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 『石川・能登 震度6強 1人死亡 建物、複数倒壊』 毎日新聞5月6日付朝刊一面トップはこう報じている。5日午後2時42分ごろ、石川県能登半島を震源とする地震があり、同県珠洲市で震度6強を観測した。気象庁によると、震源の深さは12㌔、マグニチュ-ドM6.5と推定される。珠洲市危機管理室によると同市内で1人が死亡、倒壊した建物の下敷きになるなど22人が負傷した。富山県高岡市でも1人が軽傷。珠洲市内では住宅4件の建物が倒壊した。今回の地震の発生地点を含む中部・北陸地域は日本でも有数な応力集中ゾーンであり、近年地震活動が活発となっていた。NHKテレビでの現地の震動の様子はこれまでの内陸地震に比べてがかなり大きな印象を持ったがM6.5で、内陸地震としても格別大きかったわけではないが、震動は激しかったようだ。土砂崩れも発生しているようだが、本日及び明日は大雨が予想されており、土石流発生の懸念もあるようだ。
 
『陽気に誘われて潮干狩り』 毎日新聞5月5日付朝刊はこう報じている。大型連休の後半に差し掛かった4日、横浜市金沢区の「海の公園」では、熊手やバケツを手に潮干狩りを楽しむ家族連れらでにぎわったという(掲載のカラー写真はにぎわいを良く映し出している)。筆者も小学生高学年時、毎年春の遠足では千葉県の幕張海岸などで、潮干狩りを楽しんだ。今ではもう埋め立てされて、高層住宅の林立する新しい街となっているようだ。潮干狩りは海なし県の埼玉県では特別の催しであった。自分で掘ったアサリ貝は格好のお土産でもあった。
 『咲き上がるルピナス』 毎日新聞5月3日付朝刊埼玉県版は満開のルピナスのピンク、紫、白などが咲き誇っているカラー写真とともに紹介されている。国営武蔵丘森林公園(埼玉県滑川町)で、ピンクや紫、白のルピナス(マメ科)の花が開花して見ごろを迎えている。同園は「暖冬のため例年よりも1~2週間開花が早いが、ゴールデンウィークにちょうどきれいに咲いた姿が見られるので是非訪れてほしい」と話している。同園のこもれび花畑(2000m2)で、約4万本のルピナスが4月下旬から開花。5月中旬まで楽しめるという。同じマメ科のフジに似ており、花が下部から咲き上がるから「ノボリフジ(昇り藤)」とも呼ばれるという。一方、こもれび花畑(400m2)ではデルフィニウム(キンポウゲ科)3000本の青い花が開花し、赤系統の花が印象的なルピナスと対照的なな色合いを見せている(同園管理センター)。春から初夏にかけて、県内各地で色とりどりが咲いているようだが、いずれも例年より早い(1~2週間)ようだが、地球温暖化の影響とみられる。
 『改憲 首相見えぬ本音 自民、9条に重心 公明反発 きょう憲法記念日』毎日新聞5月3日付朝刊一面トップはこう報じている。日本国憲法は3日、1947年の施行から76年を迎えた(本欄の筆者江原幸雄当研究所代表も本年9月20日で76歳。現憲法下で生きてきた)。憲法改正に前向きな自民、公明、日本維新の会、国民民主党の「改憲4党」が衆参両院で3分の2議席を占める中、国会で改憲に向けた議論が徐々に進んでいる。だが、政治日程を見定めながら改憲発議、国民投票まで進めることは容易ではないという。首相就任1年半、「リベラル色」が強いと言われる岸田首相(⇒しかし最近の政策決定の特徴は、自民右派の考えに従っているようだ。理由は岸田首相は政治目的を「政権延命」としているため、政策実現のためには、自民党内多数派の右派の政策を取らざるを得ない)が改憲に踏み込むか否かが今後の焦点になっているという。一方、国民の世論はどうなっているか。毎日新聞が4月15,16日両日に実施した全国世論調査では、岸田文雄首相の在任中に憲法改正を行うことに尋ねたところ、「賛成」が44%で、「反対」の31%を上回ったが、1年で賛否が逆転した(⇒岸田首相が真に国民のための政治を行っているとは思われないが、広島サミットの議長国で、これまで大した成果は出ていないが、たびたび外国訪問をやり「やっている感」だけはうまく演出しているので、国民はそこに目が奪われている)。2022年4月の調査では、「賛成」が44%で、「反対」の31%を上回っていたが、1年で賛否が逆転した。調査方法や質問に仕方が異なるため単純に比較できないが、菅政権だった21年4月の調査では、首相名を挙げずに憲法改正の賛否について質問し、賛成は48%、反対は31%だった。支持政党別にみると、自民党支持層では「賛成」が6割、「反対」は2割弱だったが、公明党支持層では「賛成」「反対」いずれも4割程度だった。立憲民主党の支持層では「反対」が「賛成」を大きく上回ったが、日本維新の会の支持層では「賛成」と「反対」が拮抗した。「支持政党はない」と答えた無党派層では「賛成」が2割程度で「反対」は5割強だった。9条を改正して自衛隊の存在を明記することについては「賛成」が55%で、反対の「31%」を大幅に上回った。ロシアのウクライナ侵攻が続き、安全保障環境が悪化していることが影響しているとみられる。緊急事態の際に国会議員の任期を延長できるようにする法改正については「賛成」が39%で、「反対」の43%を下回った。⇒国会は衆参院とも憲法改正派が改正に必要な2/3を超えているが、改憲4党の中でも何を優先するか意見は食い違っており、正に「同床異夢」のようだ。一方、国民もその時々の内外情勢によって変動しているようである。「国会」「国民」とも論議が尽くされておらず、単に議員数だけで「憲法改正」を決めることは日本国内で熟しているとは言えない。国会は「憲法調査会」で十分議論し、すべてを国民に開示し、議論がおおよそ収束する中で「国会での発議」をするべきだろう。そして、毎年「憲法記念日」には、国民の考え方が成熟しているかどうか、国民的議論を起こし、国民全体の政治意識が確認されてから、憲法9条にこだわることなく、多くの国民が望む部分を優先的に改正するのが民主主義的な手続きであろう。繰り返すが、論議の途中で、国会議員数で押し切ってはならない。それは民主主義ではない。議論を尽くしたのち、初めて採決する。賛否に関わらず、多数を尊重する。それが民主主義だ。
