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日本地球惑星科学連合(JpGU)ニュースレター Vol.13,No.3(2017年8月1日発行)では、2017年度JpGUフェロ-受賞者紹介が行われ、受賞者からの、研究の流れ・成果の紹介あるいは研究者と社会との関わり方等が述べられており、優れた研究者のいろいろな熱き思いが紹介されている。そのうちの一つ(島崎邦彦東大名誉教授 地震学)について紹介したい。『研究の面白さに、はまってしまった人へ』というタイトルで研究者に呼びかけている。「パズルが得意だったり、ミステリー好きだったり、数学が面白かったり、あるいは一体、何がきっかけだったのか? とにかく研究の面白さに、はまってしまった人、のめり込んでいる人、そんな人に、思いがけない落とし穴が待っている」と、まず投げかけている。そして、漠然とした社会に役立ちたいという意識、あるいは鮮明に、役立ちたいと思っているあなた、あなたが社会に影響を(たとえ少しでも)与えることができるようになった時、認められて、やっとここまで来たという感慨を覚えるかもしれない。しかし、ニュートンの作用・反作用の法則があることを忘れてはいけない、社会に影響を与えるなら、社会があなたに影響を与えることを。そのあと、地震学の専門家として、国の委員会等でのいくつかの苦い経験を紹介している(詳細は原文に目を通してほしい)。最後にこう呼びかけている。「未来ある人々に知ってほしい。科学的におかしなことが大手を振っている場が存在することを。社会の役に立ちたいというnaiveな思いが全く通じない場があることを。こちらが研究者仲間と思っていても、上司の名に逆らえない立場もあることを。練達の行政マンにとって、世間を知らない研究者を操ることは容易だ。未来ある人は、そのような場を避ける知恵を持ってほしい。どうしようもなく、そのような立場に立たされたなら、即刻、退場することだ。大見得を切って辞めてもいいし、そっと目立たなく辞めてもいい。納得がいかないことを、論理づけて自分に納得させようとする、そんなあなたを見たくない。きっかけを失ったまま、居心地の悪い場にいることは時間の無駄だ」と。そして、社会に役立ちたいと真摯に思うなら、私は、外からwatchすることをお勧めする。そして科学的におかしなことがないのか、何が正しいのか、見張ること。外からでは十分わからないことも多い。しかし、焦ることはない。報告書などをじっくり吟味することが重要だ。そしておかしなことは、科学の場で、学会の場で、批判せよ。〇〇委員となるより、ずっと重要な社会への貢献だと思う。科学的におかしなことは、科学の場で、学会で、批判せよ。筆者(島崎邦彦東大名誉教授)の訴えは、研究者が社会と接点を持つとき(社会貢献を意識するとき)心すべき必須の重要事項であろう。 
『台湾・韓国の脱原発政策』 岩波書店「2017年科学9月号」の巻頭エッセイは いわゆる3.11後の台湾・韓国等の原発政策を紹介している(長谷川公一 東北大学 環境社会学)。韓国は新政権誕生に伴って、脱原発(現在24基)・脱炭素に向かって大きく転換しようとしているという。石炭火力発電の見直しとともに、原発の新規建設計画をすべて白紙に戻し、2基の建設工事を中断、老朽化した炉については稼働期間の延長を認めず、今後40年以内に原発ゼロを目指すと宣言したという。再生可能エネルギーと天然ガス火力に力を入れるとしている。台湾では6基の原発が稼働している。しかし、2025年には、エネルギーの効率的利用も進めつつ、原発を全廃し、電力供給に占める石炭火力を30%(現在38%)、天然ガス火力を50%(現在32%)、再生可能エネルギーを20%(現在4%)にしようとしている。水力発電も乏しく、日本以上にエネルギー資源の海外依存率が高い韓国と台湾が政治主導で、きわめて野心的な脱原発政策を進めている。ヨーロッパでも、福島原発事故以降、ドイツ、ベルギー、スイスで、目標年次を定めた原発全廃が決定している。このような中で、福島原発事故を起こした当事者のわが国は、原発被害も終息していない中、現在進行中のエネルギー政策はいったい、どのように論評すべきか。もう一度福島原発事故のような大事故を繰り返すまで、世界に恥ずかしい政策を取り続けるのだろうか。その責任は限りなく大きい。後世の日本国民が納得するような政策転換をすべきである。本エッセイは、世界は「変われない日本」をいぶかしく見つめている と結んでいる。
『2017年産水稲の早場地帯の作柄 平年並み 15日時点・13道府県』と毎日新聞8月31日付朝刊は、こう報じている。農林水産省は30日、東日本を中心とする早場米地帯19道府県で栽培する2017年産(水稲)の15日時点の作柄概況を発表したという。北海道、新潟など13道県が「平年並み」、宮城や山形など6県が「やや良」だったという。(梅雨以降の大雨などの天候不順はあったが)生育に重要な時期まで総じて好天に恵まれたため、懸念された東日本の天候不順の影響は限定的だったという。19道県は15日時点で平年に8割以上の水田で稲穂が出る地域で、全国の作付面積の約3分の2を占めるという。7月下旬ごろから続いた東日本の日照不足は、生育不良を招きやすい穂が出る前の時期と重ならなかったという。作柄を判断する個別項目では穂やもみの数が全般的に多かったという。半面、もみの成熟具合を示す「登熟」は、宮城県など東北の太平洋側を中心に「やや不良」が目立ったという。穂が出る時期が早場地帯より後の遅場地帯(沖縄を除く27都府県)の生育状況も公表され、「平年並み」が熊本など10県、「やや良」が兵庫など17都府県に上ったという。このように、今年の天候不順は水稲にはあまり影響は出なかったようだが、一方、野菜には比較的大きな影響があったようで、日照不足から野菜高値は10月頃まで続きそうとの見通しである。なお、本研究所では、2012年5月8日以降1m深地温の毎日観測を行っているが、今夏は過去5年でもっとも地温は低く、今夏の降雨・日照不足を大きく反映していると見られる。
