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『パリ協定 米、国連に離脱通告 温暖化対策 再参加余地残す』毎日新聞8月5日付夕刊はこう報じている。米国務省は4日、地球温暖化防止の国際的枠組み「パリ協定」から離脱する意向を正式に国連に通告したと発表したという。一方で、米国にとって有利な条件が整うのであれば、再び参加する余地はあるとしている。パリ協定の規定により、正式な脱退手続きは発効3年後の2019年から始めることになるが、米国務省は「規定が許す限り、できるだけ早く抜ける」と伝えたという。11月にドイツで開かれる気候変動枠組第23回締約国会議(COP23)も含め、温暖化に関する国際交渉には参加を続けるとしている。パリ協定の内容についての再交渉はドイツ、フランス、イタリアが難色を示しているというが当然であろう。日本も積極的に発言する必要があるだろう。パリ協定を巡っては6月、トランプ大統領が「米国の労働者に不利益を強いる」と経済面の悪影響を強調し、離脱を表明したものである。中国に続く世界2位の温室効果ガス排出国が抜けることで、世界の温暖化対策への影響が懸念されている。さらに18会計年度(17年10月~18年9月)の予算教書では、途上国の温暖化対策を支援する多国間の「緑の気候基金(GCP)」への拠出金をゼロにすると表明しており、途上国の対策も滞ることが予想されており、米国の離脱の悪影響はこちらの方が大きいと考えられる。 、
『ニュートリノ研究に進展 反物質との差の確度 95%に向上』 毎日新聞8月4日付夕刊は、こう報じている。高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)などは4日、宇宙成立の謎を解明するのに役立つデータについて、加速器施設「J-PARC」(同県東海村)から素粒子のニュートリノを発射し、東京大学の「スーパーカミオカンデ」(岐阜県飛騨市)で検出する実験の結果、95%まで確度が高まったと発表したという。今後精度が高まればノーベル賞級の発見になると期待されている。宇宙誕生時には、粒子が基になった物質と、反粒子が同数あったとされるが、物質は現在も残って星や銀河を構成しているのに対し、反物質はほとんど存在しない。こうした違いは専門的には「CP対称性の破れ」と呼ばれ、宇宙成立の謎を解く鍵とされてきた。チームは、ニュートリノが空間を飛ぶ間に別の型に変わる「ニュートリノ振動」という性質を利用。J-PARC と、スーパーカミオカンデ間(295km)の実験で粒子と反粒子との変化の違いを調べたところ、2010年から今年4月までのデータで「破れ」の確率は95%となり、昨年8月時点の90%より向上。謎の解明に一歩近づいたことになるという。「破れ」の確定に向けては統計的に99.7%まで確度を高める必要があるため、チームは26年度までに現在の9倍のデータを蓄積することを目指しているという(99.7%という数値がどのように出されたかは定かでないが、通常の確率現象では95%で、十分成立すると推論されることが多いが、さらに高い確率が求められるようである)。実験代表の中家剛京都大教授は「大幅にデータを増やすことができた。『破れ』が存在する可能性がかなり高まったことを喜んでいる」と話しているという。実験開始から7年、今後さらに9年程度がかかり、都合16年間の長期間にわたる研究。参加研究者の数も多いであろう(3ケタ程度?)。このような長期にわたる大プロジェクトを国が支えていることに感動を覚える。是非とも実現してもらいたいものである。
『NPO調査 再生エネ市民発電 1000基 福島急増 全国2位』 毎日新聞 8月2日付夕刊はこう報じている。市民の出資による再生可能エネルギーで発電し、収益の一部を地域などに還元する「市民・地域共同発電所」が今年、1000基を超えたことが分かったという。 実数は、全国で1028基、総設備容量は8万4880kWであるので、平均で1基当たり82.6kWと小型発電である。都道府県別では、福島県が過去3年半ほどで急増し、全国2位になったという。東京電力福島第一原発事故後、県民や県の再生エネ推進姿勢が影響したとみられるという。地球温暖化防止を目指すNPO「気候ネットワーク」(京都市)の豊田陽介主任研究員が全国約100関係団体にアンケートを送るなどして調査したという。なお、順調に伸びてきたこの種の共同発電所だが、15年以降伸び悩んでいるという。年間の設置数は、14年の213基がピークだったが、15年138基、16年52基と福島事故以前のレベルに戻ってしまっているという。2017年もすでに半年以上が経過したが前年を大幅に下回っているようだ。