地熱情報研究所

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2020年12月10日 10:00~11:50 2020年度第2回地熱研究会講演会(完全ウェビナー)に参加した(92名の参加があったとのこと)。以下の2講演があった。①「地熱発電所の環境アセスメントの現状と展望」(東北緑化環境保全株式会社 事業本部 環境調査部 環境計画グループ 担当課長 岡田 真秀氏)および②「地熱発電の非化石証書を活用した環境価値の訴求について」(みずほ情報総研株式会社 環境エネルギー第2部 環境エネルギー政策チーム チーフコンサルタント 杉村 麻衣子氏)。①の岡田氏は、地熱発電所建設に関わる環境アセスメントの実務経験が深く、環境アセスの現状とともに、時間を長くかけずに、効果的な環境アセスを行う必要性を述べた(リードタイムを短縮するために、事業化判断を適切に早める必要性を強調した。ただこれは、調査の進行が一定の段階になって初めて、発電所設置位置がきまり、出力が決まる地熱発電の特性上、そう簡単ではないとの指摘があった)。また、環境アセスを地元の人々に分かってもらえるために、エコロジカル・ランドスケイプ(EL)法を積極的に取り入れることの必要性も参加者から指摘があった。EL法はNEDO事業で良いものができているがまだ適用例がなく、NEDOも今後適用例が増えるように検討をしているとのことだった。いずれにしても、地熱発電所建設にあたっては地元の理解が不可欠で、誠心誠意説明を尽くすとともに、説明が分かりやすいものになるような諸工夫が必要だろう。②は技術的というより、世界的な協定「パリ協定」が作られている環境を十分認識し、地熱発電事業者も発電所を作るだけでなく、地熱発電の環境価値をよく認識し、「非FIT・非化石証書」などの導入による、新たなビジネスモデルを構築することの重要性を指摘した。再生可能エネルギーの中で、太陽光・風力などの変動型電源に負けない、地熱発電の特性を生かした「新たなビジネスモデル」を構築することの必要性が強調された。地熱発電事業者にとっては発電所を建設することに力点が置かれがちだが、地球温暖化環境における地熱独自の環境価値を取り入れた「新しいビジネスモデル」を構築していくことの必要性を感じた。なお、②の講演は「地熱技術」誌、45巻、No.3&4、43-49、2020に掲載されており、関心のある方は原著をご覧ください(講演後の10日午後、当研究所に地熱技術誌が届きました)。
2020年12月9日 当研究所で継続観測中の1m新地温であるが、12月3日(15.40℃)以降も変動しながらも、順調に低下を続けている。12月4日15.18℃、5日14.97℃、6日14.77℃、7日14.43℃、8日14.31℃、そして本日9日、14.18℃である。1日当たりの低下率は0.12℃~0.33℃。平均0.2℃程度である。地温に比べ気温は大きく変動しながら低下傾向にある。日平均気温の変化は以下の通り。12月3日7.1℃、4日8.1℃、5日5.4℃、6日6.7℃、7日8.3℃、8日10.0℃となっている。
2020年12月7日、【第15回再生可能エネルギー世界展示会&フォーラム】で、オンラインフォーラムが開催された。分科会9の地熱・地中熱のうち、地熱(地熱発電)に関しては、9:40~12:40に開催された。地熱(地熱発電)では以下のテーマ「地熱開発技術の持続的維持に向けた人材育成」のもとで、4件の講演が発表された。 ①「企業における人材の確保と育成」(赤塚貴史氏:地熱エンジニアリング(株)) ②「日本地熱学会 若手ネットワーク専門部会の活動」(岡 大輔氏:専門部会長、(地独)北海道総合研究機構 エネルギー・環境・地質研究所) ③「JICA地熱資源エンジニアリング研修コースの状況」(糸井龍一 九州大学名誉教授) ④「SATREPS国際共同研究プロジェクトを通じた人材育成」(土屋範芳 東北大学大学院環境科学研究科 研究科長) ①は現在活発な地熱開発事業を実施中の、地熱専門企業の中堅技術者による講演であった。2030年度に我が国の地熱発電を、これまでの50万kWから3倍の150万kWに引き上げるという国の大きな目標に向かって各企業が鋭意尽力中である。このような大きな目標に向かう中、地熱技術者の確保・育成は各社とも急務になっている。講演者の属する企業では、入社希望者を対象に現場見学を行い、若手社員との懇談を実施し、地熱を理解してもらっているという。