『大型渡り鳥繁殖 温暖化が影響 国際研究チーム』 毎日新聞5月2日付夕刊はこう報じている。体の大きな渡り鳥は、地球温暖化で子孫を残しにくくなっている可能性があるとする論文が1日、米科学アカデミー紀要に掲載された。ポーランド・ブロツワフ大などの研究者が半世紀に及ぶ観察の成果として発表したという。小型の鳥や年間を通して同じ場所に生息のする鳥はは気候変動に適応しやすい傾向があったとという。研究チームは1970年から2019年にかけて世界各地で104種の鳥類201個体群を対象に、それぞれの地域の気候と繁殖データの変化の関係を調べた。全体のうち56.7%の個体群で、巣立ちまでに生き残るひなが減り、比較的体の大きな種や渡り鳥にその傾向が見られた。一方、小さな種や定住する鳥では増える傾向にあり、温暖化の恩恵を受ける可能性が示されたという。調査期間の約50年間に地球の平均温度は1℃近く上昇した。研究チームは、温暖化が複雑な相互作用を通じて、鳥が子孫を残す過程に影響を与えると分析する。これまで気候変動に伴う鳥の繫殖時期の変化を示した研究は多くあったが,子に与える影響について調べたものはほとんどなかったという。
 『入管法改正案の審議 問題に向き合っていない』 毎日新聞5月2日付朝刊の社説はこう論じている。 外国人の人権尊重の観点から、数多くの問題を抱えたままだ。突き進んでは禍根を戻す。⇒全くそのとおりである。本欄では、当研究所代表江原幸雄が頻繁に反人権的さらに反人道的扱いを指摘してきたが、入管庁における外国人に対する非人権的対する法務省官僚・入管庁官僚のずる賢い策略の結果、当初の「在留外国人に対する非人権・非人道的問題(直近にはスリランカ人女性ウィッシュマさんが名古屋入管のまともには考えられないようは非人権的・非人道的扱いの結果、名古屋入管で死亡したことから対して始まったのである)が、今国会ではそれらの「不都合な真実」は全く忘れられ、「本質的課題のすり替え」によって、逆に、悪法への改正によっていっそう外国人に厳しい制度ができただけだ。法務省・入管庁は笑いが止まらないだろう。口を押えてやっと笑いをこらえているのだ。今回の改正案(実際には改悪案)は初めから「不都合な真実」を葬った「与党側」の賛成、立憲民主党・共産党野党側の反対という対立課題であったが、与党は本質的課題の解決にあたらず、当初の問題意識からは考えもつかないような全面的に筋の全く異なった不十分な審議内容・過程になってしまった。その結果、与党は「改正(悪)法」施行後、必要があれば検討する」という歯切れの悪い表現で、早期の幕引きを図ったのだ。今国会より前の国会審議では、当時の当事者の上川法相・入管庁の佐々木長官は不誠実な対応で、逃げ回り、担当省・担当官庁の責任を逃れて、国会の早期の幕引きに協力した。⇒入管問題は、責任官庁の法務省・入管庁が同様な態度を取り続ける限り、問題は蒸し返されるだろう。当時の上川法相・佐々木入管庁長官の責任は極めて大きい。両人は責任を持って、入管問題の正しい解決を図るべきだ。両人は何らかの処罰を甘受すべきだ。最終的には、国会で被害者およびすべての国民に謝罪すべきだ。⇒最後に社説はこう明確に指摘している。「改正案は連休明けにも衆院を通過し、参院に送られる見通しだ。人権がないがしろにされることがないよう、抜本的な見直しが不可欠である」と。当然の指摘だ。参院議員は責任を持って、対応すべきだ。存在価値を示すべきだろう。
 
 『バイオ3D 神経再生 京大病院チーム 治験成功』 毎日新聞5月2日付朝刊はこう報じている。京都大病院の池口良輔准教授らのチームは、細胞を材料にして立体的な組織を作る「バイオ3Dプリンター」で細い管を作成、手の指などの神経を損傷した患者3人に移植する治験を実施し、神経の再生を確認したと発表した。副作用や合併症はなかった。池口准教授は、4月24日の記者会見で「神経が損傷して仕事ができなくなり、苦しんでいる患者はたくさんいる。新しい治療法の選択肢になれば」と話したという。チームによると、3人はケガで手の指や手首周辺の神経を損傷した30~50代の男性。患者の腹部の皮膚から細胞を採取し、3Dプリンターで約6週間培養するなどし、直径2ミリ、長さ約2㌢の細い管「神経導管」を作った。神経の損傷部位に移植して、約1年経過を観察。導管の内部を神経が伸びて再生したことを確認した。移植した管から神経細胞を促すたんぱく質が放出されるなどしたとみられる。3人の患者は全員仕事に復帰し「指先の感覚がほぼ通常に戻った」などと話しているという。現在は患者自身の神経を採取して移植する手術が行われているが、採取部位に痛みが残るなどの課題があったという。また人工神経の移植は機能再生が限定的だったという。⇒新しく発達した「再生医療」と「3Dプリンター」の技術が融合した、患者に寄り添った極めて有効な治療法と考えられる。今後さらに最先端技術の融合によって、新しい技術が進展することが期待される。