『エネルギー政策協議 経産省が懇談会初会合』 毎日新聞8月31日付朝刊はこう報じている。経済産業省は30日、長期的なエネルギー政策を検討する有識者会議「エネルギー情勢懇談会」の初会合を開いたという。日本は温暖化の国際枠組み「パリ協定」を踏まえ、2050年に温室効果ガスを8割削減する目標を掲げており、達成に向けた対応などが主要なテーマとなっている。委員からは、トランプ米政権で中東戦略を見直す機運が高まっているとして「中東が不安定化するとみて、日本のエネルギー調達を考える必要がある(アジア経済研究所の白石隆所長)」など、幅広い意見が出されたという。中西宏明・日立製作所会長は、原発建設のコスト増で東芝子会社の米原子炉メーカーが経営破たんしたことを踏まえ、「電力事業は低成長・低収益になっている」と業界の課題を語ったという。懇談会は年度内に意見を取りまとめる方針という。政府は30年ごろまでの中長期的指針であるエネルギー基本計画の改定を別の会合で議論しており、懇談会の意見の一部を反映させる考えだという。ご意見番の有識者による懇談会ということか。
『地熱発電50年 上・中・下』と題して、九州電力大岳地熱発電所の運転開始から、本年8月12日に50年になることに合わせて、九州の地熱発電に関して、読売新聞西部本社版は7月27日(木曜日)、28日(金曜日)、29日(土曜日)と3日連続の特集記事を掲載している。上(27日朝刊)では、マグマ活用 大岳の挑戦として、熱水分離の技術確立(同地熱発電所における気液二相流体からの熱水分離の技術開発)と九州初の地熱発電所建設が、九州内だけでなく、その後の日本各地の地熱発電所建設の基盤となったことを紹介している。JOGMEC西川信康地熱部長のコメントが掲載されている。中(28日朝刊)では、温泉地同意 高いハードル 「涸れる」懸念 頓挫ケースも」と地域合意の難しさが紹介されている。当所の江原代表が、「一般的に温泉井戸は深くても数百メートル。1000mを超える地熱発電用の井戸が大きな影響を与えることはない」とのコメントをしている。また、電力中央研究所の窪田ひろみ上席研究員は「地熱発電を広げるには不確実な部分を含めて情報を分かりやすく提供し、地域の不安と誠実に向き合う姿勢が重要」と指摘している。日本の地熱発電が開始されて以来50年を超えるが、実態として、温泉に悪影響を与えず、長期間の発電を継続してきたとの実績がある。そして、それらの地熱発電所地域では、地熱事業者が温泉関係者を含めた地元と良好な関係を保ってきている。しかしながら、新規の立地地点では、温泉関係者の理解が十分得られない場合があり、開発が滞っている地点も少なくない。地熱発電は、これまでの実績を踏まえながら、技術的対応が十分可能であることを真摯に説明をしていく努力が要請される。同時に、発電所の建設・維持、地元の熱水利用さらには観光客の増加など、地元には大きな経済効果があることも知ってもらう必要がある。下(29日朝刊)では、「九州発」の技術海外へ 「眠れる資源」開拓に余地と、九州の発電タービンメーカー(三菱日立パワーシステム)の高い技術力と九州電力等による活発な海外展開(インドネシア等)が紹介されている。今後も、九州の地熱関連企業は国内での開発および海外での開発に大きく寄与していくであろうと予想されるが、大いに期待したいものである。
『予知前提法律、廃止を 南海トラフ地震 専門家ら批判』 毎日新聞 8月26日付朝刊はこう報じている。南海トラフ巨大地震について中央防災会議の有識者会議は25日、地震予知を前提とした防災対応を改める必要性を指摘したが、法律の改正や廃止に至るまでは踏み込まなかったという。予知は現在の科学では不可能。地震の研究者からは「(地震予知という)前提が崩れているのに法律が残るのはおかしい。廃止すべきだ」と批判する声が上がっているという(けだし、当然だろう。しかし、一方、従来型の地震学的・測地学的観測だけではなく、広く地震予知につながる、長期にわたる基礎的・観測的研究を推進する必要があろう)。静岡県の駿河湾周辺で想定するマグニチュード(M)8程度の東海地震に備えた「大規模地震対策特別措置法」(大震法)は、観測で大地震の前兆を把握し、鉄道の運休などにつなげる枠組み。名古屋大の鷺谷 威教授(地殻変動学)は「予知は無理だと広く認識されるべきだ。科学的根拠がないのに対応に強制力を持たせる枠組みのみを残すのは無理がある」と指摘しているという。正論であろう。しかし、廃止するだけでは意味がない。科学的地震予知が本来的に無理なのではない。まだ、それを行う科学的段階でないということを認識すべきだ思う。古典的考え方だが、科学発達には3段階(現象論・実体論・本質論)があり、日本の地震予知研究は、まだ現象論も確立されていない段階で、実体論を超え、本質論に入ってしまったことが誤りではないのか。地震予知研究は、まず、現象論を確立すべきと思われる。その際、観測を従来主流の地震学的・測地学的研究に偏すべきではなく、まず研究対象を広げ、多様な研究者が参加する基礎的研究を推進すべきと考える。時間はかかる。しかし、学問に王道はない。さて、前出の有識者会議は、M7級の地震などM9級の巨大地震につながりうる四つの現象を示したという(これらは、従来の流れを汲むものと見られ、同じ轍を踏む可能性が高い)。前出の鷺谷教授は、「可能性は無数にある。