
『10万円給付を巡る混乱 理念の欠如さらけだした』 毎日新聞12月14日付朝刊の社説は痛烈に批判している。⇒全く当然であるので、ほぼ全文を紹介しよう。『18歳以下の子どもに10万円を給付する政府の事業が混乱を招いている。年内に現金5万円を給付し、来年春に5万円相当のクーポンを配布する案に対し、実務を担う自治体から全て現金にすべきだとの声が相次いだ。3回目のワクチン接種を担う自治体が、クーポン配布の作業を強いられることのなるからだ。967億円もの事務経費がかかることも問題視された。岸田首相はきのうの衆院予算委員会で、10万円を年内に一括給付することも「選択肢の一つ」と語り(⇒何ともひどい腰砕けだ)、自治体の判断に委ねる考えを示した。政府の方針転換により、多くの自治体が全額現金給付を選ぶとみられる。そもそも制度設計自体に無理があった。衆院選で子どもへの10万円給付を掲げた公明党と、生活困窮者への支援を訴えた自民党の政策を無理やり合わせた。そのため目的が曖昧になってしまった。使途を子育てに限定するクーポンの併用を決めたのは、ばらまき批判をかわす狙いからだ。だが、子育て支援が目的なら恒久的な制度とするのが筋だ。わざわざ2回に分けて来春にも配布するのは「来夏の参院選対策ではないか」との批判が、野党から出ている。一方、困窮者支援ならば、緊急事態宣言が続いた今夏までに対応すべきだった。遅きに失した。全額現金給付となれば、何を狙いとした政策なのか一層分かりにくくなる。昨年は全国民に一律10万円を給付したが、大半が貯蓄に回り景気刺激効果が薄かったと指摘された。方針転換の理由を首相は「さまざまな声をしっかり受け止めた結果だ」と説明した。⇒内容がよく煮詰まっていない段階で、雲をつかむような説明をして、多くの疑問が出て、すべての声を聞いて折衷したためこのようなぶざまなことになったのだ。首相として何をやりたいのかが全く見えない。さらに社説は続ける。政権発足後、初の一問一答形式での論戦で「聞く力」を披露したつもりかもしれないが、方針が一転したのは、分配政策の理念が欠如しているからではないか(⇒ズバリその通りである)。首相は子どもを直接支援し、消費を促すとクーポンの効用をアピールしてきた(⇒まさに木に竹をつなぐ、おかしな政策だ。ここに岸田首相の理念の無さが見え隠れする)。そうならば自治体に丸投げするのではなく、国の責任で制度を整えるべきだった。この間の泥縄式の対応を反省し、混乱を繰り返してはならない。⇒麻生・安倍・菅と3代の自民党政権は、この10年余で、自ら退化して、「今だけ、自分だけ」のもと、EBPMに全く従わず、日本の政治・経済・社会の基本構造を根底から破壊した。岸田首相はそれらを元に戻す「役割」が期待されたが、どうやら全く期待外れのようだ。それを押し返すのが野党だったはずだ。しかし野党は内紛続きで、日本の将来ビジョンが示せない。これでは団塊の世代くらいまではどうにか日本は生き延びられるかもしれないが、その後の世代はお先真っ暗だ。ここを問うのが直近の衆院選だったのに、日本国民の多くは自民党政権を追認してしまった。自民党政権が今後も続くと、日本に明るい未来はない。団塊世代以後の、「より若い世代」が生来に向けて発言し、日本の政治を変えていかなければ、日本の未来はない。団塊の世代以降の日本国民よ。黙っていたら、将来は地獄だ。自らの命は自ら守れ。