『(⇒観測)史上最大のプロミネンス噴出 400光年離れた変光星 京大などの研究チーム観測』 毎日新聞5月2日付朝刊はこう報じている。恒星表面のガスが高速で噴き出す現象「プロミネンス(紅炎)」について、観測史上最大の噴出を捉えることに成功したと、京都大と国立天文台などの研究チームが発表した。地球から約400光年離れた変光星で観測し、太陽での過去最大級の噴出の100倍以上の質量をもつという。噴出時には天体が質量の一部を失うことから、恒星進化のメカニズム解明につながる可能性がある。研究成果は、4月28日付の国際天文学誌「アストロフィジカルジャーナル」に掲載された。プロミネンスは約1万℃あり、、太陽などの恒星の表面で起きる突発型な獏は突発的な爆発現象「フレア」に伴って噴出する。地球と太陽の関係では、噴出時に磁気嵐などで通信障害や大規模停電が出る一方、生命誕生に必要な元素を生み出した可能性が指摘されている。京大大学院理学研究科修士2年の井上俊さんと国立天文台の前原裕之助教らは2020年12月、岡山県の京大岡山天文台にある「せいめい望遠鏡」と米航空宇宙局NASAの宇宙望遠鏡で、オリオン座を波長ごとに分ける分光観測データを解析するなどして、太陽で過去最大フレアだった7000倍超のエネルギーを持つ巨大なフレアとプロミネンスの噴出を突き止めた。噴出には、プロミネンスの速度が、天体の重力を振り払うのに必要な最低速度を超える必要がある。今回は秒速1600㌔に上がり、最低速度の秒速350㌔を大きく上回ってうわまわっていという。井上さんは「初期の太陽では同規模のプロミネンス噴出が起きていた可能性がある。恒星の進化の仕組みや生命の誕生につながった可能性を探りたい」と語ったという。実に夢のある研究で、修士2年生で重要な現象を発見した井上さんの今後の研究進展を心より祈りたい。
 『藤井、苦戦制し連勝 第81期名人戦 七番勝負 第2局』 毎日新聞4月29日付朝刊はこう報じている。静岡市葵区浮月楼で指されていた第81期名人戦七番勝負の第2局は28日午後7時51分、挑戦者の藤井聡太王将(20)が渡辺明名人(39)に87手で勝ち、第1局に続いて連勝した。谷川浩司十七世名人(61)の持つ最年少名人記録(21歳2か月)と7冠達成にまた一歩近づいた。⇒藤井王将は、タイトル戦における「破竹の勢い」と「対渡辺戦における圧倒的な勝率」は、このまま連勝を続け、藤井王将は渡辺名人を倒し、最年少名人記録と7冠達成を同時に、見事に実現するのではないか。末恐ろしい藤井聡太王将の進撃だ。なお、第3局は5月13,14の両日、大阪府高槻市の高槻城公園芸術文化劇場で行われるという。連休中は対局中止のようだ。
 『入管法改正案(⇒「改悪」ではないか) 衆院可決 「難民認定機関」見送り』 毎日新聞4月29日付朝刊一面トップはこう報じている。⇒法務省・入管庁の官僚は実に見事な本質的課題のすり替えで、法務省・入管庁の危機を救ったようだ。⇒今回の法案改正の端緒は、外国人滞在者の人権無視問題(スリランカ人女性の名古屋入管内での不都合な死亡事件)であるが、見事なすり替えで別の課題に捻じ曲げ、国会、他省庁、国民・マスコミすべてに目つぶしを食らわせ、反対の有無を言わさずごまかし切った。揚げ句の果てには既得権維持のお墨付き「難民認定機関見送り」まで引き出した。法務省・入管庁の官僚の悪徳手法は全く許せないが、最悪手法としては誠に見事なものだ。官僚の思考方法がよくわかった。これまでも繰り返されてきたゲスの悪徳手法だが、今後同種のゲスの手法が発生しないように、また、他省庁がマネしないように、監視の目は失わないようにしよう。 
 『ドイツの脱原発完了 政治の意思が切り開いた』 毎日新聞4月29日付朝刊の社説はこう論じている。「脱原発」政策を掲げるドイツで、最後の原子炉3基が運転を終了した。2000年の決定以来、歴代の政権が取り組み、20年以上かけて実現させた。一貫していたのは「原発に依存し続けることはリスクが大き過ぎる」という共通認識である(⇒ドイツは狭き門をくぐったのだ)。発端は1988年、旧ソ連のチェルノブイリ原発で起こった事故だ。東西冷戦下、最前線の国として情報不足と被ばくの恐怖に直面した。原子力に懐疑的な世論を受け、社会民主党と「緑の党」の連立政権が脱原発にかじを切った。エネルギー転換も進めた。再生可能エネルギー推進のための法整備、再エネを一定の価格で買い取る制度によって電源の多様化を図った。電力自由化も後押しした。中道右派のメルケル政権は原発の運転期間を延長したが、11年に東京電力福島第1原発事故が起きると脱原発路線に回帰した(⇒物理学者の科学的論理と倫理が優先したと思われる)。当時、メルケル首相は「福島が私の考えを変えた」と語り、22年末までの全廃を宣言した(⇒しかし、一方、事故当事国の日本の自民党右派は口先では転換を言っていたが、政権を民主党から奪うと態度を豹変し、原発復活の策動を始め、現在では何と原発推進に転じ、恥さらしにも、公然と原発推進・石炭火力推進と世界で最悪な「地球温暖化推進国」に成り下がってしまった。そのような中で、岸田首相が恥ずかしげもなく、G7を広島で開催するという。被爆地広島をプラスにアピールすると思いきや、むしろ反対だ。まったく情けない岸田首相だ)。ロシアのウクライナ侵攻に伴い、(ドイツでは)天然ガスの供給が途絶えたことで1年遅れたがが、政治の意思と実行力の実現にこぎつけた(⇒一方、日本は全く反対の姿勢を示した。日本の産官は一致して、ドイツの例を意識的に誤解しながら、ネガティブキャンペーンを張った。それは見事に失敗した。「ウソは弱し、事実は強」そのものだった。その反動からか、何の反省もなく、原発推進と石炭火力推進を強めて、世界の批判を浴び続けている)。(⇒ドイツ)国民の受け止めは一様ではない(⇒日本国民も同じだ)。世論調査では今回の停止に過半数が反対した。電力不足や光熱費高騰などへの(当面の)不安が根強いためだ。それでも政府の方針が揺らがなかった背景には「核のゴミ」の問題がある。(⇒ドイツでは)最終処分場計画が13年には白紙となり、現在も未定だ。原発を動かし続ければ、将来世代につけを回すことになる。日本も福島の事故を受け「可能な限り原発依存度を低減する」とエネルギー基本計画でうたう。