『中国に「大一統」という言葉がある』 毎日新聞5月31日付朝刊一面の論評「余録」欄では、興味深い「習近平」の論評が紹介されているので以下に紹介したい・・・・・中国に「大一統」という言葉がある。儒教の書物「春秋公羊伝」に出てくる。天命を与えられた王者による国家統一を理想とする考え方である。秦の始皇帝が天下統一を果たして以降、分裂、統一を繰り返す中国史の背景で引き継がれてきた。ソ連をモデルにした中国だが、民族政策は違った。レーニンは民族自決を唱えて共和国による連邦制を敷いた。一方の中国は自治区を作り、民族団結を強調してきた。伝統的な「大一統」の影響が指摘されている。新疆は新しいフロンティアを意味する。かつて西域と呼ばれた地域と重なる。10世紀ごろからトルコ系のウィグル族が移り住み、イスラム教を信仰した。清朝が支配下に置いたのは18世紀である。その新疆ウイグル自治区での人権弾圧を示す内部文書を小紙(⇒毎日新聞)など世界のメディア
が入手して共同で検証した。テロ対策を名目にウィグル族の老若男女が過酷な扱いを受け、刑務所や再教育施設に収容されている実態が中国側の記録で裏付けられたといえる。自治区を訪問した国連のバチュレ人権高等弁務官は実態に迫るような調査を認められなかった。中国がいくら否定しても、隠された文書の方に真実があると考えるのが普通の感覚だろう。「多民族の『大一統』は先祖から受け継いだ重要な財産である」。習近平国家主席の言葉だ(⇒歴史の歪曲も甚だしい。共産党の首領になると、誇大妄想になり、独裁・専制さらに「裸の王様」になると、ものごとを全て自分に都合よくしか見えなくなるようだ)。その実現のために言語や文化の統一を強いて宗教まで「中国化」しようというのが今の民族政策である。21世紀の人権とかけ離れた「時代錯誤」というほかはない。・・・・・と論評している。全く指摘のとおりである。⇒ここまでくると、何やら、ロシアのプーチン大統領を思い返せる。ロシア帝国の歴史を曲解し、自分こそがロシア帝国再興の「あるじ」だという妄想に取りつかれ、ウクライナに無法にも侵攻し、ウクライナ国民の虐殺を繰り返し、英雄気取りになっているが、化けの皮がはがれつつある。習近平・プーチンと共産党の首領はなぜ、人道主義の根本から外れてしまうのか。おそらく「共産主義」にはもともと「非人道的な考え方」が組み込まれているのではないか。「ウクライナ侵攻」は壊滅させるしかない。独裁と専制は地球上には要らない。