地熱情報研究所

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 2022年2月17日 当研究所(埼玉県狭山市)で継続観測中の1m深地温であるが、本日17日も、前日16日と同じ、今冬最低地温8.6℃が記録された。これで底を打つ可能性もあるが、週末に湾岸低気圧の通過、北方からの寒気の流入が予想されており、年最低地温はさらに低下する可能性がある。なお、最近10年間の最低地温は2014年2月20日の7.05℃である。この年は前後の年に比べ異常に低かった(2013年は8.63℃、2015年は8.55℃)。ちなみに最近10年間の平均は8.81℃。
 2022年2月16日(水)14:30~16:30 日本地熱協会 令和3年度第6回情報連絡会ONLINEに出席した。研究・開発講演3件、新規会員自社紹介2件(ふるさと熱電株式会社 技術部担当部長 江口健介氏および西松建設株式会社 環境・エネルギー事業統括部 事業創成部 部長 神谷拓生氏)、その後、運営委員会及び専門部会報告があった。参加者は100名超であった。講演は以下の通りであった。
①JOGMEC地熱部門の活動状況(JOGMEC 地熱統括部長 高橋健一氏)、②NEDO地熱事業紹介~これからの地熱開発に向けて(NEDO新エネルギー部 主査 石川一樹氏)、③産総研福島再生エネルギー研究所での地熱研究の取り組み(産総研(AIST)福島再生可能エネルギー研究所 再生可能エネルギー研究センター総括研究主幹 兼 地熱チーム長 浅沼 宏氏)。
 
 『全国死者 最多236人 京都、大阪、兵庫のまん延防止延長へ』 毎日新聞2月16日付朝刊はこう報じている。新型コロナウィルスの感染者は15日、全国で新たに8万4223人確認され、感染者の累計が400万人を超えた。死者は236人確認され、1日あたりの過去最多を更新した。重症者は前日よりも10人多い1403人となった。一方でこの日の新規感染者数は前週の火曜日(9万2069人)から8000人近く減り、4日連続で前週の同じ曜日を下回った。新規感染者が過去最多を更新したのは、福井、栃木、岐阜、愛知、香川の5県。死者数は大阪が42人で最多。愛知県28人、兵庫県20人、神奈川県17人、東京都16人。感染収束を思わせるデータも見えるが、自宅療養者数は50万人を大きく超えており、引き続く、適切な感染対策と3回目のワクチン接種が必要だろう。国はここまで、感染を拡大させてしまったが、感染変化の実態を良く把握し、適切な対策を次々に打っていくべきだ。当面必要なのは、希望者全てがワクチンを打てることだ。堀内ワクチン担当相の腕の見せ所。名誉挽回の絶好の機会だ。これまでの政府の「見守るだけ」は最低の施策だ。
 『渡部暁斗 銅 3大会連続メダル』 毎日新聞2月16日付朝刊一面はこう報じている。 北京冬季オリンピック第12日の15日、ノルディックスキ―複合の男子ラージヒルがあり、渡部暁斗(33)=北野建設=が銅メダルを獲得した。過去2大会は個人ノーマルヒル「銀」で、冬季の3大会連続表彰台はスノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢に続き日本勢2人目。後半の距離10㌔では、ゴール直前一時トップに躍り出たが、後半力を温存したノルウェー勢2人に抜かれ、残念ながら3位。ゴール直前は、ほんとうに死力を尽くす壮絶な戦いであった。渡部の気力は素晴らしいものがあった。健闘を心から感謝したい。
 『露軍、国境から一部撤収 ウクライナ 米欧と交渉継続』 毎日新聞2月16日付朝刊はこう報じている。 ロシア国防相は15日、ウクライナ国境に接する西部と南部の両軍管区で一部の部隊が演習を終え、撤収を開始したと発表したという(⇒テレビ報道で、演習を終えた戦車が移動用列車に積み込む様子が放映されたが、撤収が実施されたとの確認情報は16日13時現在ない)。プーチン露大統領は14日、欧米と安全保障問題で交渉を継続するとしたラブロフ外相の提案を承認しており、関連した動きの可能性がある。ただ、すべての部隊を撤収されるかは明らかにされておらず、緊張緩和につながるかはまだ不透明だ。⇒プーチン大統領は、過去の西側との会議で、西側のNATOが東側には動かないという約束をしたのに、西側の約束違反を盾に強硬な姿勢を崩していないが、西側によるとそのような取り決めはなく、プーチン一人の誤解だとの報道も流れている。真偽は分からないが、いずれにしても、プーチンは軍事的に見て、自軍(東側)は西側(NATO)に比べ劣勢だと判断したのではないか。このまま開戦して、勝利できなければ、自らのロシア内の政治的立場(⇒次期大統領選も含めて)が不利となる可能性に考えが及んだのではないか。いずれにしても、新たな冷戦構造ができることは好ましくない。
