であった。季節は「雨水」から急速に「啓蟄」に変わりつつある。さらに「春分」に向かう。
『列島に強風 気温は上昇』 毎日新聞3月1日付夕刊はこう報じている。 急速に発達した低気圧の影響で、日本列島は1日、西からの風が強まり、春の嵐になった。南からの暖気で気温が上昇し、朝の最低気温は4月並みの暖かさとなった。一方、北海道と東北は冬型の気圧配置が強まり、特に北海道では見通しの全く利かない猛吹雪になる恐れがある。気象庁によると、前線を伴った低気圧が日本海を東北東に進み、前線が通過した地域で強風が吹いた。関東から九州の広い範囲で、3月としてこれまでで最も強い最大瞬間風速を記録したという。これも異常気象の一つの表れか。
『「暗黒物質(ダークマター)見える化」 宇宙の進化 解明手がかりに 東大(及び国立天文台)が分布図』 毎日新聞2月28日付夕刊はこう報じている。 宇宙に大量にあることは確かだが、見えないために正体不明とされている「暗黒物質(ダークマター)」について、広範囲の三次元地図を初めて作成したと、国立天文台や東京大のチームが27日、発表したという。暗黒物質は銀河の形成などに重要な役割を果たしていると考えられ、分布図は宇宙進化の謎を解く手がかりになるという。暗黒物質には質量があるため、そのものの重力で集まる一方、他の物質を引き付けて星や銀河の形成に関わる。現在も続いている宇宙の膨張の速度にも影響していると考えられている。目には見えないが、遠くの銀河の光がそばを通るとき、重力の影響で曲がるため存在がわかる。チームはこの現象を利用し、すばる望遠鏡(米国ハワイ島)の超広視野カメラで撮影したデータを解析し、分布図を作成した。みずがめ座方向では範囲は縦2.5億光年、横10億光年、奥行き67億光年で、その他の方向もすべて合わせると地球からの見た目の範囲は満月約800個分という。そこに、それぞれ太陽の5000兆倍以上の質量の暗黒物質の塊が65個あったという。宇宙の成り立ちを説明する理論で、これまで想定されていた数より少なかったという(⇒さらに未知なる物質があるということか?)。チームの宮崎聡・国立天文台准教授(天文学)は「宇宙の進化にどう影響するか研究を進めたい」と話しているという。
『アブダビ油田 権益延長 40年間 国際帝石 比率10%に低下』 毎日新聞2月27日付朝刊はこう報じている。国際石油開発帝石(INPEX)は26日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ首長国に保有する海上油田の権益が40年間延長になったと発表したという。激しい争奪戦を繰り広げたインド企業3社が参画した影響で、権益比率は12%から10%に下がった。他の一部油田の権益は失効する。ただ維持する油田の増産により、2020年代半ばには全体で現在の水準を上回る量の原油を引き取れるようにする計画だという。UAEはサウジアラビアに次ぐ日本の原油輸入元で、全体量の4分の1を占める。特にアブダビは日本勢が世界に保有する油田権益の約4割が集中するという。権益が延長されるのは「下部ザクム油田」で、生産目標は日量45万バレル。今年3月8日に迎える権限期限を58年3月8日まで延長する契約をアブダビ国営石油会社などと締結した。既に25年間の権益延長で基本合意していた「ウムアダルク」と「サター」の2油田も正式契約したという。更新に対しアブダビ側に約8億5000万ドル(約900億円)の報酬を支払う取り決めだという。一方、海上の「ウムシャイフ」など3油田の権益は3月8日に失効するが、日本側は、更新対象で最大規模の下部ザクム油田を最優先に交渉してきたという。世耕弘成経産相は26日、記者団に「厳しい競争の中で獲得した。満足しているし高く評価している」と述べたという。国際帝石はアブダビで、海上の「上部ザクム油田」や日量180万バレルまで増産を目指す陸上油田群の権益を保有するという。引き取っている原油量はアブダビ全体で現在25万バレル程度だが、20年代半ばに28万バレル程度まで増やす計画だという。東京都内で記者会見した国際帝石の藤井洋常務執行役員は「資源外交が評価された。大変意義がある」と話したという。国際競争の中で、権益を維持していく交渉は相当タフなものだろう。まずは、めでたいと言えよう。これで21世紀半ばまで、原油の安定供給が保障されたことになる(日本の原油輸入量の約4分の1)。ただし、今後、自動車のEV化が急速に進展していく中、長期的にどのように権益を確保していくか、大きな戦略がもとめられるだろう。
『外国人避難に課題 本白根(もとしらね)噴火1カ月 予算限られ 住民優先』 毎日新聞2月24日付夕刊はこう報じている。 1月に起きた草津白根山の本白根山(群馬県草津町、2171㍍)の噴火では、訪日外国人向けの避難対策の必要性が浮き彫りになったという。現地では対策を講じる動きもあるが、予算不足や風評被害への懸念もあり、関係者は苦慮しているという。 噴火から1カ月たった23日、12人が死傷した草津国際スキー場では噴火前と変わらず、観光客がスキーやそりを楽しんだという。人出が約6割まで戻る中、外国人の姿も目についたという。日本を代表する温泉とスキー場がセットで楽しめるとして、町に宿泊した外国人客は2017年で4万6690人。5年前から4倍以上増加したという。噴火当日も、現場に取り残されたスキー客約80人のうち、4分の1が台湾や英国からの外国人だったという。大きな混乱はなく全員が救助されたが、外国人向けの情報伝達の備えがなかったことから、「草津スキースクール」は避難を促す文言を記したカードを英語など5カ国語で用意し、スタッフが常に携帯するようになったという。ただ、町の防災計画には地震や噴火に不慣れな外国人対策の具体的な記述がなく、防災無線や防災マップなどは日本語に限られている。北海道観光振興機構のように、外国人客が取りがちな反応などをまとめた「初動対応マニュアル」(3カ国語)を作るなど、本格的に取り組む地域もある。草津町の担当者は「必要性は認識しているが、コストと時間がかかる。限られた予算では住民優先とならざるを得ない」と打ち明ける。他地域のスキー場関係者は「真面目に対策をやると、『危険』というイメージが先行して客が逃げてしまう可能性もある」と心配するという。防災学習に詳しい静岡大の藤井基貴准教授(教育学)は「コストに上限のある行政に頼りきりでは限界がある。まずは地域住民が主体となって、外国人観光客を含めた災害時の対応を考え、防災を習慣化する土壌作りが必要だ」と指摘している。個々の市町村が準備するのは、ノウハウあるいは資金面から、困難と考えられる。そこで、全国組織の関係団体が、共通の災害時の心得等を記したパンフレットを作り(たとえば、英語、中国語、韓国語等と日本語)、全国の関係自治体に配布、各市町村は自らの守備範囲のマップに観光見どころに加え、火山・温泉、避難所等の位置および防災心得(内容は箇条書きで簡潔に。現行の火山ハザードマップの大幅な簡略版でよい)等を記した、観光・安全マップ(「防災」ではなく、「安全」とすることに意味がある。上述のスキー場関係者の不安にも対応できるのではないか)等を日本人を含めた観光客・登山者に配布することが重要だろう。登山入口では入山者の記名を義務付けるとともに、これらの資料を配布するようにしてはどうか。このようなものであれば、観光庁や都道府県の観光部署あるいは防災部署から支援が得られるのではないか。日本人、外国人に関わらず、広く有用になるのではないか。地域ごとに創意工夫が望まれる。
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