これらの発電所からは、一定の市民・地域に還元がなされ、それ自体は一定の効果があったと見られるが、最近の傾向を見ると、今後どう発展するか見通しは厳しい。上記の発電所のほとんどは太陽光発電と見られ、一定の土地を確保し、発電システムを購入すれば発電が始められるという小規模太陽光発電の容易さが大きな要因と思われる。なお、1基100kW程度の発電は、地熱発電でいえば、温泉事業者が自らの既存の温泉井を使って、小規模温泉バイナリー発電を行っているものに相当するが、広く市民・地域に還元されるものではない。地熱発電の場合、広く市民・地域に還元されるためには、中規模(千kW級)・大規模(万kW級)の方が、効果的であろう。                   』
『基本計画改定 小幅の見通し エネルギー政策』 毎日新聞 8月2日付朝刊はこう報じている。世耕弘成経産相は1日の閣議後の記者会見で、国のエネルギー政策の中期的指針となる「エネルギー基本計画」改定に向けた議論を9日から始めると発表したという。世耕氏は「(前回計画から)骨格を変えるということではない」とし、小幅な見直しにとどまる見込みという。総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の分科会が年度内に結論をまとめる予定。基本計画はエネルギー政策基本法で策定が義務付けられているものである。前回14年の計画では当時の民主党政権が掲げた「原発ゼロ」の方針を変更、原発を「重要なベースロード電源」とした。電力業界では、原発の新設や建て替えの明記を望む声があるという。世耕氏は会見で、「再稼働を行えば、新設やリプレース(建て替え)を想定しなくても20~22%の達成は可能だ」と強調したという。いずれも懲りない面々である。民主党の政治的責任(下野)が大きいことが改めて感じられる。
『環境相 石炭火力再検討を要請 中部電・武豊 経産相に意見書』 毎日新聞8月1日付夕刊はこう報じている。石炭を燃料とする中部電力武豊火力発電所(愛知県武豊町)の建設問題で、山本公一環境相は1日、「事業の再検討を求める」とする意見書を世耕弘成経産相に提出したという。地球温暖化につながる二酸化炭素(CO2)排出量の増加を懸念し、以前から現状では建設を認められないとの考えを示していた。環境影響評価(アセスメント)の手続きの一環で、中部電と経産省の対応が注目されるという。石炭火力のCO2排出量は他の燃料を使うより多く、特に天然ガスと比べると2倍とも言われる(ちなみに、単位発電量(gCO2/kWh)当たりのCO2排出量は、石炭火力1000程度、石油火力750程度、LNG汽力600程度、LNG複合500程度。化石燃料は500~1000である。一方、再生可能エネルギーは10~50程度。なお、地熱は水力に次ぎ、15程度)。これらの数値を見れば、地球温暖化対策として、再生可能エネルギーを導入すべきという考えは極めて自然で、合理的である。また、化石燃料のうち、石炭火力が際立って大きいことがよくわかる。石炭火力は、燃料の調達コストが安いため、国内の建設計画は40基以上あるという。山本環境相は、それらが実行されれば温暖化対策の枠組み「パリ協定」でのCO2削減目標達成が困難になると指摘していた.中部電の計画では、石油を使う武豊火力2~4号機(出力計112.5万kW、1号機は廃止)が老朽化したため廃止し、新たに石炭を使う5号機(107万kW)を建てる。2018年5月に着工、22年3月の営業運転開始を目指しているという。世耕経産相は中部電力から出された環境アセスに対して山本環境相に意見を求めていた。計画を巡っては、15年8月に当時の望月環境相が「是認できない」との意見書を提出していた。石炭火力の環境アセス手続きで、環境相が計画を認めない意見書を2回出すのは異例という。地球環境対策という長期的な観点から判断するのと、当面の経済的理由という短期的観点から判断するかの問題であるが、将来、取り返しがつかないようなことにならないような選択が必要だろう。将来的に、産業革命以後の気温上昇を4℃以内に抑えるためには、「パリ協定」での目標は不十分であることが認識されており、また、米国の「パリ協定」離脱の影響もあり、目標達成においては、一段とCO2削減が求められる中、選択肢は限られている。わが国は削減目標の上乗せを、国際的に要請される可能性が強い。わが国は、果たして、歴史の歯車を前に進める立場を取れるか。世界から、その判断が注目されることになろう。