 『「3回目」配送にめど コロナワクチン 全対象者 5月中』 毎日新聞2月16日付朝刊はこう報じている。堀内詔子ワクチン担当相(⇒ワクチン担当相なのに行動力に全く欠け、発言するたびに曖昧で不明瞭の発言続きで、国会でもまともな答弁ができないので、党内・閣内でも無視されてきたようだ。本来は堀内大臣が飛び回って、ワクチン供給のトップとして責任を果たすべきだったが、岸田首相のご都合主義の「適材適所」が完全に間違っていたため、かえってお荷物になった。堀内大臣よ、これからは、必要なことをしっかり学び、自らの判断で政策を行えるようにならなければならない。まず、自身の名誉挽回の意気込みで取り組むことだ。少なくとも税金泥棒にはなるな。職務遂行が無理ならば、辞任すべきだ。いままでの失敗により、国民は大きな被害を受けたのだ。このことを忘れるべからず。
 『トンガ 苦難の1カ月 大規模噴火 コロナ拡大 復興遅れ』 毎日新聞2月16日付朝刊はこう報じている。 南太平洋の島国トンガで起きた海底火山の大規模噴火は、15日で発生から1カ月を迎えた。復興作業が進まない中、現地では新型コロナウィルスの感染も拡大しており、国内経済を支える農業・漁業関係者からは「生計が立てられない」と悲鳴が上がっているという。コロナのパンデミックが本格化した2020年以降、トンガは厳格な水際対策で感染者を1人に抑えてきた。だが、今回の噴火後に復興支援を受け入れてからは、感染者が急増。2月1日時点の計2人から同14日には139人にまで増えたという。農業復興支援をするトンガ全国青年会議(YNYC)の広報担当、オリーブ・マフィさんは「復興はゆっくり進んでいるが、感染も心配だ」と説明したという。TNYCによると、団体の事務所がある首都ヌクアロファの付近では噴火後、トンガの主要作物であるカボチャの畑に火山灰が降り積もった。灰の除去には水が必要だが、噴火直後は飲み水の確保が優先されたため、対応が遅れている地域もあるという。TNYCでは、もともと農業に従事していた若者らが火山灰撤去や新たな種まきのボランティアに当たっている。しかし、感染防止のため、活動する人数は制限している状況という。復興の遅れに伴う経済的打撃も大きい。トンガ周辺の島嶼国の多くは、海外移住者からの送金や海外からの援助が経済を支えているという。だが、トンガの人々は肥沃な土地を利用し、援助だけに頼らない産業構造を模索してきたという(⇒皮肉なことに、肥沃な火山灰土の土壌を利用してきたが、大量の降灰で覆われ農産物が大きな影響を受けてしまった)。⇒まだまだ海外からの援助が必要なようだ。同じ島国の友好国として、日本は特別の援助を考慮すべきだろう。
 2022年2月16日 当研究所(埼玉県狭山市)で継続観測中の1m深地温であるが、本日16日早朝8.6℃となり今冬最低地温を記録した。今冬の地温は1月以降も単調に低下を続けていたが、1月24日、25日8.7℃の今冬最低地温を記録、その後上昇に転じていた。2月13日・14日に8.8℃を記録し、今冬最低地温かとも思われたが15日8.7℃、さらに本日16日8.6℃と今冬の最低地温を記録した。今冬は2つの極小を記録したことになる。本日16日は快晴で日射は強いが、再び週末は湾岸低気圧が通過し、日本海側からは寒気が流入するとの天気予報。果たして3度目の地温極小が記録されるか、春に向かうか。興味深い所である。
 2022年2月10日 当研究所(埼玉県狭山市)で継続観測中の1m深地温であるが低下中で一時上昇、再低下になっていたが、本日は上昇に転じた。測定時の午前7時には雨から、みぞれ、更に雪に変わった。2月4日9.2℃、5日9.2℃、6日9.1℃、7日8.9℃、8日8.8℃、9日8.8℃、そして本日10日8.9℃。天気予報は南岸低気圧の発達で、今日1日気温は上がらず雪になる模様。積雪は5~10㌢(8㌢)が予想されている。地温はどうなるか。興味津々。9時15分現在降雪は続き、土手ははっきりと白くなった。1日降雪が続けば地温は下がり、今冬の最低地温を記録するかもしれない。
