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引き続き、「パリ協定」批准に関連して。毎日新聞10月11日付夕刊によると、政府は11日、地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」の批准案を閣議決定したという。今国会での承認を目指すが、11月7日から始まる国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)に「パリ協定」の締約国として参加するには会議終了後30日前の10月19日までに批准の手続きを終えなければならず、間に合わせるのは難しい情勢にある。政府は、今国会で、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の承認案や関連法案を衆議院で審議する間、「パリ協定」の審議を参議院で先に進める方針であるというが、TPPの審議が難航すれば批准が遅れる可能性もあるという。11月4日の「パリ協定」の発効にも間に合わない可能性があり、従って、COP22での日本の交渉力の低下が避けられない事態となっている。「パリ協定」を巡っては、9月に温室効果ガス排出量で世界1,2位を占める中国と米国が同時に批准し、それに続き、インドや欧州連合(EU)も手続きを加速させた。批准国は11日現在で74カ国。日本は世界の総排出量の3.8%を占める主要排出国だが、7.5%のロシアとともに批准の動きが遅れている。山本公一環境相は11日の閣議後の記者会見で「一日も早い締結へ全力を尽くす」と強調する一方、「国会日程についていうことは難しい」と述べるにとどめたという。相変わらず、「国際的センスの無さ」に気が付いていないようである。日本のやる気が世界から疑われても仕方ないだろう。京都会議の時代と比較して隔世の感がある。
10月8日 毎日新聞10月8日付朝刊10面全面で、本年9月16日岩手県八幡平市で開催された「地熱シンポジウム in 八幡平」が紹介されている。同時に、10月8日が「地熱発電の日」として制定されたことも紹介されている。これは、日本最初の商用地熱発電所松川地熱発電所(岩手県八幡平市)が1966年10月8日に運転開始し、このたびめでたく50年目を迎えたことを記念して制定されたものである。同シンポジウムでは、基調講演として「松川地熱発電所運転開始50年を振り返って」が行われ、開発当時、多くの困難を乗り越え、発電所運開までに至った、技術者の苦労あるいは強い信念等が紹介され、さらに今後の50年に向かう決意が語られた。本シンポジウムに関しては、既に一部本欄でも紹介しているが、多くの方がこの新聞記事をご覧になり、地熱への理解を深めて頂けることを期待したい。
10月7日 パリ協定に関する追加情報: 毎日新聞10月7日付朝刊によると、「パリ協定 日本不利 来月4日発効 発言権制約も」との見出しで、解説記事が掲載されているので、それに基づいて紹介する。2020年以降の地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」について、10月5日国連が、11月4日に発効すると発表したことで、批准手続きが済んでいない日本は発効に貢献できないことが確定。政府は10月11日にも批准案を閣議決定し、開会中の臨時国会での承認を急ぐ考えだが、批准国としての権利が得られるのは批准から30日後で、パリ協定の運用ルール作りなどが議論される、国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が始まる11月7日には間に合わない。協定は55か国・地域以上の批准と、批准国・地域の温室効果ガス排出量が世界全体の55%以上になることが発効条件。6日現在は73カ国・地域、排出量は58.8%となり、パリ協定の発効が決まったことで、COP22の期間中に、パリ協定の第1回締約国会議(CMA1)も開かれる。具体的なルール作りは主に、批准国のみが発言権を持つCMA1で議論されると見られているが、批准国としての権利を持たない国はオブザーバーとして参加できるだけで発言できない(⇒当然であろう)。日本は批准手続きが間に合わず、発言権を得られない可能性が濃厚(⇒もしそうなったら、政府の責任は極めて大きい)。日本は途上国に省エネ技術を提供する代わりに、途上国が削減した温室効果ガスの一部を自国の削減分に算入できる「2国間クレジット制度(JCM)」など独自の仕組みを提案したい考えだが、交渉で不利になるのは明らか。環境保護団体・WWFジャパンの小西雅子プロジェクトリーダーは「日本に有利な設定ができなくなる恐れがある」と指摘している。日本に有利な設定ができるかどうかはともかく、いずれにしても、国際的センスのない、わが国政府の責任は大きい。日本の批准抜きで、パリ協定が発効してしまったことのツケは大きいであろう。
