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『脳での甘み伝達解明 生理学研チーム マウスで実験』 毎日新聞5月9日付朝刊はこう報じている。自然科学研究機構・生理学研究所(愛知県岡崎市)の中島健一朗准教授らの研究チームは7日、飲食物の「甘み」を脳内で伝達する神経メカニズムをマウスの実験で解明したと発表したという。舌で感じる仕組みは研究が進んでいるが、脳内で伝わる詳しい仕組みは知られていなかったという。中島准教授は「肥満や糖尿病で甘い物を好む原因の解明につながる可能性がある」としている。チームは、脳内で味覚や痛みなど外部からの刺激を伝える神経細胞が集まる部位に「SatB2」と呼ばれるたんぱく質が多く存在していることに注目。このたんぱく質がある細胞が味の伝達に関係していると考えたという。遺伝子操作でこのたんぱく質がある細胞を取り除いたマウスに砂糖水などを飲ませたところ、通常のマウスなら甘さが増すと飲む量が増えるが、飲む量にはほとんど変わらなかった。一方で苦み、酸味などへの反応は通常のマウスとの違いは見られなかったという。また通常のマウスの脳に器具をつけ、SatB2がある神経に刺激を与える実験も実施。刺激しながら甘みのない水を与えても甘みを感じたように神経が興奮する現象を確認したという。こうした結果から、チームは「脳内で『甘み』の情報を伝える神経メカニズムと、甘みの摂取で得られる『心地よさ』が確認できた」と結論付けたという。実験は米オンライン科学誌「Cell Reports」に掲載されたという。⇒実験の方法および結果は、門外漢でもわかるが、ポイントは「SatB2」というたんぱく質に目をつけたことだろう。このあたり(脳内で味覚や痛みなど外部からの刺激を伝える神経細胞が集まる部位に「SatB2」と呼ばれるたんぱく質が多く存在していることなど)を詳しく説明されると、興味が増す。専門分野では常識か?
『コウモリの翼持つ小型恐竜 中国で「飛膜」化石発見』 毎日新聞5月9日付夕刊はこう報じている。コウモリが飛ぶ時に広げるような膜状の翼を持つ1億6300万年前の小型恐竜の化石を中国遼寧省で見つけたと、中国科学院のチームが8日、英科学誌ネイチャーに発表したという。恐竜から鳥に進化する過程では多様な飛行手段が現れたが、「飛膜」と呼ばれるこの翼は軽い羽毛の翼と違い、主流になれないまま消えてしまったようだという。2015年にも河北省で似た恐竜の化石が報告されたが、飛膜とされた組織は断片的で、疑問視する声があったという。今回は指と指の間にあるのがはっきり確認できたという。国立科学博物館の、真鍋 真さんは「飛膜を使う飛行の仕方があったことが説得力のある仮説になった」と指摘。ただ、羽毛より重いため、廃れてしまったと推測している。チームは、ジュラ紀後期に生きていたこの恐竜はほぼ成体で、体長32㌢、体重306㌘と推定。前脚が後ろ脚より長く、広げた飛膜を支える長い骨を持っていた。頭から肩に掛けては羽毛が残っていたという。⇒狙いをつけた化石を発見・掘りだし、2次元的な化石を復元し、3次元的な構造・運動学まで議論するのは謎解きとして面白そうだ。なお、今回の化石を遼寧省で発見したチームは、不完全なものを河北省で発見したチームと同じだろうか。もしそうであるならば、チームの執念が実ったことになり、興味も増すが。
『最新科学で排出ガス算定 温暖化対策 効果「見える化」日本、衛星の有用性訴え 国連IPCC総会 京都で開幕』 毎日新聞5月9日付夕刊はこう報じている。地球温暖化対策を進めるため、世界中の科学者が参加する国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第49回の総会」が8日、開幕したという。主要な議題は、温室効果ガス排出量の算出方法を示した指針の13年ぶりの見直しで、日本の温室効果ガス観測技術衛星の活用も盛り込まれる見込みという。指針は13日に公表され、来年始まる温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の下、各国の効果を検証するのに欠かせられないものとなるという。⇒実効性のある「改定指針」が作られることを期待したい。
『動植物100万種 絶滅危機 自然破壊 人間にも影響 保全目標 大半が未達成 トキ、ニホンウナギも対象』 毎日新聞5月8日付朝刊はこう報じている。世界中の科学者が参加する組織「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」(IPBES)は6日、約100万種の動植物が絶滅危機に直面し、その多くは今後数十年で絶滅する可能性があるとの報告書を公表したという。生物や自然の恵みが人間の手で危機的な状況に陥っていると指摘したという。食料や燃料など、人間は自然の恵みに依存しており、IPBESは「健康で安定した暮らしが脅かされている」と警告している。⇒地球温暖化現象と同様な問題である。人類の活動が自然のバランスを越え、持続可能な地球を維持するのが困難になっている。この状態を止めなければ、動植物だけではなく、人類自身跳ね返ってくるだろう。近年、世界各地で、大規模自然災害による死者だけでなく、温暖化そのものによる、多くの熱中症患者、熱中症死をが増大している。対策が各方面で実施されてきてはいるが、残念ながら、効果が見られない。人類が一致して、これらの危機を乗り越えられるのか。難しいが、やり遂げられなければ地球上での生命の維持が困難になる。人類は解決方法を見つけられるか。
『科学研究 中国が躍進 論文シェア 半数首位 米と2強 日本低迷』 毎日新聞5月6日付朝刊はこう報じている。2015~17年の質の高い科学論文の国別シェアで、中国が理工系の151研究領域のうち71領域で首位を占めていることが、国立研究開発法人「科学技術振興機構」(JST)の分析でわかったという。残りの80領域は米国が首位で、最先端の科学研究で米中両国の2強体制が鮮明になったという。一方、日本は上位5位以内の研究領域の数が約20年前に比べ激減しており、相対的に研究力が低下している現状が浮き彫りになったという。論文は他の論文に引用される回数が多いほど注目度が高く、優れているとされる。JSTはオランダの学術出版大手エルゼビアの論文データベースを使い、引用回数が3年間の平均で上位10%に入る論文群を分析。対象は臨床医学を除く理工系の151領域で、内訳は、生命科学(領域数46)、工学・化学・材料(同39)、コンピュータ科学・数学(同26)、物理・エネルギー・環境(同40)。中国が首位なのは、工学や材料科学、計算機科学の基礎となる数学などの分野に多かったという。