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当研究所では2012年5月8日より、当所敷地内(埼玉県狭山市)で1m深地温の連続観測をしており、興味ある結果が得られている。少々遅くなったが、地温に関係したインターネット情報(Yahoo Japanのニュース。オリジナルは日本農業新聞1月8日付)があるので紹介したい。それによると、「地球温暖化でマツタケの収穫期間が短くなっていることが、長野県林業総合センターの調査で分かった。36年間の地温、気温、降水量などの気象観測データとマツタケの発生時期、発生量を調べて結論付けた。現状のままでは減収の恐れがある。収穫を安定させるため、同センターは地温の上昇を避ける施業方法の見直しを提案している」。具体的には、「標高800mの地域では、収穫開始時期が特に遅くなっている。豊丘村の平均の初収穫日は、81年~90年は9月24日だったが、07~14年は9月30日、収穫最終日の遅れは開始日ほど大きくはないため、結果として収穫期間全体が短くなっているという」。 当研究所の地温測定では、最近の数年間ではあるが、経年的変化が明らかにされているが、年平均地温の変化だけではなく、地温の年最高地温を示す日が年々早くなるなどの変化の位相も変化する傾向が見られている。地温変化は基本的には気温変化を反映したものではあるが(地温変化振幅は気温変化振幅より小さく、また、地温変化は気温変化より位相が遅れるという特徴がある)、地温が直接的に影響を与えている現象があることは興味深い。
毎日新聞2017年1月11日付朝刊によると、環境省は10日、沖縄・八重山諸島の石垣島と西表島の間にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」で、70.1%のサンゴが白化死滅したと発表したという。同省那覇自然環境事務所が昨年2016年11月~12月、水深2~7mの35地点で調査した結果分かったという。石西礁湖は東西に約20km、南北に約15kmに広がる。昨夏の高い海水温が続いたことが影響したと見られている。依然として、地球温暖化が進行していることを示している。ただ、当研究所(埼玉県狭山市)は敷地内で、2012年5月8日以降、1m深地温の毎日観測をしているが、年平均地温は2015年17.70℃、2016年17.40℃、年最高地温は2015年28.72℃、2016年は26.11℃となっている。地球温暖化が指摘される中、気温・海水温・地温も長期的には上昇する傾向がある中で、短期的な変動もあり、気温・海水温・地温も相互に関係していることは確かであるが、それぞれの熱輸送のメカニズムとも関係しているので、今後議論していきたい。
毎日新聞12月8日付朝刊によると、トヨタ自動車は7日、提携企業などを公募し、新サービスの共同開発を進める取組み「トヨタネクスト」を始めると発表したという。少子高齢化などを背景に国内販売の低迷が懸念される中、異業種連携を通じて車の魅力を高める新サービスを創出したい考えという。ホームページでアイデアを募り、早ければ来年夏にも新サービスを始めるという。主な提携対象は国内の企業や個人。安心・安全性能や車の快適性を高めたり、販売店が提供するディーラーサービスを拡充したりするアイデアを来年2月まで募集するという。外部のコンサルティング会社の協力も得て、7月下旬に提携先を決定するという。開発費用はトヨタが全額か一部を負担し、連携企業との資本提携も検討するという。対象に地熱発電も含まれるとすれば、是非とも地熱開発企業が手を挙げることを期待したい。
毎日新聞12月8日付朝刊によると、東京電力が、送電事業で他社と提携する検討に入ったことが7日、分かったという。社をまたいで電力の需給を調整する組織を新設し、発電や送電を効率的に行い、収益を向上させる狙いだという。関係者によると、東電はすでに他社に協議を持ちかけ、経済産業省の有識者会議「東京電力改革・1F問題委員会」(東電委員会)にも構想を示しているという。東日本を中心にした広域連携を目指すという。大手電力会社は現在、各社が個別で、需要と供給が一致するよう発電している。東電は、他の大手と組んで需給の調整機能を一元化したい考え。たとえば、東北電力の再生可能エネルギーで発電した電力が余った場合、東電に融通して、火力発電の出力を抑え、燃料費を削減する効果などが期待できる。東電が送電事業の効率化を急ぐのは、1Fでの処理費用が2013年に見積もった計11兆円から20兆円超を膨れ上がる見込みの中、収益力の強化を迫られているからだという。