特に、人材育成では現場OJTで技術力・安全感性・マネジメント力を向上させ、技術継承を図っている。各社とも国の大きな目標を達成する中で、若手技術者の確保・育成に懸命である。 ②は今後の我が国の地熱に関する学術・技術の次代を担う若手研究者・技術者の日本地熱学会内の若手グループ専門部会の部会長による講演であった。我が国の地熱発電開発は1990年以降2010年ころまで停滞期にあり、中堅技術者の層が薄くなっている。このような中、国から大きな目標が提示され、若手研究者や技術者も近年増え始める中で、若手の横の交流をもっと広げるべきとの考えから、結成されたグループである。現在、専門部会独自の講演会・勉強会や現地見学会などを活発に実施するとともに、地熱学会開催時に、専門部会固有の集会を持ち、活動を広げている。次世代の地熱に関する学術・技術の担い手であり、企業・研究所・大学等の枠を超えて、若手が互いに切磋琢磨し、日本の新しい地熱時代を切り開いてもらいたいものである。大いなるエールを送りたい。 ③は九州大学で長く地熱に関する教育および研究を続けてきて、同大が中心になって運営してきたJICA国際地熱研修コース(海外の若手研究者および技術者を同大に集め、総合的な地熱教育を行う6か月程度のコース)の指導的役割を担ってきた方による講演であった。このコースでは、毎年10名から20名程度(定員は18名)の研修員を世界各国から募集する、JICAが実施する課題別研修コースのひとつで長年九州大学が運営を担ってきている。本年11月、コースの実施主体である九州大学地球資源システム工学部門はJICA理事長賞を受賞している。研修希望者も多く、毎年多くの研修生を各国に送り出している本コースであるが、運営資金の担保や宿舎の確保など、教育・研究指導以外の課題も少なくないという。運営経費を維持するためには、最低12名の研修員が必要であり、運営担当者には、通常の教育研究に加えて、本業務をこなす必要があり、このようなコースを長年維持するためには国の理解(資金・人員の支援)が是非とも必要だと思われる。なお、今年度はコロナ禍で研修員が来日できず、残念ながら開店休業状態となった。来年度からの再開を期待したい。 ④は「地熱開発技術の持続性維持に向けた人材育成」に関する国際共同プロジェクトを通じた人材育成プログラム(JST)のリーダー東北大学大学院環境科学研究科長土屋範芳教授による講演であった。このプロジェクトの研究テーマは「熱発光地熱探査法による地熱探査と地熱貯留層の統合評価システム」というものであり、目的は、熱発光現象を利用した地熱資源探査やその他の探査データと組み合わせて、統合的に地熱資源量を評価するシステムを構築、同国の地熱資源探査に資することであり、それらの技術の基礎から応用まで展開できる人材を育成することを目指している。九州大学のコースと比べ、特定の国・特定の研究課題を通じて人材育成を集中的に行うコースである。リーダーの土屋範芳教授は第一線の研究者であり、大学の研究教育の管理者でもある、超多忙の身と思われるが、熱血あふれる情熱の持ち主であり、大きな成果が期待される。 以上4講演とも刺激的なものであった。地球環境時代の中、再生可能エネルギーの一つである地熱エネルギー利用は、国内だけではなく、世界で求められている。若手が地熱に関する学術・技術を継承・発展させてほしいものである。そのためには人材育成が重要である。
2020年12月3日(16:00~18:00)JOGMEC主催の「八幡平沸騰塾第3回」(ウェビナー)に参加した。講演は土井宣夫氏(岩手大学客員教授)による「八幡平の火山・地質」(八幡平火山群の100万年前と1万年前と言われる噴火の様子に加え、最近の火山活動の様子(八幡平地熱発電所の貯留層と火山活動の関係を含めて)に関する講演であった。開始時刻ごろ、急用が入り、後半だけ参加した。それでも、話の内容は大略理解した。小生が総括的に研究してきた九重火山および八丁原地熱発電所との関係をイメージしながら、講演を聞いた。共通部分も多かったがもちろん異なる部分もあった。火山~地熱系を総合的に理解をするためには、研究が進んだ火山~地熱系の詳細な比較研究が必要と感じた。なお、最近、超臨界地熱資源開発に向かう中で、北海道・東北・九州の代表的火山~地熱系で、広域・深部の構造を明らかにする研究が進展しているが、相互の異動を詳細に検討する中で、広域的観点からの地質構造・地球化学データ・深部地球物理学的構造データを統括することによって、広域・深部の火山~地熱系の一般的モデルを観測データに基づいて構築できる可能性があり、大いに期待したいと感じた。