中国は約20年前(1995~97年)には上位5位以内に入るのは2領域のみだったが、約10年前(2005~07年)は103に急増、最近(15~17年)は146とほぼ全領域を占めるまでになっている。米国は中国に抜かれた領域も多い半面、生命科学分野の大半などで首位を堅持。約20年前から一貫して全領域で上位5位以内に入っており、トップレベルの研究力を維持している。一方、日本は約20年前は83領域で5位以内だったが、最近は18領域に減少という。「がん」研究と洗剤や医薬品などに幅広く応用される「コロイド・表面化学」の3位が最高だったという。従来、日本が強いとされてきた化学や材料科学でも徐々に上位論文の数が減少していたという。JSTの伊藤裕子特任研究員は「2領域での3位が最高という日本の現状には驚いた。質の高い論文の本数がこの20年で世界的に増加する中で、日本の研究力が世界の伸びに追いついていない可能性もある」と指摘しているという。⇒残念なことであるが、他の同種の分析も同様な結果を示しているので、多分真実であろう。中国の躍進は、急激な経済成長、国家の一元的指導が大きいだろう。しかも大事なことは、中国国家自身が基礎研究の重要さを十分認識して、経済的支援(研究費および給与・住宅環境を含めて)を強化していることである。これに対する日本の対策はどうすべきだろうか。今後大幅な経済成長は望めず、国による確固とした学術政策も望めない(文部科学省の学術政策は、短期の猫の目政策ばかりで、長期的展望がない。これは政府全体が目新しそうな短期的成果だけ望むことに起因していると思われる。もちろん一元的指導が良いとは言えないが)。文部省が長期的視野に立って学術政策を確固としたものにしていくのが基本だが、まずは、当面の政策として、若手研究者の研究環境(研究に専念できるパーマネント職の充実、研究費・生活費を含めた経済的支援)を十分整備し、シニア研究者にも研究に専念できる環境を整備すべきである。
『民間ロケット 国内初成功 北海道 堀江さんら3度目挑戦 衛星打ち上げ 需要高く』 毎日新聞5月5日付朝刊はこう報じている。北海道大樹町の宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」は4日午前5時45分、小型観測ロケット「MOMO(モモ)3号機」(全長10㍍、直径50㌢)を同町から打ち上げた。高度113.4㌔まで達し、民間単独で開発したロケットとしては国内初の高度100㌔以上の宇宙空間への到達に成功した。同社は元ライブドア社長の堀江貴文さんらが2013年に創業した。1号機は17年7月、上昇中の通信トラブルでエンジンを緊急停止。2号機は昨年6月、打ち上げ直後に推力を失い落下・炎上した。3回目の挑戦となった今回は先月30日に打ち上げを予定したが、直前に燃料の液体酸素用のバルブに異常が発生し、その後も強風のため中止していた。この日は点火から1分56秒後、エンジンの燃焼を終了。4分で最高点に達し、目標の宇宙空間に到達した。打ち上げ後の記者会見で同社の稲川貴大社長は「大成功」と喜び、2号機の失敗を受けて改良した姿勢制御についても「100%うまくいった」。堀江さんも「ほっとしている」と胸をなで下ろしたという。これで「実験機」の打ち上げは終わり、今後は軽量化やコストダウンなど改良を加え、打ち上げ費用は5000万円前後を目指すという。堀江さんは「関連メーカーが集まり、この町を宇宙港として発展させていければ」と語ったという。大樹町は種子島(鹿児島)、内之浦(同)に次いで国内3番目の宇宙ロケット発射場になったことになる。打ち上げに成功した小型ロケット「MOMO3号機」は、インターステラテクノロジズが、超小型衛星の打ち上げビジネスへの参入を目指して開発したもの。同社は2023年の打ち上げを目指し、新たに2段式の人工衛星打ち上げ用ロケットの開発に着手したことも発表している。背景には、小型衛星の開発増加に伴い、それを打ち上げる小型ロケットの需要が高まっていることがあるという。米調査会社のスペースワークス社は、20~23年に約2000機の小型衛星が打ち上げられると予想しているという。これまで小型衛星を打ち上げる際、大型ロケットに複数が相乗りする形が主流だった。近年は衛星の使用目的が多様化し、低価格で打ち上げに柔軟に対応できる小型ロケットへの期待が高まっているという。宇宙開発の国際事情に詳しい北海道大学公共政策大学院の鈴木一人教授(48)は「今回の成功は衛星打ち上げを目指す上での第一歩」と位置付け、ビジネスとするには海外からの受注が必須としている。世界各国のベンチャー企業による小型ロケット開発の競争が激化する中、海外からの受注を獲得できるかどうかは、技術力や価格面での競争力を今後どれだけ高められるかにかかっているという。⇒3度目の正直で、打ち上げに成功した当事者の喜ぶ気持ちは大いに理解できるが、国際競争が激化する中で、ビジネスにまで持っていくのは容易ではないようだ。しかし、国内に民間のロケット打ち上げ事業者が育つことも重要だ。やはり、ホリエモンのような時代の異端児こそが難関に挑戦し、切り開くことができるかもしれない。今後に大いに期待したい。
『阿蘇山が噴火 中岳・小規模』 毎日新聞5月4日付朝刊はこう報じている。気象庁は3日、熊本県・阿蘇山の中岳(標高1506㍍)第1火口で同日午後3時40分、小規模な噴火が発生したと発表したという。噴煙は1600㍍まで上がったという。県などによると、火口周辺約1㌔は立ち入りが規制されており、人的被害は確認されていないという。同じ火口で4月16日、19日にごく小規模な噴火が起きている。気象庁は噴火警戒レベル2(火口周辺規制)を維持するとし、火口から約1㌔の範囲で飛散する大きな噴石や火砕流などに注意するよう呼びかけているという。気象庁は4月14日、噴火の恐れが高まったとして警戒レベル1の「活火山であることに留意」から2(火口周辺規制)に引き上げていた。同16日の噴火は2016年10月8日以来という。⇒小規模な噴火ではあるが、噴火間隔は狭まっており、引き続き警戒が必要だろう。本日5月4日午前9時現在、第1火口の噴煙活動は依然活発である(気象庁火山カメラ映像配信による)。