発送配電を広域で効率化することによって、再生可能可能エネルギーの導入にプラスになることは賛成であるが、その意図が必ずしも明瞭でなく、提携する側がすぐ同意するとも考えにくい。動機が不純である。まず、従来からの、東電の唯我独尊的な姿勢を改める必要があるだろう。東電は、政府から(したがって、国民から)の特別な支援を受け、辛うじて存続しているわけで、やはり一度清算し、区切りを付け、出直すべきである。東電処理問題はいろいろな方面に影響を与えている。日本の電力システムは後世に向けて改めて、根本的に改善していくべきであると思われる。東電事故の処理都合で、新しい電力システムが作られていくことは将来に禍根を残すことになろう。
毎日新聞12月6日付夕刊によると、環境省は6日、2015年度の国内の温室効果ガス排出量(速報値)が、二酸化炭素(CO2)換算で前年度比3%減の13億2100万トンだったと発表したという。東京電力福島第1原発事故後、2年連続で減少したのは初めて。省エネが定着し、電力消費量が減少したことが主な原因と考えられている。原発事故後、火力発電所の稼働が増えて排出量は13年度にピークの14億500万トンに達したが、翌年度から省エネや再生可能エネルギーの拡大でCO2排出量の減少が続いた。政府が掲げる「20年度までに原発ゼロでも05年度比3.8%減」の目標も、15年度は5.2%減と原発事故後で初めて達成した。一方、冷凍冷蔵庫やエアコンの冷媒として使われる代替フロン「ハイドロフルオロカーボン(HFC)」の排出量はCO2換算で前年度より360万トン増え、今後に課題を残している。国連に提出している「30年までに13年比26%減」という温室効果ガスの削減目標について、環境省の担当者は「毎年3%減を維持すれば達成できる」と述べているという。前述の提出目標より、今後の国際的な地球温暖化に関する議論では、より多くの削減が求められることは明らかであり、今年度目標をクリアしたからと言って安心できるわけではない。引き続き、省エネと再生可能エネルギーによる発電の進展が必要である。
毎日新聞11月26日付夕刊によると、南極の海氷の面積が100年前に比べ変わっていないという結果が得られたという。英国レディング大学は、南極大陸を取り巻く海氷の大きさについて、約100年前と現在でほとんど変わっていないことがロバート・スコットやアーネスト・シャックルトンらの当時の南極探検隊の日誌から分かったと発表したという。研究チームによると、20世紀には増加した時期と減少した時期があり、減少を続けているのではないことが分かったという。欧州地球科学連合の機関誌に発表された研究結果によると、スコット隊やシャックルトン隊のものを含む、1897年~1917年の間に航海した九つの船の探検日誌を分析した。記録にある氷の端の位置を基に分析した海氷の大きさは530万~740万平方キロ。衛星観測から現在は約600万平方キロとしている。1950年代にはこれよりかなり大きかったことがわかっており、研究チームは縮小する一方ではないと指摘。最近ではわずかに大きくなっているといい、南極の海氷は北極よりも温暖化の影響を受けにくいと見られるとしている。チームを率いるジョナサン・デイ博士は「スコット隊などが収集したデータは南極の海氷の拡大や縮小について、われわれの見方を変える可能性がある」と指摘している。興味ある結果だが他のデータで検証する必要があると考えられる。温暖化は単調に一方向に進むのではなく、変動を繰り返すもので、また地域によってもその表れ方が違うからである。
毎日新聞11月25日付朝刊によると、11月22日に起きた福島県沖の地震(M7.3 最大震度5弱 津波高仙台港で最大1.4m)は、旧磐城沖ガス田付近の海底活断層が動いて発生した可能性が高いとする分析結果を、東北大と広島大の研究チームが明らかにしたという。断層は少なくとも30kmを超えるとみられ、断層と直交する向きで地盤が大きくずれたことが、延長線上にある仙台港の津波が最大1.4mと高くなった一因だと考えられるという。研究チームは、海底地形や地質構造と今回の地震の余震分布との関係を調べた。その結果、今回の震源域は同県楢葉町の沖合40キロで2007年まで操業していた同ガス田の近くで、過去の海底掘削調査などから北東-南西方向に延びる断層の存在が報告されている海域と判明。地震前の海底地形データを詳しく判読したところ、この断層に沿うように東側が5~10mほど落ちた崖が確認できたほか、今回の地震の余震もこの断層に沿う形で発生していることが分かった。研究チームの東北大学災害科学国際研究所の遠田晋次教授(地震地質学)は「一度の地震活動で10mもの崖ができるとは考えにくく、何度もずれ動いた活断層が今回動いたと考えられる」と指摘したという。