この四つが起こりやすい、と誤解を与える恐れがある。科学的に検証された前兆現象の実例はない」と懸念する。すなわち、地震予知研究は現象論の段階にあることを認識すべきと述べておられる。全く同感である。静岡大の安藤雅孝客員教授(地震学)は「法律を変えるのはハードルが高いかもしれないが、『おかしい法律はおかしい』と地震学者こそが言うべきだ」と訴える。正論である。大震法を廃止し、地震予知研究は現象論の基礎研究へ転換すべきであろう。京都大の橋本 学教授は「大震法を含め、現在の複雑なすべての法体系を見直すべきだ」としている。正論であろう。地震予知研究は、まだ現象論が確立されていない。まず、ここを固めることから、再出発をすることが必要だろう。多くの国民が地震予知を望んでいることは確かである。これを無理と決めつけるのではなく、広く研究者を結集し、現象論・実体論・本質論のプロセスを目指すべきだろう。「地震予知研究をしている」と言うと憚られる現状の雰囲気を変える必要もあるだろう。地震予知を目指す新たな若手研究者の活躍を期待したい。
『南海トラフ地震「予測困難」 有識者 異常現象で避難促す 中央防災会議』 毎日新聞8月25日付夕刊はこう報じている。 中央防災会議の有識者会議は25日、南海トラフ巨大地震の対策強化に向けた報告書を示したという。「確度の高い予測は困難」として、地震予知を前提とした防災対応を見直す一方、巨大地震につながる地殻変動や前震などの異常現象を観測した場合に住民避難を促す仕組みの検討を国に求めたという。政府は、地震被害が想定される地域で複数のモデル地区を選ぶなどして、避難呼びかけの手順や課題の検証に着手するという。報告書案は、現在の科学的知見を基に、地震の発生場所や時期、規模について「高い確度の予測はできない」と指摘したという。ただし、これは、従来から主流とされている地震学や測地学による観測からは、高い確度の予測ができないことを改めて関係者が再認識しただけで、他の前兆的観測からの予測ができないことを述べているのではない。一方、こうも言っている。前震や地殻変動などの異常現象に基づいて避難を呼びかけても、実際には地震が起きない「空振り」も予想される(「空振り」を過度に恐れていては、確度が上がっても、予測を公表することはできないだろう。「空振り」した場合、一定の経済的損失は生じるとしても、破滅的な損害が生じる場合よりもはるかに経済的損失は小さいと思われる。「空振り」の意義を、住民に十分分かってもらえるよう、事前に十分な情報提供・啓蒙をすべきだろう。そして、仮に「空振り」となっても、人々が「今回は地震が発生しなくてよかった。次に備えよう」という意識が持てるまで、防災関係者は努力を続ける必要があるだろう。政府は今後、関係自治体からも意見を聞き、住民避難をいつまで続けるかや、被害を減らすため鉄道などの交通機関に運行停止を求めるかどうかなど具体的な課題を探る方針だという。報告書案はこのほか、整備が遅れている南海トラフ西側領域での地震・津波の観測体制強化を求めたというが、従来型の地震観測・地殻変動観測充実の方向では、大した意味がないであろう。むしろ地震前兆現象を広く捉え、いわゆる宏観現象のうちでも、数値的に自動連続観測でき、一定の物理的説明が可能な現象たとえば、「地下水位観測」などは推進すべきと考える。震源が陸上から離れた海溝型の地震ではなく、内陸の活断層地域でまず試みる価値は十分あると考えられる。従来の、地震学的・測地学的手法に拘るのではなく、広く多様な現象を対象とすることが望まれるだろう。地震予知をあきらめるべきではないと考える。あきらめるほどの観測努力がこれまで十分なされてきたとは言えないと思われる。
『最深海8178メートルで魚撮影 海洋機構、中国抜き新記録』8月25日付毎日新聞朝刊はこう報じている。 太平洋にあるマリアナ海溝の水深8178メートルで、カサゴの仲間で深海にすむシンカイクサウオを無人カメラで撮影したと、海洋研究機構のチームが24日発表したという。今年4月に中国のチームが発表した最も深い海での魚の撮影記録を26メートル更新したという。シンカイクサウオは白いオタマジャクシのような姿で、甲殻類のヨコエビなどを食べる。チームが5月18日にサバの身を使ってヨコエビをおびき寄せ、無人カメラを沈めて撮影すると、映像には体長15センチほどのシンカイクサウオ1匹がとらえられていたという。このような深海にも魚類が生息していることに単純に驚くが、この26メートルという数値が新記録であったとしても、学問的価値は不明である。この辺の解説が欲しいところである。
『全米が上を向いた 「皆既日食」横断』 8月22日毎日新聞夕刊はこう報じている。太陽が月に完全に隠れる「皆既日食」が21日(日本時間22日未明)、西から東へ北米大陸を横断する形で観測されたという。米国横断は99年ぶり。目を保護する専用の「日食グラス」を手に、日本を含む世界各国から天文ファンが詰めかけ、「世紀の瞬間」を堪能した。日食は、地球と太陽の間に入った月が太陽を隠す現象。今回の皆既日食は、米国西海岸のオレゴン州から東海岸のサウスカロライナ州まで計14州を、幅110キロの帯状に通過したという。また、「部分日食」は全米で見えたという。テネシー州ナッシュビルでは同日午後1時27分、皆既日食の直前に月の陰から太陽の端が一瞬輝く現象「ダイヤモンドリング」が見られた後、太陽が完全に隠れた。太陽を取り巻く高温のガス層「コロナ」が白く広がり、見上げている人々から拍手と喝采が起きたという。皆既日食の約2分間は満月の夜と同じくらいの暗闇に包まれ、木星などの星も見えたという。現代は、物理学の発達のお蔭で、十分な精度で軌道が完全に予測され、この天体ショ-も学問的には新味はないが、人類の知恵の確からしさを確認できるという意味では現代人にも何かを与えるとも言える。
