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毎日新聞11月4日付夕刊によると、温暖化防止パリ協定が発効したことを報じている。先進国と発展途上国を合わせた190カ国以上が参加し、国際協力で温室効果ガス削減を進める地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」が4日発効した。国連の気候変動枠組み条約事務局が同日発表したという。7日からモロッコでCOP22が開催され、協定の実施ルールの議論が予定されている第1回締約国会議(CMA1)が開催される予定であるが、繰り返し本欄でも紹介しているように、批准が遅れた日本は議決権がないオブザーバー参加しか認められない。従って、日本の存在感低下が避けられない状況になっている。日本は、国会審議入りが遅れ、また、環太平洋パートナーシップ(TPP)を巡る与野党攻防のあおりで(最後は、TPP担当の山本農林水産大臣が、極めて低レベルの発言を繰り返し、国会審議が紛糾し、致命的な遅れとなった)日程調整が難航したというが完全に国際情勢を読み誤ったと言える。
毎日新聞11月4日付朝刊によると、「パリ協定 日本見誤る」 との大きな見出しのもと、京都議定書に代わる2020年以降の地球温暖化の国際枠組み「パリ協定」が米東部時間4日午前0時(日本時間同午後1時)に発効すると報じている。中国や米国などの温室効果ガスの主要排出国が次々と批准して早期発効を後押ししたのと対照的に、日本は出遅れ、発効日の4日にようやく批准(まだ、批准していない)にこぎつける見通しという。規定の10月19日までに批准ができなかったため、日本はCOP22に合わせて開かれるパリ協定の第1回締約国会議(CMA1)で、議決権を持たないオブザーバーとしてしか参加できないことになった。「各国の温室効果ガス削減目標をどのように検証していくか」といったパリ協定の具体的なルール作りが議論されるが、最終的にルールを採択するのは、COP22ではなく、CMA1の方であることを考えれば、残念ながら、わが国の発言権は大幅に小さくなったと考えるべきと思われる。このような状況に及んでも、環境省幹部は「すでに批准したと国とまだの国を分けず、すべての国を巻き込んで議論する必要があるという認識では各国は一致している」というような、楽観視したぴんとはずれのことを言っている。この国際的センスのなさはいったい何を示しているのだろうか。もし前述の環境省幹部の発言が環境省を代表するものならば救われないというべきであろう。このような状況の中で、わが国がなすべきことは、温室効果ガス排出量を削減する中で、確実に再生可能エネルギーを増加させていくこと、地熱発電で言えば、2030年に累積150万kWという国の目標を確実に実現していくことである。関係者の尽力を一層期待したい。
「パリ協定」国内批准追記。毎日新聞11月2日付朝刊によると、自民・民進両党は1日、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の承認案に関し、衆院外務委員会で2日に採決し、衆院本会議では4日に採決する日程で合意したという。参院本会議では既に全会一致で可決されており、4日承認されることになったものである。「パリ協定」は米国や欧州各国、中国、インドなどの主要排出国がすでに批准し、わが国の批准とは無関係に、4日に発効する。政府は7日からモロッコで始まる気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)までに批准を済ませたいとの考え。ただ、会議の期間中に開催される「パリ協定」の第1回締約国会議には正式メンバーとして参加できないことが決まっており、出遅れが鮮明となっている。「パリ協定」は温暖化による深刻な被害を避けるため、産業革命前からの気温上昇を2℃未満、できれば1.5℃に下げるとの目標を掲げており、このためには今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることが必要で、参加する日本も厳しい排出削減が求められる状況にある。このような中で、国際的な動きに完全に後れを取ったわが国は、どのような主張をし、世界をリードできるか注目したい。
11月2日 パリ協定発効にあたって自然エネルギー財団からコメントが出ています。詳細は、自然エネルギー財団HPまで。