海底活断層に関する情報は不十分で、今回のように他の目的で調査した結果が防災に生かされていない例は他にもあると見られ、「情報を収集し、詳しい調査を進めるべきだ」と話しているという。ところで、地熱発電所でも発電に伴って、種々のモニタリングを行っているが、地殻活動の監視に有用なものもあると考えられ、地熱発電関係者もモニタリング結果を発電の維持に活かすだけでなく、今回の例のように、広く考えることで、火山防災・地震防災に活かすことができるのではないか。このことはすなわち、地域防災に貢献することができるわけで、地熱発電所ができることのメリットを地域に説明する手段の1つとなり得るのではないか。地熱事業者の検討を期待したい。
毎日新聞11月23日付朝刊によると、地熱発電開発が大きく進展しつつある東アフリカ諸国において、地熱発電システムの管理をIoTで管理するという先端技術の提供に日本が取り組むとの報道がなされている。報道によると、日本政府が国連工業開発機関(UNIDO、本部ウィーン)と協力し、東アフリカ諸国で地熱発電設備をインターネットでつなぎ、生産効率の向上につなげる「モノのインターネット(IoT)」化に取り組むことが分かったという。わが国の既設地熱発電所のほとんどはすでに遠隔監視化されており、「新設地熱発電所が次々と建設されるが、地熱発電所運転の経験に乏しい東アフリカ地熱発電所国」には有効な支援になる可能性がある。その前に、まず持続可能な適切な規模の地熱発電所が建設されることが肝要であると思われる。
毎日新聞11月19日付夕刊によれば、モロッコ・マラケシュで開催されているCOP22は、18日、温暖化対策のパリ協定に実効性を持たせるルール作りを2018年までに終える工程表を採択したと報じている。合意文書は、以下の3項目からなっている。(1)2018年までにパリ協定のルール作りを完了する。17年には進捗状況を確認する会合を開催する。(2)温暖化による被害軽減対策のための基金について、特別協議を開始する。募金に関し、締約国は17年3月31日までに意見を提出する。(3)17年5月の会合で、18年に各国の温室効果ガス削減目標を引き上げるための仕組み作りを議論する。なお、日本は、パリ協定の批准が遅れ、今回開かれた第1回パリ協定締約国会議には議決権のないオブザーバーとして出席している。山本環境相は以下のようなことを述べているという。「会議では、世界各国がパリ協定を一致して守っていくという思いが出せ、全体としてこの流れは変わらないということが示された(全く第三者的なコメントである。当事者意識が極めて薄い。わが国は実質的に関与できなかったので積極的なコメントができないということか)。(今世紀後半以降の大幅削減に向けた)長期戦略を多くの国が作ってきている状況なので、日本としてもそれをきちんと仕上げていく必要がある(積極性がない。数値作りをするという程度の考えか)。会期中、日本は(不名誉な)化石賞を受けたし、石炭火力発電はどの国でもいい評価は得ていない(当然である)。石炭に関する環境省としての考えを今後、はっきり申し上げていきたい」(国内意見をまとめ、それを国際的に公表し、世界をリードしていくことが環境省にできるか)。環境省の動きを見守りたい。
毎日新聞11月19日付朝刊によると、「COP22閉幕へ向け パリ協定のルール作りの工程表採択へ大詰め」 と報道されている。マラケシュで開かれているCOP22は最終日の18日、「パリ協定」のルール作りを2018年までに終えることを盛り込んだ工程表の採択を目指して最終調整が行われている。交渉関係者によると、温暖化の影響が大きい島しょ国を中心に、17年にもルール作りの経過を検証する会議を開き、項目ごとに採択すべきだとの意見が根強いという。18年まで協議して一括で採択するとする先進国などの案との間で協議が行われているという。また、温暖化による被害を防止するための途上国向けの資金について、先進国は20年までに官民合わせて年1000億ドル(約11兆円)の支援を可能にするとの報告書をまとめたが、途上国は拠出額の算定方法などを疑問視し、意見が対立しているという。なお、開幕に先立ち、「(パリ協定は)あらゆる立場の人が支持するもので、政府だけの力で交代させることはできない」とする「マラケシュ宣言」も採択されたという。名指しこそしないものの、温暖化対策に後ろ向きな次期米国大統領のトランプ氏をけん制する内容になっている。当然のことと思われる。はたして、大統領選挙期間中、否定的な見解を述べてきたトランプ氏は具体的にどのような対応をとることになるだろうか。注目したい。