『削られる美(ちゅ)ら海 辺野古』 毎日新聞5月4日付朝刊はこう報じている。⇒なお、今日は「みどりの日」である。 うっすらと覆う雲の隙間から、時折日射しが注ぐ。海面は瞬く間に鮮やかな彩りを広げ、エメラルドグリーンの海が姿を見せたという。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う埋め立て工事が続く名護市辺野古沿岸部。護岸工事の着工から2年となる4月下旬、小型無人機で辺野古沖約800㍍、上空約150㍍から埋め立て地を望んだ。慌ただしく動くダンプやクレーン。その傍らで、美しい海は刻々とその姿を変えようとしている。これまで手つかずの自然が残されてきた辺野古・大浦湾の海には5800種以上の生物が確認され、うち約260種が絶滅危惧種と確認されているという。その種の数は、世界自然遺産に登録された屋久島(鹿児島県)や小笠原諸島(東京都)よりも多いという。環境省は何もできないのか。無力な環境省。環境省に心ある人はいないのか。4日は「みどりの日」。日本各地の美しい自然が守られるようにとの願いを込め、毎日新聞の題字を緑色にしたという。⇒本来国が貴重な自然環境を守る役割があるはずだ。優れた環境の破壊を国がするだけでなく、大多数の沖縄県民が繰り返し反対する辺野古移設を、県民の声を一顧だにせず、強行する安倍首相とは一体何なのか(優れた自然環境の破壊だけでなく、沖縄県民の心も破壊している)。硬直した思考機能はどうにかならないものか(辺野古移設が唯一と「思考停止」)。首相の責任は極めて大きい。「アベ政治を許さない」
『直径500㍍ 中国の「天眼」国を挙げた巨大望遠鏡 半径5㌔の1万人転居 基礎科学にも力 天文学の町誕生も 成果はまだ途上 論文数世界トップに』 毎日新聞5月2日付朝刊 「科学の森」欄の「幻の科学技術立国 第4部 世界の潮流」 はこう報じている。中国南西部に位置する貴州省の山あいに2016年、直径500㍍の巨大なおわん形の構造物が完成した。世界最大の開口球面電波望遠鏡「FAST(天眼)」だ。米国が運営し、それまで最大だったアレシボ望遠鏡(プエルトリコ、直径300㍍)を大きく上回るものだ。ブラックホールなどの天体から届く電波を受信し、宇宙の最深部を観測することを目指しているという。・・・・・中国は近年、基礎科学分野への投資にも力を入れている。3月の全国人民代表大会(全人代)であった記者会見で、王志剛・中国科学技術相が「基礎科学は科学技術革新の源であり、十分重視する必要がある」と強調したという。天眼も国を挙げた科学技術プロジェクトの一つで、中国科学院国家天文台が約200億円投じて建設したという。電波望遠鏡の事情に詳しい赤堀卓也・国立天文台特任研究員は「現在、これほどの天文学の大型施設を単独の予算で造れるのは米国か中国くらい」と話している。「とてつもない大きさだった」。天眼完成前後の14年と16年に現地を訪れた小林秀行・国立天文台教授は、その規模に圧倒されたという。1994年から計画が始まり、11年に着工。2000人以上が数年間、住み込みで作業に従事したという。小林さんによると、作業員宿舎には「天文学が国の未来を作り出す」という趣旨の中国語の標語が掲げられ、おわんの部分を構成する約4500枚の鏡は1枚ずつ人力で張られたという。小林さんは「万里の長城を造った国だからできると感じた。中国はトップダウン的にものを決められ,一旦決まれば、西洋社会では考えられないものすごいことをいとも簡単にやる」と驚きを隠さない。・・・・・研究で天眼を利用する北京大の中国人研究者によれば、望遠鏡から車で20分ほどの場所につくられた新しい都市は「アストロノミータウン(天文学の町)」と呼ばれているという。この研究者は「外国からたくさん観光客が訪れるようになった。家も仕事も与えられ、住民が得た利益は大きい」と笑顔で語ったという。一方、赤堀さんは「喜ばれたという話も聞くが、その土地に愛着があった人は無理に立ち退かなければいけなかっただろうし、事情は複雑なのでは」と推し測っている。⇒応用科学だけでなく、巨大電波望遠鏡による観測を通じて、宇宙の起源等にも迫る巨大基礎科学に投資が図れることは、中国の「政治体制」と「近年の急速な経済の成長」がもたらしたものだろう。基礎科学への大きな投資は、結果の一つとして、近年の中国人研究者の発表論文数が世界一となりつつあり、その質も高いという。やがては中国が世界の科学技術をけん引することになりそうだ。・・・・・中国躍進の原動力は、急増する研究開発費だという。(日本の)文科省の「科学技術要覧」によると、その総額は年平均20%超、4年で倍増のスピードで増え続けており、09年には日本を追い越し、米国に次ぐ世界第2位へ浮上。米国との差は縮まりつつあるという。・・・・中国情勢に詳しい経済学者の野口悠紀雄・一橋大学名誉教授(78)は・・・・・「遠くない将来、中国のGDP(国内総生産)は米国を抜いて世界一になる。科学技術力を背景にした強大な独裁国家に世界がどう対応するかその答えはまだない」という。このような中で、日本はどう立ち回るべきか。巨額な経費を要する全方位投資は難しいだろう。どのように選択を行うのか。少なくとも、若手研究者が希望を持って基礎研究を続けられる環境を整備することだろう。急がば回れでこれしか解決策はないのではないか。運営費交付金を増やし、かつ若手研究者用のパーマネントの職を準備する必要があるだろう。
『巨大津波 断層の摩擦熱原因 大阪大チーム特定 東日本大震災で大規模すべり』 毎日新聞4月30日朝刊はこう報じている。 東日本大震災(2011年)でプレート(岩板)境界の断層が大規模に滑り、巨大津波となった原因を特定したと、大阪大のチームが29日、発表したという。地震発生時、プレート同士の摩擦で500℃以上の熱が生じ、内部の水が膨張した結果、隙間を押し広げる力が働いて滑りやすくなったという。南海トラフ地震や内陸地震などで、津波の大きさや地震の特徴の予測を可能にする成果と言えるという。論文が同日、英電子版科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されたという。大震災では、日本海溝付近の浅い場所が50~60㍍滑り、海底が隆起して巨大津波を引き起こした。それまで、浅い場所は滑りにくいと考えられ、大規模に滑った原因を探るため海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」が12年、断層の岩石を採取した。広野哲朗・大阪大准教授(地震断層学)らの研究チームはこの岩石を分析し、境界付近の圧力や温度、透水率などの条件でどのように断層が動いたり壊れたりするかを解析したという。大規模すべりの原因としては、断層に含まれる滑りやすい粘土が原因との見方もあったが、摩擦熱による水の膨張がなければ大規模すべりは起こらなかったと判明したという。現在、大地震の発生確率や揺れの大きさは、文献に残された歴史地震の記述などから推定している。今回の成果で、断層の性質を調べれば、津波や揺れの大きさなどを事前に評価できる可能性があることが分かったという。広野准教授は「平成は大地震による被害が多かったが、地震研究は後手後手に回っていた。令和の時代には地震研究がさらに進み、減災に貢献できるようにしたい」と話しているという。⇒地球熱学の研究者である筆者(江原幸雄)からすると、今回の研究が「熱」に関係して理解が進んだことを喜びたい。