「パリ協定」批准承認案参院通過 と毎日新聞10月29日付朝刊が報じている。やっと動き出したかという感じである。記事によると、参院は28日の本会議で、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の批准承認案を全会一致で可決した。衆院に送られて同日午後審議入りしたが、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を巡る与野党の駆け引きが続いており、批准手続きが遅れる可能性がある。パリ協定は米国や欧州各国、中国、インドなどが批准し、日本は出遅れた。政府は11月7日からモロッコで始まる気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)までの批准を目指す という。パリ協定のような、国内で党派的な対立がアなく、国際的に早期批准が求められているような課題に関しては、参院が優先的に審議するとともに、国際的に対応できないものか。それこそ、参院の独自性が発揮できるとともに、二院制の本来の機能が回復されるものと考えられる。今回のような国際的不始末を再び起こさないためにも、衆院で批准後、国会で何らかの対応策が議論されることを期待したい。
9月初旬以降、本欄では、繰り返し「パリ協定」の国内批准の遅れについて紹介してきたが、毎日新聞10月28日付夕刊は、地球温暖化対策の新しい国際的枠組み「パリ協定」が11月4日に発効する中、日本の批准はまだもたついていることを報じている。11月7日には批准国が協定の運用ルールを議論する「パリ協定第1回締約国会議(CMA1)」がモロッコで開催される。ところが、批准国としての権利が得られるのは批准の30日後であり、日本が今から最速で批准したとしても、オブザーバー参加しかできないことになる。また、CMA1自体が閉幕してしまう可能性もある。このような状況の中、環境省国際地球温暖化対策室は「パリ協定の運用ルール作りは今後2年程度かけて話し合う。CMA1には間に合わないが、批准後は議論に参加できるので大きな影響はない」と、この期に及んでも強調しているようだが、各国の批准の加速的進行についていけず、完全に出遅れた、「国際的センスのなさ」はあきれるばかりである。かりに日本が発言しても重要視されることはないだろう。このような失態に対してどのように責任を取るのだろうか。今後の推移を見守りたい。
パリ協定国内批准についての続報 毎日新聞10月18日付朝刊によると、経団連が環境相と会合を開き、地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」に関し、早期批准が急務だとの認識で一致したという。国際的センスの無い政府に対して、ごうを煮やした財界が一歩踏み込んだものと言える。しかし、このこと自体は歓迎すべきであるが(政府より、財界の方が国際感覚があること)、財界の思惑は全く別にあり、国内的にも国際的にも非難に値する。環境相との意見交換で、経団連側からは「(温室効果ガスの排出量の少ない)原子力発電で、安全性を確保できたものは再稼働すべきだ」、「再生可能エネルギーは不安定性が高い。蓄電池の研究開発が大事だ」などの意見が出たという。なんと懲りない面々なのだろうか。あのような大事故が全く経験として生かされていない。原子力発電に関しては、少なくとも、福島が完全に事故前に戻った段階で始めて、謙虚に議論を始めるべきである。最近の鹿児島県知事選、新潟県知事選により国民の意見は明確になりつつある。福島県では、発災後6年近くになっても、県面積の5%程度が避難指示区域になっており、また、避難者数が県民の5%程度あることを強く認識すべきである。歴史の評価に耐えられる行動を政府・財界に要望したい。
10月15日 毎日新聞15日付夕刊によると、フロン類を規制する「モントリオール議定書」の締約国会合は15日、議定書を改訂し、地球温暖化につながる温室効果が強力な代替フロン「ハイドロフルオロカーボン(HFC)」の生産規制に乗り出すことで大筋合意したという。日本を含む先進国は、2036年度までに11~13年の年平均に比べ85%削減することになるという。途上国に対しては、先進国に比べ、削減目標(時期・量)に猶予を設けている。それは、HFCに代わる物質の開発と普及に時間がかかるため。HFCは、太陽からの有害な紫外線を吸収する上空10~50kmにあるオゾン層を破壊しないが、二酸化炭素の100~1万倍以上もの温室効果がある。00年以降にオゾン層を破壊するフロンからの切り替えが進み、冷蔵庫やエアコンなどの冷媒に使われている(なお、近年、実際に南極上空のオゾン層の回復が観測されている)。日本での排出量は14年度が3580万トンで、10年前の約3倍に増えているという。なお、環境省は、温室効果の低いフロン類の使用や、アンモニアなどの別の冷媒を使うことなどを製造業者に求めており、また、HFCの代わりとなる冷媒の開発にも補助金を拠出するという。そしてさらに法改正を含めて対応を検討するという。なお、「モントリオール議定書」とは1987年に採択され、オゾン層を破壊する物質の生産・使用量の段階的削減を先進国と途上国の両方に義務付けている。オゾン層を破壊しないことからHFCは規制対象外であったが、途上国でも利用が急増しているため、2015年から世界全体での生産・消費規制を目指して締約国会合などで議論が続いていたものである。