『銀河の”化石”  2300万光年「クジラ」周囲に』 毎日新聞 8月22日付朝刊はこう報じている。地球から2300万光年離れた「クジラ銀河」の周りに、宇宙初期の130億年ほど前にできたと見られる小さな銀河がいくつも散らばっているのを見つけたと、東北大と国立天文台のチームが発表したという。大きな銀河は、こうした小さな銀河が長い間にたくさん集まってできると考えられている。矮小銀河にはクジラ銀河ができた際の元素組成がそのまま残っていると見られ、チームは「まるで生きた化石みたいだ」と話しているという。チームは米ハワイ島の山頂にあるすばる望遠鏡でクジラ銀河を撮影。周りに11個の矮小銀河や、クジラ銀河に吸収される際に引き伸ばされて筋状になった恒星の集まりを確認したという。太陽系が含まれる天の川銀河が太陽の100億個分を超える重さがあるのに対し、矮小銀河は4億個分と非常に小さい。地球から離れていくつも見つかった例は珍しく、チームは銀河の形成過程を知る手がかりになると期待しているという。たまには、地中・地上の現象だけでなく、宇宙誕生のプロセスにせまる研究にも思いを馳せるのもいいのではないか。夏の夜の夢。今夜は星をじっくり眺めてみよう。折から、米国では皆既日食に沸いている報道がなされている。
『がん あふれる不正確情報』 毎日新聞 8月20日付朝刊はこう報じている。一見本欄の内容と無関係に感じるが、根底に通じるものがあり、紹介する。がんの情報がインターネットや出版物にあふれている。不正確な内容も多く、その真偽を判断する手立てがない。自分が、または家族が突然がんを宣告されたら、どのように情報を集めたらいいのかと問うている。がん治療には、標準治療(科学的根拠に基づき、現時点で奨励される最善の治療)に対して、免疫療法(自己以外を排除する「免疫」本来の力を回復させたり、強化することによる治療法で、近年、盛んに研究が進められている。しかし、現時点で有効性が証明されているものは限定されている。それ以外の、多くの免疫療法は、真に効果が証明されていないため、注意が必要。いわゆる民間療法と言われるものの中には、これに含まれるものがあるのではないか)がある。免疫療法には、医師という肩書だけで、がん治療の専門的トレーニングを受けてない人が多くかかわっているようだ。このようなことに関する一つの調査結果があるという。07年、国立がん研究センターの後藤 悌医師が実施した調査結果で、ネットの大手検索サイトで肺がんについて検索すると、米国では正しい情報が8割で、日本では3割だったという。その違いは「法的整備はもちろん、科学の扱い方に対する教育の問題では」と大場医師は話す。筆者も、まさに科学教育のありかたにあるのではないかと思う。このような状況は地熱発電に反対する温泉関係者(研究者と言われる人を含めて)の非科学的対応と通じるものがある。科学では、「エビデンスと論理的整合性」が欠かすことができないが、標準療法に背を向け、免疫療法に拘る人あるいは地熱発電に非科学的に反対する一部の(似非)研究者あるいは関係者にはこれらの必須条件を満たしてない人が少なくないようだ。前述の大場医師はさらに語る。「書店の『家庭の医学書』の棚には似非医療本が目立つ。『医学書』の棚には、より正しい情報があるが、内容が難しくて一般向けではない。より確実なのは、主治医から情報を得ることだが、コミュニケーションがうまくいかない場合も多い」。以上から、地熱発電普及に携わる者も学ぶべき点があると考える。すなわち、科学的な思考法の普及にも努める必要がある。根本的には、小中学校の科学教育の在り方にまで立ち戻る必要があるかもしれない。
『武豊火力にCO2削減勧告 経産省 石炭発電所 新設に影響』 毎日新聞 8月19日付朝刊はこう報じている。 経済産業省は18日、石炭を燃料とする中部電力の武豊火力発電所(愛知県武豊町)について、二酸化炭素(CO2)排出削減を講じるよう勧告したという。山本公一前環境相が、事業の再検討を求める意見書を世耕弘成経産相に提示したことを踏まえたものである。中部電力は予定通り建設を進める方針だが、経産省は低効率の火力発電の休廃止を求めており、今後の石炭火力建設に影響を与えそうだという。勧告は中部電力に「(発電所を)建設する場合は、CO2排出削減対策など環境保全措置を適切に講じること」を要請。具体的には、効率が低い既存の火力発電所を休廃止したり、稼働を抑制したりすることで中部電力全体としての排出量を抑制するように求めたものである。今回の経産省の勧告について、環境省幹部は、「石炭火力が地球温暖化対策に与える影響を経産省としても重く見た内容になっており、画期的だ」と評価しているという。今回の一連のやりとりは、省庁間で対立する課題について、短期的・経済的観点からではなく、長期的・正しい理念の方向へ進んだものと考えられ、望ましい対応である。今回、経産省も環境省からの意見書を軽んぜず、必要な対応をしたことは評価される。経産省の中にも新しい動きが芽生えている可能性があり、今後のエネルギー政策の見直しにも反映されることを期待したい。このような中で、再生可能エネルギーの責任は一層重くなり、その中で地熱発電も一定の貢献をしたいものである。