しかし、岸田文雄政権は運転期間を延ばし、新設さえ視野に入れるなど、原発回帰を鮮明にした(⇒岸田首相自身は原発に対する自身の確固たる考えはなく、ただ政権延命だけのために自民党右派の好む選択をしたと思われる。首相には全く定見がなく、あるいは、もともと原発推進であったかもしれないが、国民には隠していたが、こんな形で明らかになったのかもしれない)。(⇒すなわち)ドイツとは正反対だ。核燃料サイクルは破綻し、核のごみ処分もめどが立たない。にもかかわらず現実から目を背けている(⇒岸田首相は異常性格ではないか)。再エネ促進も不十分だ。周辺国と電力を融通し合えるドイツと異なり、島国の日本にとって脱原発への道はより険しい。だからといって、できない言い訳を並べ立てるのは、ドイツの挑戦に学び、原発に依存しない社会への道筋を示すことである。⇒もっともで正当な論説である。岸田首相よ、毎日新聞の社説をよく読み、吟味すべきである。このまま、自民右派のおみこしに乗り続けると日本か壊れ、日本の将来はない。能力もないのに、政権にしがみつくことなかれ! 日本政府は言行不一致で、ドイツ政府は言行一致だ。ここに大きな違いがある。われわれ日本国民はこのあたりを厳格に見極める必要があろう。少々、甘いのではないか。
 
 『海保 有事は防衛相指揮下 政府、統制要領決定』 毎日新聞4月29日付朝刊一面左欄はこう報じている。国会も通さず岸田首相は気が狂ったか(⇒追及を恐れ、G7にかこつけて、不急・不要の外国出張でしばらく、外国にとんずらしたと思われる)。統制要領は、自衛隊法が制定された1954年以降、約70年にわたり作成されてこなかった。海保側は警察機関として防衛相の指揮を受けることに「強い抵抗感があった」(政府関係者)といい、「海保またはその職員が軍隊として組織され、訓練され、または軍隊の機能を営むことを認めると解釈してはならない」とする海保法25条も統制にブレーキをかけてきた。⇒しかし、このような歴史的経過を何ら配慮せず、どさくさに紛れて、単なる政権維持のために安易に認めたアホバカ首相にして初めてできたことだろう。当初穏健派と見られてきた「岸田首相」だが、自民党右派に担がれて極めて危険な、歴代最悪・最低な首相に転じてしまっている。来るべき総選挙では鉄槌を下そう。このままでは平和主義・民主主義の国・日本が壊される。
 『生成AI研究現場に懸念 学会声明「正しい活用必要」』毎日新聞4月27日付朝刊はこう報じている。対話型の人工知能(AI)「チャットGPT」などの生成AIについて、人工知能学会(会長=津本周作・島根大学教授)は25日、「極めて有用だが課題も指摘されている。正しい活用が必要だ」とする声明を発表したという。チャットGPTは、自然な文章を作成できるため、リポートや論文作成に使われると学生や研究者が自力で書いたものかどうか判別が難しくなるなど、主に教育や研究の現場で困難や懸念の声が上がっているという。声明では、教育現場での活用について「一律な利用の禁止は何も生まない」と断ったうえで、「積極的に利用する前提で、どのように教育に活用するかを検討すべきだ」と指摘した。研究での論文執筆への利用については「研究者の創造的活動を支援するための積極的利用は推奨すべきだ」とした。また、AIを研究する研究者については「自覚を持ち、野心を持ちつつも節度ある研究開発をすることを希望する」と呼び掛けた。⇒すでに15年以上前になるが、筆者は大学で教育を行っていた時、あるテーマの「課題」を出し、レポートで提出するよう学生に求め、学生の理解力・思考力を把握しようとした際、提出されたレポートを見ると類似のものが多く目に付き、驚いた経験がある。文献検索は容易で、しかも、コピペが可能で多少の言い回しは異なる(検索上位の文献を無断引用しているから当然か)が全く同様の内容のレポートが相次いだ。これは今回の「チャットGTP」問題とはレベルが全く異なる問題だが学生には以下の注意を喚起した。文章には「初めて自分が記したもの(本人のオリジナル)」「他者からの引用したもの(引用)」「すでに広く確立しているもので通常とくに引用する必要のないもの(一般に通用している文章)」の3種に分けられ、自分の署名で文章を書く場合、いずれの文章もオリジナルかどうか、引用かどうか、一般に通用しているものかどうかを必ず識別できるように書くことを指導した。なお今回の「チャットGTB」のような問題では、学生や研究者自身によって書かれたどうかが判別できにくくなるということで、前例とは異なるが、学生あるいは研究者のオリジナルかどうか(検証の必要性)、本人の倫理問題まで含まれ、そこを議論しておくべきだということか。新しい有用な知識や技術は使われていくことによって、価値が強められるものであり、簡単に結論が出しにくいが、関連学会連合や日本学術会議などが先導的にリードしていく必要があろう。
 『火山調査・研究に司令塔 大学や関係省庁と連携 自民、特措法改正案提出へ』 毎日新聞4月27日付朝刊はこう報じている。日本は111の活火山のある火山大国なのに、調査や研究をする機関を取りまとめる組織がない。調査や研究を一元的に進めて防災など政策に反映させようと、自民党は司令塔役を担う組織文科省内に置くことを目指しているという。開会中の国会に、組織の設置などを盛り込んだ活動火山対策特別措置法の改正案を提出すル方針だという。長年火山研究者が望んできたものだ。ぜひ実現してほしいものである。噴火予知連で会長を務めたことがある藤井敏嗣東京大名誉教授は「政府が一元的に取り組むことが重要だ。人材育成はもちろん、国だからこそできる全国的な調査や、火山に異変があったとき機動的に観測できる仕組みの整備など、これまでできていなかったことを機能的に進めてほしい」と述べている。⇒全くその通りである。富士山の噴火予測・防災対策はじめ、急いでやるべき課題は多い。火山は人を待たない。国はしっかりと進めてほしいものである。