毎日新聞11月18日付夕刊には3件の地球温暖化関連の記事が掲載されている。大きい扱いから順に紹介する。1)脱炭素市場 日本影薄く: マラケシュで開催中のCOP22においては「脱炭素市場」を狙い、各国の企業が多数参加しているが、日本企業の姿はほとんど見られないという(日本の見本市出展は、世界各国約150社中わずか2社)。パリ協定は、産業革命前からの世界の平均気温上昇を2℃未満に抑えることを目標とする。各国の研究機関などで作る「ニュー・クライメート・エコノミー」は、この達成に今後15年間で90兆ドル(9900兆円)の投資が必要と試算しているという。世界各国の企業が再生可能エネルギーは十分成長可能なビジネスととらえている一方、日本企業の関心の低さはいったいどこからきているのだろうか。パリ協定批准が遅れに遅れた、温暖化対策に消極的な国の姿勢が反映されているのか。2)日本-温暖化対策「落第」:ドイツの環境シンクタンク「ジャーマンウオッチ」などが世界の主要58の国と地域の地球温暖化対策を評価したランキングを発表したという。日本は下から2番目(最下位はサウジアラビア)。再生可能エネルギーが増えていることは評価されたものの、二酸化炭素排出の多い石炭火力発電を推進し、原発頼みの削減策に固執していることなどが理由という。チームは、温室効果ガス排出量や再生可能エネルギーの比率などのデータに、独自の政策の分析結果を加えて採点したという。なお、十分な対策を実施している国はなかったことから、1~3位は前年同様「対象国なし」。トップの4位はパリ協定を議長国としてまとめたフランスで100点満点中66.17点、ちなみに日本は35.93点で60位。残念ながら、日本の評価は最低レベルである。3)日本に「化石賞」:世界の環境保護団体で組織する「気候行動ネットワーク」は17日、地球温暖化対策の前進を妨げている国に贈る「化石賞」に日本を選んだという。温暖化対策の新枠組み「パリ協定」を批准しながら、二酸化炭素排出の多い石炭に依存し、石炭火力発電技術を海外輸出する矛盾した行動が理由という。  以上の3件を見ると、政治的、経済的、技術的観点いずれから見ても、残念ながら、温暖化対策において、世界から低く見られていることになる。COP22でいったいどのような発言をするのか。
毎日新聞11月17日付夕刊によると、今年も気温が過去最高になったという。世界気象機関(WMO)は、今年の世界の平均気温が観測史上最高になるとの見通しを発表したという。WMOによると、今年1~9月の平均気温は基準値(1961年~90年の平均)より、0.88℃高かったという。10月も高い状態が続いたため、年平均では過去最高だった昨年(基準値より0.77℃上昇)を上回る見込みだという。過去30年間で気温上昇が顕著になっている。ところで、当研究所では2012年5月8日より、1m深地温の毎日観測を行っているが、地温(年最高地温、年平均地温)が昨年までは上昇傾向にあったが、今夏は低下に転じており、考察が必要である。
米国がトランプ政権に移行する中で、米国が温暖化対策に後ろ向きとなり、パリ協定が形骸化するとの懸念が根強いが、毎日新聞11月17日付夕刊によると、米国の現オバマ政権は16日、温室効果ガス排出量を2050年に05年比で80%以上削減することを目指すとの長期戦略を、モロッコ・マラケシュで開催中のCOP22で発表したという。米国ケリー国務長官は「米国の温暖化対策は後退しない」と述べ、他国に先駆けて長期目標を掲げることで先導する姿勢を強調したという。しかし、トランプ氏が大統領に就任後どうなるかは予断を許さない。
米国大統領選で、大方の予想外のトランプ候補が当選したため、各方面に波紋を呼んでいる。11月12日毎日新聞夕刊によると、トランプ候補はパリ協定に反対しているため、「パリ協定の形骸化」が、懸念されているという。COP22が開かれているモロッコのマラケシュで、各国が神経をとがらせているという。共和党候補として米大統領選で勝利したドナルド・トランプ氏は、環境政策分野で政権移行チームのトップに地球温暖化懐疑派の論客を指名したという。温暖化防止の国際的な枠組み「パリ協定」の形骸化とともに、米国の「協定離脱論」もくすぶり、COP22会場には悲観論が漂っているという。11日の会議では、米国の交渉団は「次の政権がどうなるかわからない。ただ、すでに、パリ協定は発効している。覆る恐れはない」と答え、2005年の発効前に離脱した京都議定書との違いを強調したという。