『EV 開発 協業加速へ 欧州・アジア 排ガス規制強化に対応』 と毎日新聞7月28日付朝刊はこう報じている。英政府が2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止すると決定した。同様の排ガス規制の動きは欧州やアジアにも広がっている。メーカーにとって電気自動車(EV)の開発が急務で、合従連衡や異業種を交えた協業が進みそうだとしている。EV開発で先行する日産自動車の幹部は27日、取材に対し「欧州での電動化の流れはわれわれにプラスになる」と述べ、9月に発表する新型EV「リーフ」で流れを加速したいと強調したという。傘下に収めた三菱自動車との技術協力も強化するという。ガソリン車とディーゼル車に関しては、フランスも40年までの販売終了を目指すという。インドはさらに踏み込み、30年までに国内販売車をEVに限定する方向だという。大気汚染が深刻な中国では、政府が自動車メーカーにEVなど「新エネルギー車」の生産を義務付け、一定のノルマを達成できなければ罰金を科す新法を18年にも施行する見通しという。こうした動きをにらみ、ホンダは18年に中国で新型EVを投入し、蓄積した技術を他市場にも生かす考えだという。日立オートモティブシステムズとEV用モーターを生産する新会社も設立したという。トヨタ自動車は、19年にも中国でEVを量産する計画を進めているという。インド市場に強いスズキはEV対応を迫られているため、トヨタと環境技術ての提携関係を強化すると見られている。マツダは独自の低燃費技術「スカイアクティブ」によるガソリン車とディーゼル車が好調だが、トヨタと共同のEV開発も検討している。EVを自動運転で制御する次世代車開発を目指し、米IT大手グループなど異業種の参入や協業も加速しそうだという。すなわち、世界の自動車は2040年に向け、非化石燃料の方向(特にEV しかも自動運転化)に向かっている。日本の自動車メーカーも十分対応しているようである。日本は政府の動きが鈍い。日本の世界への寄与は「環境」が重要な視点である。日本政府も明確なメッセージを世界に発信してもらいたいものである。
すでに本欄でも紹介したが、南極のラーセン棚氷の分離が改めて毎日新聞に写真付きで掲載されている。『南極の巨大氷山 分離の様子鮮明 JAXA衛星撮影』 毎日新聞7月27日付夕刊はこう報じている。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日までに、南極半島東側のラーセン棚氷から分離した巨大氷山の全体像を、陸域観測技術衛星「だいち2号」で撮影したという。棚氷の南側から入り始めた亀裂が北へ広がり、完全に分離した様子を鮮明にとらえている。氷山の面積は、三重県とほぼ同じ5800平方キロ。重さは1兆トンで観測史上最大級とされる。12日に棚氷からの分離が確認されたという。地球温暖化が原因かどうかはわかっていない。分離する前から海の中にあったため、氷山が漂流を始めたことですぐに海面が上がるとは考えにくいという。ただ、内陸にまだ残っている棚氷が不安定になり、さらに別の氷山が分離する恐れもあり、JAXA は今後も観測を続けるとしている。
『英も脱燃料車 仏に続き 40年までに販売禁止』 毎日新聞7月27日付朝刊はこう報じている。英政府は26日、ガソリン車やディーゼル車など化石燃料をエネルギー源とした自動車の国内販売を2040年までに禁止すると発表したという。深刻化している大気汚染対策の一環という。地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」を主導したフランスも同様の計画を打ち出したばかりで、電気自動車(EV)などへのシフトが進むことが予想される。英国では、都市部を中心に排ガスによる大気汚染が深刻化。欧州連合(EU)の定めた規制に違反しているとして、英国の高等法院が政府に対し、今月内に対策を講じるよう命じていたという。政府の発表によると、40年までにディーゼル車などの国内販売を規制するほか、2億5500万ポンド(約370億円)の基金を創設し、ロンドンなど汚染の深刻な都市を中心に大気汚染対策を進めていくという。クリス・グレイリング運輸相は「交通の『緑の革命』によって都市の汚染を減らしていく」と表明したという。自動車メーカーもすでに電気化を急いでおり、独BGM は25日EVの「ミニ」を英国の工場で製造すると発表しているという。スウェーデンのボルボも19年から新型車種のすべてに電気モーターを搭載すると表明しているという。先に40年自動車規制を発表したフランスに比べ、イギリスは特有の国内問題(大気汚染)があるようであるが、同時に国際的な地球温暖化対策にも貢献する。フランス、イギリスに続いて、ドイツも表明すれば、国際的な流れになるだろう。日本の自動車メーカーも国際的な動きを掴んでいると思われるが、非化石燃料自動車への転換は避けられないだろう。日本の自動車メーカーの先進的な取り組みを期待したい。また、日本政府の明確なメッセージも必要だろう。また、日本の最高裁は何かと保守的であるが、英国の高等法院のような進歩的な判事が出ないものだろうか。期待したい。