引き続き、「パリ協定」批准に関連して。毎日新聞10月11日付夕刊によると、政府は11日、地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」の批准案を閣議決定したという。今国会での承認を目指すが、11月7日から始まる国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)に「パリ協定」の締約国として参加するには会議終了後30日前の10月19日までに批准の手続きを終えなければならず、間に合わせるのは難しい情勢にある。政府は、今国会で、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の承認案や関連法案を衆議院で審議する間、「パリ協定」の審議を参議院で先に進める方針であるというが、TPPの審議が難航すれば批准が遅れる可能性もあるという。11月4日の「パリ協定」の発効にも間に合わない可能性があり、従って、COP22での日本の交渉力の低下が避けられない事態となっている。「パリ協定」を巡っては、9月に温室効果ガス排出量で世界1,2位を占める中国と米国が同時に批准し、それに続き、インドや欧州連合(EU)も手続きを加速させた。批准国は11日現在で74カ国。日本は世界の総排出量の3.8%を占める主要排出国だが、7.5%のロシアとともに批准の動きが遅れている。山本公一環境相は11日の閣議後の記者会見で「一日も早い締結へ全力を尽くす」と強調する一方、「国会日程についていうことは難しい」と述べるにとどめたという。相変わらず、「国際的センスの無さ」に気が付いていないようである。日本のやる気が世界から疑われても仕方ないだろう。京都会議の時代と比較して隔世の感がある。
10月8日 毎日新聞10月8日付朝刊10面全面で、本年9月16日岩手県八幡平市で開催された「地熱シンポジウム in 八幡平」が紹介されている。同時に、10月8日が「地熱発電の日」として制定されたことも紹介されている。これは、日本最初の商用地熱発電所松川地熱発電所(岩手県八幡平市)が1966年10月8日に運転開始し、このたびめでたく50年目を迎えたことを記念して制定されたものである。同シンポジウムでは、基調講演として「松川地熱発電所運転開始50年を振り返って」が行われ、開発当時、多くの困難を乗り越え、発電所運開までに至った、技術者の苦労あるいは強い信念等が紹介され、さらに今後の50年に向かう決意が語られた。本シンポジウムに関しては、既に一部本欄でも紹介しているが、多くの方がこの新聞記事をご覧になり、地熱への理解を深めて頂けることを期待したい。
10月7日 パリ協定に関する追加情報: 毎日新聞10月7日付朝刊によると、「パリ協定 日本不利 来月4日発効 発言権制約も」との見出しで、解説記事が掲載されているので、それに基づいて紹介する。2020年以降の地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」について、10月5日国連が、11月4日に発効すると発表したことで、批准手続きが済んでいない日本は発効に貢献できないことが確定。政府は10月11日にも批准案を閣議決定し、開会中の臨時国会での承認を急ぐ考えだが、批准国としての権利が得られるのは批准から30日後で、パリ協定の運用ルール作りなどが議論される、国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が始まる11月7日には間に合わない。協定は55か国・地域以上の批准と、批准国・地域の温室効果ガス排出量が世界全体の55%以上になることが発効条件。6日現在は73カ国・地域、排出量は58.8%となり、パリ協定の発効が決まったことで、COP22の期間中に、パリ協定の第1回締約国会議(CMA1)も開かれる。具体的なルール作りは主に、批准国のみが発言権を持つCMA1で議論されると見られているが、批准国としての権利を持たない国はオブザーバーとして参加できるだけで発言できない(⇒当然であろう)。日本は批准手続きが間に合わず、発言権を得られない可能性が濃厚(⇒もしそうなったら、政府の責任は極めて大きい)。日本は途上国に省エネ技術を提供する代わりに、途上国が削減した温室効果ガスの一部を自国の削減分に算入できる「2国間クレジット制度(JCM)」など独自の仕組みを提案したい考えだが、交渉で不利になるのは明らか。環境保護団体・WWFジャパンの小西雅子プロジェクトリーダーは「日本に有利な設定ができなくなる恐れがある」と指摘している。日本に有利な設定ができるかどうかはともかく、いずれにしても、国際的センスのない、わが国政府の責任は大きい。日本の批准抜きで、パリ協定が発効してしまったことのツケは大きいであろう。