懸念が深まる理由は、トランプ氏が、ワシントンのシンクタンクに務めるマイロン・エベル氏を米環境保護局(EPA)の政権移行チームのリーダーに指名したことによる。氏は温暖化懐疑派の論客で、石炭火力発電所の新設を実質禁じたオバマ政権の政策を「違法」と断じている。地球温暖化と温室効果ガスの科学的関連について、産業界を支持基盤とする共和党内には懐疑論が強いという。協定には批准国が4年間は脱退できない決まりがあるが、共和党主導の議会がパリ協定からの「離脱」を検討する可能性もあるという。EU筋は、「協定は参加国が温室効果ガスの削減目標を守らなくても罰則はない。トランプ氏がオバマ政権で設定した目標を棚上げすることはあり得る」と、協定の形骸化を懸念している。昨年、パリ協定を採択したCOP21では、先進国が途上国へ25年までに年1000億ドルを支援することも決まっている。米国の資金提供額は大きく、日本の外交筋は「米国が資金拠出をやめたら穴埋めはできず、途上国を協定につなぎとめられないだろう。深刻な影響は徐々に出てくる」と見ているようだが、もしそのような状態が出来すれば、わが国は第三者的立場に留まることなく、批准に遅れたことの名誉挽回のため、出番が来る可能性があるが、果たして世界をリードできるか。しっかりと見守りたい。
サンゴの生息は海水温度に大きく影響されることが知られているが、毎日新聞11日付夕刊は「温暖化サンゴ礁直撃」と報じている。地球温暖化に伴う海の温度上昇や酸性化で2050年までにはほとんどの地域のサンゴ礁が打撃を受け、特に漁業や防災面で恩恵を受けているオセアニアや東南アジアの人々の生活に悪影響を及ぼすとの予測を、国際チームが米科学誌に発表したという。日本や中国などでは将来酸性化の被害が深刻になると予想している。サンゴ礁には、浸食から海外線を守る役割があるが、海水温が上がると白化して死んでしまう恐れがあるという。チームは、サンゴ礁での漁業の状況などの国別統計データを解析した。海温上昇などによるサンゴ礁への影響は太平洋の熱帯域に集中し、影響を受けない地域はなかったという。フィリピンではサンゴ礁から約7億ドル、インドネシアでは1億ドルの漁獲を得ているが、打撃を受ける恐れがあるという。また、長期的には大気中の二酸化炭素が海に吸収されることで起きる海洋酸性化で、サンゴ礁が被害を受けると見られ、影響が大きいのは、日本など比較的緯度が高い地域であることも判明したという。海水温の上昇は気温の上昇を反映したものであるが、気温の上昇は当然地温も増加させる。当研究所(埼玉県狭山市)では2012年5月8日から地温の毎日観測を継続しているが(現在では、他に、秋田市および関東数地域でも観測中)、2012年から2015年にかけては地温が経年的に上昇し、2015年から2016年にかけては低下に転じているが、今後、この地温変化が植物等にも影響がみられるかどうか注目したい。なお、イネや果実が気温上昇の影響を受けていることはすでに知られており、地球温暖化に対応するための品種改良等が行われている。これは気温上昇の直接的影響が考慮されているものと思われる。
パリ協定国内批准最終報(となると思われる)。毎日新聞9日付朝刊によると、政府は8日、2020年以降の国際的な地球温暖化対策を定める「パリ協定」の批准書を国連本部に提出したという。同協定は米中などが早期批准し、4日に発効済(日本の批准は協定発効に寄与していない)。運用ルール作りを議論する国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が7日から始まっており、参加している海外NGOからは、日本の批准遅れに落胆の声が上がったという(当然の反応と思われる)。パリ協定は途上国を含めたすべての国が温室効果ガス削減を進め、産業革命前に比べ地球の気温上昇を2℃未満に抑えることなどが目標。日本は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を巡る与野党対立で国会審議が遅れた。8日の衆院本会議で全会一致で批准案を承認し、閣議で批准書を決定した。批准は当然であるが、国際情勢を完全に見誤った。TPP協定よりも、パリ協定を先に批准すべきであったと思われる。途上国のNGOなどでつくる「サード・ワールド・ネットワーク」のメンバーでマレーシア人のミーナ・ラマンさんは「日本が気候変動問題に消極的で悲しい。批准後は排出削減の取組みでリーダーシップを示すべきだ」と話したという。当然の発言と思われる。COP22に合わせパリ協定のルールを決める第1回締約国会議(CMA1)が開かれるが、日本は議決権のないオブザーバー参加となる。山本公一環境相は8日、「(COP22では)堂々と主張をしていきたい。