『石炭火力見直し要求へ 中部電・武豊 環境相、アセス結果に意見書』 毎日新聞7月26日付朝刊はこう報じている。中部電力(名古屋市)が老朽化した石油火力発電所を石炭火力へと置き換える計画を進めている武豊火力発電所(愛知県武豊町、107万kW)の認可を求める環境影響評価(アセスメント)結果について、山本公一環境相が地球温暖化対策の観点から計画の見直しを求める意見書を近く世耕弘成経済産業相へ提出する方向で調整に入ったという。環境アセス後に環境相が建設計画の再考を促すのは異例という。環境アセスメント法では経産相が環境相の意見書を踏まえ、事業者へ意見を述べると規定されており、経産省や事業者の対応が注目されると言われる。石炭火力は石油や天然ガスなど他の化石燃料に比べ二酸化炭素(CO2)の排出量が多いとされ、環境省は以前から懸念を示してきた。武豊火力を巡っては環境アセス前の2015年8月にも、当時の望月義夫環境相が「現段階で是認できない」と表明している。武豊火力、丸紅や関西電力などが出資する秋田港発電所(秋田市)など、計画されている5件について「是認できない」との意見を表明し、市原火力発電所(千葉県市原市)はその後、計画中止になっている。こうした環境省の姿勢は、電力の安定供給の観点から石炭火力を容認する経産省との隔たりが大きく、両省は昨年2月、電力業界の自主的取り組みを促すことで合意している。以後、環境省は「是認できない」との意見表明を見合わせていた。しかし、昨年11月にパリ協定が発効し、欧州などで脱石炭の動きが加速する中、山本環境相は今年3月、JFEスチールと中国電力が建設を表明した蘇我火力発電所(千葉市中央区)計画に対し、事業実施の「再検討」を促す意見書を経産相へ提出。今月の毎日新聞のインタビューでも、国内の石炭火力計画に対し「見識を疑う」と事業者の姿勢を強く批判していたところである。長期的な観点から地球温暖化の進行を止めると考えるか、短期的な観点から当面の経済性を考えるか、人類の将来を考える上で、方向は明確と思えるが。
『9月以降も 残暑厳しく 3か月予報』 毎日新聞7月26日付朝刊はこう報じている。気象庁は25日、8~10月の各月の平均気温について、全国的に平年並みか平年より高くなるとする3か月予報を発表したという。9月以降の残暑も厳しくなりそうで、熱中症に注意が必要としている。気象庁によると、9月は偏西風の蛇行による影響で南からの湿った風が入りにくく、日本列島は高気圧に覆われて晴れる日が多くなる。このため、北日本(北海道、東北)から沖縄・奄美まですべての地域で気温が高くなると見込まれている。雨量は、東日本(関東甲信、東海、北陸)と西日本(近畿、中四国、九州)で9月、10月に平年並みか平年より少ないと予想している。東日本の太平洋側や西日本では梅雨の雨量が平年より少なかった地域も多く、4月下旬からの少雨傾向が秋まで続く可能性があるという。当研究所では2012年5月8日から1m深地温の毎日観測を続けているが、気温変化とどのような対応があるかないか注目していきたい。なお、年間における、気温(地温)上昇期と気温(地温)下降期とでは地温と気温の関係が系統的に異なっており、これは土壌中の水分含有率とも関わっていそうであり、降雨の変化にも注目したい。
『仏(フランス)、環境政策でけん引 2040年めど ガソリン、ディーゼル車販売禁止 米抜き脱炭素社会へ思惑』 毎日新聞7月24日付朝刊はこう報じている。米国のトランプ大統領が地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱を表明する中、フランス政府は2040年までにガソリンとディーゼルを燃料とする自動車の販売を禁止するなどの環境政策を打ち出したという。マクロン仏大統領は地球温暖化に関する首脳会議も視野に入れており、米国抜きでの脱炭素社会の実現に向けたけん引役を担いたいとの思惑があると見られるという。仏政府は今後、排ガスの規制強化や補助金などで、自動車市場の大半を占めるディーゼル車とガソリン車から、電気自動車(EV)や燃料電池車への乗り換えを促すという。また、22年までに発電量の5%程度を占める石炭発電を廃止して温室効果ガスの排出を抑制するとともに、全58基の原子炉のうち17基程度を閉鎖する方針も示したという。発電量に占める原子力の割合を、現在の75%から50%以下に減らし、原子力発電への依存率を低減させるという。