プレート間の摩擦と熱に関しては過去に以下のような議論もあった。弧状列島上(例えば東北日本弧)および縁海(例えば日本海)では、地殻熱流量が高く、火山活動・地熱活動が活発で、熱的には高い状態であるが、冷たくなった海洋プレート(例えば太平洋プレート)が沈み込むのに、なぜ熱的活動が高いのかが疑問だった。そこである研究者(英国人グループだったか?)がプレートの沈み込みによる摩擦熱発生の計算をした。その結果、確かに摩擦熱は発生するが、その熱は冷えているプレートを温めるだけで、火山生成や高熱流量をもたらす特別の熱源とはならないと結論付けられた。これはこまったことであったが、その後、高い熱的活動の原因は、沈み込むプレート上面の岩石(実際には含水鉱物)から、高圧により脱水作用が発生し、マントル中に水が供給されることにより、上部マントルの岩石の融点が下がり、溶融物質メルトが発生し、それが上昇しながら集合し、やがてマントルプルームとして組織的に上昇した結果、最終的には地殻が暖められ、地殻中にマグマ溜りが形成され、火山の生成・地熱活動の発生や高熱流量の形成に関わったと理解されている。このようにプレート間の摩擦による発熱と水は地学現象に大きなかかわりを持っていることが分かる。長時間スケールではプレート間の摩擦熱は周囲への大きな地学的影響は与えないが、短時間スケールでは大きな影響を与えるようだ。
『「世界第3位のポテンシャルを持ち、高い技術を有する日本の地熱開発」-小椋伸幸氏(前編)』が資源エネルギー庁メールマガジン【号外】平成31年4月26日(金)発行に掲載された。小椋氏は現在日本地熱協会会長である。主な内容は、「〇長期安定電源として魅力的な地熱、〇世界で活躍する日本の地熱技術、〇地熱に早くから取り組んできた日本、大震災以降再び注目が集まる」 で、地熱エネルギーの活用を推進する日本地熱協会会長の小椋伸幸氏に地熱開発の現状や課題をインタビューしたものです。前後編の2回に分けて掲載されますが、今回は1回目のものです。非常にわかりやすく紹介されています。是非ご覧ください。資源エネルギー庁HPの「スペシャルコンテンツ」からお入りください。
『人工クレーター 初確認 はやぶさ2 直径10㍍以上』 毎日新聞4月26日付朝刊はこう報じている。宇宙航空開発研究機構(JAXA)は25日、探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウに金属の塊を衝突させた地点を上空から観測し、人工クレーターができているのを初めて観測したと発表した。クレーターの直径は10㍍以上とみられている。小惑星でのクレーター形成に成功したのは世界初。はやぶさ2が上空約1.7㌔まで近づき撮影した画像では、金属の塊を衝突させる前の先月の画像と比較し、リュウグウの表面がくぼみ、衝突の勢いで噴出物が周囲に積もって暗くなる様子が確認できたという。今後は地形を詳細に分析し、はやぶさ2を7月上旬までにクレーターやその周辺に着陸させることを目指すという。クレーターを作ったのは、小惑星内部の岩石を露出させ、宇宙線や太陽風の影響を受けていない「新鮮」な物質を採取するためだ。クレーターを含む幅40㍍程度の領域には噴出物が積もっているとみられ、クレーターの外側に着陸し飛び散った岩石の採取に挑む可能性もあるという。津田雄一・プロジェクトマネージャーは「狙った場所から10~20㍍の地点に精度よく衝突させて作ることができた。飛び上がるくらいうれしい」と語ったという。荒川政彦・神戸大教授(惑星科学)は「想定していた中で最大級のクレーターをはっきり見ることができた。人生最高の日だ」と喜んだという。⇒大人がこれほど喜ぶ姿を見せるのは、ここに至るまでに大変な道のりがあったからだろう。心から祝福したい。はやぶさ2は今月5日、爆薬を積んだ衝突装置を切り離し、リュウグウの上空約300㍍で点火。銅の塊を秒速2㌔の高速で衝突させて人工クレータ-を作ったものである。⇒すべてが怖いくらいうまくいっており、技術的にも最高難度のものだろう。今後、適切な着陸地点を選定し、リュウグウ内部のフレッシュな岩石を採取してもらいたい。物を採取することによって、惑星の起源や生命の起源の議論が実証的に可能となることを期待したい。いずれにしても、リュウグウが実験を無事終え、地球に帰還し、ものの分析ができることを心から期待したい。まだまだ、難関は待っているだろう。
『テロ対策遅れ 原発停止 規制委 施設完成まで』 毎日新聞4月25日付朝刊はこう報じている。原発の新規制基準でテロ対策拠点として義務付けられている「特定重大事故等対処施設」を巡り、原子力規制員会は24日、「原子炉の工事計画の認可から5年」とした設置期限の延長を認めないことを決めたという。関西電力、四国電力、九州電力の計6原発12基は期限を1~3年ほど超過する見通しで、再稼働済の5原発9基については施設が完成しなければ運転停止となる。最も早い九電の川内原発1号機(鹿児島県)は来年3月、同2号機は来年5月に期限を迎える。施設完成後は新規制基準を満たし、再び運転可能となる。電力各社は今月17日、期限に間に合わないと規制委に表明(みんなで渡れば怖くない?という感じか。もう福島第1原発事故を忘れたようだ)。規制委は24日の定例会で、「自然災害なので遅れたのではない」などと期限を延長しなかった。記者会見で更田豊志委員長は「差し迫った状況を当局に訴えれば、なんとかなると思ったのだとしたら大間違いだ」と電力各社を批判。「特段の理由のない変更はしてはならない」と述べ、期限厳守を強調したという。特定施設はテロなどで原子炉が冷却不能になった場合、遠隔操作で冷却を継続する施設。東京電力福島第1原発事故を踏まえ、当初は2013年の新基準施行から一律で5年以内を期限としていた。しかし審査の長期化で規制委が15年、期限を変更。原発ごとに「工事計画認可から5年」に先延ばしされていた。期限が守れない理由について、電力各社は17日の会合などで、「安全性向上の結果、高度で大規模な工事が必要になった(うそに違いない。単なるサボタージュであろう)。見通しが甘かった」などと陳謝していたという。規制委は、期限が守られない場合に原発の運転を停止させる手順などを検討するという。⇒工事終了後に運転再開というのが理にかなったものだ。法的に決まっていることは粛々と進めるべきだ。修理が終了してないのに、再稼働を認めるというのでは、規制委の存在理由はない。福島第1原発でも津波対応を引き延ばした(やらなかった)結果、原子炉冷却ができなかったものである。テロ対策が終了するまで、再稼働を認可すべきではない。当然のことである。