 2022年2月3日(木)14:30~16:20 GERD地熱研究会主催の2021年度第2回地熱研究会にオンライン参加した。講演は2つあり、1番目は三菱マテリアルテクノ(株)資源調査グループ・部長補佐の岩崎隆一氏による「八幡平地域における超臨界地熱資源の評価に関する研究開発」、そして2番目は産総研名誉リサーチャー野田徹郎氏による「地熱利用にかかる温泉掘削等許可審査基準の問題点」。1番目では「超臨界水地熱資源」の実体が観測から見え始めたなという印象(1か所100MWも見込めそう)、2番目では、狡猾な環境省をどう攻めるかという点がいっそう気になった。環境省に対しては、内閣府の規制改革会議を有効に使い、環境省を、逃がさず、具体的に攻め切れるかが問題だろう。環境省の体質改善が必要だが、地熱発電を環境省マターに変更するのも逆説的だが、究極の策になるかもしれない。これは地熱関係者内の協議が必要だろう。さらには、地熱開発を新省「エネルギー環境省」マターにすることか。それだけ環境省は鵺みたいで狡猾だ。環境省を取り込むぐらいの意気込みが必要だろう。地球環境局を攻めるのも一方かもしれない。
 2022年1月28日 当研究所(埼玉県狭山市)で継続観測中の1m深地温であるが、1月24日・25日に今季最低地温8.7℃を記録した後、26日8.8℃、27日8.9℃、28日9.0℃と確実に上昇している。年最低地温は例年であれば1月下旬から2月中旬に現れているが(ここ10年間)、今後も慎重に見ていこう。年最低地温がいつ発生し、何度になるかは、長期地温観測上、重要なパラメータとなる。
 
 2022年1月26日 当研究所(埼玉県狭山市)で継続観測中の1m深地温であるが、一昨日24日、昨日25日と今季最低の8.7℃を記録したが、本日26日は8.8℃と上昇した。ここ10年ほどは、年間最低地温は1月下旬から2月中旬に記録しているが、昨日・一昨日の8.7℃が年最低地温となるか。大寒も過ぎ、気温は上昇気味、地温も上昇に転じるか。地温変化のトレンドが変わる時期にさし迫っており、注意深く地温変化を追っていこう。
 2022年1月25日(火)15:30~17:30 エンジニアリング協会(ENAA)主催の2021年度 ENAA地熱発電・熱水活用研究会(オンライン)に参加した。講演は以下の3代であった。1)経済産業省の地熱開発の取り組み(経産省・エネ庁 資源・燃料部 政策課 山田広平氏)、2)NEDO事業成果「温泉(熱)発電所・地熱発電所 事業性評価支援ツール」活用法(電力中央研究所 環境科学研究所 窪田ひろみ氏)、3)掘削技術専門学校について((株)町おこしエネルギー(沼田昭二氏)・島田邦明((株)INPEXドリリング)。いずれも興味深い講演であったが、特に、3)は今後の地熱開発において、不足される掘削技術者の新たな教育に関わる新規の専門学校建設についてのもので、非常に興味深く、是非とも成功してほしいものである。
 2020年1月24日。当研究所(埼玉県狭山市)で継続観測中の1m深地温であるが、暦の上(24節季)で最も寒いころと言われる「大寒」を1月20日迎えたが、地温も良く対応しているようだ。17日から20日までは9.1℃で一定であったが、大寒を過ぎて、21日9.0℃、22日8.9℃、23日8.8℃、本日24日8.7℃と確実に今季最低地温を更新している。庭の小皿の水も連日凍っている。
 2022年1月19日(水)16:00~17:00 日本地熱協会主催の「令和4年新春交歓会における意見交換会」(オンライン)に参加した。有木会長より、1.日本地熱協会の会員・活動ほか、2.我が国の地熱発電の状況、3.最近の我が国の再生可能エネルギーに関する動向・施策およびJGA出席(委員、オブザーバー)の主要な会議、4.2021年のトピック、5.2022年のトピックおよび課題 に関する総括的な報告があり、その後質疑応答があった。
 2022年1月17日 当研究所で継続観測している1m深地温であるが、今季最低の9.1℃を記録した。2013年以降(2012年5月8日観測開始)の1月17日の1m深地温の変化は以下のようである。2013年8.63℃、2014年9.34℃、2015年9.44℃、2016年11.22℃、2017年9.35℃、2018年8.96℃、2019年10.18℃、2020年11.37℃、2021年10.3℃、本年2022年9.1℃。本年より低い地温は2、2013年の8.63℃と2018年の8.96℃だけ。今冬は低い方に部類するようだ。年最低地温は例年1月下旬から2月中旬に生じることが多いので、今年はここ10年間で最低地温を記録する可能性がある。寒いと言われる今年の冬を1m深地温は反映しているか。