マクロン氏は、パリ協定の採択から2年となる今年12月12日にパリで地球温暖化に関する首脳会議を開く考えを示しているという。今後、米国抜きでの脱炭素社会の実現に向けて主導的な役割を果たせるかどうかの「本気度」が問われることになりそうだという。このような革新的発言がなされると、決まって周囲からは、具体性に欠けるとか、野心に欠けるとの批判が出るが、マクロン氏の決断は画期的であり、実現を期待したい。世界各国へ大きな影響が出るだろう。長期的に見て、極めて科学的・合理的で正しい選択と考えられる。日本は国際的に見て、政治的・経済的・社会的課題になかなか世界をリードできずアメリカ追随が目立つが、この件は、追随でも良いので、明確なメッセ-ジを国際的に発信してほしいものである。フランス・ドイツなどとともに、日本がけん引役を果たす意気込みを見せてもらいたいものである。
『空梅雨 水がめ大丈夫? 全国9河川 取水制限 関東雨量 平年6割 続く猛暑』と毎日新聞7月22日付夕刊はこう報じている。今年の梅雨は、九州北部豪雨などの局地的な大雨が各地で被害をもたらした一方、全国的には雨が少ない地域が多く、東日本の太平洋側を中心に空梅雨となった。取水制限も広く行われている。気象庁によると、8月も猛暑が続く見込みで、水不足を懸念する声が上がっているという。空梅雨になった原因は--。気象庁によると、6月前半は太平洋高気圧が北へ張り出さず、さらに偏西風が南へ蛇行したために梅雨前線も列島の南側に停滞して、雨が少なかったという。6月下旬から7月上旬にかけては前線が列島にかかり雨も増えたが、7月中旬になると高気圧の張り出しが強まったため前線は列島を通り過ぎて再び少雨に。気象庁は20日までに北陸、東北地方を除く各地が梅雨明けをしたとみられると発表した。各地方の20日までの4週間の雨量は、平年に比べ東海が58%、関東信が60%、近畿が74%となっている。埼玉県狭山市にある当研究所は2012年5月8日より所内敷地で1m深地温の毎日観測を続けているが、今夏の空梅雨を反映するように、夏に向かって上昇中の地温の停滞がごくわずかで、この傾向は2012年とよく似ており、今後の解析が待たれる。
『沖縄のサンゴ無残 水温上がり急速に死滅』毎日新聞7月21日付夕刊はこう報じている。環境省は20日、大規模な白化現象が昨年起きた沖縄県の海でサンゴの状態を調査した結果、一部の海域で生きたサンゴが海底を覆っている面積が激減していたと発表したという。特に石垣島の西岸と東岸、宮古島の北東岸の状況が深刻で、白化して死滅したサンゴの骨格が黒ずみ、無残な姿を見せていたという。周辺海域では夏から秋にかけてさらに水温が上昇すると予測され、環境省は「サンゴの状態を引き続き監視したい」としている。環境省は昨年の調査でサンゴが多く確認できた海域を中心に、今年6~7月に水面からシュノーケリングで調査。昨年は海底の50%を生きたサンゴが覆っていた石垣島西岸の調査地点では、わずか5%しか確認できなかったという。宮古島の北東岸では生きたサンゴの面積が10%に減少。石垣島と西表島の間にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」でも30%から13%に減っていたという。サンゴの白化は海水温が高い状態が続くと起き、光合成を担う共生藻類を失って死んでしまうことがあるという。昨年は鹿児島県の奄美諸島から沖縄の八重山諸島にかけて白化が発生。米海洋大気局(NOAA)はこれらの海域について、今年7~10月に「やや水温が高く、白化に注意が必要」としているという。地球温暖化の一つの表れである、サンゴの白化は依然として進行している。
『温暖化で空輸能力減少 NASA試算 空気膨張で揚力不足』 毎日新聞7月19日付夕刊はこう報じている。地球温暖化で気温が上昇すると、今世紀後半には航空機の輸送能力に影響が出る恐れがあるとする研究成果を米コロンビア大学や米航空宇宙局(NASA)のチームが発表したという。気温上昇で空気が膨張して密度が小さくなり、離陸に必要な揚力が得にくくなるのが原因という(揚力は流体の密度に比例する)。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、温暖化で最も気温上昇が深刻になるケースとして、2100年までに現在より4℃以上高くなると試算。チームによるとこの場合、今世紀後半には、一日の中で最も気温が高い時間帯に離陸する航空機のうち1~3割が、0.5~4% の積載量削減を迫られるとしている。約160人乗りの小型旅客機ボーイング737だと、0.5%の削減は乗客3人分に当たるという。