『トップの頭脳 中国へ招致 「千人計画」の実態 任期なく桁違い年俸提示 海外人材を積極登用 あらゆる分野から 若手へ手厚い支援』 毎日新聞4月25日付朝刊の「科学の森」欄の幻の科学技術立国 第4部 世界の潮流4、はこう報じている。⇒やや長いが、わが国の近年の科学・技術の低迷、若手研究者への支援問題など、わが国の科学・技術のありかたを考えさせるものが多く、引用したい。・・・・・「ここを先端科学に取り組む極東の基軸にしたい」。2016年10月、中国の北京航空航天大に新設された「ビッグバン宇宙論元素起源センター」の調印式。初代所長に就任した梶野敏貴・国立天文台特任教授(63)があいさつし、中国人の副学長と固く握手を交わすと、会場に拍手がわき起こった。梶野さんは翌17年3月、特別教授として同大に赴任したという。宇宙核物理学の分野で世界的な成果を上げてきた梶野さんは16年春、「海外ハイレベル人材招致計画(通称・千人計画)」の対象に選ばれたという。中国政府がノーベル賞受賞者を含む世界トップレベルの頭脳を国内に招くため、08年に始めた政策だ。梶野さんは「基礎科学だけでなく応用科学、企業などあらゆる分野の研究者を世界中から招聘している」と、多彩な顔ぶれに驚いたという。当時、梶野さんは米国やイタリアからも教授職の打診を受けていたが、中国政府から提示された年俸は「桁違いだった」。任期のない特別教授職で日本の研究職とも兼任が可能な上、新設する研究センター長ポストまで約束されたという。梶野さんは「米国には多くの共同研究者がいるし、国際的に研究をけん引するには魅力的だが、教授職に2年の期限があった。欧州諸国全体の経済が低迷し、イタリアは今後の科学技術予算の伸びが不安だった。一方、当時の中国は経済が順調で、科学技術予算は潤沢だった」と決断の理由を説明する。先に千人計画で選ばれた日本人研究者からも「やってみる価値はある」と背中を押されたという。日中両国に半年ずつ滞在する生活が始まって2年。「当初は冒険に出かけるような気持だった」と明かす梶野さんだが、今は「すぐに人を集められるし、予算も潤沢にあるため、日本より研究がやりやすい。政治体制から受ける印象とは違い、研究者は自由に世界を行き来しており、中国の勢いや可能性を感じる」。政府から特定の研究を強制されることもないという。千人計画は若手や中堅の研究者も対象だという。復旦大(上海市)の教授に32歳で就任した構造生物学者、服部素之さん(36)は妻が中国人であったことがきっかけで、東京大の任期付き特任助教の時に自ら応募した。日本の准教授にあたる副教授や研究員、学生ら約15人の研究室を率いる。構造生物学は東大も非常に強い分野だったが、「ここ5~6年で中国に抜かれ、関係が逆転した」と実感しているという。服部さんによれば、中国の躍進の原動力は、若手への手厚い支援だ。学費は基本的に無料で、ほぼすべての大学院生が年1万円ほどの格安の寮で生活できる。博士になると月7万円の給与が大学から支払われる。必然的に若手研究者が増え、服部さんの所属部署で教授の約7割が30~40台だ。1000万円を超えるような高額の機器を学内で共有し、研究に利用しやすいのも特徴という。大学の資金に余力があり、運営経費で機器を購入できるためだ。一方、日本では、大学の基盤的校費が減らされた影響で、高額の機器は研究者の競争的資金で賄うことが多い。巨額の研究費を獲得できる一部の研究者が機器を独占したり、プロジェクトが終わると機器が使われなくなったりするケースを日本でよく見てきただけに、中国のやり方は効率的だと感じているという。「日本と比べ、研究にそれほどお金がかからない仕組みが整っている。プロジェクトよりも人に投資するのが大きな違いだ」と服部さんは話す。中国の人材政策は、市場経済への移行が進んだ1990年代に大きく変わったという。知識人が粛清された70年代の文化大革命の影響で国内が深刻な人材不足に陥ったのを背景に、まず欧米に留学していた中国人を国内に呼び戻す政策がスタート。海亀が卵を産みに浜に戻ってくることになぞらえ、「海亀」戦略と呼ばれたという。2000年代に入り経済成長が加速すると、外国人を含む海外人材を官民で積極登用するようになった。千人計画もその一環で、08年から18年までの採択者は約8000人に上がるという。中国科学院のシンクタンク「科学技術戦略諮問研究院」のトップ、穆栄平(ムー・ロン・ピン)書記(58)は「まず数少ない世界トップ人材を呼び、次に若手に対象を広げる2段階の戦略だ。海外ではなかなかチャンスがない若手にも活躍してもらいたい」と解説する。遺伝学の世界的権威、米ハーバード大のジョージ・チャーチ教授はそうして招かれたトップ人材の一人。かつてヒトゲノム解読計画に参加した中国バイオ企業大手、BGI社(本社・深せん市)は17年、チャーチさんの名を冠した「合成生物学研究所」の設立を発表したという。ゲノム編集技術の医療応用やDNAを記憶媒体として活用する技術の開発などを目指すという。チャーチさんは同社のほかアリババなど複数の企業や中国科学院深せん先進技術研究院の顧問も兼務。毎年少なくとも一度は中国を訪れ、科学面の助言をしているという。毎日新聞の取材に「BGIは英ネイチャー誌などの学術誌に高いレベルの論文を多数発表し、機器類や試薬の開発と、人を含む生物のゲノム解読の両方を行っている。特にゲノム科学の分野では、中国の研究の質はかなり良いと言える」と評価する。中国は12年、国内のハイレベル人材の育成・支援を目的とした「万人計画」を開始したという。穆さんは「ノーベル賞に代表される基礎研究では欧米や日本に追い付いておらず、まだ『途上国』。今後は人材を外からたくさん招くよりも、国内で育てていくことが必要だ」と話す。⇒おそらく遅かれ早かれ、中国はノーベル賞を輩出することになるだろう。日本と中国の差は何か。根底には現在の経済状況があるのは確かだろう。しかし、学ぶべきことも多いようだ。特に日本の学術政策だ。経済緊縮の中で、文部科学省は基盤的研究費を年ごとに低下させ、一方で、ビジョンのない、数年で猫の目のように変わる単発プロジェクトを造りだした。その結果、若手研究者に安定した研究環境を造りだせない一方、シニア研究者が研究に専念できない研究環境を作り出している学術政策を根本的に変えることだろう。文部科学省はつまらないことに力を注ぐことを止め、22世紀を展望した長期的ビジョンを明確に立ち上げ、従来の政策を根本的に改めるべきだ。