10月6日 最近10日間にわたって、本欄でもほぼ連日、「パリ協定」批准に関する件を扱ってきたのであるが、現時点で確定的になったことを、毎日新聞10月6日付夕刊が報じており、これに基づいてやや詳しく紹介する。2020年以降の地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」について、欧州連合(EU)と、フランスやドイツなど加盟国7か国は5日、国連当局に批准書を提出したという。国連気変動枠組み条約(UNFCCC)事務局によれば、5日時点で、批准したのは73か国・地域(56.9%)、温室効果ガスの排出量ベースで世界全体の55%を超え、協定発効条件を満たしたという。協定は11月4日に発効する(批准後30日以降)。国連のパンギムン事務総長はこれを受け、「協定に署名したすべての国に心から祝意を送る」との声明を発表。「かっては不可能に思えたことだが、今や止まることはなくなった」と協定発効が決まったことに謝意を表明した。5日に批准書を提出したEU加盟国は仏独のほか、ポルトガル、オーストリア、スロバキア、ハンガリー、マルタ。EUは7日に提出するとしていたが、前倒しした。国連事務総長は声明で、批准を済ませていない国(残念ながらわが国も該当している)に対し、11月7~18日にモロッコ・マラケシュで開かれる国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)前のできるだけ早い時期に国内手続きを終えるよう促している。COP22ではパリ協定の具体的なルール作りには協定締結国しか参加できないので、現状のままではわが国は参加できないことになる。そのようなことになれば、今後の国際交渉においてわが国は、発言力が弱まるだけでなく、蚊帳の外におかれかねない。できるだけ早く、国会で承認し、国連に批准書を提出すべきである。
10月6日NHK午前7時のニュースによると、パリ協定批准に関して、5日の段階ですでに世界各国の批准が進み、COP22が開始される11月7日前の11月4日に発効することになったという。日本抜きでパリ協定が実施されることになってしまった。一方、毎日新聞10月6日付朝刊によると、国会でのわが国の承認は11日になる予定という。COP22が開催中に、しかもすでに批准が決まっている中で、わが国では国会で審議中となるということである。政府は、15日にあるCOP22閣僚級会合前に承認を終えて、山本環境相が会合で議論に参加できるように、日程を組み立てているという。いったいこの国際的センスのなさは何だろうか。環境相はその会議でいったい何を発言するというのか。世界の笑いものにならなければよいが。
毎日新聞10月5日付朝刊によると、欧州連合(EU)の欧州議会は、4日フランス・ストラスブールで開いた本会議で、地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」の批准を承認したという。これによりパリ協定は必要な条件を満たし、11月6日に発効するという。EUの状況あるいはインドの状況等、本欄でも連日紹介してきたが、EUは特例措置で批准を優先し、温暖化交渉の一極としての地位を保ったと言われる。EUは国際戦略上重要と判断したためと思われる。一方、わが国はどうであろうか。現在開催中の臨時国会で早期批准を図るとの安部首相の表明はあったが、未だ批准されていない。このままでは、未批准の日本は意思決定に加われない可能性が高まっていると言われる。今国会中の批准を是非とも実現してもらいたいものである。