米メディアによると、アリゾナ州フェニックスの空港では6月、暑さに伴う揚力不足が懸念され、2日間で50以上の航空機の離着陸を取りやめる事態が起きており、既に影響は出始めているという。チームは温暖化が運航に及ぼす影響を、世界19の主要空港と、一般的な5種類の旅客機を対象に調べた。①滑走路が短い、②標高が高い、③気温が高くなりやすい-といった空港が影響を受けやすかった。大型のボーイング777が砂漠に囲まれたフェニックス空港を利用する場合、18%超の積載制限が必要となる場合もあるという。このように予測が数値的に行われると温暖化の影響を実感させられる。また、温暖化の影響は多様な現象に及ぶことが改めて気づかされる。なお、このような予測が多くの人に受け入れられるためには、実際の観測データによる、予測の検証が重要であると考えられる。
7月19日午前11時、気象庁より関東地方の梅雨明け宣言が発表された。例年より2日早く、昨年より10日早いという。当研究所では、2012年5月8日より、所内で1m深地温の毎日観測を行っているが、梅雨時の地温は「上昇中の中で、一時的な停滞が見られる」のが特徴となっている。しかし、今年はその停滞はわずかなもので、ほとんど停滞の無い2012年と似た変化となっている。梅雨中にも拘わらず降雨が少なく、日射量もそれ程低下しなかったことを反映していると見られる。
『「パリ協定」の履行採択 国連閣僚級会合 米は異議』 毎日新聞7月20日付夕刊はこう報じている。ニューヨークの国連本部で開かれていた「持続可能な開発目標(SDGs)」達成を目指す閣僚級会合は19日、温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の完全履行を柱にした宣言を採択して閉幕したという。宣言全体では全会一致の形を取ったが、協定から離脱表明している米国の政府代表は採択後の演説で、パリ協定に触れた箇所に異議を唱えたという。国際的な孤立が鮮明となった。ドイツで今月開かれた主要20か国・地域(G20)首脳会議の首脳宣言でも、パリ協定は後戻りできないとする他の19か国・地域と、トランプ大統領との足並みの乱れが表面化していた。国連全加盟国が参加する場でも、国際社会の声を無視する米政権に警戒感が強まっているという。米政府代表は閣僚会議の演説で「米国は宣言のうち、パリ協定に関する合意部分とは関わりを持たない」と言明したという(犬の遠吠えという表現がぴったり)。温室効果ガスの減少に取り組むとしながらも、「経済成長を支持し、エネルギー安全保障を強化する」と強調したという(要するに、見方が短期的であるということを示しているに過ぎない)。宣言の採択自体に反対しなかったのは、米国を除く大半の国が賛同しているため、覆すのは困難だったからだと見られている(米国の現在の実態)。宣言は「地球温暖化はわれわれの時代における最大の課題の1つだ」と指摘。2016年が史上最も暑い年になったとし、科学的な知識に基づき、温暖化による脅威に対し効果的に対応する必要性を強調している。その上で、パリ協定やその早期発効を歓迎し、協定を進めればSOGsの履行にも良い効果があると明記されている。アメリカの良心はどこに失われたのか。それ程大統領の権限は強いのか。現在のアメリカは民主主義が機能しているとは言えない。
『環境相、石炭火力を批判 CO2増懸念「世界の潮流に逆行」』 毎日新聞7月19日付朝刊はこう報じている。国内で相次ぐ石炭火力発電所建設計画について、山本公一環境相は毎日新聞のインタビューに応じ、計画を進める企業に対し「事業からの撤退が相次ぐ世界の潮流に逆行しており、見識を疑う」と述べたという。地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)排出量の増大を懸念し、異例の強い調子で批判したという。環境省は近年、石炭火力発電所建設に関する環境影響評価(アセスメント)で、温暖化防止の観点から「是認できない」などと厳しい見解を示している。山本環境相は「(2016年の)電力小売り自由化以降、目先のもうけのため、企業が安い燃料として石炭を選んでいる」と厳しく指摘。特に、CO2など温室効果ガス削減に取り組む「パリ協定」の発効後、欧州などでは石炭火力への投資から撤退する「化石燃料ダイベストメント」が加速していることを念頭に、「(日本の金融機関の)投資も非常にリスキー」と再考を促したという。環境省・環境相の指摘は正論である。地球環境問題は、国際的には、米国ではなく、欧州と共同歩調を取るべきと考えられる。なお、石炭火力建設批判だけでは片手落ちであり、再生可能エネルギーを促進する政策も同時に強く訴えるべきであろう。