 『民間初の月着陸 (⇒(残念ながら)失敗 国内ベンチャー 燃料尽き、衝突か』 毎日新聞4月27日付朝刊一面のトップ左横欄はこう報じている。宇宙ベンチャー「ispace(アイスペース)」(東京都)は26日、自社開発した着陸船が、月着陸を達成できなかったと発表したという。このミッションは成功確率が低いもので、困難な技術であったようだ。大変残念な結果となってしまったが、失敗の原因を冷静に慎重に検討し、今後の成功を期待したい。一連の報道見ていると、同社代表の袴田武史代表は記者会見で繰り返し「データを獲得できたのは大きな達成で、次へ向けた大きな一歩だ」と強調し、謙虚で真摯な反省が見られないような印象をもたらせたようだ。これでは応援する国民も何んとも言えない気持ちになってしまう。今回のミッションが極めで困難なものであることは国民はよく理解しているのだ。多額の経費が失われたが、再挑戦のためには必要な経費を、クラウドファンディングなど(もちろん国も一定の支援をするだろうが)で行う必要があるかもしれない。そのためには多くの国民の支援が必要であり、国民目線を十分意識した記者会見での発言を望みたい。いずれにしても、今後の成功を期待したい。
 『2070年国内人口8700万人 外国人1割、高齢者4割 厚労省推計』 毎日新聞4月27日付朝刊一面トップはこう報じている。 厚労省の国立社会保障・人口問題研究所は26日、2070年度まで50年間の将来推計人口を公表した。20年に1億2615万人だった総人口(外国人を含む)は、56年に1億人を下回り、70年には8700万人となって現在より3割減少する。前回推計(17年)では1億人割れを53年としていたが、平均寿命の延びと外国人の増加で減少ペースはわずかに鈍化した。だが、40年以降は高齢化率は4割近くに高止まりし、超高齢化の進行に歯止めがはかかっていない。実効性のある少子化対策が急務となる。現代の最大の政治課題は「超少子化・超高齢化対策」である。厚労省は全力で取り組むべきだろう。このまま進めば、日本社会は衰退するだけだ。当面のことだけしか考えない、「政治家・官僚」は引退し、新鮮な頭脳を持っている若手と交代する以外道はない。
 『「特定技能2号拡大を」外国人長期就労可能に 入管庁』 毎日新聞4月25日付毎日新聞朝刊一面トップはこう報じている。出入国在留管理庁は24日、自民党の外国人労働者等特別委員会で、熟練した技能を有する外国人労働者が取得できる在留資格「特定技能2号」の大幅な対象拡大を提案したという。実現すれば人出不足が深刻な12分野で外国人の無期限就労が可能になる。対象拡大には閣議決定による改正が必要で、政府は6月の閣議決定を目指したい考えという。入管庁も自民党の外国人労働者等特別委員会もいずれも的外れのアホバカ集団だ。今回の問題は、国内外国人に対する、入管による非人道的扱いに関する問題だ。これは国際的にも、日本が強く非難されている。今回改正されるべきは入管庁による外国人への非人間的扱いである。入管庁の保守的官僚は問題の中核を入管の非人道的対応問題から、完全にすり替え、特定技能の長期就労問題に矮小化した。その結果、入管庁は非人的的行為を追及されることなく、当該委員会の自民党国会議員に甘い汁「外国人長期就労問題」に切り替えるという厚顔無恥な行動をしたのだ。入管庁の官僚は、自分の身が痛まない、他方、自民党にいい顔ができる一石二鳥の究極の愚策を考えたのだ。入管庁官僚よ、頭を悪賢く使うな。なお、この記事を書いた署名記者(山本将克記者)もとぼけた記者だ。毎日新聞朝刊前日の自社社説も読んでいないようだ。記者は少なくとも自社の社説を読んでから記事を書くべきだ。配慮及び勉強が足らない。山本将克記者は記事の最後をこうまとめている「与党内では今回の入管庁の提案を踏まえ、分野ごとに対象拡大の是非が議論される見通しだ。外国人の長期就労や永住者を増やす政策は保守層に慎重論が根強いことから、議論が難航する可能性がある」と相変わらず、的外れなとぼけたことを言っている。
『根本から見直しが必要だ 入管法改正案の審議』 毎日新聞4月24日付朝刊の社説はこう論じている。入管法の改正案が衆院で審議されている。在留資格がない外国人の帰国を徹底させる内容だ。日本の官僚は問題をすり替える天才的な能力の持ち主だ。官僚は自民党右派の議員を忖度して、問題が指摘されている法案の改訂を行う。そこで出てきたものは、「不都合な真実」を隠蔽し、当初の問題は全くずらされ、さらに換骨奪胎され、何のための改正(⇒当然のごとく改悪になる)か全くわからないことがよくある。これまでも何度かこのような例を記憶しているが、今回の入管法改正はまさにそれに当たっているのだ。今回の改正は、本来、外国人への人権上不当な「入管」の扱いを是正するものである。名古屋入管・関東入管等の非人道的扱いが発端だ。特に、名古屋入管はひどい扱いで、当該外国人女性は入管内で死亡した(⇒遺族が来日して、あまりにもひどい扱いの非人道性に裁判が始められたが、日本の入管対応は冷淡そのものだった)。当時の上川法相・佐々木入管庁長官の時代である。結果として、両氏とも、審査中の一人のスリランカ人女性を見殺しにしたのだ。 社説は言う。国内外から懸念が示される中、自民党と日本維新の会が修正協議を始めることで合意したと。維新は、難民認定の適正化に向け、法相らの責務を明記することなどを提案している。だが、法案には問題点が多く、小手先の修正(⇒官僚の最も得意とするところ。官僚とは、ある面で、血も涙もない人間になるようである)では意味がない。改正案では、難民認定の申請が事実上、2回までに制限される。3回目以降の申請では、審査中の送還停止規定が適用されない。