地熱情報研究所

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 2021年8月22日 当研究所(埼玉県狭山市)で連続観測中の1m深地温であるが、最近雨天・曇天が続き、低下傾向であったが(8月13日25.3℃、14日25.1℃、15日24.7℃、16日24.2℃、17日23.7℃、18日23.6℃、19日23.4℃)、ここ2日ほど晴天が続き上昇傾向となった(一昨日20日23.4℃、昨日21日23.6℃、本日22日23.8℃)。今後気温が上昇し、残暑が続き、地温も上昇が続くか。
 2021年8月14日 毎日新聞8月14日付夕刊はこう報じている。『今年7月「史上最も暑い月」』と報じている。 米海洋大気局(NOAA)は13日、今年7月の世界の平均気温(速報値)は約16.7℃で、1880年の観測開始以降で最も暑い夏だったと発表した。過去最も暑かった16,19,20年各年の7月を0.01℃上回ったという。ということは16年16.6℃、19年16.0℃、20年16.0℃、21年16.01℃となる。ちなみに当研究所が継続観測している1m深地温の7月の平均地温は、16年22.74℃、19年21.50℃、20年21.82℃、21年22.52℃であり、過去3年間で見ると上昇傾向で同様である。なお、NOAAによると、アジアで7月の観測史上最も高温だったほか、欧州は史上2位、北米は6位、アフリカは7位、南米は10位だったという。さらに検討する必要があろう。

 2021年8月9日 11:30~13:30  自然エネルギー財団Webinar「2030年持続可能なエネルギーミックスはどうあるべきか」に参加した(本来は8月5日15時~17時に開催されたものであったが、来客のため視聴が不完全であったので改めて視聴)。総合司会 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事。以下の4題の講演後、総合ディスカッション(モデレーターは 高橋 洋 都留文科大学 地域社会学科 教授)。

1)政府のエネルギーミックス案は世界をリードできるのか  大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長。2)自然エネルギーの可能性:太陽光発電と風力発電を中心に 木村啓二 自然エネルギー財団 上級研究員。 3)原子力発電の行き詰まり 大島堅一 龍谷大学政策学部 教授。4)石炭火力を問う 平田仁子 気候ネットワーク 国際ディレクター/理事

政府の第6次エネルギーミックスは中身がないまま、菅首相が2050年カーボンニュートラル突然打ち上げたことから始まってたもので、今回の6次エネルギー基本計画で初めて中身が出された。しかし、原発と石炭火力を温存したままで、数値合わせをしたもので、実現性に欠け、とても世界をリードできるものではなく、世界と逆行していることが明らかにされた。石炭火力延命は世界の動向に全く反しており、原発もコスト的に、将来を含めて全く問題にならず、世界の動向とはまったく相いれないものである。また、実現しない将来技術に賭けるという将来展望に全く欠ける状態になっている。政府の提案は、実現しない目標、世界の動きとは完全に背を向けた方向となっており、すぐ行きつまり、近いうちに抜本的に変えざるを得ないことになろう。REの行き方は、世界の潮流を把握しながら、限定された政府目標とはかかわりなく、再生可能エネルギー100%を目指すということだ。REの中で、太陽光発電・風力発電が進展していく中で、地熱発電の立ち位置が難しくなっている。最低限政府の2030年度目標は達成しなければならないだろう。地熱発電事業者の一層の尽力を期待したい。

 2021年7月30日15:30~17:00 自然エネルギー財団主催のWebinar「自然エネルギー100%時代の電力システム」に参加した(登録者は1000人を超えたという)。このWebinar開催の背景は以下のようなものである。・・・日本においても太陽光発電が遠からず最も安価な電源となることが明らかになる中で脱炭素社会の実現に向けた自然エネルギーへの期待が高まっている。一方で、太陽光発電や風力発電といった変動型が増えると電力供給の安定性が損なわれ、安定性確保のためのコストが激増するという主張が行われている。 
一方、自然エネルギーで先行する欧州などでは、大量の変動型電源を安定的に電力系統に統合することが可能になっている。・・・
今回のWebinarでは、自然エネルギー財団のトーマス・コーベリアル財団理事長、また長らくABB社において、送電線ビジネスの第一線で活躍し、現在では蓄電池・グリーン水素など欧州の脱炭素ビジネスを牽引するInnoEnergy社の産業戦略エクゼクチィブとして活躍するボー・ノーマーク氏を講師に迎え、欧州の経験を紹介してもらうものである。
プログラムは報告1でトーマス・コーベリアル氏による「自然エネルギー100%で電力コストは高騰するか」。報告2ではボー・ノーマーク氏による「蓄電池が電力システムを変える」。報告1では世界の電力システム関する多くの経時データに基づいて「自然エネルギーのコストは今後も下がり続け、高騰することはない」と断言した。報告2では、将来の電力システムのポイントは蓄電池だとした。蓄電池コストも将来的に下がり続けるとした。⇒これらの報告を聞くと日本のエネルギー・電力システムは欧州に比べ完全に周回遅れで、守旧的な考えに支配されていることが改めて指摘された。日本はこの分野でもガラパゴス化しているということだ。再生可能エネルギー100%を目指して、展開しない限り、日本は世界から取り残されるだろう。守旧勢力はそれに気が付かず、ことさら否定する材料探しに躍起になっていると言えよう。日本は再生可能エネルギー100%を目指す中で、産業構造も革新しなければ、国力は廃れていくだろう。そのためには基盤となっている「政治」の変革が必要だ。したがって、次期総選挙は重要である。日本の新しい未来創造を目指して。
 