『再生エネ技術を海外に積極展開 外相が表明』 毎日新聞7月14日付朝刊は、外務省が13日午前、アジアのエネルギー情勢について協議する国際シンポジウムを東京都内で開いたことを報じている。岸田文雄外相はメッセージを寄せ、エネルギー需要の増加に対応するため、大気汚染問題に配慮した再生可能エネルギーの生産技術を海外に積極展開する方針を表明したという。太陽光や地熱発電などを想定しているという。このこと自体は望ましいことで大いに進めるべきことと思われるが、そのような国際的支援が十分行われるためには、それを裏付けるための国内技術の進展、国内産業の進展が必要である。非常に不思議なことであるが、たとえば、地熱発電に関して言えば、実に奇妙な現実がある。国外に目を向けている官僚を含めた政治家は国際的支援を気軽に主張するが、国内での地熱発電政策が、最近変わりつつあるとはいえ、国全体としては、極めて消極的であることを認識すべきである。これは実際に海外で技術支援を行っている日本の地熱技術者も明確に指摘するとともに、訝しがっているのが現状である。適切な国際支援を行っていくためにも、国内技術の進展そして国内産業の発展が欠かせないことを官僚及び政治家はよく認識すべきである。そこでの重要なことは、数年程度の短期的な視点ではなく、少なくとも20~30年を見通した長期的な視点である。
『最大級の氷山誕生 南極半島 三重県に匹敵』 毎日新聞7月13日付夕刊がこう報じている。南極半島東側にあるラーセン棚氷の一部が割れ、氷山になったことを確認したと英南極調査チームが12日発表したという。ちぎれた面積は約5800平方キロと三重県ほどの大きさで、重さは1兆トンを超える過去最大級の氷山という。チームはすぐに海水面の上昇にはつながらないとしているが、分離により棚氷内のバランスが崩れており、全体が消滅する懸念もあるという。棚氷が支えていた大陸上の氷塊が海に流れ出ると海水面への影響もあるため、監視が必要だという。地球温暖化との関係は不明としている。ラーセン棚氷は大きく3つの領域があったが、既に二つが消失している。今回分離したのは、残った一つの面積のうち12%以上に当たるという。棚氷には以前から亀裂があったが、2016年から急速に拡大。今回の氷山がくっついていた長さは、今年1月時点では約20キロだったが、5月には半分の11キロに減っていた。亀裂の最終的な長さは200キロ以上に上ったという。
『アジア送電網計画 本格化 ソフトバンク 20年開始目指す』と毎日新聞7月11日付夕刊はこう報じている。ソフトバンクグループが中国、韓国、ロシアの電力会社と共同で、モンゴルで発電した電気を日本へ送る計画を進めているという。送電線を敷く海底の調査などを今年度中に終え、早ければ2020年の送電開始を目指すという。国内の受け入れ態勢など課題も多いが、壮大な構想は実現するのか。これで、2011年9月、ソフトバンク孫正義社長が、提唱した「アジアスーパーグリッド構想」がようやく実現に向けて動き出したと言える。現在、国内では再生可能エネルギーによる電気の送配電が議論されているが、このような大規模な国際的な送配電網ができると、国内における送配電網整備も根本的に変化せざるを得ないだろう。国内の電力問題に画期的変化(イノベーション)を与えるかもしれない。国内の電力関連事業者も、このようなスーパーグリッド構想を念頭に置きながら、発電・送電・配電を含めた電力システムを総合的に考えていく必要があるだろう。
『関東中心に暑さ続く 館林 今夏、全国初の37度台』 毎日新聞7月10日付朝刊はこう報じている。 日本列島は9日、関東甲信などを中心に晴れて気温が上がり、全国17地点で35℃以上の猛暑日になった。気象庁によると、群馬県館林市で37℃となり、今年に入り初めて37℃台を記録した。このほか、群馬県伊勢崎市で36.8℃、福島市で36.6℃、栃木県佐野市で36℃、埼玉県熊谷市と茨城県笠間市で35.8℃を記録したという。午後5時の時点で、全国で505地点が30℃以上の真夏日となり、250地点以上で今年の最高を記録した。今後も暑さが続く見込みで、気象庁はこまめな水分補給などの熱中症対策を呼び掛けている。当研究所は2012年5月8日より、敷地内で地下1m深地温の毎日観測を行っているが、6月17日(20.12℃) 以降、地温上昇が続き、本日7月10日は22.90℃と急上昇を続けている。7月10日22.90℃という値は、気温も異常に高かった2013年に(23.51℃)次ぐものである。