すなわち、改正ではなく改悪である。日本はもともと、難民の受け入れに消極的だ(トップから現場の末端まで、外国人に対して根底から、非人道的に対応して来ている。外国人の日本滞在をはじめから、違法と思って対応しているのではないか)。昨年は過去最多の202人が認定されたが、認定率は2%と極めて低い。取り組みは世界から大きく遅れている。そうした状況で申請に制限をつければ、保護すべき人を強制的に送還することになりかねない。ただ、従来の実務を整理したに過ぎない(⇒日本の官僚の最も得意とするところである)。出入国在留管理庁(入管庁)は3月、難民かどうか判断する際の手引きをまとめた(⇒官僚の最も得意とするところだ)。齋藤健法相は「難民の範囲が広がるものではない」と明言したという。法相も入管庁長官も難民問題の事態を全く理解していないのではないか。法改正の目的は、国外退去処分(⇒?。認定率が極めて低い、日本が世界的に見て正当な認定をしているとは思えないが。しかも退去処分を受けている人は、監理措置が適用されても就労が禁止される。罰則もある。独力で暮らしていくのは難しい)を受けた人が(⇒人権が「保障される」中で)入管施設に長期間収容されている状況(人権が保障される中で)の解消だ。改正案には「管理措置」の新設が盛り込まれたが、問題は多いという。収容か管理措置かを決めるのは入管庁だ。収容を続けるかどうか3か月ごとに検討する仕組みを設けるが、客観性(⇒入管庁は極めて閉鎖性が強く、客観的かどうか?)に疑問符がつく。収容中の死亡や職員の暴行について、入管側の責任を認める司法判断が続く中で。問題が相次いでいるのに、収容に裁判所の許可は要らず、期限の定めもない。ここに入管の閉鎖性・独善性・不法性が明確に表れている(⇒ここに今回の法改正の発端があるのだ。入管側に厳しい責任を取らせなければ真の問題解決にはならないのだ。名古屋入管事件の場合において、当時の上川法相・入管庁佐々木長官いずれもお茶を濁し、全く責任を取っていない。責任逃れだ)。外国人の人権尊重の観点から、根本的な見直しが必要である。改正案は白紙に戻すべきだと社説は言う。⇒全く、その通りである。根本的な見直しの中に、関係した当時の上川法相・佐々木入管庁長官の処分も必要だろう。それくらいしないと、日本の入管庁の非人道性・閉鎖性・独善性の改革はできないだろう。この問題は日本国内だけの問題ではなく、国際的な人権問題でもあるのだ。当該官庁は改正案を白紙にして、提出し直して、再修正案を作成する。国会は抜本的な改正案に基づき早急に十分に審議すべきだ。
 
『外国籍「就学不明」1万人 文科省調査「不就学は700人」 日本で生きる-外国から来た子どもたち-』 毎日新聞4月23日付朝刊一面左欄はこう報じている。文部科学省は22日、小中学校に通う年齢の外国籍児の1割弱にあたる1万677人が学校に通っているかが確認できない「就学不明」の状態で、学校に在籍していない「不就学」も778人見つかったと発表したという。2021年度の前回調査と比べて確認が進み、就学不明の人数は減ったが、依然多くの子どもが学校教育受けられない恐れがあるという。この問題は文科省マターというより、「子供の人権無視」
として捉えるべきだと思う。ここにも、日本あるいは日本人の外国人に対する、いわれなき偏見(蔑視)が見られる。この問題は、いわゆる「入管」の外国人に対する非人道的扱いの表れの一面である。親にも問題がなくはないとも思われるが、それとは別に「入管」が「子どもの人権」という立場から、積極的に動くべき件だ。縦割りではなく、子どもの人権という立場で、「文科省(地方自治体の教育委員会)と入管」は協力して、外国人の子どもが「教育を受ける権利」を実現できるよう早急に行動を起こすべきだ。なお、全ての外国籍児に学齢簿を作る自治体は19年度の初回調査では47.6%だったが、今回(21年度調査)は86.4%と倍近くに増えたという。学齢簿を作る自治体が増加したのは喜ばしいが、文科省(地方公共団体の教育委員会)と入管が共同して、問題を解決すべきだ。縦割りで進めるのは極めて非効率なことだ。「世界の子ども」の人権を守る観点から、外国籍のこどもにも、全員に(一人の落ちこぼれなく)教育環境を整備すべきだ。
 『約束されている失敗』毎日新聞4月22日付朝刊の土記(do-ki)欄(伊藤智永専門編集委員)はこう論じている。始める前から失敗と無駄を警告されたようなものだろう。岸田文雄首相の少子化対策は、各種手当・給付の「異次元なバラマキ」案を並べるが、国連人口基金(UNFPA)は19日発表した報告書で、そうした施策に効果は乏しいと指摘しているからだ。同基金が毎年出す「世界人口白書」2023年版は、世界人口が昨年11月に80億人を超え、今年半ばまでにインドが中国を上回り世界一になるーーという推計がニュースだった。弊紙はニューデリー特派員が報じた。でも興味深い内容は他にある。世界人口が増える地域と減る地域の二極化が進んでおり、50年までの増加の半分はインドやエジプトなど8か国が占め、世界の2/3が暮らす欧米や日本などでは出生率が減っている。多くの国で出生率の上げ下げを示す対策が行われているが、数値目標を掲げる政策では、一時的に増減しても効果が続かない。出産した女性や家族に金銭を与えても十分な効果は出ていない。日本は、結婚・出産・子育ての希望が全てかなうと仮定した「希望出産率1.8%」が政治目標である。白書は、世界でも少子高齢化が深刻な「トップ2」として、日韓両国の実情を3ページの特別コラムで紹介。表題は「職場や家庭における女性の役割に対する期待が、結婚率と出生率を新たな低水準へ引きずり込んでいる」。勉強して進学し、就職して活躍して老後に備え、老親を介護し、合間に恋愛しろ、子供を産め、いい母親(いい嫁も)であれ、・・・・・・。