『温室ガス「ゼロ」明記 技術革新頼みに 目標達成 現状ほど遠く 原発輸出 記述なし 暗礁影響?「話題にならず」温暖化対策長期戦略 政府案』。 毎日新聞4月24日付朝刊はこう報じている。政府は23日、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」に基づく今世紀後半にかけての対策のあり方をまとめた「長期戦略」案を環境省と経済産業省の合同会合に提示したという。今年6月の主要20ヵ国・地域(G20)に間に合わせた形だが、温室効果ガス削減の方法は先端技術や技術革新頼み。G20議長国として世界の対策強化の議論をけん引するには程遠い内容だ。⇒この程度の認識では、G20のけん引などとてもできるはずがない。当然の指摘である。中身のない紙の束を作っても、世界からは全く評価されないだろう。議長は意図に反して、G20では立ち往生するか、世界の物笑いになるのが関の山か。グレテス国連事務総長は3月28日、温暖化などに対する会議で「サミットでただの演説はいらない。(対策の)プランを持ってきてほしい」と訴えている。政府案は「ただの演説(紙束)」で、対策の具体的見通しもない。安倍首相の得意技「都合の悪いことには、まともに答えず、はぐらかす」の典型だ。現在G20の事前打ち合わせで欧米を歴訪中というが、こんな体たらくで、何を話すのだろう。懲りずに世界に出かけているが、全く成果の出ない「得意の税金の無駄使い」に過ぎない。経産省のひどさは論外だが、腰砕けの環境省は存在価値を問われるだろう。政府は国民も世界も舐めているとしか言えない状況だ。無能なリーダーの長期政権に国民は救われない。
『東京、大阪、名古屋で夏日 今年一番の暑さ』 毎日新聞4月23日付朝刊はこう報じている。日本列島は22日、高気圧に覆われて西日本を中心に晴れ、気温が上昇したという。高知県四万十市と大分県日田市で30.2℃を記録し、沖縄県を除いて全国で初めて30℃以上の真夏日になったという。東京、名古屋、大阪でも今年初めて25℃以上の夏日となるなど今年一番となる観測点が続出したという。気象庁によると、東京都心部で25.6℃、名古屋市で28.4℃、大阪市で27.6℃を観測し、3大都市圏はそろって汗ばむ陽気となったという。なお、本研究所(埼玉県狭山市)では2012年5月8日以来、所内の敷地で1m深地温の観測を継続しているが、今冬も2月中旬に今季最低地温(14日に9.46℃)を迎え、その後、数日間程度の変動を繰り返しながら上昇のトレンドにあったが、4月14日に極小地温(12.50℃)を迎えた後、単調に上昇を続け、本日23日は、今季最高地温15.09℃を記録した。この間、最寄りの気象庁観測点所沢の平均気温は変動を繰り返しながら、22日には18.5℃と今季最高を示した(なお、22日の最高気温26.3℃を記録している)。すなわち、地温は、気温に比べ、安定した変化を示し、長期的温度変化を議論するとき、気温より有利な面があると考えられる。なお、1m深地温は地表面から流入する熱量(日射による熱量)と地表面から流出する熱量(地表面からの渦拡散熱量、地表面からの蒸発熱量、長波放射による地表面からの熱量)の収支から決まるものであり、気温と相関はあるがやや意味するところは異なり、ヒートアイランド現象や地球温暖化をモニタリングにはより有効な観測量と考えられる。
『「安全でない」道路再開抗議の辞任 草津白根山 防災協委員の教授』 毎日新聞4月21日付朝刊はこう報じている。東京工業大学の野上健治教授が、自治体関係者らでつくる草津白根山防災協議会の委員を辞任したという。本人が20日、共同通信の取材に明らかにしたという。協議会は、群馬県草津町と長野県を結ぶ観光ルートの志賀草津道路(国道292号)について安全対策を条件に全線開通を認めたという。野上氏は「安全とは言えないと指摘したが、開通ありきの会議だった」などと理由を語ったという。野上氏は草津白根山を調査してきた地球化学の専門家。群馬県は協議会決定を踏まえ、同道路の一部区間(約8.5㌔)の通行止めを解除。例年の冬季閉鎖を終える19日に開通させた。気象庁は草津白根山の白根山(側?)の噴火警戒レベル2(火口周辺規制)を維持し、火口から半径1㌔圏内で大きな噴石への警戒を呼び掛け中だという。道路の一部は半径1㌔に入る。野上氏は取材に「通行中に(噴火の)兆候が出たとしても、逃げる時間的余裕があるとは限らない。私からすれば開通すべきではない」と指摘。「道路直下で噴火が起こる恐れも否定できない」と述べた。⇒当該研究者は前回噴火後の活動推移や諸観測データ、他の火山の例などを総合的に判断して、安全側の判断をしたものと思われる。一方、目先の経済問題(観光客の誘致)からのみ考え、科学的成果を理解しない、地域の圧力団体の意見が強く、町・県は、「安全」よりも「当面の経済(観光客の誘致)」の論理に押し切られたのだろう。極めて、日本的事象だ。もし噴火があったら被害を受けるのは観光客や地元の人だ。もちろん、このまましばらくは噴火が発生しない場合も十分考えられるが、この火山の状況を最も理解している研究者の指摘を十分理解せず、地元圧力団体の目先の利益に引っ張られ、誤った政治的判断をした防災協議会の責任は問われるだろう。日本人は災害問題だけでなく、各種の社会問題において、非科学的な論理が先行する。おそらく、これは日本の長年の教育に根ざすものと思われ、「信頼できるデータに基づき、合理的な推論を行う」ことへの国民的理解を強める必要があるだろう。
『貴重な四季折々を楽しみたい』 毎日新聞4月20日付朝刊「みんなの広場」で15歳の中学生が自然に対する豊かな感性を披露しているので紹介したい。『僕たちが住んでいるこの日本には、春夏秋冬の四つの季節があります。「春はあけぼの」などと記した「枕草子」を学ぶことで全ての季節のそれぞれの良さを知ることは、とてもよいことなのではないかと思います。四季の変化を知るには、何をどうすればいいのでしょうか。それはおそらく、日々の変化に目を向けることが大切だと思います。気温や周りの植物、人々の衣服など、さまざまなものの移り変わりに注目すべきでしょう。そうすると、自然に季節の変化を感じることができると思います。世界には、はっきり四季がある国はそう多くはないらしいです。この貴重な四季折々を感じながら、一日一日を過ごしてみてはいかがでしょう』⇒みずからの自然観察を研ぎ澄ませながら、人々への提案までしている。⇒近年、小中学生は学校での勉強以外に、宿題、塾、習い事などで大人以上に忙しくしている面もある中で、何とゆとりのある考えができるものだ。見習いたいものである。特にこの投稿が筆者(江原)の注意を引いたのは、以下のような背景もある。当研究所(埼玉県狭山市)では2012年5月8日以降、所内の敷地で1m深地温の観測を行っているが、この観測を通じて、地温は、変動を見せながら、全体的には、滑らかに正弦的に年周変化をしているが、詳しく見ると数日間程度は直線的であり、これ(数日間程度の線分)が集合して、全体として年周変化となっているのに気づく。数日間程度で地温が変化していくことは、中国で考案された「二十四節季」ではなく、日本で細かく改定された「七十二候」によく合っていることに気づく。このようなことから、1m深地温の観測を通じて、筆者は季節の変わり目に天候・草花・動植物を日々注目するようになっているが、還暦以降のことである。中学生でも季節の変化の機微に気づき、落ち着いて日々の豊かな生活を過ごしていることに驚く。