10月6日 最近10日間にわたって、本欄でもほぼ連日、「パリ協定」批准に関する件を扱ってきたのであるが、現時点で確定的になったことを、毎日新聞10月6日付夕刊が報じており、これに基づいてやや詳しく紹介する。2020年以降の地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」について、欧州連合(EU)と、フランスやドイツなど加盟国7か国は5日、国連当局に批准書を提出したという。国連気変動枠組み条約(UNFCCC)事務局によれば、5日時点で、批准したのは73か国・地域(56.9%)、温室効果ガスの排出量ベースで世界全体の55%を超え、協定発効条件を満たしたという。協定は11月4日に発効する(批准後30日以降)。国連のパンギムン事務総長はこれを受け、「協定に署名したすべての国に心から祝意を送る」との声明を発表。「かっては不可能に思えたことだが、今や止まることはなくなった」と協定発効が決まったことに謝意を表明した。5日に批准書を提出したEU加盟国は仏独のほか、ポルトガル、オーストリア、スロバキア、ハンガリー、マルタ。EUは7日に提出するとしていたが、前倒しした。国連事務総長は声明で、批准を済ませていない国(残念ながらわが国も該当している)に対し、11月7~18日にモロッコ・マラケシュで開かれる国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)前のできるだけ早い時期に国内手続きを終えるよう促している。COP22ではパリ協定の具体的なルール作りには協定締結国しか参加できないので、現状のままではわが国は参加できないことになる。そのようなことになれば、今後の国際交渉においてわが国は、発言力が弱まるだけでなく、蚊帳の外におかれかねない。できるだけ早く、国会で承認し、国連に批准書を提出すべきである。
10月6日NHK午前7時のニュースによると、パリ協定批准に関して、5日の段階ですでに世界各国の批准が進み、COP22が開始される11月7日前の11月4日に発効することになったという。日本抜きでパリ協定が実施されることになってしまった。一方、毎日新聞10月6日付朝刊によると、国会でのわが国の承認は11日になる予定という。COP22が開催中に、しかもすでに批准が決まっている中で、わが国では国会で審議中となるということである。政府は、15日にあるCOP22閣僚級会合前に承認を終えて、山本環境相が会合で議論に参加できるように、日程を組み立てているという。いったいこの国際的センスのなさは何だろうか。環境相はその会議でいったい何を発言するというのか。世界の笑いものにならなければよいが。
毎日新聞10月5日付朝刊によると、欧州連合(EU)の欧州議会は、4日フランス・ストラスブールで開いた本会議で、地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」の批准を承認したという。これによりパリ協定は必要な条件を満たし、11月6日に発効するという。EUの状況あるいはインドの状況等、本欄でも連日紹介してきたが、EUは特例措置で批准を優先し、温暖化交渉の一極としての地位を保ったと言われる。EUは国際戦略上重要と判断したためと思われる。一方、わが国はどうであろうか。現在開催中の臨時国会で早期批准を図るとの安部首相の表明はあったが、未だ批准されていない。このままでは、未批准の日本は意思決定に加われない可能性が高まっていると言われる。今国会中の批准を是非とも実現してもらいたいものである。
「パリ協定批准に関する追加情報」。毎日新聞10月3日付朝刊によると、インド政府は2日、国際的な地球温暖化対策の新枠組「パリ協定」を批准し、国連に批准書を提出したという。インドは温室効果ガスの排出割合が世界第4位の約4%(ちなみに、日本はそれに匹敵する3.8%)で、動向が注目されていた。これで、10月上旬に予定される欧州連合(EU)の批准と合わせて、パリ協定は11月にも、日本抜きで発効することになる。インドは、早期批准で発言力を高め、温暖化対策の議論を有利に進める狙いがあると見られているが、見え見えだが、ごく当然のことであろう。将来に向けて、最低限、なすべきことをなしたと言えるだろう。一方、わが国は、現在臨時国会が開催されているが、パリ協定批准の動きはなく、批准というバスに完全に乗り遅れたことになる。発車したバスの後ろから何を言っても始まらない。残念ながら国際的な発言力が弱まることは間違いない。政府担当者あるいは国会議員はいったい何をしているのだろうか。今後関連国際会議に出席して、何を発言するのだろうか。国際的に見て非常に恥ずかしい状況になる可能性がある(なお、9月29日の臨時国会において、公明党山口代表の代表質問に対し、安倍首相は、臨時国会でパリ協定の早期承認(批准)を目指すことを表明したとのことである。11月7日から、モロッコ・マラケシュで開催されるCOP22に是非とも間に合わせてほしいものである)。   