 2021年12月24日14:00~16:00 環境省・一般財団法人日本環境衛生センター共催の「地熱・温泉熱エネルギーの利活用セミナー」に出席した。講演は環境省から以下の2件があった。(1)自然環境と調和した地熱発電の推進策について 環境省自然環境局国立公園課 熊倉基之課長、(2)地域共生型の地熱利活用に向けた温泉法の運用等について 温泉地保護利用推進室 北橋義明室長。江原(当研究所代表)は熊倉課長に2つの質問をしたが、国策のカーボン・ニュートラル実現を契機に、環境省も真に、変わってほしいと思っている。Negative zoning からPositive zoning へ。ほんとうに変わるか注視して行こう。
 2021年12月20日 当研究所で継続観測中の1m深地温であるが、真冬に向かって低下モードにあり、本日11.9℃。昨年の同日には12.75℃、一昨年の同日は12.97℃であったから、今冬は1℃程度低く、寒いようだ。庭のキャット用の小皿の水もやや厚く3㎜程度に凍ったようだ。一方、庭の水仙は咲き始めた。なお、九重火山も初雪ではないが、気象庁火山監視カメラによると全面真っ白になっている。ただし、黒い土、岩肌も見え、厚くはなさそうだ。
 2021年12月15日 14:30~16:30 日本地熱協会主催のオンラインでの令和3年度第5回情報連絡会に参加した。新規会員自社紹介2件(森・濱田松本法律事務所および日本ベーカーヒューズ(株))の後、4件の会員情報の提供があった。①地熱水素の取り組み(株式会社大林組 グリーンエネルギー本部プロジェクト推進3部 副課長 長井千明氏)、②TAKENAKA奥飛騨地熱発電所の概要と運転状況(株式会社 竹中工務店 環境エンジニアリング本部 兼 経営企画室 副部長 加藤利崇氏)、③山葵沢地熱発電所の現況について(湯沢地熱株式会社 総務部長 兼 技術部長補佐 鳥居 浩氏)、④富士電機の海外地熱発電所への取り組み(富士電機株式会社 発電プラント事業本部 発電事業部 火力・地熱プラント総合技術部 課長 豊田宏之氏)。最後に、地熱協会運営委員長 上滝尚史氏・同事務局長 齋藤 徹氏により、運営委員会及び専門部会報告が行われた。⇒地熱発電事業が国内・国外に広く展開されるとともに、エンジニアリングだけでなく、法律・金融を含む、総合エンジニアリング事業であることが改めて認識された。当面大きな課題は、2030年度までに国の目標2030年度までに累積150万kWを実現することである。関連事業者の一層の御尽力を期待したい。
 2020年12月10日(金)10:00~12:30 JOGMEC主催でNZ GNS Science との共催オンラインセミナー「カーボンニュートラルと地熱」に参加した。セミナーでは日本から2件、NZから2件、計4件が報告された。(1)カーボンニュートラル 『CO2地熱発電技術』(當舎利行氏、JOGMEC 地熱統括部主任研究員)、(2)『ニュージーランドグリーン水素製造・供給における地熱エネルギーの可能性』(久枝 俊弘氏、大林組 クリーエネルギー本部第3担当部長、稲垣 彩氏(ハルシオンパワーリミテッド プロジェクトマネージャー)、(3)『地熱を利用したCO2の除去:ニュージーランドにおける研究の方向性』Dr. Murray McCurdy  (GNS Science),(4)タウポ火山の地表CO2排出量。 4講演後、司会者(Dr.John Burnel,GNS)と4件の講演者5人によるQ&Aセッションが行われた。いずれもCO2に関連したものであったが、特に(2)及び(4)に関心を持った。(2)は日本の企業がニュージーランドの地熱発電所の地熱電力で水素を作り、内外に輸出するプロジェクトであった。将来的には、山岳地域に多い日本の地熱発電所で現地で地熱電力を使ってグリーン水素を作り、自動車の燃料用等に使うことが考えられるだろう。(4)はタウポ火山帯の火山及び地熱発電所から放出・排出されるCO2量を評価したもの。