『しとしと長雨 まだ続く 日照不足懸念 東京は17日連続』 毎日新聞8月18日付朝刊はこう報じている。例年に比べ本州への太平洋高気圧の張り出しが弱いため、東日本や北日本の太平洋側を中心に気温が低く、ぐずついた天気が続いている。東京都心は17日、雨が17日間連続で降った。気象庁は日照不足による農作物の影響や、低温で体調を崩さないよう呼びかけている。気象庁によると、偏西風が南に蛇行し、太平洋高気圧が本州付近まで張り出していないという。7月下旬から北海道の北にオホーツク海高気圧が発生し、北東からの冷たい風「やませ」も吹いているという。今月1~16日の平均気温は平年に比べ、北海道がマイナス1.5℃、東北地方が同1.3℃、関東甲信が同0.4℃などといずれも低温化している。日照時間も平年に比べ、北海道・オホーツク海側が27%、北海道・太平洋側が50%、東北・太平洋側39%、関東甲信52%、東海64%などとなっている。また、東京都心の17日間連続の降雨は、8月としては1977年の22日間連続以来、40年ぶりという。気象庁によると、今後1週間は、東日本や北日本の太平洋側では低温も続く見込みという。日照不足は今月下旬まで続く予想になっているという。本研究所(埼玉県狭山市)では敷地内で、2012年5月8日より1m深地温の毎日観測を行っているが、上記の異常な日照不足がよく反映されている。たとえば、8月1~16日の平均地温は、昨年に比べ、0.37℃低くなっており、また、8月13日以降の地温は、2012年以降の最低地温を示している。
『夏の長雨 青息吐息 野菜価格上昇/海やプール閑古鳥』 毎日新聞8月16日付夕刊は、一面トップ記事で、こう報じている。8月に入ってから東日本を中心に雨が続き、日照不足で気温が低い天気が続いている。東京都心は16日連続の雨。8月では1977年の22日連続に次ぐ、40年ぶりの長雨になったという。海やプールといったレジャーの客足や農作物の生育にも影響が出ているという。本研究所(埼玉県狭山市)では、2012年5月8日以降、所内で1m深地温の毎日観測を行っているがその観測結果にも如実に現れている。本年8月1~16日の平均地温は24.51℃、昨年の同期間の24.88℃と比べ0.37℃低く、さらに近年では高温であった2015年の28.27℃に比べて、3.76℃も低い。さらに温度低下・長雨が継続すると影響がより大きくなりそう。東北地方太平洋岸ではすでに冷害が危惧されている。気象庁は、関東地方は今週いっぱい雨の日が続くと予測。週明けの21日からは太平洋高気圧が強まって、晴れ間が見られ、気温も回復すると見ているという。今後の推移を見守りたい。
『地方大学 活性化に交付金 「東京集中」解消狙い 政府方針』 毎日新聞 8月16日付朝刊はこう報じている。 政府は、地方の大学の活性化を図る新たな交付金を創設する方針を固めたという。自治体が地元の大学や経済界と連携して展開する地域振興の取組みを支援する形で、2019年度から百数十億円規模の交付金の支給を目指すという。地方大学の教育・研究環境の底上げを図るとともに、東京に集中する私立大学などの地方移転も促し、大学生の「東京一極集中」を解消する狙いだという。東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3都県の大学と、地方大学の単位互換制度やサテライトキャンパスの設置を促す総額10億円規模の補助金制度も別途検討するという。交付金と補助金は、内閣官房の「まち・ひと・しごと創生本部」事務局が支給する。今年度に制度検討を始め、来年度の募集開始を目指すという。自治体の首長や地元の大学などで作る協議会で産学官が連携した事業計画策定などを促し、有識者が評価して交付金支給を決める仕組みにするという。支給対象の想定は、地域の企業による学生のインターンシップや現場実習の受け入れ、地元企業から大学への講師派遣、大学と企業の共同研究などという。なお、これらは個別的には従来から行われており、必ずしも新味はない。問題は、国が本当にやる気があるかどうかである。お題目だけであれば国費の無駄使いとなるに過ぎない。あるいは、単なる、うしろめたさ・免責のためのポーズになりかねない。この問題の本質は、「経済」に典型的に表れているが、東京の、地域からの不当な収奪である(この点に関しては、経済学者による詳細な分析に期待したい)。エネルギー・農水産物・人材等すべて同じ構造である。地方が疲弊するのは当然である。東京でオリンピックが開催できるのも、地方の疲弊の裏返しである。東京都が一部競技の地方都市開催に財源を支援するというが、地方の財源が不当に東京に移されている分の一部に過ぎないと考えるべきである。「地方の疲弊」と「東京一極集中」の理不尽さの根本的解決を試みることをせず、小手先の技術的解決を図るだけでは、何の解決にもならない。ここで、本欄で特に関係する「地熱発電」の問題に関連させて考えてみたい。地域で地熱発電がおこなわれる場合、収益の一部は地元にも還元されるが、大部分は、東京に入ってしまう構造になっている。そのような中で、正当性を持って、どれだけ地方に還元されるべきか真剣に考えていく必要があると思われる。
『50ミリ以上の大雨3割増 70~80年代比 災害リスク高まる 気象庁統計』 毎日新聞8月14日付夕刊はこう報じている。 1時間に50ミリ以上の大雨が降る頻度が、1970~80年代に比べ3割程度増加していることが、気象庁の統計で明らかになったという。地球温暖化との関連が指摘されており、短時間で一気に降る大雨は災害を引き起こす危険性がある。気象庁の統計では、降水量が1時間に50ミリ以上だった回数はアメダス1000地点当たり、76~85年の10年間は年110~230回で、平均すると173.8回だった。2007~2016年は年169~282回、平均は232.1回と33.5%増加していたという。温暖化と大雨の関係は完全には解明されていないが、平均気温が上がると、飽和水蒸気量という大気が蓄えることができる水分の量が多くなる。雨が降る回数は少なくなるが、ひとたび雨になるとその大量の水分が地表に落ちることになり、大雨になりやすいとする学説もあるという。7月5,6日の九州北部豪雨では、福岡県朝倉市のアメダスで、1時間に129.5ミリという7月としては全国で歴代4位の記録的大雨を観測(ちなみに、筆者は、2000年代に時間雨量110ミリを経験しているが、空は真っ暗で、車の窓を開けることができず、また大学構内が浸水し、30センチ程度冠水した経験があるが、時間雨量100ミリを超える大雨とは凄まじい限りである)。気象庁の橋田俊彦長官は記者会見で、「雨の降り方が局地化、集中化、激甚化している。新たなステージと捉えて対応していく必要がある」と、現在は難しい短時間で降る大雨の予測精度の改善など対応を進めていく考えを示したという。気象庁は、予報に使うコンピュータを使ったシミュレーションの精度を向上させるなど、対策を進めているという。