日本の存在感を高めていければと思う」と語ったと報道されているが、そう期待したいが、世界の目は厳しいものとなろう。日本はパリ協定の下、30年に温室効果ガスを13年比26%削減する目標を掲げ、家庭や産業界で大幅な削減を目指すことになっているが、CMA1では更なる削減を求められることになるだろう。はたして、批准の遅れを挽回し、世界が納得する目標を掲げられるだろうか。なお、これに関して、安倍首相が「各国による(温室効果ガスの)排出削減の透明性がより高まるようなルール構築に向け、主導的な役割を果たしていく」との談話を発表したという。「すべての国が参加しなければならないとの一貫した主張が実現した」と評価したというが、国内批准に関係する一連の状況を見る限り、標榜する「地球を俯瞰する外交」の名が泣く。締約国会議では、少なくとも、ネガティブな発言ではなく、世界をリードする発言を期待したい。
毎日新聞11月8日付朝刊に、国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が7日、モロッコ・マラケシュで開幕されたことが報道されている。温室効果ガス排出ゼロの「脱炭素社会」を目指す地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」が4日に発効後、最初の締約国会議となる。各国の排出削減目標の引き上げに向けたルール作りなどを焦点に、18日まで議論するという。パリ協定では、各国が自主的な温室効果ガス排出削減目標を掲げ、産業革命前からの世界の平均気温の上昇を2℃未満に抑えることになっている。ただ、各国の現在の目標では達成できないため、より高い設定を巡り、会議で国同士が対立する可能性もあるという。このほか、実際にどれだけ削減したかを検証するルール作りも重要議題になっている。パリ協定の批准国は6日で100カ国・地域に達し、同枠組み条約に加盟している197カ国・地域の過半数となっている。このような中で、日本の批准は、遅れに遅れ、COP22開催までに批准が間に合わないという失態をさらしている。期限までの未批准国は、会議への参加はオブザーバーであり、異議の申し立てができない状況にある。このような中で、衆院本会議で承認案が採決されるのが8日以降と出遅れている(8日付夕刊によると、衆院承認を経て、政府が批准を決定すると、すべての国内手続きが終了する。8日夜に米国ニューヨークの国連本部に批准書を提出すると批准が完了する手はずになっている。従って、現時点ではまだ批准が国際的に認められたとは言えない)。15日に開催される閣僚級会合では、日本から山本公一環境相が出席するというが、どのような発言をするのだろうか。開幕に当たり同条約事務局のパトリシア・エスピノサ事務局長は「パリ協定への期待が高く早期発効できたが、(温室効果ガス排出ゼロ)の達成は簡単ではない。それでも、炭素消費に頼った成長を考えなくてはならない」と述べているという。批准では失態を演じた日本が、国際会議をリードすることは果たして可能か。世界が評価し、納得するような意見が述べられるか。
パリ協定国内批准続報。依然政府の失態は続く。毎日新聞11月5日付朝刊によると、国会運営のもたつきから、批准がさらに先送りされ、発効日に批准が間に合わないという、国際的に見て大失態を演じることになってしまった。与党は8日の衆院本会議で採決する方針というがそれも不確定である。最悪の場合、全体会議COP22、および実務者会議CMA1が閉幕しても、国内批准が行われないという事態になりかねない。菅官房長官は4日の記者会見で「わが国の長年の主張に沿う画期的な協定だ」と発効を歓迎したというが、犬の遠吠えに過ぎない。このような発言は国際的にはもちろん、国内的にもおいても何ら意味をなさない。恥ずかしい限りである。民進党の江田代表代行は「政府の大失態だ。国際的評価は地に落ちた」と批判したというが、もっともなことである。
毎日新聞11月4日付夕刊によると、温暖化防止パリ協定が発効したことを報じている。先進国と発展途上国を合わせた190カ国以上が参加し、国際協力で温室効果ガス削減を進める地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」が4日発効した。国連の気候変動枠組み条約事務局が同日発表したという。7日からモロッコでCOP22が開催され、協定の実施ルールの議論が予定されている第1回締約国会議(CMA1)が開催される予定であるが、繰り返し本欄でも紹介しているように、批准が遅れた日本は議決権がないオブザーバー参加しか認められない。従って、日本の存在感低下が避けられない状況になっている。日本は、国会審議入りが遅れ、また、環太平洋パートナーシップ(TPP)を巡る与野党攻防のあおりで(最後は、TPP担当の山本農林水産大臣が、極めて低レベルの発言を繰り返し、国会審議が紛糾し、致命的な遅れとなった)日程調整が難航したというが完全に国際情勢を読み誤ったと言える。