 
2021年7月26日(月)17:00~20:30 京都大学再生可能エネルギー経済学講座が主催するWebinar「再エネ講座公開研究会」に参加した。テーマは昨年12月から本年1月の約3週間の期間、(20倍を超えて)異常に電力価格がに高騰した問題の原因や各電力会社や電力調整の公的機関の対応、今後の対策等外国の例も取り入れながらディスカッションされたものである。プログラムは2部構成。第1部は「電力価格高騰問題について」。
話題提供者1 三宅成也氏(みんな電力)「電力価格高騰問題の振り返 
       りと新電力のこれから」20分。
話題提供者2 安田 陽氏(京都大学)「電力価格高騰問題の構造と本
       質的原因」20分。
その後、約40分間のディスカッション。
 
第2部は「電力市場改革について」。
話題提供者1 諸富 徹氏(京都大学)「電力価格高騰と電力市場改革  
       のありかた-イギリス・ドイツの電力市場改革から学
       ぶ」20分。
話題提供者2 東 愛子(尚絅学院大学)「デンマークにみる調整市場 
       の役割」20分。
その後、約40分のディスカッションがあった。講演者と質問者との間では詳細なディスカッションがなされた。
 
最後に、ディスカッションのまとめが 山家公雄氏(京都大学)により行われた(30分程度)。本討論会は「再エネ講座研究会」としてとして開催されたもので テーマごとの講演者が指定され、また質問等もしかるべき専門家(事前に講演内容を理解し、質問・意見等をまとめておく)が発言し、講演者とのディスカッションで理解を深めるものであり、Webinar 参加者には質疑の時間はなかったが、ディスカッションの内容は深められたと思われる。また、Webinar参加者の理解も深まったと思われる。このディスカッション方式は、テーマを絞り、散漫にならず、的を得た質疑がなされ、研究を深めるという点では、意義のある手法と思われた。なお、このWebinarは後程、京大再エネ講座から公開される予定である。関心ある方は「京大再エネ講座」のHPから訪れることができる。
 