『ガス採掘地 地震多発 米南部オクラホマ 増産 環境顧みず』 毎日新聞 8月14日付朝刊はこう報じている。「ウオーン」。低温を響かせ、地下の頁岩(シェール)層に含まれる天然ガスを掘削機が吸い上げる。米南部オクラホマ州スティルウオーター。同州の掘削機は4月時点で121基と、前年比207%に急増している。増産を後押しするのは、環境保護規制の緩和を推進するトランプ米大統領とプルイット米環境保護局(EPA)長官への期待だという。「石油・ガス業界は浮足立っている。『掘れ、掘れ、怖いものはないぞ』という雰囲気だ」という。採掘停止を求める元教師の地元住民、キャロリン・マイヤーさん(64)はため息をつく。シェールガス採掘の拡大は、その副産物と見られる深刻な事態をもたらしている。地震だ。オクラホマ州での発生は従来まれだったが、2008年ころから急増したという。マグニチュード(M)3以上は15年に907回。16年には623回起きた。昨年9月には観測史上最大のM5.8の地震(たとえば、2005年3月に発生した福岡県西方沖地震M7.0の1か月後に発生した最大余震と同規模)が発生。専門家らは採掘で出た排水の地下への再注入が誘発していると見ているが、石油・ガス業界は「関連はあるが、原因とまでは言えない」と主張しているという。これまでの水の地下への圧入で地震が誘発されたことは世界各地で多数の例が生じているとともに、圧入と地震誘発の関係は学問的にかなりの程度、究明されている事象である。サギをカラスと言いくるめるような議論は論外である。なお、このオクラホマ州を地盤とするのがプルイット氏であり、これまでも(前職の)州地方長官(11~17年)時代、温室効果ガスや水銀の排出規制に反対し、EPAを14回提訴するなど札付きの政治家のようだ。プルイット氏は長官就任後、EPAの予算や人員の削減、規制緩和を始めているようだ。アメリカの良心はいったいどうなっているのだろう。
『岐路の安倍政権 エネルギー政策 既定路線では解決しない』 毎日新聞8月13日付朝刊の社説はこう述べている。エネルギー改革への関心が低く、旧来通りの原発依存から脱する気がない。安倍政権のこれまでのエネルギー政策を一言で言えばそうなるだろう。それを象徴するのが2014年に閣議決定した「エネルギー基本計画」と、これを基にした将来の「電源構成」だ。基本計画は原発について「依存度を限りなく低減する」といいつつ、「重要なベースロード電源」と位置付ける矛盾に満ちた内容だった。30年度の電源構成の目標は、原発20~22%、再生可能エネルギー22~24%。エネルギー政策の大胆な転換からはほど遠く、既得権益を握る大手電力会社と経済産業省の発言力の大きさを反映する内容だった。現状はどうか。原子力規制委員会の安全審査を経て5基が再稼働したが、昨年度推計の約2%に過ぎない。そもそも原発が安い電源であるという前提にも破綻が見える。原発の廃炉費用や事故の賠償費が膨れ上がり、その一部を原発とは無関係の新電力にまで負担させる仕組みを政府が作り出したことはその表れだ。内閣改造と時を同じくして、先週、エネルギー基本計画の見直しが始まった。政策を抜本的に見直すチャンスだが、世耕弘成経産相は会議の冒頭から従来路線の踏襲に言及している。それが意味するのは、原発新増設に触れないまま、運転40年を超える老朽原発も含めた原発再稼働をめいっぱい進めることだろう。それは、依存度低下にも、安全性向上にも反する。安倍政権に求められているのは、再生エネや省エネをこれまで以上に強力に進めるための方策を打ち出すことだ。昨年度推計の再エネ比率は約15%で原発事故前の10%からは増えたが、十分とは言い難い。世界の情勢を見れば、安全対策でコストが膨らみ続けている原発とは逆に、再生エネはコストが下がり続けている。既定路線のまま原発維持に莫大な費用をつぎ込めば世界から取り残される。それより、再生エネの将来性を見越して制度や運用を改善し、投資を増やす。安倍政権を再生させるにはその方が得策のはずだと指摘している。  けだし、正論である。安倍政権の、都合の悪いことは、隠し、あるいは、触れずに通り過ぎ、地下でそれを推し進めるという隠蔽体質は、最近の一連の政治的行動で、ほとんどの国民は知ってしまった。エネルギー政策も全く同じで状況にある。すでに現政権は崩壊の道へ進んでおり、長くはないだろう。エネルギー政策においては、将来を見通したビジョンを掲げ、国際的にも遜色の無い新しい方向を国民に示してほしい。経済産業省内の心ある官僚は、泥船にしがみつかず、新たな動きを示してほしい。それが何よりも国民のためになる。このような中で、地熱発電はどのように進むべきか。新規発電所を次々と運転開始し、再生可能エネルギー発電の構成比率増加に確実に貢献することだろう。