一昨日も本欄で、「パリ協定批准」に関して紹介したが、毎日新聞10月1日付朝刊によると、EUは、さらに進めて、9月30日環境相会議を開き、地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」の批准に全会一致で合意したという。当初想定した、すべての加盟国の国内手続きを経ずにEUとしての批准を優先する特例措置で、10月4日の欧州議会で承認するという。パリ協定はEUの批准で発効に必要な条件を満たし、11月7日からモロッコ・マラケシュで始まる国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)の会議中に発効するという。EUは批准に乗り遅れることを良しとせず、特例措置をとったものと思われる。一方、わが国はどうか。現在、臨時国会開催中であるが、批准を議論する状況には程遠いようである。国際的感覚がマヒしていると言わざるを得ない。国際的に見て、批准に乗り遅れることになりかねない状態である。COP22は11月7日からである。それまでに、心ある国会議員が声を上げることを期待したい。
毎日新聞9月28日付朝刊によると、温暖化対策の「パリ協定」年内発効、EU批准合意へ との報道がなされている。本欄9月21日付で指摘した懸念(日本抜きで批准が成立してしまうこと)が現実に生じそうである。EUは、当初想定していた加盟28か国の国内手続きを待たずにEUとしての批准を優先する特例措置をとり、10月初旬の欧州議会で承認を目指すという。これにより「パリ協定」の発効に必要な条件を満たす見通しで、年内発効はほぼ確実となったという。日本の出遅れは鮮明となり、日本抜きで協定が発効する可能性が高く、もしそうなれば、地球温暖化問題での日本の発言権・影響力に大きなダメージとなろう。政府の決断を期待したい。
インターネット情報:2016年9月28日付ダイヤモンド・オンライン(ダイヤモンド・オンライン編集部)に「日本は世界3位の資源国!注目の地熱発電って何だ」が4ページにわたって配信されている。現在置かれているわが国の地熱発電の状況が適切に紹介されており、是非ご覧頂きたい。「ようやく日本も国策で地熱推進 2030年までに3倍を目標に」とのタイトルにもあるように期待が込められている。地熱関係者の一層の尽力を期待したい。
毎日新聞9月24日付夕刊によると、地球温暖化が進むと、本州や北海道の内陸部などでは、10年に1回程度の頻度だった「ドカ雪」が、4~5年に1回程度に増えるとのシミュレーション結果を、気象庁気象研究所が23日発表したという。もともと気温が低い内陸部は温暖化でも低温傾向が維持されるうえ、温暖化での雪の材料になる大気中の水蒸気が増え、「ドカ雪」の条件がそろいやすくなるためだという。気象研究所では、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告書に基づき、このまま温室効果ガス排出量が増え続け、今世紀末には世界の平均気温が現在より約3℃上昇するとの前提でシミュレーションを実施した。海面水温などの条件を変えて90通り計算して、日本列島や周辺の降雪量を20キロ四方ごとに調べたものである。その結果、北海道や福島県、新潟県、群馬県、長野県、岐阜県などの内陸部や山沿いでは短時間に大雪が降る頻度が増え、1日当たりの降雪量も1割程度増えることが分かったという。逆に東京など関東地方の平野部などでは今よりもさらに雪が降らなくなり、富山県や新潟県など、日本海側平野部の豪雪地帯は、温暖化による気温上昇のため、雪よりも雨が降りやすくなるという。全国的には北海道の一部を除き年間降雪量は減る傾向になるとしている。温暖化により、極端な気象現象が生じることは従来から指摘されており、このような予測を観測から確実にフォローし、モデルを適宜修正し、将来の予測の精度をより高める必要があると考えられる。この種の将来予測は、観測によって検証されるべきものである。