数10トン~数100トン/日が多く、九重火山と似たホワイト島火山からは124トン/日。タウポ火山帯で自然に放出されるCO2放出量は約2500トン/日、地熱発電所から排出されるCO2量は約1500トン/日で、自然に放出されるCO2量の方が多いという結果になった。実は2010年ごろ、九重火山から放出されるCO2量と周辺地熱発電所から排出されるCO2量を評価したことがあるが、九重火山では、火口・山腹から自然噴気に伴って放出されるCO2量は173.8トン/日であり、地熱発電所から排出されるCO2量は139トン/日であった。いずれもほぼ同量で、タウポ火山帯では自然:発電所=1:0.60で、九重火山では1:0.80といずれも自然放出量の方が多かった。タウポ火山では火山だけでなく、地熱地域からの放出量データが多く、このような差が出たのだろう。なお、九重火山とホワイト島火山の噴煙に伴うCO2放出量はそれぞれ168トン/日と124トン/日となっており、同程度になっており、興味深い。日本でも多くの火山で測定(地熱発電所からのデータは発表されている)し、比較すると興味深いだろう。
 
 2021年12月7日09:30~11:30 自然エネルギー財団(NEI)主催のWebinar「米国における自然エネルギーと脱炭素の未来:世界最大の経済大国が、どのようなエネルギー転換を実現するか」に参加した。基調講演2件、その後パネルディスカッションが行われた。基調講演1は「米国、日本、そして世界における自然エネルギー100%への迅速な転換のために」(マーク・Z・ジェイコブソン スタンフォード大学 土木環境工学科 教授、基調講演2は「2035年までに100%クリーン電力へ向かう米国:石炭火力廃止から始める」(ブルース・ニレス クライメ-ト・インペラティブ エグゼクティブ)・ディレクター。 パネルディスカッション「モデレーター」大林ミカ(NEI)自然エネルギー財団 事業局長、マーク・Z・ジェイコブソン、ブルース・ニレス、大野輝之自然エネルギー財団 常務理事 であった。米国はバイデン大統領になり、「パリ協定」に復帰し、脱炭素化に向けて世界をリードする立場に戻り、石炭火力廃止を含めて、国内でも積極的に進めているようだ。大きなポイントは、2050年100%REに向けて、脱炭素を実現するためには、2030年までにどれだけ実現できるかにかかっていることが鮮明にされた。2030年に20%程度の石炭火力に頼る日本の対策は問題にならないということだ。日本に対しては、炭素で作ったダーティ電力で作った製品(鉄鋼や自動車)は世界中で売れなくなること、見通しの無い技術(例えばCCS)にお金と時間をかけるのは無駄だとし、米国では撤退したということだ。暗に日本のやり方を批判したのだろう。CCSはすでに世界では見捨てられているのだ。日本の脱炭素化は2050年RE100%としているが、確実なロードマップがなく、頼りない。米国は怪しげに見ているようだ。日本の脱炭素化は完全に周回遅れだ。2030年までのロードマップを具体的に明確化し、まず、2030年までの具体的なロードマップを早急に作り、その前提で2050年RE100%を目指すべきだろう。日本の政財界人は脱炭素化の中で、日本の製品(鉄鋼製品・自動車)が世界で売れなくなることへの認識が足りないようだ。われわれ地熱発電に関わる者にとっては、当面2030年までにどこまで到達するのか改めて見直し、2050年には確実に+100万kWへのロードマップが描けなければ、ふたたび冬の時代が待っているのではないか。
 
 
 2021年11月26日 16:00-18:10 自然エネルギー財団主催の「シンポジウム」脱炭素の日本への新たな出発:COP26を受けて、エネルギー転換を以下に加速するか(ハイブリッド形式 会場100名、オンライン1300名)にオンラインで参加。報告1:「COP26が日本のエネルギー政策に問うもの」(高村ゆかり 東京大学 未来ビジョン研究センター 教授)、報告2:「改正エネルギー基本計画で日本の未来は開けるのか」(橘川武郎 国際大学 副学長・大学院国際経営学研究科 教授)、報告3:「2050年の日本のエネルギー戦略はどうあるべきか」(大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事)。引き続いて、黒崎美穂氏(ブルームバーグNEF 日本オフィス代表 兼 アジア太平洋ESG部門長)を加えて、講演者3名とモデレーター 石井雅也氏(自然エネルギー財団 シニアマネージャー)で、パネルディスカッション「脱炭素の日本へ、いまのエネルギー政策に求められるのは」が行われた。活発な議論がなされ、COP26における我が国の後進性、新エネルギー基本計画の問題点があぶりだされた。⇒岸田首相は、わが国の脱炭素計画の具体的ロードマップを早急にまとめて、世界に発信すべきだろう。
 
 
 