『焼岳で噴気確認 注意を呼びかけ 北アルプス』 毎日新聞 8月10日付夕刊はこう報じている。 気象庁は10日、長野県と岐阜県にまたがる北アルプスの焼岳山頂の西側山腹で小規模な噴気が観測されたと発表し、注意を呼びかけたという。噴火警戒レベルは 1(活火山であることに留意)を継続している。長野県松本市と岐阜県高山市は、いずれも現時点で登山ルートの規制などはしていない。気象庁によると、焼岳では9日午後11時50分頃から10日午前2時ころにかけて、空振を伴う地震を6回観測。山頂の西側約400m付近の山腹で白い噴気を確認したという。このうち、10日午前0時48分には、約100mまで噴気が上がったという。気象庁は10日、観測班を派遣し、詳細に調べるという。気象庁の発表を受け、焼岳がある松本市では、特定地域の携帯電話へ一斉送信する「エリアメール」で登山者らに注意を呼びかけたほか、同市側の登山道2カ所などに注意喚起の看板を設置したという。100mの噴気が突発的に上昇したことから、地下の火山性流体の圧力変動が急激に生じたことは確かであり、水蒸気爆発に進展するのか、マグマが関与しているのか、あるいはこのまま大きな変化なく終息するか等の判断は、観測結果を待つ必要がある。いずれにしても、登山者は、御嶽山の水蒸気爆発の記憶を思い起こし、十分な注意が必要だろう。
『エネルギー計画改定 「原発政策 再検討を」議論始まる 経産省は慎重 石炭火力も焦点に』 毎日新聞 8月10日付朝刊はこう報じている。経済産業省は9日、総合資源エネルギー調査会(経産省の諮問機関)の分科会を開き、国のエネルギー政策の方針を定めた「エネルギー基本計画」の改訂に向けた議論を始めたという。委員からは原発政策などの再検討を求める声が相次いだが、経産省は小幅改訂にとどめたい考えだという。分科会は年度内に結論を出すという。政府は30年度の電源構成で原発の電源比率を20~22%にすることを目指している。しかし、原発再稼働は進まず、経産省が分科会で提示した16年度推計の原発比率は2%にとどまったという。エネルギー政策を巡る論点は多いにもかかわらず、経産省の消極姿勢で議論が深まらない懸念があるという。8月8日付本欄で、英国調査機関ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)が長期予測のなかで、日本の電源構成に関して、30年時点で、石炭火力38%(目標26%)、再生可能エネルギー28%(目標22~24%)、原子力10%(目標20~22%)となっているが、より現実に近いだろう。再生可能エネルギーが多めに見積もられているが、地熱発電も30年度目標(累積で150万kW)を必ずや実現する必要があるだろう。地熱発電関係者のいっそうの尽力を期待したい。
『食料自給率38%に低下 天候不順で23年ぶり水準 16年度』 毎日新聞 8月10日付朝刊はこう報じている。農林水産省は9日、2016年度のカロリーベースの食糧自給率が15年度に比べて1ポイント低下の38%だったと発表したという。過去2番目の低さで、冷夏によるコメの不作で37%だった1993年以来の、23年ぶりの低水準。北海道の台風被害といった天候不順が響いたという。前年度を下回ったのは6年ぶり。食料自給率は、国内で消費される食料を国産でどの程度賄えるかを示す数値。政府は25年度にカロリーベースで45%にする目標を立てているが、達成は遠のいたようである。生産額ベースの自給率は68%と15年度から2ポイント上昇。2年連続で前年度を上回った。カロリーベースの食料自給率は調査を開始した60年度に過去最高の79%だったが、その後は低下傾向で、93年度には37%と過去最低を記録。94年度は46%に回復したが、06年度に再び40%を割り込んだという。農水省は「今回の下落は自然要因が大きい。ニーズに合ったコメや小麦の生産を増やし、輸出の拡大を進めることで目標達成に向かって頑張りたい」と述べたという。エネルギー・食料ともに基盤的・戦略的なものであるが、わが国は、いずれも自給率が低い。したがって、自給率を高める努力と共に、国際的な自由貿易体制確立のための努力が求められている。また、一つ注目すべき点がある。エネルギー・食料とも地球温暖化とも関係あり、地球温暖化を見据えた政策が必要だろう。
『館林市38.8度 関東今年一番』 毎日新聞 8月10日付朝刊はこう報じている。台風5号が伴った暖気の影響で、東日本から西日本の太平洋側は9日、広い範囲で気温が上昇した。群馬県館林市で最高気温38.8℃を記録するなど関東は今年一番の暑さとなったという。気象庁によると、各地の最高気温は茨城県古河市と甲府市37.5℃、栃木県佐野市37.2℃、東京都心37.1℃など。熱中症の症状を訴えて搬送された人は、共同通信の9日午後6時現在の集計で、全国で625人に上ったという。当研究所(埼玉県狭山市)の敷地内では、2012年5月8日以降、1m深地温の毎日観測を行っているが、梅雨明け後むしろ地温は低下傾向にあったが、ここ数日は気温に対応し、急上昇を続けている。
『気温ぐんぐん上昇』 毎日新聞 8月9日付夕刊はこう報じている。関東甲信と東海地方は9日、晴天になり南から暖かい空気が入った影響で、朝から気温がぐんぐん上昇した。東京都心では午前10時現在で34.3℃を記録。日中はこの夏一番の猛暑になることが予想された。気象庁によると、午前10時現在の各地の気温は、群馬県高崎市35.5℃、埼玉県熊谷市34.8℃、神奈川県海老名市34.1℃、東京・練馬34.2℃など。また、予想最高気温は甲府市で38℃、東京、さいたま、前橋、静岡市37℃となっている。この暑さは13日頃まで続くという。