「パリ協定批准に関する追加情報」。毎日新聞10月3日付朝刊によると、インド政府は2日、国際的な地球温暖化対策の新枠組「パリ協定」を批准し、国連に批准書を提出したという。インドは温室効果ガスの排出割合が世界第4位の約4%(ちなみに、日本はそれに匹敵する3.8%)で、動向が注目されていた。これで、10月上旬に予定される欧州連合(EU)の批准と合わせて、パリ協定は11月にも、日本抜きで発効することになる。インドは、早期批准で発言力を高め、温暖化対策の議論を有利に進める狙いがあると見られているが、見え見えだが、ごく当然のことであろう。将来に向けて、最低限、なすべきことをなしたと言えるだろう。一方、わが国は、現在臨時国会が開催されているが、パリ協定批准の動きはなく、批准というバスに完全に乗り遅れたことになる。発車したバスの後ろから何を言っても始まらない。残念ながら国際的な発言力が弱まることは間違いない。政府担当者あるいは国会議員はいったい何をしているのだろうか。今後関連国際会議に出席して、何を発言するのだろうか。国際的に見て非常に恥ずかしい状況になる可能性がある(なお、9月29日の臨時国会において、公明党山口代表の代表質問に対し、安倍首相は、臨時国会でパリ協定の早期承認(批准)を目指すことを表明したとのことである。11月7日から、モロッコ・マラケシュで開催されるCOP22に是非とも間に合わせてほしいものである)。   
一昨日も本欄で、「パリ協定批准」に関して紹介したが、毎日新聞10月1日付朝刊によると、EUは、さらに進めて、9月30日環境相会議を開き、地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」の批准に全会一致で合意したという。当初想定した、すべての加盟国の国内手続きを経ずにEUとしての批准を優先する特例措置で、10月4日の欧州議会で承認するという。パリ協定はEUの批准で発効に必要な条件を満たし、11月7日からモロッコ・マラケシュで始まる国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)の会議中に発効するという。EUは批准に乗り遅れることを良しとせず、特例措置をとったものと思われる。一方、わが国はどうか。現在、臨時国会開催中であるが、批准を議論する状況には程遠いようである。国際的感覚がマヒしていると言わざるを得ない。国際的に見て、批准に乗り遅れることになりかねない状態である。COP22は11月7日からである。それまでに、心ある国会議員が声を上げることを期待したい。
毎日新聞9月28日付朝刊によると、温暖化対策の「パリ協定」年内発効、EU批准合意へ との報道がなされている。本欄9月21日付で指摘した懸念(日本抜きで批准が成立してしまうこと)が現実に生じそうである。EUは、当初想定していた加盟28か国の国内手続きを待たずにEUとしての批准を優先する特例措置をとり、10月初旬の欧州議会で承認を目指すという。これにより「パリ協定」の発効に必要な条件を満たす見通しで、年内発効はほぼ確実となったという。日本の出遅れは鮮明となり、日本抜きで協定が発効する可能性が高く、もしそうなれば、地球温暖化問題での日本の発言権・影響力に大きなダメージとなろう。政府の決断を期待したい。
インターネット情報:2016年9月28日付ダイヤモンド・オンライン(ダイヤモンド・オンライン編集部)に「日本は世界3位の資源国!注目の地熱発電って何だ」が4ページにわたって配信されている。現在置かれているわが国の地熱発電の状況が適切に紹介されており、是非ご覧頂きたい。「ようやく日本も国策で地熱推進 2030年までに3倍を目標に」とのタイトルにもあるように期待が込められている。地熱関係者の一層の尽力を期待したい。
毎日新聞9月24日付夕刊によると、地球温暖化が進むと、本州や北海道の内陸部などでは、10年に1回程度の頻度だった「ドカ雪」が、4~5年に1回程度に増えるとのシミュレーション結果を、気象庁気象研究所が23日発表したという。もともと気温が低い内陸部は温暖化でも低温傾向が維持されるうえ、温暖化での雪の材料になる大気中の水蒸気が増え、「ドカ雪」の条件がそろいやすくなるためだという。気象研究所では、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告書に基づき、このまま温室効果ガス排出量が増え続け、今世紀末には世界の平均気温が現在より約3℃上昇するとの前提でシミュレーションを実施した。