2020年12月3日、本研究所(埼玉県狭山市)で継続観測中の1m深地温であるが、前回本欄で記した11月24日以降も低下モードにあり、11月23日17.00℃、24日16.85℃、25日16.76℃℃、26日16.62℃、27日16.49℃、28日16.31℃℃、29日16.18℃、30日16.01,12月1日15.70℃、2日15.44℃、そして本日3日15.40℃であった。確実に冬に向かっている。
2020年11月27日 当研究所で継続観測中の1m深地温であるが、11月24日からは、冬に向かう低下モードに戻ったようだ。22日16.94℃、23日17.00℃、24日16.85℃、25日16.76℃、26日16.62℃、そして本日27日16.49℃と低下している。
2020年11月26日 当研究所で継続観測中の1m深地温であるが、冬季に向かって低下モードにあったが、11月16日ごろから上昇に転じ、24日ごろから低下モード(24日16.85℃、25日16.76℃、26日16.62℃)に戻ったようだ。過去8年間と比べると2015年(16.95℃)に次いで2番目の高さになっている。ちなみに過去最低地温は2017年の13.83℃である。過去8年間の間に3℃程度の大きな差があることがわかる。熱収支的には、2020年は熱が浅層により多く蓄積されたことになる。
2020年11月21日 当研究所で継続観測中の1m深地温であるが、長期的には低下モードにあったが、ここ数日(11月16日以降)は上昇傾向にあり、本日は昨日(16.61℃)より明瞭に高く、16,80℃であった。この一時的上昇傾向はどの程度続くのだろうか。
2020年11月20日 当研究所で継続観測中の1m深地温であるが11月16日から、低下モードからずれ始め、変動しているが、上昇傾向である。15日は16.26℃であったが、本日20日は16.61℃となっている。11月12日ごろまでは過去8年間で最も低い地温であったが、本日には過去8年間の中位にまで上昇している。なお、今朝の夜明け前は実に見事な全天の朝焼けであった。赤色と青色のコントラストも見事なものであった。
2020年11月18日 当研究所(埼玉県狭山市)で、2012年5月8日以降継続観測中の1m深地温であるが、冬に向かって概ね低下中であるが、ここ3日間ほど停滞あるいはやや上昇傾向が見える。これまでの8年間でこの時期、最低地温を示していた2017年よりは高いが、過去2番目の低地温を示している。ここ数日の停滞・やや上昇傾向は昨年も見られている。ただ、停滞化する時期はやや10日間早まっている。この位相の遅れは一体なんだろうか。温暖化とどんな関係があるのだろうか。
2020年11月17日 15:30~17:40 ENAA主催の第4回地熱発電・熱水活用研究会にオンライン参加した。2講演あり、1番目は「地中熱利用の最前線 -理論と実践-」(北大大学院 工学研究院教授 長野克則氏)と、2番目は「ベースロードジャパンのバイナリー発電所開発状況と今後の課題」(ベースロードジャパン(株)の技術部長 シニアプロジェクトマネージャー 川内伸之氏)であった。長野氏の講演は、残念ながら日本の地中熱利用は停滞気味であるが、世界は第五世代地中熱利用に向かっている。大規模化・大深度化・高密度化が図られているようだ。 川内氏の講演は、バイナリー発電の最近の進歩が紹介された。150kWモジュールで、50MWまで想定しているようだ。当面、個別発電所とボトミングサイクル発電所を目指しているようだ。150kWで50MWを実現するとなると、300台以上のモジュールが必要となる。少し観点を変えて、小規模運転から始める段階的地熱開発を実現するのに有効なシステムではないかと感じた。
2020年11月7日 日本地熱学会令和2年学術講演会は、令和2年11月10日から11月14日までの会期で宮城県仙台市(東北大学)等での開催を予定していましたが、新型コロナウィルス感染症の拡大状況を考慮して、現地での行事開催は中止とし、以下の要領で開催することになった。 期日:令和2(2020)年11月11日  開催方法:日本地熱学会令和2年学術講演会講演要旨集(冊子体 A4版 127ページ)の発行をもって令和2年学術講演会の開催とします。また、同講演予稿集に要旨が掲載された研究発表が行われたものとします。なお、学術講演会に関わる、特別講演、学生ベストポスター・ベストプレゼンテーションコンテスト、研究小集会、見学会、懇親会などのイベントは実施しません。なお、全一般講演97件中、地熱情報研究所関係の発表は以下の2件である。    地球環境セッション:1m深地温観測に基づく地表面熱収支の解明へのアプローチ、 著者:松林 修(産総研)、江原幸雄(地熱情報研)・神谷章夫(レノバ)・西塔幸由(ユニックス)・笹田政克(地中熱協会)・津谷駿介(秋田大)、野田徹郎(産総研)、濱元栄起(埼玉県)・福岡晃一郎(九州ジオフィジクス)・藤井 光(秋田大)・松本光央(九州大)   発電セッション:持続可能な地熱発電を目指して 著者:江原幸雄(地熱情報研)・齋藤 徹(日本地熱協会)。