わが国の地熱発電所新設のニュースです。4月19日 新設(本年1月29日営業運転開始)の本格的地熱発電所「松尾八幡平地熱発電所(岩手県八幡平市)、岩手地熱株式会社」の開所式・安全祈願祭・祝賀会に出席した(外部からの地熱関係者・県及び市・地元関係者の出席者は80名を超え、当該企業関連の参加者を含め100名を超える盛況であった。前日の雨も晴れあがった青空の中、5合目以上には雪が見られる八幡平火山がくっきり見え、天も祝福しているようだった)。わが国における大規模地熱発電所としては22年振りということで、今後のわが国の地熱発電所建設に大いに刺激を与えるものと考える。長年にわたる関係者の御苦労・御尽力に心から感謝を申し上げたい(筆者江原の個人的思いであるが、教え子の九大地熱研究室出身の技術者が重要な貢献をしたことも特に喜ばしく思っている)。本地熱発電所はフラッシュ式で、発電出力7499kW、送電電力7000kW(一般家庭15,000世帯の電気供給に相当)、タービン入口圧力0.35MPaGである。なお、気液比は3~4:1で熱水に比して、蒸気が多い性状である。生産井(3本)の深度1801~2050m、還元井(2本)の深度900~1316m。タービンは国産で三菱日立パワーシステムズ(株)製。蒸気は余裕があるようで、今後長期にわたって安定した発電「持続可能な地熱発電」を実現してほしいものである。若い技術者も新規発電所の立ち上げに立ち会えてみな誇らしく見えた。安定発電を続けるとともに、次の発電所建設に向かってほしい。
『火山灰審査やりなおし 美浜、大飯、高浜3原発 規制委』 毎日新聞4月18日付朝刊はこう報じている。関西電力の美浜、大飯、高浜3原発(いずれも福井県)について、原子力規制委員会は17日、火山の噴火によって敷地内に降る火山灰の想定を、従来の「厚さ10㌢」から引き上げることに決めたという。3原発の計7基は新規制基準に基づく規制委の審査に合格済みだが、火山灰対策についての審査をやり直すという。原発に想定を超えた火山灰が降ると、非常用発電機のフィルターの目詰まりなどの恐れがある。大飯3、4号機と高浜3,4号機がすでに再稼働済みだが、規制委は「噴火の緊急性はない」などとして、原子炉の停止までは求めないという。3原発の降灰はこれまで、約200㌔離れた大山(鳥取県)が噴火した際のシミュレーションなどを基にいずれも厚さ10㌢と想定され、規制委は関電の対策を妥当と判断していた。しかし、約8万年前の大山の噴火の際、京都市で厚さ30㌢の降灰があったとする新たな研究が発表され、規制委は昨年12月に関電に再評価を指示したものである。これを受けて関電は、降灰を最大で高浜21.9㌢、大飯19.3㌢、美浜13.5㌢とする報告書を提出。一方で、この規模の噴火が起こる確率は低いとして再審査は必要ないと主張していたが、規制委の更田豊志委員長は「(評価から外すほど)頻度の低いものではない」と退けたという。関電の担当者は「真摯に対応していく」と話したという。⇒規制委の対応は妥当と考えられるが、3.11後の原発に対する国民の考え方を考慮すれば、関電は新しい火山灰データが出た段階で、「それに対する対応も検討する」という積極的な姿勢を見せ、規制委の指示を待たずに、検討するなどの対応が望まれたと思われる。関電は原発の置かれた状況をよく認識すべきだ。自らの立場を危うくするような姿勢は望ましくないだろう。
『3Dプリンターで「心臓」世界初 血管なども再現 テルアビブ大』 毎日新聞4月16日付夕刊はこう報じている。イスラエル・テルアビブ大学のタル・ドビル教授らの研究チームが、人間の細胞や生体物質を使った人工心臓を3Dプリンターで試作したと、同大が15日発表したという。実用化に向けてなお開発が必要だが、将来の心疾患治療への応用が期待されるという。3Dプリンターで血管や心房などが備わった人工心臓が作られたのは「世界で初めて」(同大)という。試作品は小型で、ウサギの心臓ほどの大きさ。研究チームは今後、血液をスムーズに送る仕組みなどの開発を進める計画だという。重度の心疾患では心臓移植が不可欠になるケースも多いが、ドナー不足が深刻だという。人工心臓に患者自身の細胞や生体物質を使えば、移植時の拒絶反応を抑制できるメリットもあるという。ドビル教授は「我々の手法が有効かつ実用的であることを証明したい。10年後、世界各地の優れた病院の臓器プリンターで(人工臓器作製や移植の)作業が日常的に行われるかもしれない」と強調したという。この研究が実用化されれば、ドナー不足に悩まされることがなくなるので、患者にとって大きな朗報だろう。数年前に開発された3Dプリンターが臓器の作成もできるとは技術の進歩は急速だ。更なる進展を期待したい。
『阿蘇山・中岳で小規模噴火 警戒レベル2は継続』2019年4月16日 18:41の毎日新聞のWeb newsはこう報じている。気象庁によると16日午後6時28分ごろ、熊本県の阿蘇山の中岳第1火口で、ごく小規模の噴火が発生したという。噴煙は火口から約200㍍まで達し、北西に流れたという。噴火位警戒レベル2は継続しており、空振は観測されてないという(⇒爆発的な噴火ではなく、噴煙の噴出力が一時的に強まったためか)。中岳第1火口からの噴火は、2016年10月8日以来という。火山性微動の振幅は、増減を繰り返しているという。火山活動に伴う大きな地殻変動は確認されていないものの、下降から概ね1㌔の範囲に影響を及ぼすような噴火が起きる可能性はあるという。気象庁は、噴石や火砕流、火山ガスの飛散に警戒を呼び掛けるとともに、自治体の指示に従い危険な地域には立ち入らないよう注意を促している。⇒大規模な地殻変動は観測されておらず、大量のマグマ上昇は考えにくく、さしあたって大規模な噴火は想定されないが、火山性微動の増減が続いている中、火口に近づくことはやめるなど、火山活動への注意を引き続き続けるべきだろう。気象庁の火山カメラによれば現在でも(午後8時前)第1火口からは白い噴煙が上昇しているのが見られる。