海面水温などの条件を変えて90通り計算して、日本列島や周辺の降雪量を20キロ四方ごとに調べたものである。その結果、北海道や福島県、新潟県、群馬県、長野県、岐阜県などの内陸部や山沿いでは短時間に大雪が降る頻度が増え、1日当たりの降雪量も1割程度増えることが分かったという。逆に東京など関東地方の平野部などでは今よりもさらに雪が降らなくなり、富山県や新潟県など、日本海側平野部の豪雪地帯は、温暖化による気温上昇のため、雪よりも雨が降りやすくなるという。全国的には北海道の一部を除き年間降雪量は減る傾向になるとしている。温暖化により、極端な気象現象が生じることは従来から指摘されており、このような予測を観測から確実にフォローし、モデルを適宜修正し、将来の予測の精度をより高める必要があると考えられる。この種の将来予測は、観測によって検証されるべきものである。
毎日新聞9月21日付朝刊には、地球温暖化と関連した3つの記事が掲載されている。一番目は、政府が地球温暖化対策の新枠組「パリ協定」の批准案を今月26日召集の臨時国会に提出する方針を決めたことである。日本は世界の温室効果ガス排出量の3.8%を占めており、国会で承認されれば、年内にパリ協定が発効する可能性が高まる。パリ協定の発効には、55か国以上が批准し、批准国の排出量が世界全体の55%以上に達することが必要。排出割合が世界一位と二位の中国と米国が今月3日に批准を発表。20日現在の批准国は28か国・地域、排出総量はすでに世界の約39%に達しているという。今臨時国会は、他の重要法案の審議も控えており、今回の会期中に批准できるかどうかは今後の審議日程の調整次第と言われているが、批准が遅れ、各国の批准が進み、パリ協定の批准が実現された後、日本が批准するということにならないよう、国会審議を進めてほしいものである。二番目は沖縄県石垣島と西表島の間にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」で起きた大規模な白化現象が、9月に入っても続いているということである。海水温が高い状態をしのぎ切れずに死んだサンゴも出始め、観光や漁業への影響が懸念されているという。沖縄海洋気象台によると、6~8月の平均海水温は沖縄の南で平年より1.1℃高く、1982年以降の最高値を記録したという。冬に向けて水温は下がるが、どのくらいのサンゴが白化に耐えて回復するかはわからないという。環境省は、10月以降に被害規模を調査する予定、三番目は、今年度の日本への台風の上陸が6個となり、2004年の10個に次ぎ、1951年の観測開始から2位タイの多さであるという。また、今年は1号の発生が7月3日と史上2番目に遅かったり、初めて東北地方から上陸したりするなど、今年の台風は異例ずくめと言われている。その原因としては、まず偏西風の蛇行に伴って発生する「ブロッキング高気圧」の影響がまず挙げられているが、海面水温の上昇を指摘する専門家もいる。坪木名大教授(気象学)によると、8月は日本の南西海域で海面水温が30℃を超え、平年より2℃高かったという。海面水温が高いとエネルギーを蓄え、台風になりやすいと言われている。また、日本の南に「モンスーン渦」と呼ばれる台風の「種」を生む低気圧も発達したため、坪木教授は「台風になりやすい状況がそろった」と話しているという。以上、地球温暖化に伴い海面水温が上昇し、気象変化や海底生物に影響が見られると言ってよいだろう。温暖化ガスの排出量削減は待ったなしである。
月刊誌「大学の約束2015-2016」(一般ビジネスパーソン、高校生の保護者、高校進路指導教諭、企業の人事担当者が対象。9月20日発売。(株)リクルートホールディングス発行)の3章 日本と世界の技術を牽引する大学 の特集記事 人類を救うジャパン未来テクノロジーMAP(80-83ページ)の中で、「地熱発電」が、「人工知能」、「VR」、「自動運転」、「再生医療」、「ナノ材料」、「介護ロボット」分野とともに取り上げられた。意欲ある高校生が地熱発電に関心を持っていただけることを期待したい。
