『右も左も批判し始めた』 毎日新聞3月10日付夕刊の熱血!与良政談(与良正男専門編集委員)はこう論じているので紹介したい。 ・・・自民党の二階俊博幹事長に対する激しい批判が、最近、ネット上で広がっているという。てっきり、森喜朗元首相の女性蔑視発言について「撤回したから、それでいいのではないか」と擁護した点等々、自民党の古い体質への批判や不満だと思っていたら、実はそれが中心ではない。むしろ仕掛けているのは右寄りの人たちだ。要するに、二階氏は中国と仲が良く、尖閣問題をはじめ中国への対応が手ぬるいという批判である。「売国奴」といった言葉も飛び交って、幹事長解任を求める動きもネット上で出ている。二階氏は安倍晋三前政権時代から自民党の幹事長を務め、かねて親中派と言われてきた。ただし、前政権の時には右からの批判がここまで広がることはなかった。何が変わったというのか。菅義偉首相は安倍氏に比べてイデオロギー色が薄く、経済重視姿勢も相まって対中政策は元々、強行ではない。だが、一部右派には、菅政権発足の立役者だった二階氏に政府の対中政策が牛耳られていると思えるのだろう。二階氏への批判は菅氏への批判につながりつつある。菅政権の苦しさは、左右双方から批判され始めたことにある。この呉越同舟は新たな動きと言っていい。再三書いてきた通り、安倍前政権が長期に及んだ要因の一つは、何があっても安倍氏を支持する(⇒「脳」無しの)人たちがいたからだ。「モリ・カケ」や「桜」疑惑でも、彼らは「左翼メディアが政権を倒すために利用している」「中国に対抗する安全保障政策議論や憲法改正に比べれば、たいした話ではない」と言い張った。NHKや読売、産経両紙は政権に都合の悪い話は大きく報道しようとはしなかった。こうして政権への国民の怒りにブレーキがかかってきた。その構図が崩れ始めている。先が見えない新型コロナウィルス対策。菅氏が数少ない政権浮揚策と考えているであろう東京オリンピック開催も不透明だ。「東北新社」に勤める菅氏の長男らから総務省幹部が高額接待を受けていた問題は、NTTからの接待問題に発展している。菅氏の(⇒ちまちま政策の一つの)看板政策である携帯料金値下げが進む中で一体何があったのか。一連の疑惑の解明を二の次にして、菅氏は劣勢の挽回を目指し、今度は保守層を固めるために極端に右に傾かないか。私には、それが心配だ・・・と論じている。⇒菅首相にはそれまでの「脳」力、体力はなく、近いうちに野垂れ死にするだろう。問題は二階幹事長だ。旧体制の元締めで、密室談合主義で、反民主的な、闇の人間をどのようにして葬るかだ。この化石人間を政治から追放しない限り、日本の民主主義の夜明けはないだろう。何も変わらず、旧態依然のままだ。氏の自然消滅を待っていては日本が壊れる。