        
 2021年7月21日 15:30~17:10 ENAA主宰のオンライン 2021年度地熱発電・熱水活用研究会 に参加した。講演は以下の2件があった。(1)松之山バイナリー発電所と地域振興の紹介 松之山温泉合同会社まんま 柳 一成 氏、(2)小国町における地熱開発の取り組み-行政と事業者による温泉活用協議会- 小国町役場 政策課 地域振興係長 長谷部大輔氏。
 2021年7月19日 気象庁によると、四国地方も梅雨が明けたとみられ、今夏の梅雨明け宣言は全国に出されたことになる。本日は関東地方、東北南部で多くの地点で35℃以上の真夏日になっている。日本列島は本格的な夏に入ったことになる。
 2021年7月19日 10:00~12:05 環境省主宰の「令和3年度地域共生型の地熱利活用に向けた方策等検討会(第1回)」のオンライン会議を傍聴した。議事は「地域共生型の地熱利活用に向けた温泉法及び自然公園法の運用等に係わる論点について」であった。扱われた内容は2012年以降、繰り返し議論された内容だが、環境省のサボタージュにより、実質的展開はほとんどなかった。環境省は、地熱に関し、内閣府規制改革会議で、改めて宿題を出され、次回規制改革会議までに、環境省として「再生可能エネルギー利用促進」の中で「地熱発電の利用目標量」を改めて問われている。尻に火がついている環境省がどれだけ数値が積めるか。環境省は規制だけでなく、地熱の「利活用」への方向性を明確化することが求められている。どんな数字が出てくるか注目しよう。
 2021年7月18日12:00~17:00 本年3月九州大学を定年退官し、同4月からJICAシニアアドバイザーを務めているW氏と、都内で、地熱に関する情報、大学情報等意見交換をした。非常に有意義なひとときであった。
2021年7月16日 気象庁は本日16日、関東甲信地方と東北地方が梅雨明けしたとみられると発表した。平年と比べて関東甲信は3日、東北南部(福島、宮城、山形)は8日、東北北部(青森、秋田、岩手)は12日早かった。気象庁によると、関東甲信、東北地方のいずれも向こう1週間は高気圧に覆われ、晴れる日が多いという。
 2021年7月13日 15:00~18:00 読売新聞東京本社 編集局科学部 記者 服部牧夫氏による地熱発電に関する全般的な取材を受けた。拙著「地熱の本」を事前に読んでもらっていたので、話しやすかったし、理解もしてもらえたと思う。
 2021年7月9日13:30~15:00 自然エネルギー財団主催のWebinar「日本のエネルギー政策は脱炭素を実現できるのか」にオンライン参加した。報告は3名の財団関係者からであった。以下に示す。(1)日本のエネルギー政策の論点ー規制改革タスクフォースの議論から見えてきたもの 事務局長 大林 ミカ氏、(2)2050年自然エネルギー100%をめぐる論点 シニアマネージャー(気候変動)西田裕子氏、(3)企業の自然エネルギー調達の課題 シニアマネージャー(ビジネス連携)。いずれもホットな話題で興味深かった。日本も50年ネットゼロを政策に掲げたが、その中身は不明確である。石炭火力・原発のフェーズアウトが既存だが、そこは曖昧にしたままである。自然エネルギを増やすためにも、この2点は発揮させなければならない。なお、講演後のアンケートで、規制改革会議での尽力を要望した。なお、ウェビナー参加者は1000人を超えたという。今後ともいろいろな企画があるようで、できるだけ参加したい。自然エネルギーの中では、太陽・風力が導入も圧倒的であるが、地熱も存在意義を主張したいものである。そのためには発電所の新設が望まれる。
2021年7月7日(水)14:30〰16:30、日本地熱協会2021年度第2回情報連絡会(Teams On Line)に参加した。4つに分けて、情報提供がなされた。(1)JOGMECからの情報提供①JOGMECのカーボンニュートラルに向けた取り組み・地熱統括部の新たな取り組み(JOGMEC カーボンニュートラル推進本部 地熱チーム チームリーダー 中村英克氏)、②JOGMEC 地熱統括部 地熱事業部 開発課 課長代理 小別当隆一氏、(2)地熱協会からの情報提供 ①温泉モニタリングと地熱保険のアンケート結果の紹介 地熱協会 副運営委員長 北尾浩治氏、(3)①大岳地熱発電所の更新工事の概要 九州電力(株)エネルギーサービス事業統括本部 火力発電本部 地熱企画グループ 課長(東京駐在)吉開秀樹氏 (4)運営委員会及び専門部会報告 地熱協会 運営委員長 上滝尚史氏・同事務局長 斎藤 徹氏。
 2021年7月6日 当研究所(埼玉県狭山市)で継続観測中の1m深地温であるが、梅雨入り(6月15日)後、曇天・降雨が続く中、上昇のトレンドは見られず、平均20.90℃(20.55℃~21.15℃)で変化がほとんどない。ただ、数日程度の線形上昇・線形下降は存在するようで、72候の反映もみられて興味深い。
 2021年6月29日 13:30~15:25 地熱学会内研究集会の地球環境と浅層熱収支に関する研究会のオンライン小集会に参加した。プログラムは以下の通り。
1.基調講演 「1m深地温研究の現在そして将来への思い」(江原幸雄)
2.日本各地における研究
(1)秋田市1m深地温モニタリングの結果と考察(秋田大津谷、藤 
   井)
(2)戸田と小田原の地下温度データの紹介-数値解析の試み(濱元・ 
   埼玉県国際環境研究センター、宮下氏・神奈川県温泉地学研究 
   所、松林氏(元産総研))
(3)銚子市内における地温モニタリングの結果と考察(松林氏)
(4)坑井テストに対応するアナログ実験について(九州大学・松本
   氏)
 