東京都は、都内に自家消費型再生可能エネルギー発電等設備及び再生可能エネルギー熱利用設備を設置する民間事業者に導入費用の一部を補助する「地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業」を始めることになり、近く(9月30日及び10月5日、いずれも13:30~15:00まで)事業説明会が開催される予定です。参加申し込み等詳細は、「クール・ネット東京」のホームページから。
月刊誌「火力原子力発電」2016年第67巻9号(火力原子力発電技術協会編集、9月15日発行)の8-22ページに、運転開始以50年経過した、わが国最初の商用地熱発電所である岩手県松川地熱発電所(東北自然エネルギー株式会社)の特集記事が掲載されている。なお、松川地熱発電所は、本年、日本機械学会から、「機械遺産」に認定された。特集の内容は、グラビア写真として、機械遺産認定式、発電所建屋、施設配置と地下断面図、地熱発電の仕組み、技術者の声が、カラーで紹介されるとともに、「松川地熱発電所の50年」と題して、発電所建設の経緯、設備概要、発電状況、各設備の状況、そして地域との共生等が紹介されている。また、資料として、発電所建設に関与した技術者秋葉雅史氏による当時の技術報告「地熱発電用20000kW蒸気タービン」が、日本機械学会誌(1967年70巻第577号)より転載されている。
毎日新聞9月7日付夕刊には、地球温暖化による、負の影響を示す2つの現象が報告されている。 一つ目は、「南極大陸の棚氷の割れ目が拡大」というもので、 二つ目は、「東南アジアで漁獲量3割減」というものである。 一つ目のものは、南極半島の東側にあるラーセン棚氷にできた割れ目が、過去半年で急速に拡大していると、英国南極観測チームが発表したものである。近い将来、先端部がちぎれて海に流出する恐れがあり、棚氷全体の消滅を早めかねないと懸念しているという。チームによると、割れ目は南から棚氷をえぐるように北に延びている。1980年代以降にき裂ができ、2011~15年に約30km延びて(約6km/年)合計100km余りになり(約3cm/年)、今年3月~8月には、約半年で22km長くなった(約44km/年)。14年に8か月で20km延びたが(約30cm/年)、今回はそれを上回る速いペース。幅は3月までは200mだったが、8月には350mに広がった。気温上昇が影響していると見られている。棚氷全体が失われると、世界の海面が5~10cm上昇するとの試算があるという。 二つ目のものは、地球温暖化に伴う海水温の上昇によって、東南アジアでは今世紀半ばに水産物の漁獲量が10~30%減る恐れがあるとする報告書を国際自然保護連合(IUCN)が発表したという。水温が高くなりすぎて生物の生息域が北上したり、魚や甲殻類のすみかとなるサンゴが白化現象などにより失われたりすることが理由と言われる。影響は東南アジアだけでなく、インド洋西部やアフリカ東岸にも及ぶことが指摘されている。報告書は、1970年代以降に起きた人為的な温暖化による熱量の9割以上が世界の海に吸収されたと指摘。このまま温暖化が進むと、繁殖能力や種の多様性への影響が懸念され、乱獲と相まって水産資源が大きく減少する恐れがあるとしている。病原体が北上して健康に影響を及ぼす可能性もあるほか、暖かい海のエネルギーを受けて、台風やハリケーンが巨大化することも報告されている。また、海の保護区の設定や違法操業の防止によって資源を保全するように求めている。
毎日新聞9月6日付夕刊によると、2013年までの過去37年間で、日本を含む東アジアの国々に上陸する台風のピーク時の風速が15%増したことが分かったと、米国カリフォルニア大サンディエゴ校などのチームが5日付けの英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に発表したという。沿岸で海面水温の上昇が観測されており、台風に供給されるエネルギー源が増え、発達しやすくなったと見られている。今後も地球温暖化に伴って海面水温は高くなると予測されており、チームは「日本や中国、台湾、韓国を直撃する台風はさらに激しさを増すかもしれない」と警告している。チームは、米軍合同台風警報センターと日本の気象庁のデータを使い、1977年以降に発生した台風の進路や強さを分析した。この結果、フィリピン東方で発生した後、北方向に移動した台風のうち、75%が中国や日本に上陸したことが分かった。台風ごとのピーク時の風速は1977年から2013年の間に年平均で15%増加した。米国の基準で最も強い「カテゴリー5」や2番目の「カテゴリー4」に分類される非常に大きい台風の数も4倍近くに増えているという。なお、東アジア沿岸の海面水温は10年当たり0.3℃前後のペースで上昇したという。地球温暖化により、異常気象が次第に頻発し、また、個々の異常気象の規模が大きくなることが、数値シミュレーションから予測されているが、現実の気象の変化もそれに沿っていることを示す一例と思われる。