毎日新聞11月4日付朝刊によると、「パリ協定 日本見誤る」 との大きな見出しのもと、京都議定書に代わる2020年以降の地球温暖化の国際枠組み「パリ協定」が米東部時間4日午前0時(日本時間同午後1時)に発効すると報じている。中国や米国などの温室効果ガスの主要排出国が次々と批准して早期発効を後押ししたのと対照的に、日本は出遅れ、発効日の4日にようやく批准(まだ、批准していない)にこぎつける見通しという。規定の10月19日までに批准ができなかったため、日本はCOP22に合わせて開かれるパリ協定の第1回締約国会議(CMA1)で、議決権を持たないオブザーバーとしてしか参加できないことになった。「各国の温室効果ガス削減目標をどのように検証していくか」といったパリ協定の具体的なルール作りが議論されるが、最終的にルールを採択するのは、COP22ではなく、CMA1の方であることを考えれば、残念ながら、わが国の発言権は大幅に小さくなったと考えるべきと思われる。このような状況に及んでも、環境省幹部は「すでに批准したと国とまだの国を分けず、すべての国を巻き込んで議論する必要があるという認識では各国は一致している」というような、楽観視したぴんとはずれのことを言っている。この国際的センスのなさはいったい何を示しているのだろうか。もし前述の環境省幹部の発言が環境省を代表するものならば救われないというべきであろう。このような状況の中で、わが国がなすべきことは、温室効果ガス排出量を削減する中で、確実に再生可能エネルギーを増加させていくこと、地熱発電で言えば、2030年に累積150万kWという国の目標を確実に実現していくことである。関係者の尽力を一層期待したい。
「パリ協定」国内批准追記。毎日新聞11月2日付朝刊によると、自民・民進両党は1日、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の承認案に関し、衆院外務委員会で2日に採決し、衆院本会議では4日に採決する日程で合意したという。参院本会議では既に全会一致で可決されており、4日承認されることになったものである。「パリ協定」は米国や欧州各国、中国、インドなどの主要排出国がすでに批准し、わが国の批准とは無関係に、4日に発効する。政府は7日からモロッコで始まる気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)までに批准を済ませたいとの考え。ただ、会議の期間中に開催される「パリ協定」の第1回締約国会議には正式メンバーとして参加できないことが決まっており、出遅れが鮮明となっている。「パリ協定」は温暖化による深刻な被害を避けるため、産業革命前からの気温上昇を2℃未満、できれば1.5℃に下げるとの目標を掲げており、このためには今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることが必要で、参加する日本も厳しい排出削減が求められる状況にある。このような中で、国際的な動きに完全に後れを取ったわが国は、どのような主張をし、世界をリードできるか注目したい。
11月2日 パリ協定発効にあたって自然エネルギー財団からコメントが出ています。詳細は、自然エネルギー財団HPまで。
「パリ協定」批准承認案参院通過 と毎日新聞10月29日付朝刊が報じている。やっと動き出したかという感じである。記事によると、参院は28日の本会議で、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の批准承認案を全会一致で可決した。衆院に送られて同日午後審議入りしたが、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を巡る与野党の駆け引きが続いており、批准手続きが遅れる可能性がある。パリ協定は米国や欧州各国、中国、インドなどが批准し、日本は出遅れた。政府は11月7日からモロッコで始まる気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)までの批准を目指す という。パリ協定のような、国内で党派的な対立がアなく、国際的に早期批准が求められているような課題に関しては、参院が優先的に審議するとともに、国際的に対応できないものか。それこそ、参院の独自性が発揮できるとともに、二院制の本来の機能が回復されるものと考えられる。今回のような国際的不始末を再び起こさないためにも、衆院で批准後、国会で何らかの対応策が議論されることを期待したい。