小規模で全員がオンライン参加で質疑・応答が活発であった。オンラインもこのように使えば有効であろう。
 2021年6月24日 当研究所(埼玉県狭山市)では2012年5月8日以降所内で1m深地温の継続観測をしているが、特に梅雨入りした以降、地温は変動的である。6月15日以降の1m深地温は15日20.88℃、16日20.93℃、17日20.99℃(ここまでは地温は上昇モード)、18日20.94℃、19日20.74℃(一時的に低下モード)、20日20.85℃(上昇)、21日20.78℃、22日20.78℃、23日20.78℃(3日間一定)、そして本日24日20.55℃(低下)。このような不規則な変動を起こしているのは、梅雨空で日射が少ないこと、風雨が一時的にせよ強まること等、地表面付近の微気象的効果が働いているのだろう。詳細に解明するには微気象観測が必要になるだろう。
 2021年6月23日 当研究所で継続観測中の1m深地温であるが最近3日ほど、一定の20.78℃が続いている。梅雨空が続く中、地中への流入熱量と地中からの流出熱量がバランスしているようだ。
2021年6月21日 今日は夏至 北半球で一番昼の長い日。当研究所(埼玉県狭山市)で継続観測している1m深地温であるが、本日は20.78℃で昨日20日20.85℃から若干下がった。今日は梅雨間の晴れ間のようで地中への日射量も増えるだろう。後日、その影響は現れるだろう。
 2021年6月20日 当研究所で継続観測中の1m深地温であるが、梅雨空が続き時折雨が降り、変動をしているが、本日20日は昨日より上昇した(6月16日20.93℃、17日20.99℃、18日20.94℃、19日20.74℃、そして本日20日20.85℃)。上昇モードに転じるか。
 2021年6月18日 当研究所で継続観測中の1m深地温であるが6月上旬以降盛夏に向かっての順調な上昇モードにあったが、本日6月18日はやや低下した。6月16日20.93℃、17日20.99℃、そして本日18日20.94℃。昨日午後の急激な強いにわか雨、強い風が渦拡散や蒸発で大気中に熱を放出した結果か?
 2021年6月11日 日最高気温は6月8日31.1℃、9日30.8℃、10日30.2℃と3日続いて真夏日となり、強い太陽放射による地中への熱の流入も増え、1m深地温は6月8日19.49℃、9日19.67℃、10日19.88℃、そして本日11日20.09℃と1日当たり約0.2℃の急上昇となっている。本日11日も猛暑が予想されており、地温も急上昇するか。
 2021年6月10日14:00~15:30、地熱技術開発株式会社主催の2020年度第4回地熱研究会の完全オンライン開催に参加した(参加登録者は82名ということで、この種の地熱に関する研究会では80~100名は参加するようである)。2つの講演があった。1つ目の講演は、「配管内のスケール成長・腐食進行現象の予測技術開発」(京都大学大学院 工学研究科 社会基盤工学専攻 教授 三ケ田 均氏):通常、スケール。腐食問題は、化学的観点からなされてきたが、「流れ」という観点からの解析には新鮮味を感じた。スケールおよび腐食に関する物理的考察の有効性を理解したが、化学的考察も加味することによって、スケール成長・腐食進展のメカニズム解明・予測が総合的にかつ数値的にできるような見通しが持てた。今後の進展を期待したい。 2つ目の講演は「JOGMEC地熱資源の活用による地域の産業振興に関するモデル地区:湯沢市における地熱開発の取り組み」(湯沢市総務部 企画課 企画政策班 班長 小山 貢氏) 湯沢市は、地熱開発利用先進地域であり、JOGMECによる産業振興に関するモデル地区に選定され、それにかかわる諸活動の紹介であった。ただ、採択後、コロナ禍のため、他地域との交流活動は残念ながら不十分で、コロナ収束後の交流活動を期待したい。2つの地熱発電所があり、3地点の開発調査が進んでいる。熱水の利用も多岐にわたっており、今後とも他の地熱地域へ、刺激を与えていってほしいものである。
 2021年6月9日 当研究所で継続観測中の1m深地温であるが、6月に入って上昇モードが続いている。5月31日18.73℃、6月1日18.82℃、2日18.84℃、3日19.00℃、4日19.10℃、5日19.21℃、6日19.29℃、7日19.39℃、8日19.49℃、そして本日9日19.67℃。
 2021年6月5日 梅雨入りの宣言がなされない中、梅雨空が続くが、地温は5月30日以降、上昇モードが続いている。5月30日18.64℃、31日18.73℃、6月1日18.82℃、2日18.84℃、3日19.00℃、4日19.10℃、本日5日19.21℃。そこで駄句を一句「梅雨最中(さなか) 一段と増す 紫陽花色」。
 2021年6月1日 NHK札幌放送局から地熱発電に関するWeb記事(今回は、特に地熱発電と温泉との関係)が配信されました。当研究所では、情報提供とコメントを提供しました。ご関心のある方は以下のURLをご覧ください。
 

 

 
 2021年5月31日 当研究所で継続観測中の1m深地温であるが、一時的に低下モードにあったが本日5月31日は上昇に転じたようだ。5月27日18.61℃、28日18.71℃、29日18.65℃、30日18.64℃、そして本日31日18.73℃となった。
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