毎日新聞9月4日付朝刊によると、米国のオバマ大統領と中国の習近平国家主席は3日、地球温暖化防止に向けた国際的な新しい枠組み「パリ協定」を批准したと共同発表したという。パリ協定は批准国の温室効果ガス排出量の総計が世界全体の55%以上になることを発効の条件としており、世界の排出量の約4割(38%)を占める2大排出国の批准で早期発効に向けて大きく加速した(ちなみにその他の国・地域では、EUが12.1%、ロシアが7.5%、インドが4.1%、日本が3.8%となっている)。パリ協定は、昨年12月に採択され、各国で批准手続きが進んでいるが、これまでの批准国・地域は24で、温室効果ガス排出量の割合は世界全体の約1%にとどまっている。排出量が最大の中国は20.1%、2位の米国は17.9%を占めており、米中の批准が早期発効に向けた最大の課題になっていた。本年11月にはモロッコで国連気候変動枠組条約第22回締約国会議(COP22)が開かれ、パリ協定に実効性を持たせるための具体的なルール作りの議論が始まる。COP22での議論で存在感を発揮するためにも、米中に続いて批准に踏み切る国・地域が出てくると見られている。日本はまだ批准しておらず、批准のための明確な日程も定かではない。わが国の批准が、世界全体の批准が55%を超えた後でなされるという国際的に見て恥ずかしいことにならないように、政府はできるだけ早期に批准すべきであろう。
日本地熱協会は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)および電気事業連合会とともに10月8日を「地熱発電の日」と制定したことを同協会HPで9月2日発表しました。本年10月8日は、国内初の地熱発電所(岩手県八幡平市)が昭和41年に運転を開始し、ちょうど50年にあたります。登録証の授与式は、本年9月16日にJOGMECが岩手県八幡平市で主催する「地熱シンポジウム in 八幡平」の中で執り行われます。日本地熱協会は、JOGMECなどの地熱開発に関係する行政・企業・団体等と協力しながら、今後、10月8日の「地熱発電の日」やその前後の時期に、地熱理解促進運動のイベントを恒例行事として開催し、国民の地熱発電に対する認知・理解を進め、地熱開発の促進に努めることとしています。
毎日新聞8月29日付夕刊によると、石垣島と西表島の間にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」で起きている大規模な白化現象で、環境省が調査した35カ所で9割近くのサンゴが白化していることが分かったという。海水温の上昇が原因と見られ、石垣島の北部や鹿児島県の屋久島付近で白化が起きているとの報告もあるという。環境省那覇自然環境事務所は7月下旬~8月中旬、石西礁湖で水面近くからサンゴの健康状態を調査。高温や汚染などのストレスに弱いサンゴの一種ミドリイシに加え、ストレスに強いハマサンゴも一部白化していたという。白化はサンゴの体内に共生して光合成を担う植物プランクトンの褐虫藻がストレスで溶け出し、骨格が透けて白く見えるようになる現象。短期間なら元の状態に回復するが、長期間続くとサンゴは死んでしまうという。石西礁湖の水温は6月から白化の危険が高まる30℃を超えており、1割ほどは死んでいる可能性があるという。調査結果は近く公表されるという。地球温暖化は、大気だけでなく、海水(海水温の上昇は、また、台風の発生・移動にも大きな影響を与えている。今年の日本周辺での台風発生およびその移動形態の異常さはそれを証明しているともいえる)、さらに地中を高温化している。 炭酸ガスの大気中への放出停止は待ったなしである。