2020年11月6日 日本地熱学会誌に投稿中の以下の技術報告が受理され、43巻1号(2021年1月号)に掲載されることに決まった。 著者:江原幸雄・藤井 光・津谷駿介・野田徹郎・松林 修・松本光央・神谷章夫・福岡晃一郎・濱元栄起・西塔幸由 題名:1m深地温観測による地球温暖化・ヒートアイランド現象の実証的理解 受理日:令和2年(2020年)11月6日 掲載予定巻号:43巻1号
10月30日付日本経済新聞に『地熱発電』に関する記事が掲載された。「地熱発電 普及にハードル 8年で2割増どまり、新設進まず 地下熱源小さく大型化困難 遠い消費地」など、太陽光(8年で8倍)や風力に比べ、拡大が不十分な地熱発電の現状が紹介されている。筆者(当研究所代表江原幸雄)も電話インタビューを受けたが現状を率直に述べた。残念ながら近年の地熱発電所建設は十分にあるとは言えない。ここ2,3年に大型の発電所が毎年のように建設されてきたが、当面の国の目標「2030年度までに現在の3倍150万kW達成」は難しそうな状況である。場所が決まれば、発電所の建設が容易な太陽光や風力とは異なり、苦労の末場所が決められても(環境省・林野庁の規制は緩和されつつあるとは言え、地熱発電適地と推定されても、認可を受けるまでには、許認可に時間がかかる)、目に見えない地下が対象の地熱発電は開発リスクが大きい。しかしながら、わが国の資源量は発電量換算で、2000万kW以上あり(世界第3位)、発電される出力は、太陽任せ、風任せの太陽光発電や風力発電に比べ格段と安定しており、使い勝手が良く、わが国に恵まれている地熱資源を開発する意義は十分ある。当面は2030年度に150万kW(日本の地熱発電量の約1%)を達成し、2050年~2100年に向けて、日本の全発電量の10%以上を目指したいものである。地熱発電関係者の一層の尽力を期待したい。
2020年10月13日 当研究所(埼玉県狭山市)で継続観測中の1m深地温であるが、このところ明確な低下モードになっていたが、本日13日は一転して上昇した。10月10日20.66℃、11日19.94℃。12日19.61℃、そして本日13日19.71℃。10月に入って曇天が続くが日照時間が、一昨日0.5時間、昨日で5.6時間、10月中では2番目のに長い日照時間であった。ちなみに、8日、9日、10日は日照時間は0時間であった。地表の気温は1日~数日遅れて、1m深に届くが妥当な地温変化だろう。
『93学会「憂慮」表明 「政府、意見に耳ふさぐ」 学術会議人事』 毎日新聞10月11日付朝刊はこう報じている。 日本数学会や日本物理学会など理科系93学会が9日、日本学術会議が推薦した会員候補6人が政府に任命拒否されたことを憂慮する声明を出した。複数の学会トップが記者会見し、「政府は多様な科学者の真摯な意見に耳をふさごうとしている」と危機感を示した。 声明は「会員候補の一部が、理由を付さずに任命されなかったことを憂慮する。対話による早期の解決を希望する」とした。記者会見で日本地球惑星科学連合の田近英一会長(東京大学教授)は「文科系の研究者と政府の問題ではなく、研究者コミュニティ全体で捉える必要がある。学問の自由という普遍的で重要な理念が危機的状況にある」と訴えた。東京大の五神真学長も9日、「学術会議のおかれた状況が早く正常化し、役割を果たすことができるよう、同会議からの要請に対する真摯な対応を政府には望みます」とのメッセージを大学ホームページに掲載したという。9月まで会員を務め、現在も連携会員の五神氏は「事態に端を発した混迷は、学術が持つ本来の力を大きくそぐもの」と憂慮。「学術の価値が少しでも多くの国民から共感され、反映・浸透することを切に願っています」とも記した。地学団体研究会も、「違憲・違法な政治介入だ。ただちに任命拒否の撤回を求める」とする声明を出した。⇒深い検討もせず、政府と異なる政治的見解を持つ会員を気分で排除したが、その結果、明確な説明ができず、挙げた手が引っ込められず困っているのが菅首相の本心だろう。首相には学術会議・学問に対する根本的な誤解や誤りがある。誤りに気づいたら正すのが真っ当な人間だろう。それができない菅首相はすでにリーダーとして不適任である。国民が見ている前で、いつまで、誤った片意地を張り続けるのだろう。時間の無駄だ。早急に再考すべきだ。