『4400年前「生き生き」壁画 エジプトで発見』 毎日新聞4月16日付朝刊はこう報じている。エジプト北部(⇒カイロ南方)サッカラで約4400年前(日本史で言えば、縄文時代の後期に当たる)の貴族の墓が見つかり、墓室に描かれていた色鮮やかな壁画(カラー写真掲載)が13日、報道陣に公開されたという。牛を解体し、肉を運ぶ人々のダイナミックな姿などが生き生きと描かれており、考古省(⇒さすがは古代文明の発祥地エジプト国である)によると、保存状態がここまで良好なのは珍しいという。墓は今年3月に発見されたという。紀元前25~24世紀ごろにエジプト古王国を統治したファラオ(王)のジェドカラー・イセシのピラミッド付近に位置しており、この時代の貴族だった「クウイ」という人物の墓という。砂漠の地下墓室に至る狭い急斜面を降りると、石造りの部屋の壁いっぱいに赤、白、黄色など鮮やかな彩色が施された壁画が広がっていたという。現地で記者会見したアナニ考古相は「サッカラでは新発見が相次いでおり、さらに発掘を進めたい」と意気込みを語ったという。この壁画の詳細な研究により、当時の人々の暮らしが再現され、エジプト考古学に大きな貢献をすることだろう。歴史をきちんと記録し、残すことは後世の人々にとって、豊かな財産を残すことだ。これは現代にも通じる。重要な歴史はきちんと記録し、後世に引き継ぐことが必要だ。歴史を忘れてはならない。 本日4月16日、早朝より、インターネットやテレビでは、フランスの世界文化遺産「ノートルダム寺院」が火災となり、尖塔が崩壊したと報じている。歴史的遺産がまさに灰塵に帰したことになり、現代人だけでなく、将来の人類にとっても誠に残念なことである。
『宇宙生活で遺伝子変化 NASA・双子調査』 毎日新聞4月13日付夕刊はこう報じている。 国際宇宙ステーション(ISS)と地上に分かれて1年間過ごした双子の飛行士(55)の体を調べると、宇宙では免疫に関する遺伝子や腸内細菌の構成などに変化が見られたとする分析を、米航空宇宙局(NASA)のチームが12日付の米科学誌サイエンスに発表したという。微小重力では骨密度低下などが起きることが知られているが、チームは「長期の宇宙滞在による大きな健康影響はなかった」としているという。調べたのは一卵性双生児の飛行士スコット・ケリーさんとマークさん。同じ遺伝子を共有しており環境変化による体への影響を比べるのに適しているという。スコットさんは2015年3月から340日間、ISSに滞在。チームは滞在前後を含めて血液や尿を採取し、地上にいたマークさんと健康状態を比較した。スコットさんで変化した遺伝子や腸内細菌の構成は、地球帰還の半年後には元に戻った。一方、染色体の末端にあり老化と関連する「テロメア」と呼ばれる構造が短くなるなど未解明の点も残ったという。NASAは月への有人飛行や往復で3年近くかかる有人火星探査を構想中。今回のデータを飛行士の健康維持対策に生かすという。⇒今後の長期間の宇宙滞在時、宇宙飛行士の健康維持は欠かせず、このような機会をとらえ、データを収集しておく必要があるだろう。今回の結果は、1年間の宇宙滞在が、健康に大きな影響を与えなかったこと、および、生じた微小な変化は帰還後元に戻ったことは幸運だったと言えよう。
『科学研究の状況「悪化」 現場「日本のレベル低下」文科省調査』 毎日新聞4月13日付朝刊はこう報じている。 日本の科学研究の状況がこの3年間で悪化したと考える研究者が多いことが、文部科学省科学技術・学術政策研究所が12日発表した調査結果で明らかになったという。 政府は科学技術を経済成長の原動力としてとらえ、予算の「選択と集中」などの施策を進めているが、近年、中国などの台頭で論文のシェアなどか低下している(⇒Natureでも度々紹介されている)。研究現場の実感も、日本の衰退を裏付けた形だ。第5期科学技術基本計画が始まった2016年度から毎年、大学や公的機関、産業界などの研究者約2800人に、アンケート調査を実施し、回答の変遷をを調べている。この3年間で評価を上げた回答者と下げた回答者の差を取ると、「国際的に突出した成果が出ているか」(マイナス29㌽)、「基礎研究の多様性が確保されているか」(同22㌽)など、基礎研究に関連する項目で大きく評価を下げていた」という(⇒当然であろう。文部省が大した検討もなく、数年ごとに、猫の目のように変わる、短期的視点で耳触りの良いプロジェクトばかり進めていては、若手研究者がじっくり取り組めず、短期間で成果をあげることばかり求められ、長期的視点が持てない中で、ただ疲弊と不安感を持たせている現状は改められなければならないだろう)。「女性研究者が活躍するための人事システムの工夫」(2㌽)など一部で評価を上げた項目もあったが、評価が下がる傾向がうかがえた(⇒筆者江原が関わる地熱エネルギーの研究・開発の分野でも、近年、女性研究者・技術者が増えてきているのは明確で、研究者の中には管理的分野にも登用される人材が見られるようになってきたことは喜ばしい)。自由記述では「日本の基礎研究はすべての分野・レベルにおいて急速に衰退しつつある」「国際会議等における日本の研究者のプレゼンス(存在感)がより低下している」などの声が寄せられたという(残念なことであるが、Natureなどの指摘を待つまでもなく、事実に近いであろう。研究の主体になる若手研究者の身分不安定の心配・短期的に成果を求められ続けることおよび研究指導者の学内外の事務的仕事等で研究本来に時間が使えてないことを改めないと改善は難しいだろう)。また、「特定の分野や大学に研究資金が偏っている」など「選択と集中」を批判する意見もあったという(⇒当然だろう。文科省及び政府の誤った「選択と集中」政策に誤りがあることは確かである。確かに「選択と集中」が必要なものもあるが、それと同等以上に重要な「科学の基礎部門」を、しっかりとした政策の中で、長期的視野の中で位置づけるべきだろう)。同研究所の伊神正貫室長は「早急な対応が求められる」と話しているという。すなわち、やるべきことは分かっている。短期的視点から長期的視点への転換、それを如何に政策判断の責任者に納得させるかその努力が必要だろう。「文科省科学技術・学術政策研究所」に求められているのは、報告書をまとめるだけでなく、それが実行に移せるように行動することであろう。
『(埼玉県)秩父で芝桜まつり開幕』 毎日新聞4月13日付朝刊(埼玉県版)はこう報じている。秩父市の羊山公園で12日、「芝桜まつり」が開幕したという(後方の山にはうっすらとした積雪が見えるが、なだらかな丘に見事にピンク色の芝桜が咲き乱れている。写真掲載)。1万7600平方㍍の丘に40万株以上植えられた芝桜は最近の寒さでまだ2~4分咲き。市観光課は「天気次第だが、見ごろは20日前後」と予想する。16日から最終日の5月6日まで、午前8時~午後5時の間は入園料(一般300円)を徴収する。会場で茶の屋台を出している同市の高山敏克さん(48)は「芝桜に満開のソメイヨシノ、残雪の武甲山、ウグイスの鳴き声が重なり、珍しい。芝桜が大型連休まで持ってくれれば」と期待していたという。日本の春は、山の景観、野の花、山里の鳥と一気に活気付き、季節の巡りを感じさせてくれる宝物のようである(唱歌「菜の花」の歌詞は日本の春の夜を見事に描き出している。日本語の表現の豊かさ・美しさをひとしお感じる)。
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