毎日新聞9月21日付朝刊には、地球温暖化と関連した3つの記事が掲載されている。一番目は、政府が地球温暖化対策の新枠組「パリ協定」の批准案を今月26日召集の臨時国会に提出する方針を決めたことである。日本は世界の温室効果ガス排出量の3.8%を占めており、国会で承認されれば、年内にパリ協定が発効する可能性が高まる。パリ協定の発効には、55か国以上が批准し、批准国の排出量が世界全体の55%以上に達することが必要。排出割合が世界一位と二位の中国と米国が今月3日に批准を発表。20日現在の批准国は28か国・地域、排出総量はすでに世界の約39%に達しているという。今臨時国会は、他の重要法案の審議も控えており、今回の会期中に批准できるかどうかは今後の審議日程の調整次第と言われているが、批准が遅れ、各国の批准が進み、パリ協定の批准が実現された後、日本が批准するということにならないよう、国会審議を進めてほしいものである。二番目は沖縄県石垣島と西表島の間にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」で起きた大規模な白化現象が、9月に入っても続いているということである。海水温が高い状態をしのぎ切れずに死んだサンゴも出始め、観光や漁業への影響が懸念されているという。沖縄海洋気象台によると、6~8月の平均海水温は沖縄の南で平年より1.1℃高く、1982年以降の最高値を記録したという。冬に向けて水温は下がるが、どのくらいのサンゴが白化に耐えて回復するかはわからないという。環境省は、10月以降に被害規模を調査する予定、三番目は、今年度の日本への台風の上陸が6個となり、2004年の10個に次ぎ、1951年の観測開始から2位タイの多さであるという。また、今年は1号の発生が7月3日と史上2番目に遅かったり、初めて東北地方から上陸したりするなど、今年の台風は異例ずくめと言われている。その原因としては、まず偏西風の蛇行に伴って発生する「ブロッキング高気圧」の影響がまず挙げられているが、海面水温の上昇を指摘する専門家もいる。坪木名大教授(気象学)によると、8月は日本の南西海域で海面水温が30℃を超え、平年より2℃高かったという。海面水温が高いとエネルギーを蓄え、台風になりやすいと言われている。また、日本の南に「モンスーン渦」と呼ばれる台風の「種」を生む低気圧も発達したため、坪木教授は「台風になりやすい状況がそろった」と話しているという。以上、地球温暖化に伴い海面水温が上昇し、気象変化や海底生物に影響が見られると言ってよいだろう。温暖化ガスの排出量削減は待ったなしである。
月刊誌「大学の約束2015-2016」(一般ビジネスパーソン、高校生の保護者、高校進路指導教諭、企業の人事担当者が対象。9月20日発売。(株)リクルートホールディングス発行)の3章 日本と世界の技術を牽引する大学 の特集記事 人類を救うジャパン未来テクノロジーMAP(80-83ページ)の中で、「地熱発電」が、「人工知能」、「VR」、「自動運転」、「再生医療」、「ナノ材料」、「介護ロボット」分野とともに取り上げられた。意欲ある高校生が地熱発電に関心を持っていただけることを期待したい。
東京都は、都内に自家消費型再生可能エネルギー発電等設備及び再生可能エネルギー熱利用設備を設置する民間事業者に導入費用の一部を補助する「地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業」を始めることになり、近く(9月30日及び10月5日、いずれも13:30~15:00まで)事業説明会が開催される予定です。参加申し込み等詳細は、「クール・ネット東京」のホームページから。
月刊誌「火力原子力発電」2016年第67巻9号(火力原子力発電技術協会編集、9月15日発行)の8-22ページに、運転開始以50年経過した、わが国最初の商用地熱発電所である岩手県松川地熱発電所(東北自然エネルギー株式会社)の特集記事が掲載されている。なお、松川地熱発電所は、本年、日本機械学会から、「機械遺産」に認定された。特集の内容は、グラビア写真として、機械遺産認定式、発電所建屋、施設配置と地下断面図、地熱発電の仕組み、技術者の声が、カラーで紹介されるとともに、「松川地熱発電所の50年」と題して、発電所建設の経緯、設備概要、発電状況、各設備の状況、そして地域との共生等が紹介されている。また、資料として、発電所建設に関与した技術者秋葉雅史氏による当時の技術報告「地熱発電用20000kW蒸気タービン」が、日本機械学会誌(1967年70巻第577号)より転載されている。