2020年10月11日 当研究所で継続観測中の1m深地温であるが、最近1週間は1日の日照時間は3時間以下で、0時間の日もあり、天候は曇天で、降雨が多い。その結果、日射により地中へ流入する熱量が減り、一方、地中から大気中へ流出する熱量が増え、1m深地温は急激に低下している。10月5日21.55℃、6日21.53℃(前日より-0.02℃)、7日21.47℃(前日より-0.06℃)、8日21.41℃(前日より-0.06℃)、9日21.15℃(前日より-0.26℃)、10日20.66℃(前日より-0.51℃)、そして本日11日19.94℃(前日より-0.72℃)。
2020年10月9日 当所で継続観測中の1m深地温であるが、ここ2,3日で急激に低下している。10月5日21.55℃、6日21.53℃、7日21.47℃、8日21.41℃、本日9日21.15℃。10月に入って日照時間が大幅に少なく(JMAによると、この1週間で1日10時間以上が1日だけ(2日10.2時間で、それ以外は0~4.8時間)で、地表から流入する熱量が小さく、地中から流出する熱量が増加している。あたかも、秋から冬に入りつつある感じである。今後も、地温変化から気候変化を注目していこう。
2020年10月7日、14:20~16:45 Microsoft Teams による、日本地熱協会令和2年度第2回情報連絡会のWEB会議に参加した。内容は、(地熱発電の)指導官庁による講演と質疑応答「今後の地熱開発に関する政策について」。環境省地球温暖化対策課、自然公園局国立公園課、温泉地保護利用推進室、農水省林野庁治山課、経産省エネ庁資源燃料部政策課、省新部新エネルギー課の担当者。例年1回この時期に開催されるが、それほど新味はなかった。なお、事務局もWEB会議に慣れておらず、スムーズに進行したとは言えない。若手のWEB技術に詳しい人に協力を依頼する必要があるのではないかと感じた。
2020年10月7日 当所で継続観測中の1m深地温であるが、昨日までの4日間はすべて21.54±0.1℃の中に収まり、ほとんど変動がなかったが本日7日は明瞭に低下し、21.47℃となった。今後も地中へ流入する熱量が減少し、地表から流出する熱量が増加し、地温の低下モードが続くだろう。地中での気候(地候?)のターニングポイントか。
『首相「法案批判は無関係」 学術会議任命拒否巡り 理由明言せず(⇒「ほんとうなので、明言したくない」が、本音ではないか。不正直の極み)』 毎日新聞10月6日付朝刊は一面トップでこう報じている。 菅義偉首相は5日、内閣記者会のインタビューで、科学者の代表機関「日本学術会議」から推薦された新会員候補6人を任命しなかった問題を巡り、6人が安全保障法制や「共謀罪」創設など、安倍前政権の重要法案について批判的な立場だったことは「一切関係ない」と述べたという(⇒本人が一切関係ないと言っても信じようがない。自ら、きちんと証明すべきだろう)。だが、6人の任命を拒否した理由については「個別の人事に関することはコメントを控えると明言を避けたという(⇒都合が悪いことには黙る、隠蔽するようだ。現首相は前首相と隠蔽的体質は全く変わらないようだ。今後も都合の悪いことは隠蔽し、ウソをつき続けるのだろう)」。菅首相の、独善的、権力的、強圧的、半民主主義的な性格は、ますます明確化してきた。極めて危険な内閣だ。国民の力で短命内閣に追い込む必要があるだろう。菅首相は出足から国民に背を向けている。
2020年10月6日 継続観測中の1m深地温であるが、10月3日以降本日6日まで、4日間地温はほぼ一定。3日21.55℃、4日21.53℃、5日21.55℃、そして本日6日21.53℃。地中への流入熱流量と地中からの流出熱量がほぼ均衡していることを示している。