9月初旬以降、本欄では、繰り返し「パリ協定」の国内批准の遅れについて紹介してきたが、毎日新聞10月28日付夕刊は、地球温暖化対策の新しい国際的枠組み「パリ協定」が11月4日に発効する中、日本の批准はまだもたついていることを報じている。11月7日には批准国が協定の運用ルールを議論する「パリ協定第1回締約国会議(CMA1)」がモロッコで開催される。ところが、批准国としての権利が得られるのは批准の30日後であり、日本が今から最速で批准したとしても、オブザーバー参加しかできないことになる。また、CMA1自体が閉幕してしまう可能性もある。このような状況の中、環境省国際地球温暖化対策室は「パリ協定の運用ルール作りは今後2年程度かけて話し合う。CMA1には間に合わないが、批准後は議論に参加できるので大きな影響はない」と、この期に及んでも強調しているようだが、各国の批准の加速的進行についていけず、完全に出遅れた、「国際的センスのなさ」はあきれるばかりである。かりに日本が発言しても重要視されることはないだろう。このような失態に対してどのように責任を取るのだろうか。今後の推移を見守りたい。
パリ協定国内批准についての続報 毎日新聞10月18日付朝刊によると、経団連が環境相と会合を開き、地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」に関し、早期批准が急務だとの認識で一致したという。国際的センスの無い政府に対して、ごうを煮やした財界が一歩踏み込んだものと言える。しかし、このこと自体は歓迎すべきであるが(政府より、財界の方が国際感覚があること)、財界の思惑は全く別にあり、国内的にも国際的にも非難に値する。環境相との意見交換で、経団連側からは「(温室効果ガスの排出量の少ない)原子力発電で、安全性を確保できたものは再稼働すべきだ」、「再生可能エネルギーは不安定性が高い。蓄電池の研究開発が大事だ」などの意見が出たという。なんと懲りない面々なのだろうか。あのような大事故が全く経験として生かされていない。原子力発電に関しては、少なくとも、福島が完全に事故前に戻った段階で始めて、謙虚に議論を始めるべきである。最近の鹿児島県知事選、新潟県知事選により国民の意見は明確になりつつある。福島県では、発災後6年近くになっても、県面積の5%程度が避難指示区域になっており、また、避難者数が県民の5%程度あることを強く認識すべきである。歴史の評価に耐えられる行動を政府・財界に要望したい。
10月15日 毎日新聞15日付夕刊によると、フロン類を規制する「モントリオール議定書」の締約国会合は15日、議定書を改訂し、地球温暖化につながる温室効果が強力な代替フロン「ハイドロフルオロカーボン(HFC)」の生産規制に乗り出すことで大筋合意したという。日本を含む先進国は、2036年度までに11~13年の年平均に比べ85%削減することになるという。途上国に対しては、先進国に比べ、削減目標(時期・量)に猶予を設けている。それは、HFCに代わる物質の開発と普及に時間がかかるため。HFCは、太陽からの有害な紫外線を吸収する上空10~50kmにあるオゾン層を破壊しないが、二酸化炭素の100~1万倍以上もの温室効果がある。00年以降にオゾン層を破壊するフロンからの切り替えが進み、冷蔵庫やエアコンなどの冷媒に使われている(なお、近年、実際に南極上空のオゾン層の回復が観測されている)。日本での排出量は14年度が3580万トンで、10年前の約3倍に増えているという。なお、環境省は、温室効果の低いフロン類の使用や、アンモニアなどの別の冷媒を使うことなどを製造業者に求めており、また、HFCの代わりとなる冷媒の開発にも補助金を拠出するという。そしてさらに法改正を含めて対応を検討するという。なお、「モントリオール議定書」とは1987年に採択され、オゾン層を破壊する物質の生産・使用量の段階的削減を先進国と途上国の両方に義務付けている。オゾン層を破壊しないことからHFCは規制対象外であったが、途上国でも利用が急増しているため、2015年から世界全体での生産・消費規制を目指して締約国会合などで議論が続いていたものである。
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