2021年11月26日 11:00-14:00 妻とともに、大学時代の恩師に都内で会い、謝礼、食事、近況情報交換等、またの再会を約して、散会。筆者(江原幸雄)よりはるかにご高齢であるが、未だに論文を執筆しており、御元気で何よりであった。小生も、まだまだ頑張ろうという勇気を頂いた。
 2021年11月22日(月)14:00~16:30 福島県会津若松市で開催されたJOGMEC主催の「地熱シンポジウムin 会津若松」~温泉と地熱の共存~にオンラインで参加した。
 2021年11月17日15:30~17:30 ENAA主催のオンライン研究会 2021年度第3回地熱発電・熱水活用研究会に参加した。講演は以下の3題あった。1)NEDO地熱発電研究開発の概要(NEDO和田啓介氏)。2)円滑な合意形成が期待できるエコラン手法(東北緑地環境保全(株)小嶋氏):エコラン手法そのものは良い手段だが、実務上貢献できるか、やや検討が甘いようだ。3)CO2を対象とした新プロジェクトの概要(JOGMEC  當舎利行氏)超臨界CO2を使った新発電システムを目指しているようだが、不明なことが多すぎ、目標達成が難しい印象。
⇒今日の講演はいずれもシャープさに欠けており、もっと内容を絞ったあるいは実用性を明確化した修正が必要なようだ。
 2021年11月17日 11:00~12:00 IGA(国際地熱協会)アジア・西太平洋地域支部(AWPRB)のWebinarに参加した(NZがHost)。本日の講演者はJOGMEC の安川香澄氏。講演タイトルは「Importance of government policy on geotherrmal developmet」。 世界の地熱発電国の設備出力増減の盛衰は、国の力の入れ方に大きく依存している。近年のKenya,Turkey,Indonesia等の地熱発電設備量の急増のグラフは国の支援の効果を如実に示している。わが国の場合も同様で、オイルショック(1970年代)以降の国の支援が、1995年以降の急増に対応している。その後、国の支援が停滞したのに対応して、約20年間の停滞を引き起こした。2012年の原発事故以降、国の支援が急増するに応じて、最近やっと大型発電所ができ始めた。しかし、まだわずかなもので、近年運開した発電所あるいは運開が予定されている発電所はいずれもNEDO時代の基礎データが基になっており、純粋な新規地域がほとんどない。このような状況はNZによく似ている。NZでは地熱開発初期(1950年代~70年代)に国による調査・掘削がほぼ全地熱地域で行われ、初期に多くの地熱発電所ができた以降、長い低迷期間があったが、地熱資源管理法ができたことと、地球環境問題・国内エネルギー不足が課題になる中で、国として、近年急激に地熱発電を増加させてきた。日本の場合、進展が停滞しているのは、NZとはやや異なり、自然公園内開発の規制および地域との合意の難しさである。世界のいずれの地熱国も、近年国による開発が強化されたKenya,Turkey,Indonesiaを除けば、世界各国の地熱発電の進展は単調増ではなく、山あり谷ありで、いずれも各国ごとによる国の力(支援)の入れ方によっている。すなわち地熱開発は国による支援に大きく依存する。わが国の場合、自然公園内での開発、温泉事業者への働きかけ、いずれも国がもっと真剣になる必要があろう。2030年度の国の目標(+100万kW)を達成するためには、国は本腰を入れる必要がある。根本的には、地熱法の制定が必要である。地熱法ができることによる国の地熱開発の長期的な開発見通しが確実なものとなれば、開発企業も安心して新規地点開発にもっと前向きになるだろう。世界の中で日本の地熱発電を見る視点が、大事である。もちろん日本固有の問題もあるが。
 
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