『不公正貿易制裁を容認 G20宣言 米政権に配慮』 毎日新聞7月9日付朝刊はこう報じている。ドイツ・ハンブルグで開催されていた主要20か国・地域(G20)首脳会議は8日(日本時間同日夜)、地球温暖化対策や自由貿易の重要性などを明記した首脳宣言を採択して閉幕したという。気候変動については、「パリ協定」から米国が離脱表明したことに留意しつつ、二酸化炭素(CO2)の削減を進めていく必要性を確認。付属文書として策定した「ハンブルグ行動計画」に、エネルギーの効率化に向けて各国が努力することを明記した。ただ、この計画は「パリ協定」の参加国を対象としたもので、米国は含まれておらず、米国の孤立が際立つ格好となっている。米国の「パリ協定」不参加は、とくに、温暖化対策における、米国からの途上国への経済的支援が見込められなくなることが大きいのではないか。
『貿易、気候変動で対立 G20波乱含みの展開』 と 毎日新聞7月8日付夕刊はこう報じている。ドイツ・ハンブルグで、7日に開幕した20か国・地域(G20)首脳会議は、貿易や気候変動、テロ対策などをテーマにした初日の討議を終えたという。初参加となるトランプ米大統領と他国の主張には隔たりが大きく、8日に採択する首脳宣言の取りまとめに向けて波乱含みの展開になりそうだという。気候変動を巡る議論では、二酸化炭素(CO2)の削減を進めるなど大きな方向性では一致した。ただ、米国が国際的な枠組み「パリ協定」から離脱を表明したことに批判的な意見も相次いだという。米国はどこまで譲れるのだろうか? 一方、他国はどこまで主張を通せるか? 首脳宣言の行方が懸念される。
『温暖化対策の調整模索 米独首脳、G20宣言案議論』と毎日新聞7月7日付夕刊は報じている。トランプ米大統領は6日夕(日本時間同日深夜)、主要20か国・地域(G20)首脳会議が開かれるドイツ北部ハンブルグに到着し、議長を務めるメルケル独首相と会談した。米国が地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」離脱を表明したことで、今回の会議は首脳宣言に気候変動対策をどう盛り込むかが焦点。両政府は会談後、気候変動に関する議論の詳細は明らかにせず、閉幕まで調整が続く可能性があるという。
『福岡・大分 特別警報 大雨で6人不明』 毎日新聞7月6日付朝刊はこう報じている。活発な梅雨前線が停滞した影響で、西日本では5日、局地的に大雨が降った。気象庁は重大な災害が発生する危険が高まっているとして、同日午後、福岡・大分両県の広範囲に大雨特別警報を出した。両県では河川の堤防決壊や土砂崩れなどの被害が相次ぎ、計約45万人に避難指示が発令された。福岡県警によると、県内で子供1人を含む6人の行方不明情報があるほか、両県で複数人の安否がわかっていないという。気象庁は5日午後5時51分に福岡県の16市町村に、また、同7時55分に相次いで大雨特別警報を発令している。福岡県朝倉市では5日午後3時38分までの1時間に観測史上最大となる129.5ミリの雨量を記録したという。なお、5日正午から午後9時までの9時間に総雨量774ミリ(時間雨量平均 86ミリ/時間)と猛烈な大雨が長時間続いたことになる。6日午前中現在、雨は弱くなっているが依然と続いている。各地で氾濫危険水位を超えているとの情報が流されている。今後、被害が拡大することが懸念されているが、お住まいの方には、安全な避難をされること及び心からお見舞い申し上げたい。このような極端気象現象は、温暖化の進行とともに、増加すると予測されているが、それらへの対策を可能とするためにも、その発生メカニズムを詳細に明らかにする研究が必要と考えられる。
『オオタカ 希少種解除 環境省方針』 毎日新聞7月5日付夕刊はこう報じている。環境省は4日、絶滅の恐れがある「国内希少野生動物種(希少種)」のオオタカについて、個体数が増加したとして、指定を解除する方針を明らかにしたという。オオタカは里山に生息し、大規模開発に反対する自然保護運動の象徴となっている。環境省によると、1984年の民間調査で、推定生息数が300~400羽台まで減少し、93年の種の保存法施行に合わせ、希少種に指定した。その後の環境省の調査で、2005年に1800~2200羽、08年に5000~8900羽程度と推計された。環境省は調査結果を受け、生物の絶滅危険度を示す「レッドリスト」で絶滅危惧種だったオオタカを、06年と12年に2回連続で危険度が1ランク低い準絶滅危惧種とした。希少種の選定はレッドリストのランク分けを踏まえており、希少種の指定解除に向けた検討が進められていた。一方、生息状況の情報は不十分として、自然保護関係者には指定解除に慎重な対応を求める意見も根強いという。いずれにしても、このような判断の変更が、信頼できる調査結果に基づいて行われたことを評価したい。
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