『スパコン「富岳」主要部門1位 計算速度は陥落』 毎日新聞5月31日付朝刊はこう報じている。 理化学研究所は30日、富士通と共同開発したスーパーコンピューター「富岳」(神戸市)がスパコン世界ランキングの主要2部門で5年連続1位になったと発表した。ランキングは半年ごとに発表される。計算速度を競う部門では、2年ぶりにトップの座を明け渡した。富岳が首位となったのは、物理現象をシュミレーションする際の処理性能を測る「HPCG」とビッグデータの解析性能を示す「Graph500」。 一方、昨秋まで4期連続で首位だった計算速度の性能を示す「TOP500」と人工知能(AI)の開発でよく使う計算の指標「HPL-AI」の両部門は2位だった。米国のスパコン「フロンティア」にトップの座を譲ったという。計算速度は、フロンティアが1秒当たり110.2京回で、富岳の44.2京回の約2.5倍に達した。理研計算科学研究センターの松岡聡センター長は「富岳が、総合的に世界最高性能と幅広い汎用性を両立させたスーパーコンピューターであり続けていることを示している。富岳の更なる高度化と安定運用に努め、次世代のスーパーコンピューター開発を見据えた研究を推進する」とコメントした。⇒「富岳」の使用に関しては、一般には、コロナ感染時のウイルスの拡散状態がテレビでもよく紹介されるが、純粋学術用としては宇宙物理の分野でも、わが国の研究者が活発に活用しており、最新の岩波書店発行の「科学」6月号の特集で「計算で作る宇宙」と題して、9つの論文が紹介されているが、随所に「富岳」を使用したとの記述があり、日本の計算宇宙物理が世界の最先端を走っていることの裏付けがよく理解される。世界一のスーパーコンピューター「富岳」の貢献が大きいようだ。やはり、2番ではなく、1番であることが科学では重要だということだ。