子供を産む体を持っていたら、こんなに指図される人生になるのか。同基金のカネム事務局長は言う。「出生率目標を設けるなど、権力者が女性の出産能力を道具として利用する危険性を歴史は警告しています。夫や義父母や国家といった家父長的社会構造により、女性の身体が抑えつけられてきた慣習に終止符を打つべきです」。家父長制の名残である戸籍制度の廃止は、「四月バカ」の冗談ではなく核心的な少子化対策だ。カネム氏は、問いが誤っていたのだという。「問題は人口が多すぎるとか少なすぎるとかではありません。女性たちが何を望み、何を選ぶかなのです」。数字を操る政策を取らない方が自由度が広がり、遠回りなようでも経済や社会の活力を保てるとする。16日付夕刊で、ノンフィクション作家の河合香織さんが「結婚と出産は結びつかなければならないのか」と問うた。輝く未婚の母はたくさんいると。⇒伊藤智永専門編集委員は岸田首相の「少子化対策」を失敗すると論じた。⇒残念ながら、おそらくそうなるに違いない。哲学がなく、政治にビジョンを描けない、自分で日本の将来図を描けない、ただ、政権延命のために「他人(自民党右派)への擦り寄り」のみに基づき、場当たり的な政策決定を安易に行っていく、こんな岸田首相は「少子化対策」だけでなく、あらゆる政策が信用できない。また、画にかいた餅にならざるを得ない。岸田首相には可能な限り、政治の場から限りなく早急に辞退してもらわなければならない、岸田首相の下では日本はもう持たない。すべてがマイナス方向に進むことになる。解決策はただ一つ。まず、当面の衆参補選、そして次には、総選挙で自民党を完全な敗北に導かねばならない。日本はもう下がることがないほど、世界で低下を続けている。まず、今回の衆参補選で民主勢力が勝利することから始めよう。
 
 『温室ガス 国内8年ぶり増 21年度 経済回復に伴い』 毎日新聞4月21日付夕刊はこう報じている。環境省は21日、2021年度の国内の温室効果ガスの総排出量(確定値)はCO2換算で11億7000万トンで、前年度から2%(2320万㌧)増えたと発表した。新型コロナウィルス感染拡大後、経済の回復傾向に伴ってことなどで8年ぶりに増加した。同省によると、温室効果ガスのうちCO2部門別排出量は、産業部門(工場など)で3億7000万㌧(前年比5.4%増)。運輸部門も1億8500万で同0.8%増でとなった。経済回復で製造業の生産量や貨物輸送量などが増えたのが要因という。一方、森林などによるCO2吸収量は4年ぶりに増加に転じ、前年度比3.6%増の4760㌧だった。今回初めて海の生態系の一つであるマングロープリンによる吸収分2300㌧を吸収量に計上したとう。
 
 『学術会議改正案見送り 反発考慮 政府、今国会提出断念』 毎日新聞4月21日付朝刊一面左欄はこう報じている。 日本学術会議の見直しを巡る学術会議法改正案について、政府は20日、当初目指していた今国会への提出を見送ったという。岸田文雄首相と後藤茂之経済再生担当相が協議し、正式に決めた。改正案(⇒むしろ改悪案というべきだろう)には学術会議が強く反対しており、政府与党は、学術会議との対立が深刻化する中での法案提出を急いでも、十分な審議時間を確保できず、世論の理解を得られないと判断したという。⇒全く当然である。そもそもこの問題のきっかけは、政府が理由もなく、突如、学術会議会員候補者6名を任命しなかったことにある。学術会議側はその理由の説明を繰り返し求めたが、政府は全く説明できなかったことで、議論しても自らのずさんさが出るだけなので、今国会法案提出出来ないので、見送ったものと思われる。政府は、今後も手を変え品を変え、再提出をしてくると思われるが、世界に恥ずかしい「改悪案」を出すつもりであろう。が、学術会議は断固反対すべきである。これこそが多くの国民が理解する道である。
 『国の介入「けしからぬ」団藤元判事 ノートに怒り 81年大阪空港公害 最高裁判判決前』 毎日新聞4月20日付朝刊はこう報じている。 刑法学の第一人者で、東京大教授や最高裁判事を務めた団藤重光氏(1913~2012年)が、大阪(伊丹)空港の夜間飛行差し止めを住民が求めた「大阪空港公害訴訟」の最高裁判決(81年)を巡り、法務省の意向を受けた元最高裁長官が判決前に介入したとノートに記して事が判明した。遺品を調べていた龍谷大(京都市)の法学者らによる研究チームが19日発表したという。最高裁の審理の内幕が明らかになるのは異例で、チームは「三権分立を揺るがす介入だ」としている。大阪空港公害訴訟は、航空機の騒音被害を訴える住民が69年に提訴し、公害で初めて国の責任が問われた。75年に2審・大阪高裁で住民側が勝訴し、夜間飛行の差し止めが認められたが、最高裁は81年、一転して差し止め請求を却下。同種訴訟では、過去の損害賠償だけを認め差し止め請求を退ける流れを決定付けた。⇒最高裁判所とは行政(時の内閣)に指図されて、判決を変えるところだと自ら証明してしまった。「不都合な真実」が国民の前に暴露されたのだ。最高裁とはその程度の二流官庁ということだ。最高裁では、審理してきた第1小法廷が判決を出す直前、審理を大法廷に回付する異例の経過をたどった。当時の岡原昌男・最高裁長官が「(⇒行政から意見が述べられた)重要な訴訟だから大法廷(長官自らが裁判長を兼ねるて主導することになる)で審理する方法もある」などと述べ、実質的に回付を求めていたことが91年の毎日新聞報道で判明している。最高裁にとっては「不都合な真実」が明らかにされたということだ。ノートの記述や研究チームによると、団藤氏が所属していた第1小法廷は、78年3月に2審判決を是認する結論をまとめた。また、実質的に住民勝訴となる和解の道も探っていた。しかし、同年7月18日に、国側が大法廷への回付を求める上申書を提出。