毎日新聞8月24日付朝刊が「くらしナビ・環境」欄で海水によるCO2の吸収限界に関して報じている。化石燃料の使用で増え続ける大気中の二酸化炭素(CO2)。これを植物が光合成の際に吸収するほか、海も大きな吸収源となっている。これまでの人類排出のCO2の3割が海水中に溶け込んでいると言われている。さらに、近年海水中のCO2濃度が増加(北緯30度で、最近30年で、表面海水中で280から340ppm程度)を続け、それに伴って、海水の酸性化(北緯30度で、最近30年で、pH8.17から8.11程度)が進行している。当然であるが、物理化学的に言って、海水のCO2吸収には限界があると考えられる。気象庁海洋環境解析センターの中野俊也所長は「このまま地球温暖化が進んだ将来、CO2の吸収が続くのか、それともこれまでに蓄積された分を放出するようになるのか。観測を続けて傾向の変化をいち早く捉えたい」と話している。大量のCO2大気中放出は、大気中だけでなく、海水中そして地中にも大きな影響を与えつつある。すなわち、人間の生活する地球環境を大きく変えつつある。人類はこれを止めることができるか、21世紀最大の挑戦である。
毎日新聞8月23日付朝刊によると、18世紀後半の産業革命以降、地球の温暖化傾向が続いている中、熱帯太平洋の海水温の低下が一時的な「冷や水」となり、地球(大気)の温度上昇を0.3℃程度、抑制する効果があったとする研究結果を、小坂優東京大学准教授(気候科学)らが英科学誌ネイチャー・ジオサイエンスに発表したという。国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)によると、地球の平均気温は1880年~2012年に0.85℃上がったが、右肩上がりではなく、階段状に上昇と停滞を繰り返してきた(もちろん、上昇と停滞の期間の中で、さらに小さい周期の変動が含まれる)。温度上昇が一時的に止まる現象は、英語で「停滞」を意味する「ハイエイタス(hiatus)」と呼ばれているが、原因がよくわかっていなかった。研究チームは、熱帯太平洋の海水温に注目。過去120年間に、10~40年継続する海水温の低下時期が複数確認され、気温上昇の伸びが鈍るタイミングと一致したという。こうした「冷や水効果」がなければ、産業革命前から2012年までの二酸化炭素(CO2)による気温上昇は1.2℃上昇すると推定されるという。2000年以降は停滞期で、現在転換期に入っていると見られるとも言われる。小坂准教授は「海水温の周期的な変動は、太平洋上の東風の強弱によって起こると考えられる。将来もハイエイタスは起こり得るが、CO2が増え続ける限り、温暖化は続く」と話しているという。地球温暖化あるいはヒートアイランド現象により、地球の熱的環境は確実に悪くなっているが、必ずしも単調に進行しているわけではない。人類には知られていない現象がまだまだ多いということであろう。ちなみに、当研究所(埼玉県狭山市)では、気温変化を反映した地下1m深地温の毎日観測を2012年5月8日から継続しているが、年平均地温は2012年から2015年にかけて上昇したが、2015年から低下傾向に入っている。すなわち、このような短期間でも変動が生じている。気温変化・地温変化は多様な周期現象の重なり合いである。観測によって、それらを明確にし、原因を探っていくことが、地球熱環境の維持に貢献することができる可能性がある。1m深地温の経年変化という特定のごく限られた現象であるが、意味ある結果を引き出せる可能性は十分ある。今後とも測定を続けていく予定である。現在当研究所は、各地(東京都千代田区、神奈川県藤沢市、茨城県つくば市、秋田市)で協力を得て1m深地温の測定を続けている。
毎日新聞8月19日付朝刊によると、地球温暖化による海岸浸食が深刻化し、住民生活が脅かされている米国アラスカ州シシュマレフ村で、安全な場所への全村移住を問う住民投票が実施され、移住希望者が、そのまま住み続けたいと答えた人を上回ったという。村はベーリング海峡に面した小島にあり、人口約600人。先住民イヌピアットが多く住む。AP通信によると、住民投票は16日に行われ、村の開票速報では、移住が89票で、残留の78票を小差で上回ったという(最終結果は不明)。島の海岸は、冬には海氷で埋め尽くされ、波による浸食から守られてきた。しかし、地球温暖化で氷に覆われる期間が短くなり、高波に洗われやすくなったため浸食が進み、海辺の住宅に被害が出ている。温暖化のために集団移住した例は、米国にこれまでないという。ただ、民意は示されたものの、近くの本島への移住には100億円以上が必要と試算され、実現には資金を用立てる必要があるという。従来、太平洋に浮かぶ小島(小国)で、温暖化による水没が懸念されてきたが、さらに、新たな地球温暖化による影響例が報告されたことになる。