毎日新聞9月7日付夕刊には、地球温暖化による、負の影響を示す2つの現象が報告されている。 一つ目は、「南極大陸の棚氷の割れ目が拡大」というもので、 二つ目は、「東南アジアで漁獲量3割減」というものである。 一つ目のものは、南極半島の東側にあるラーセン棚氷にできた割れ目が、過去半年で急速に拡大していると、英国南極観測チームが発表したものである。近い将来、先端部がちぎれて海に流出する恐れがあり、棚氷全体の消滅を早めかねないと懸念しているという。チームによると、割れ目は南から棚氷をえぐるように北に延びている。1980年代以降にき裂ができ、2011~15年に約30km延びて(約6km/年)合計100km余りになり(約3cm/年)、今年3月~8月には、約半年で22km長くなった(約44km/年)。14年に8か月で20km延びたが(約30cm/年)、今回はそれを上回る速いペース。幅は3月までは200mだったが、8月には350mに広がった。気温上昇が影響していると見られている。棚氷全体が失われると、世界の海面が5~10cm上昇するとの試算があるという。 二つ目のものは、地球温暖化に伴う海水温の上昇によって、東南アジアでは今世紀半ばに水産物の漁獲量が10~30%減る恐れがあるとする報告書を国際自然保護連合(IUCN)が発表したという。水温が高くなりすぎて生物の生息域が北上したり、魚や甲殻類のすみかとなるサンゴが白化現象などにより失われたりすることが理由と言われる。影響は東南アジアだけでなく、インド洋西部やアフリカ東岸にも及ぶことが指摘されている。報告書は、1970年代以降に起きた人為的な温暖化による熱量の9割以上が世界の海に吸収されたと指摘。このまま温暖化が進むと、繁殖能力や種の多様性への影響が懸念され、乱獲と相まって水産資源が大きく減少する恐れがあるとしている。病原体が北上して健康に影響を及ぼす可能性もあるほか、暖かい海のエネルギーを受けて、台風やハリケーンが巨大化することも報告されている。また、海の保護区の設定や違法操業の防止によって資源を保全するように求めている。
毎日新聞9月6日付夕刊によると、2013年までの過去37年間で、日本を含む東アジアの国々に上陸する台風のピーク時の風速が15%増したことが分かったと、米国カリフォルニア大サンディエゴ校などのチームが5日付けの英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に発表したという。沿岸で海面水温の上昇が観測されており、台風に供給されるエネルギー源が増え、発達しやすくなったと見られている。今後も地球温暖化に伴って海面水温は高くなると予測されており、チームは「日本や中国、台湾、韓国を直撃する台風はさらに激しさを増すかもしれない」と警告している。チームは、米軍合同台風警報センターと日本の気象庁のデータを使い、1977年以降に発生した台風の進路や強さを分析した。この結果、フィリピン東方で発生した後、北方向に移動した台風のうち、75%が中国や日本に上陸したことが分かった。台風ごとのピーク時の風速は1977年から2013年の間に年平均で15%増加した。米国の基準で最も強い「カテゴリー5」や2番目の「カテゴリー4」に分類される非常に大きい台風の数も4倍近くに増えているという。なお、東アジア沿岸の海面水温は10年当たり0.3℃前後のペースで上昇したという。地球温暖化により、異常気象が次第に頻発し、また、個々の異常気象の規模が大きくなることが、数値シミュレーションから予測されているが、現実の気象の変化もそれに沿っていることを示す一例と思われる。
毎日新聞9月4日付朝刊によると、米国のオバマ大統領と中国の習近平国家主席は3日、地球温暖化防止に向けた国際的な新しい枠組み「パリ協定」を批准したと共同発表したという。パリ協定は批准国の温室効果ガス排出量の総計が世界全体の55%以上になることを発効の条件としており、世界の排出量の約4割(38%)を占める2大排出国の批准で早期発効に向けて大きく加速した(ちなみにその他の国・地域では、EUが12.1%、ロシアが7.5%、インドが4.1%、日本が3.8%となっている)。パリ協定は、昨年12月に採択され、各国で批准手続きが進んでいるが、これまでの批准国・地域は24で、温室効果ガス排出量の割合は世界全体の約1%にとどまっている。排出量が最大の中国は20.1%、2位の米国は17.9%を占めており、米中の批准が早期発効に向けた最大の課題になっていた。本年11月にはモロッコで国連気候変動枠組条約第22回締約国会議(COP22)が開かれ、パリ協定に実効性を持たせるための具体的なルール作りの議論が始まる。COP22での議論で存在感を発揮するためにも、米中に続いて批准に踏み切る国・地域が出てくると見られている。日本はまだ批准しておらず、批准のための明確な日程も定かではない。わが国の批准が、世界全体の批准が55%を超えた後でなされるという国際的に見て恥ずかしいことにならないように、政府はできるだけ早期に批准すべきであろう。
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