『論文数 日本4位転落 自然科学系 基礎研究 立て直し 急務』 毎日新聞 8月9日付朝刊はこう報じている。2013~2015年の3年間に日本の大学などが出版した自然科学系の論文数が、世界4位に転落したことが文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査で分かったという。05年までは米国に次ぐ2位だったが、中国・ドイツに抜かれた。日本は自然科学分野でのノーベル賞受賞が相次ぐ一方で、大学での基礎研究体制の立て直しが急務となっていることを裏付けた。各国の研究機関などが出版した論文数の3年間の平均を、同研究所がまとめた(共著者が複数に及ぶ場合は分数で計算)。13~15年の日本の論文数は6万4013件で、03~05年(6万7888件)から微減した。一方、13~15年の中国の論文数は21万9608件で、03~05年(5万1930件)の約4倍に急増。ドイツ(13~15年:6万4747件)にもわずかに抜かれた。日本の論文数は03~05年時点で、世界で出版される論文の8%以上を占めていたが、13~15年は4.7%に低下している。各国の研究予算も比較したところ、15年の日本の研究開発費の総額は18.9兆円で、米中に次ぐ3位だった。しかし、大半は企業が占めており、基礎研究を担う大学の分が少ないことが論文低迷の原因とみられる。同研究所は「予算のほか、修士や博士を目指す学生の減少など複数の要因が絡んでいる可能性がある」としている。研究の評価は論文数がすべてではないが、多くの論文が生産されるほど、優れた論文が増えることも確かである。基礎研究に支援される研究費が減る中で、大学教員は研究以外に時間がとられることも多く、また、外国に比べ、支援職員も少ない。一部の優れた研究者には特に過重な負担が集中している傾向もみられる。一方、若手研究者はパーマネントの職種につく競争が激しく、心理的圧迫も受けている。研究費が増えると、仕事はそれに比例して多忙になるが、若手研究者を含む支援スタッフも増やすことができ、研究が進展し、論文の生産性もあがることになる。このような好循環を作り出すことを文部科学省科学技術・学術政策研究所および文部科学省本体も努力してほしい。ノーベル賞受賞の多くは過去の研究に与えられるものであり、このような現在の日本の学術体制が続くと、日本の研究レベルが下がり、将来のノーベル賞受賞にも赤信号が点滅することが懸念される。
『再エネ コスト半減 英機関2040年予測 日本は異例 石炭依存続く』 毎日新聞 8月8日付朝刊は、こう報じている。再生可能エネルギーとして代表的な太陽光と風力の世界規模の発電コストは、2040年までにいずれもほぼ半減するとの予測を、英民間調査機関「ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス」(BNEF)がまとめたという。中国やインドなどでは21年までに発電コストが石炭火力に比べ、太陽光の方が安くなるという。一方、日本は石炭火力の依存が続くと分析されている。BNEFが各国の政策や計画などを分析したものである。太陽光発電については、21年までに中印のほか、英国とメキシコ、ブラジルでも石炭火力より発電コストが下がる見込みという。太陽光は導入が進み、パネルや維持管理費が安くなり、40年までに66%もコストが下がるという。風力は、安価で効率的なタービンを使うことなどで、40年までに47%下がる見込みという。日本でも、太陽光の発電コストは2025年には石炭火力発電所より安くなるという。しかし、現在、原発の再稼働の遅れを石炭火力で補っている結果、異存は高止まりとなると分析されている。日本が掲げる温室効果ガスの削減目標達成の根拠となる電源構成では、30年時点で▽石炭火力38%(目標は26%)、▽再生可能エネルギー28%(同22~22%)、▽原子力10%(同20~22%)などと予測している。BNEF の担当者は「再生可能エネルギーへの投資は世界規模で成長する。長期的に石炭への依存度が高い日本は異例だ」と指摘しているという。このような状況の中で、わが国の地熱発電の望まれる立ち位置は、2030年度の国の目標:累積150万kW(太陽光1000万kWに相当。国内電力シェア1%)を必ずや達成することであり、その発電出力を安定的に維持することである。また、既存地熱発電所は、発電所ごとに持続可能な発電規模を適正に評価し、長期的に安定した発電を行うことであろう。そのような発電を継続できれば、石炭火力発電のコスト以下とするだけでなく、再生可能エネルギーの中でも低コストの発電を実現できるであろう。地熱発電事業者の一層の奮闘を期待したい。
『石炭火力増設「認めぬ」中川環境相 前任者方針踏襲』 毎日新聞8月8日朝刊はこう報じている。中川雅治環境相は7日、毎日新聞などのインタビューに応じ、二酸化炭素(CO2)の排出量が多い石炭火力発電所の新設・増設計画が国内で相次いでいることについて「経済性の観点のみで新増設は認められない」と述べ、石炭火力に批判的だった山本前環境相の姿勢を踏襲する考えを示したという。世界の地球温暖化対策の潮流について、中川環境相は「脱炭素の流れにあり、石炭火力の新増設には抑制的だ」と指摘している。「経済性は各事業者が判断することだが、石炭火力のCO2排出は天然ガスの2倍にもなる。単純な新増設は容認しない」と明言したという。山本前環境相は今月1日、国際枠組み「パリ協定」に基づく温室効果ガス削減目標が達成できないとして、中部電力が石油火力発電所から石炭火力への置き換えを計画する武豊火力発電所(愛知県武豊町)について、再検討を促す意見書を世耕弘成経産相に提出している。歴史の歯車を反転させることは避けたいものである。
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