毎日新聞8月16日付朝刊によると、「2040年日本 再生エネ低調-33%で8位 英機関予測-」ということが報じられている。世界の太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーによる総発電量に占める割合は、2040年時点で45%になるとの予測を、英国の民間調査機関「ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス」(BNEF)がまとめたという。世界で脱化石燃料が進む中、日本は33%にとどまり、二酸化炭素(CO2)の主要排出国9か国・地域で8位に評価されたという。BNEFは、世界110か国について、政策や発電方法ごとのコスト、市場競争力などを考慮し、2040年時点の電源予測をまとめている。報告書によると、再生可能エネルギーによる割合が高いのは、ブラジル92%、カナダ83%、欧州連合(EU)70%、メキシコ69%などとなっている。ブラジルとカナダは水力発電の導入見込が大きく、EUはドイツなどで太陽光と風力のコスト低下から市場で優位になるとみている。一方、日本は、新設計画が相次ぐ石炭火力発電所の多くが40年時点でも運転を続けるために再生可能エネルギーの導入余地が乏しいと予想されている。日本政府は、30年時点で再生可能エネルギーを22~24%とする目標を掲げているが、これを達成したとしても、BNEFは「石炭火力を強制的に休止させるなど、新たな政策がなければ40年までの上積みが進まない」と指摘している。昨年末に採択された地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」では、今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを掲げており、電力部門の脱化石燃料は大きな後押しになる。BNEFのイザディ駐日代表は「日本は人件費が高いため、再生エネのコストが下がりにくく、普及が進まない面がある」と話しているという。このような中で、わが国の地熱発電に求められているのは、2030年に現状より3倍増の累積150万kWを達成するだけでなく、2040年~2050年に向かっても着実な進展をすることであろう。当面は固定価格買取制度によって、事業者側から見てコスト的問題はないが、最終的には過剰のコスト分は国民が負担することになるわけで、一層のコスト削減努力が必要である。
毎日新聞8月10日付朝刊によると、日本列島は9日、東日本を中心に酷暑が続き、山梨県身延町で地点として観測史上最高となる39.2℃を記録したという。最高気温が35℃以上の猛暑日が、全国929カ所ある観測点中198カ所(21.3%)に上がった。各地の最高気温は、千葉県茂原市で38.7℃、岐阜県多治見市と浜松市で38.3℃。また、東京都心は37.7℃で今年最高であった。当研究所で継続して観測している1m深地温も、1日当たり、0.1~0.2℃程度上昇を続けている。
毎日新聞8月8日付朝刊によると、暦の上では秋が始まる「立秋」だが、昨日に続き日本列島は太平洋高気圧に覆われ晴れ、各地で今年最高気温を更新するなど猛烈な暑さになったようだ。気象庁によると、全国929観測地点のうち、131地点(14.1%)が35℃以上の「猛暑日」となり、757地点(81.5%)が30℃以上の「真夏日」となった。いずれも今年最高だったという。最も暑かったのは、兵庫県豊岡市の38.2℃、次いで新潟県胎内市と鳥取市で38.1℃。暖かい空気が流れ込んだ北日本でも気温が上昇し、北海道共和町では観測史上最高の33.6℃を記録。関東地方では群馬県館林市で35.6℃、東京都心で33.6℃に上ったという。当研究所で測定を続けている1m深地温は8月5日以降、1日0.2~0.3℃程度の急な上昇を続け、年最高地温に向かっている。
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