2020年10月3日 当研究所(埼玉県狭山市)では2012年5月8日以降、所内で1m深地温の継続観測を行っているが、今秋の温度低下は極めて滑らかである。特に9月17日(24.42℃)以降本日10月3日(21.55℃)まで単調減少で日ごとの低下率は約0.18℃である。一方、気温も大略的には低下傾向を示しているが、日ごとに増減を繰り返している(9月16日22.6℃、17日23.9℃、18日25.8℃、19日23.0℃、20日20.3℃、21日20.5℃、22日21.4℃、23日19.0℃、24日18.1℃、25日18.7℃、26日17.5℃、27日18.6℃、28日20.2℃、29日18.2℃、30日18.3℃、10月1日18.0℃、2日19.6℃となっている)。このような変動を見ると、地球の表層温度の長期変化(経年変化)を見るためには1m深地温観測の有効性が見て取れる。
2020年10月2日 JOGMEC主催の第4期 沸騰地熱塾オンライン(18:30~20:45)に参加した。講師は新妻弘明東北大学名誉教授で、テーマは「地域のための地熱資源利活用」であった。新妻教授提唱の「EIMY」をさらに展開し、地域における地熱資源活用がどうあるべきかを論じた。新妻教授は著書「地産地消のエネルギー」(NTT出版、2011)および「科学技術の内と外」(東北大学出版会、2019)で、これらに関する基本的な考えを発表されているが、今回は、その集大成とともに、その見解を時間的にも空間的にも広げた見方を示された。地域外から地域に入る研究者・技術者に一定の心構えを示している。重要な指摘であると思われる。ただ、地域という視点(例えば自然湧出温泉レベル)からは完結しているが、より広い日本(国レベル)でみると、必ずしも同意できない面もあるとの印象を持った。
2020年9月30日 自然エネルギー財団はそのHPを更新し、「自然エネルギー 統計」の中で、地熱発電に関し、日本(設備容量と発電量推移)及び世界(2019年時点の国別累積導入量)の最新データを紹介している。 日本の設備容量(発電容量)(万kW)に関しては、54万(2010)、54万(2011)、52万(2012)、52万(2013)、51万(2014)、51万(2015)、53万(2016)、47万(2017)、53万(2018年)、53万(2019)となっている。2011年・12年の54万kWに対し、2012年~15年は低下したが、その後ほぼ一定(51万~52万)、2015年~17年にかけて低下傾向(51万~47万)、2017年から2018年・19年にかけて、上昇(53万kW)に転じている。2011年・12年以降新設の発電所がなく、一方、森地熱発電所および柳津西山地熱発電所が発電端出力(設備容量)をいずれも半分程度に減らしたことが主な原因であり、2018年・2019年の増加は新規大型地熱発電所が運転開始したことによる。一方、発電量に関しては2012年~15年はほぼ一定(26億kWh)であったが、2015年~16年低下(26~25憶kWh)、その後安定(25憶kWh)となっている。なお、これは地熱発電所の多くで、設備利用率が低下し、発電量が減少したものである。このことは持続可能な発電が多くの地熱発電所で実現されていないことを示している。残念なことである。発電量(設備利用率)の減少が続く地熱発電所は、各発電所における「持続可能な発電出力」の再確認を行い、設備容量の最適化を図り、設備利用率を高める努力が必要である。それとともに、大規模地熱発電所を継続的に新設していくことが望まれる。また、2019年度末時点の国別の累積発電出力導入量は、日本は世界10位(0.5百万kW)である。アメリカが1位(2.6百万kW)、2位インドネシア(2.1)、3位フィリピン(1.9)、4位(トルコ)、5位ニュージーランド(0.9)、6位メキシコ(0.9)、7位ケニア(0.8)、8位イタリア(0.8)、9位アイスランド(0.8)となっている。日本は1990年代半ばに0.5百万kWで世界第5位に入っていたが、その後新規発電所の運転開始がなく、一方、インドネシア、トルコ、ケニア等は国策として力が入れられ、新規発電所が次々と作られ、発電出力を伸ばし、日本を抜き去っている。日本の地熱発電にはいっそうの奮起が望まれる状況にある。
2020年9月29日 当研究所では2012年5月8日以降、所内で1m深地温の継続観測を開始以来、本年2020年9月26日以降本日9月29日まで、連続で、過去8年で最低地温を記録している。ここ数日例年に比べ日射による地中への熱の流入が減少し、地中から地表面を通って大気中に流出する熱量が増加していることになる。これは、長期的に見て、1つの重要な現象であろう。
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