翌19日に、長官室に岡原長官と各小法廷の裁判長が集まっていたところに、村上朝一・元長官(⇒この時点では単なる一国民のはずだ)から第1小法廷の岸上康夫裁判長に電話があったという。団藤氏は、岸上裁判長から聞いた内容として「法務省側の意を受けた村上氏が法廷回付の要望をされた」と記していた。さらに、「この種の介入は怪しからぬことだ」「和解の進め方を見て、不利とみてこの挙に出たものだろう」などと憤りをつづっていたという。真実の吐露だろう(⇒いずれにしても、一民間人が最高裁の審理に口を挟んだということだ)。第1小法廷が厳しい判決を出すことを察した国側が、大人数で評議する大法廷で判断するよう求めた可能性がある。チームの福島至・龍谷大学名誉教授(刑事訴訟法)は「三権分立の大原則に対する重大な脅威だ」と指摘したという。⇒最高裁とはこの程度の二流官庁だということだ。最高裁よ「不都合な真実が明らかになって困っているのではないか」。何らかの謝罪を国民に向かって行うべきだ。自ら、憲法にある「三権分立」を破壊した責任をどうとるのか(憲法違反の最高裁ということになる)。国民の前に明確にせよ。そうしなければ国民は「最高裁判所は行政に忖度する二流官庁で、信頼に値しない」と判断するであろう。
 『学術会議が「協議」勧告 政府に 法改正案見送り要求』 毎日新聞4月19日付朝刊はこう報じている。 日本学術会議は18日、東京都内で2日間にわたって開いた総会で、学術会議法改正案の今国会への提出を思いとどまり、開かれた協議の場を設けるよう、政府に勧告した。政府は学術会議の声に耳を貸さず、理不尽な改正案を今国会に提出する意向のようだ。日本はいつから言論封じの専制国家になったのか。岸田首相よ、このままでは、「史上最低・最悪の首相」になることは明らかだ。それでいいのか。良識をもつ国民は認めない。
 
 『日本は再生エネ推進を 産業・雇用を創出 ケリー米特使(気候変動問題担当)に毎日新聞インタビュー』 毎日新聞4月19日付朝刊はこう報じている。ケリー特使は、日本に絶望する中で「日本は2030年度までに排出量を(13年比で)46~50%削減する強力な目標を掲げている。(⇒世界に)約束したことを実行すれば1.5℃目標を維持することができる(⇒この逆説的表現は、日本は目標を実現できないと断言しているのだ。安倍元首相以降の国際的ウソツキ・口だけ構造は世界の常識になっているようだ。周回遅れの日本の非常識は世界に全く通用しないのだ)」。日本政府は低炭素エネルギーとしてアンモニアと化石燃料の混焼を推進している。技術が確立されていないとの批判もあります。アンモニアは1.5℃目標の達成に有望かつコスト効率の良いエネルギー源と考えられるかとの質問に対しては「アンモニアや水素を天然ガスと混焼させる役割については、いくつかの深刻な問題や重大な課題をもたらす可能性があると、明確に切り捨てている。混焼は脱炭素化社会への移行を遅らせ、問題の先送りではないかとケリー氏以外の世界の人々も懸念している。水素やアンモニアの製造に多くのエネルギーを費やし、ガスに混ぜて燃やせば、コストは上がり、排出量も減らない。物理的に不可能だ。市場の方向性や科学に反する主張をして「私は別の道」を行く」と影響を与えられる人はいない。日本の経産官僚の異常性を明確に指摘している。旧大戦時の軍人官僚の非科学性と非経済性の考えから、抜け出られない現在の経産官僚は自主的に辞めるべきだ。脱炭素課題に「非科学性と非経済性」で挑むとは戦時中の「竹やりと大和魂」で対抗することと何ら変わりないのだ。自己満足にすぎない、世界から周回遅れの政策しか持たない、官僚には退陣を願おう。なお、ケリー氏は「地熱は日本が持つ本当に重要な資産だ。製鉄にも活用できる」とも指摘している。経産官僚は「化石燃料発電から撤退し、再生可能エネルギー発電に重きを置く」べきだ。世界に通用しない政策は転換すべきだ。それこそが唯一「戦中の軍事官僚」を超えて、新しい日本を確立することを可及的速やかに進める手段だ。それを進めてほしいものだ。世界の常識と日本の常識との整合性を取ってほしい。世界に周回遅れの旧い政策を取り続けると確実に日本の将来はないだろう。日本政府の決断次第だ。当面岸田首相にはやってもらしかない。日本が「日没する国」から「日出ずる国」に転換してもらわなければ、日本の将来はないのだ。
 『アンモニア混焼に懸念 米気候問題担当特使ジョン・ケリー元国務長官 (⇒日本の)脱炭素「先延ばし」』 毎日新聞4月19日付朝刊はこう報じている。日本側(首相関係や経産省関係)は札幌でのG7エネルギー・環境会議を「どうにかやり過ごせた」との、消極的安堵感が流れているようだが、G7各国は、日本が脱炭素「先延ばし」と明確に判断したようだ。G7各国は、公式会議では議長国日本を傷つけないように玉虫色の声明を渋々認めたようだが、気候・環境問題では日本は口だけで、信用できないと明確に判断したのではないか。この問題では、日本は2等国だ。G7の劣等国だ。地球環境問題では、周回遅れの日本は欧米諸国に追いつくためには、相当の努力が必要だ。その前に、欧米諸国から見放され、資金拠出だけを担わされる可能性もなくはない。一言。原発・石炭火力発電をフェードアウトできない岸田首相は環境保護国日本のリーダー失格だ。ケリー氏は日本の目玉策「アンモニア混焼」については以下のように明確に厳しく論評している。日本が温室効果ガス排出削減の主軸の一つに据える火力発電のアンモニア混焼技術について、長期的な脱炭素への移行を遅らせるなど「重大な課題をもたらす可能性がある」としてコスト面からも、懸念を示したという。⇒全く妥当な見解である。後ろ向きの、日本は世界から非難を受けざるを得ないだろう。
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